クラス/【バード】

Last-modified: 2023-05-03 (水) 04:10:48

原語は「Bard」。訳語は吟遊詩人。
各地を放浪しながら詩や曲を歌う人のこと。ケルト人社会や中世ヨーロッパに実在した他、古代ギリシャのホメロスや日本の琵琶法師もこれに当てはまるとされている。
ロールプレイングゲームでは比較的有名な職業で、アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ第1版から存在している。ソードワールドRPGのバード技能では専用の魔法効果を発揮する「呪歌」を操る。またコンピュータRPGでも「バーズテイル」シリーズ、「ウルティマ」シリーズ、「ファイナルファンタジー」シリーズなどに登場している。特にバーズテイルは魔法効果のある歌を発動させるとBGMが変わったりする。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ第1版

第1版ではケルト人社会でのバードを意識した設定となっている。
必要能力値ストレングスデクスタリティウィズダムカリスマが最低でも15、インテリジェンスが最低12、コンスティテューションが最低10以上を必要とする。
種族制限は人間ハーフエルフのみ。
アライメントはローフル・カオティック・グッド・イービルのいずれかでもよいが、どちらかに必ずニュートラルが入っていなければならない。
第1版のバードは1レベルの開始時からなれるクラスではなく、ファイターからゲームを開始しなくてはならない。ある程度のレベルに達した後にシーフへと転向してレベルを上げた後にドルイドの元で聖職者としての修行を終えることで初めてバードになることができるという、デュアルクラスルールが前提のクラスとなっている。本来ハーフエルフは人間と違ってデュアルクラスはできないし、そもそもバードに要求される最低能力値ではデュアルクラスを行うために必要な能力値には足りていない。まぁ、バード志望者前提の例外なのかもしれない。
バードとしての命中判定やST判定値は、以前に経験したファイターやシーフの数値と比較して有利な方を使うことができる。シーブズスキルは以前経験したシーフの数値を使う事が出来るが、バードに転職後は成長できない模様。
呪文ドルイドの呪文を使うことができる。ただし使える呪文レベルは最高でも5レベル呪文までしか使えない。また魔法的な効果を持つ歌を唄うことができる。
なおバードの楽器は弦楽器と決まっているらしい。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ第2版

歴史的にバードというのは、ケルト人の詩人の特定グループのことであった。自分たちの部族の歴史を長い詩にし、音楽に合わせて語ったのである。主としてアイルランド、ウェールズ、スコットランドにいて、社会の中で大きな役割を果たした。部族の歴史の語り部であると同時に、最新情報の報告者、メッセンジャー、他の部族への外交官でもあったからである。

AD&D第2版プレイヤーズハンドブック日本語版41ページより

第2版ではローグ系に属するクラスとなっている。自分の魅力、技術、知識、機転を駆使して立ち回る。その性質からバードは様々な技術、能力を持っている何でも屋的な存在である。しかし、どれも専業のクラスには及ばない。
バードになることができる種族人間ハーフエルフ。必要能力値はデクスタリティインテリジェンスカリスマの3種でどれも12~15は必要となる。さらにアライメントは極端ではなく、どちらか片方はニュートラルを含んでいる必要がある。
ヒットダイスはd6、最大10d6。11レベル以降は+2となる。一般技能は3ポイント、武器技能は2と少ない。ただしプレイヤーが選んだ楽器1つの演奏技能は最初から持っている他、追加で演奏技能を取ることで2つの楽器を選ぶことができる。
使用可能武器の制限はない。防具はチェインメイルまでなら着ることができるが、シールドは使えない。また、鎧を着用すると呪文の発動が阻害される可能性がある点に注意。
バードは2レベルになるとウィザード呪文を使用可能になるが、最初に得る呪文は1~4つに限定される上にレベルが上がっても自動的に新しい呪文を習得する事ができない。ただしバードは「リード・マジック」の呪文の効果なしでも呪文の書に書かれた呪文を理解することができる。呪文は最大6レベルまで習得可能だが、使用回数は各レベルで最大数4までと少ない。
バードはシーブズスキルのうち、クライムウォール・ディテクトノイズ・ピックポケット・リードランゲージの技術を習得している。
他に、バード特有の特殊能力として以下を使用可能。

  • インフルエンス・アザーズという、演説や演奏、歌唱などで戦闘状態に入っていない聴衆の感情を変化させる技術がある。これを利用して3ラウンドを費やすことで味方の命中判定やST判定、士気にボーナスを与えることができる。他に、他者による魔法の歌や説得の効果を打ち消すこともできる。
  • バードは旅や書物を通じて多くの事を学んでいる。これにより、母国の読み書きと歴史に関しては技能ポイントの消費なしで習得している。さらに、バードのレベルに応じた確率で入手したマジックアイテムを鑑定することが可能。ただし、鑑定は噂や伝承に基づいたものになる。
  • 10レベル以降、スクロールや書物などの文字の書かれたマジックアイテムを使うことができるようになる。ただし不完全な知識のために15%の確率でまともに機能せず誤作動してしまう。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

第2版の仕様にある程度近いクラスだが、種族や能力値による制限はなくなっている。また秩序の属性とは相いれないと規定された。
ヒットダイスはd6。セーヴィング・スローは反応と意志の2つが良好。技能ポイントの基本値は4だが、クラス技能の種類は多く、振り分けには頭を悩ませることになる。習熟している装備は全ての単純武器と軽装鎧、中装鎧、盾。ただし、バードは秘術呪文?を扱うため、呪文の発動を阻害する鎧の装備は考えどころ。
ハードの使う秘術呪文?は【魅力】が基準となる。最初は0レベル呪文しか使えないが、最大6レベル呪文まで使用可能。
さらなるバードの特殊能力は以下の通り。

  • 呪歌。「まがうた」と読む。一日にバードのクラスレベルと同じ回数だけ、魔法的な効果を持つ歌を放つことができる。この歌は歌唱だけでなく、演奏やメロディを口ずさむなどでもよい。呪歌の内容は、「勇気を与える」「打ち消しの歌」「ファッシネイト(恍惚)」「自信を与える」「サジェスチョン(示唆)」「偉大な力を与える」があり、ある程度の〈芸能〉スキルのランクを必要とする。
  • バードの知識。旅の間に、他のバードや旅先の人々から多くの雑多な知識を得る。これにより、バードは初めて訪れたはずの土地の事でも何らかの情報を「昔、老師(や他の人)に聞いたことがある」という事にして入手できる可能性がある。

基本的には第2版と同様、何でも屋的なクラス。いると便利だが、いなくても困らないようなタイプ。