クラス/【レンジャー】

Last-modified: 2020-11-03 (火) 22:35:01

原語は「Ranger」。読みはレンジャー、あるいはレインジャー。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、レンジャーは、元々はドイツで言うところの猟兵のような兵種で、「徘徊する者」の意味が由来。現在では様々な部隊・組織の隊員・職員を指して称される。森林の警備員から陸軍兵の選抜エリートまで意味合いは広い、とのこと。
ファンタジー作品では「野伏」と訳される事が多い。作品によってある程度の能力・技術に差異が見られる。クラスとしてのシーフローグが存在しない作品では、そういったクラスに替わる存在だが、だいたいの作品では野外での戦闘や探索、偵察を得意とする存在となっている。また、野外での活動が得意ということで、弓などの飛び道具(ミサイルウエポン)を得意とする場合が多い。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

レンジャーは剣だけではなく、知恵にも頼って生きる存在である。猟師であり、森で生きる者なのである。歴史及び伝説上のレンジャーとしては、ロビンフッド、オリオン、巨人殺しのジャック、ディアーナの女猟士などがいる。レンジャーは追跡、偵察の技術に優れており、森林の知識が豊富である。

AD&D第2版日本語版「プレイヤーズハンドブック」28ページより

ウォーリアー系クラスのひとつ。第2版の日本語版では「野伏り」と訳されている。
野外、特に森林での行動を得意とする戦士。鎧なしか軽い防具を着けている時限定で二刀流の能力を得るという、一風変わった戦闘スタイルを持つ。
レンジャーを選択可能な種族は、人間エルフハーフエルフアライメントはグッド(善)に限定されるが、ローフル・ニュートラル・カオティックは問われない。必要能力値はインテリジェンスカリスマ以外の4つ。
基本的に全ての武器、防具を使用可能。ただし、レンジャーの一部の特殊能力を活用するためには防具がスタテッドレザー以下の重さの鎧に限られる。
能力と制限は以下の通り。

  • 片手武器2つを両手にそれぞれ装備して攻撃しても命中判定にペナルティを受けない(防具がスタテッドレザー以下の鎧まで限定)。
  • シーブズスキルのハイドインシャドーとムーブサイレントリーを一定確率で使用可能(防具がスタテッドレザー以下の鎧まで限定)。ただし自然の中でなければ成功率は半減する。
  • 一般技能の「追跡」を最初から習得しており、経験レベルが3の倍数に達する度に成功率が+1されていく。
  • 2レベルに上がる前に、レンジャーは森林をはじめとする自然の敵となるモンスターを1種、「敵」を決める。その敵意は隠しきれないもので遭遇時の反応チェックにペナルティを受けるが、その「敵」に対しては命中判定にボーナスを得る。
  • 限定的な動物へのテレパシー能力。野生・調教済みを問わず、動物に対して遭遇時の反応チェックの結果を好意的な段階へとシフトさせることができる。
  • レンジャーは独りでいることを好む。8レベルまでは部下や傭兵、召使いなどの部下を雇うことができない。また、財宝は自分で持って旅に出られる分だけに制限される。
  • 8レベルに達すると、アニマル、プラントのスフィアーのプリースト呪文を使用可能。ただし、プリーストクラスのマジックアイテムやスクロールを使えるようになるわけではない。
  • 10レベルに達すると、複数の部下がやってくる。やってきた部下はキャラクターに友好的かつ協力的だが、その関係を維持できるかどうかはその後の行動次第。
  • 善としての行動規範があり、邪悪な行動を意図的に行った者はレンジャーとしての地位と能力を失う。本人が意図せずに、あるいは強制的に邪悪な行為をさせられた場合は、それを償うまで経験点を得られなくなる。

オフィシャルD&Dマガジン22号での「DREAMER'S LOG 夢見録」では、AD&Dでのレンジャーをロールプレイする時に注意する点は「社会性を気にかけない」ことだとし、レンジャーとは「文明の利器を身にまとった、文明化されたターザン」とイメージしている。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

属性、種族制限共になくなっている。
ヒットダイスはd10。技能数は普通で基本値は4。クラス技能の種類はローグバードに次いで3番目に多い。
全ての単純武器と軍用武器、軽装鎧、中装鎧、盾に《習熟》している。セーヴィング・スローは頑健のみ良好で、反応と意志が低い。
得られる特殊能力はAD&D第2版に近いが、一部が変更されている。
能力は以下の通り。

  • ボーナス特技として《追跡》を得る。
  • 「得意な敵」を設定する。1レベルと、5の倍数レベルの達する度に新たに「得意な敵」を追加する。「得意な敵」に対しては一部技能にボーナスを得る他、ダメージに+1のボーナスを得る。
  • 軽装鎧以下の防具を身に着けている時に限り、《両手利き》《二刀流》の特技を得る。さらに9レベルに達すると《二刀流強化》を得る。
  • 4レベルに達すると、【判断力】が11以上であればレンジャー呪文を使えるようになる。

相変わらず二刀流重視の野外戦士だが、パラディンファイターに比べると戦闘能力を始め、総合力で見劣りするためか、後に第3版の主要スタッフの一人であるモンテ・クック?により強化案がネットで公開された。公開された強化案は後に3.5版に反映された。

ダンジョンズアンドドラゴンズ第3.5版

上記の通り、モンテ・クックの強化案が反映されており、第3版よりかなり変更されている。
第3版との変更点は以下の通り。

  • ヒットダイスがd10からd8へと弱体化。
  • 反応セーヴが強化された。
  • 「得意な敵」に対するダメージやスキルボーナスの基準値が+2となった。
  • 動物の態度を軟化させる、野生動物との共感が追加。
  • 戦闘スタイルの選択が可能になった。選択肢は従来の二刀流か、弓に特化した弓術で選択に応じた特技を得る。いずれも軽装鎧か鎧なしの状態のみ使用可能。レベル6と11では選択に応じて追加の特技を得る。
  • レベル3で《持久力》の特技を得る。
  • レベル4で動物の相棒を得る。
  • レベル7で森渡りにより、藪や茂みをペナルティなしで移動できる。
  • レベル8で迅速なる追跡により、ペナルティなしで移動しながら追跡可能。
  • レベル9で身かわしを得る。
  • レベル13では自然環境下であればどんな所でも〈隠れ身〉技能を使える。
  • レベル17になると、自然環境下であれば衆人環視の中でも〈隠れ身〉が使える。

モンテ・クック?の強化案と比べると、1・4・7・10・13・16・19レベルで得るボーナス特技を失っている。代わりに、動物関連や追跡、〈隠れ身〉技能の強化を得た。