モンスター/【オーク】

Last-modified: 2022-08-13 (土) 17:35:52

原語は「Orc」。
由来は諸説あるが、J.R.Rトールキン著作の『指輪物語』で邪悪な人間型生物の種族名として定着した。ただしトールキンは「Ork」と綴る方を好んでいたらしい。ともあれ、以降の様々なファンタジーを題材としたTRPGや小説でしばしば登場している。
『ルーンクエスト』では残虐な食人性の種族で、エルフが退化した種族であること、太陽を嫌うなどの設定が『指輪物語』のオークと同じとなっている。
『ウォーハンマー』シリーズでは緑色の肌を持つ、類人猿に近い体型の種族。他の作品との大きな相違点として、生態としては菌類であり、単為生殖、光合成、繭性成長を行うという設定がある。この性質上、性欲が存在せず、かわりに三大欲求に戦闘欲が存在する。敵が居ない場合、同族内で戦争を開始する異常な好戦性は、これが原因とされている。 『ウォーハンマー40000』では銃火器や宇宙船を運用できたりする。
近年のファンタジー作品ではゴブリンと共に定番の悪役種族。

有名な定番種族のため、メタルフィギュアなどの立体化は数多い。有名だがそれだけにメーカーや原型師によって造形はかなり異なる。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

第4版ではベーシック・ルール・セットで登場。
「醜い人間型生物で、動物と人間の結合した外観である。彼等は夜行性の雑食動物で、地下に住むのを好む為、日光の下で戦う時は命中判定に-1を負う。」と記述されている。邪悪な人間やモンスターをリーダーとする軍勢の兵士となっていることが多い。他の生物を好まないが、部族が大きくなるとオグルトロルを雇っていることもある。


ドラゴンマガジン2号の「はみ出し情報」ではメタルフィギュアを塗装する際の色指定がされている。それによると「(肌は)茶か茶がかった緑、鼻や耳は桃色がかり、持物は気味の悪い色を好む。」とのこと。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版でも表記変更はなし。
種別は人型生物知力7、サイズM。

GAZ10 The Orcs of Thar

未訳。オークをはじめとする人間型種族のためのサプリメントで、ルールセットではモンスターとして設定されている人間型種族をプレイヤーキャラクターとして扱うことができ、高レベルに成長させるルールが載っていた。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでは亜種を含めて表裏2ページに渡って解説されている。

オーク

原語は「Orc」。
序文では「集団で部族を構成し、狩りや略奪で生計を立てる肉食哺乳類の一種である。」と記述されている。
生存のために領土の拡張を常に狙っており、多くの敵と戦争を行っている。戦争相手は人間、エルフ、ドワーフ、ゴブリンが主だが、自分たち以外のオークの部族も敵である。
外見は変化に富んでおり、他種族との混血も頻繁らしい。一般的な肌の色は灰色がかった緑で、剛毛を生やした原人じみた容姿。やや猫背気味で、低く突き出た額と動物のような鼻をしている。歯は犬歯が発達しており、耳は狼に似て短く尖っている。鼻と耳はやや桃色がかっている。目は人間に似ているが、インフラヴィジョンを司る赤い点がある。平均的な身長は5~6フィートで、メスはやや小柄。
平均寿命は40年ほど。妊娠期間は10か月だが、一度に複数の子供を産む。ただし子供の死亡率は高い。
服装は血のような赤、錆びたような赤、マスタードイエロー、黄緑色、モスグリーン、緑がかった紫、黒みがかった茶色などを好む。
古代人間語とエルフ語から派生したオーク語を喋るが、標準語に該当するものがなく、部族によって方言や訛りが激しくなる。またオークの一部には共通語やゴブリン語、ホブゴブリン語、オーガー語を話すことができる個体もいる。
オークは攻撃性の強い種族で、他種族を自分たちより劣る存在と見なしており、他種族を虐待し隷属化することは自然の摂理と考えている。そのためオークを協力させることは簡単ではなく、協力関係を続けることはかなり難しい。また自分たちに有利と判断すれば取り決めや契約を平気で破るし、エルフとドワーフはそもそも交渉の余地がほぼ無い。
オークは家長制であり、縄張りや戦闘経験、富、子供の数が重要視される。メスは子供を産み育てるだけの道具として扱われる。
信仰する神は多いが、主神とされる存在は「巨大な片目のオーク」の姿をしている。
気候/地形は陸地、出現頻度は非常に頻繁、社会構成は部族、活動時間は夜間、食性は肉食性、知能は人間並み、アライメントはLE(ローフル・イービル)、サイズM。
一般的なオークは1ヒットダイスだが、部族のリーダーやその側近、護衛兵などは高いヒットダイスを持つ個体が少なくない。また部族の中にはクレリックに相当するシャーマンや、メイジに相当するウィッチドクターがいることがある。

オローグ

原語は「Orog」。
オーガーの血が混じったと言われる大型のオーク。
外見はオークに似ているが、身長は6~6.5フィートと明らかにオークよりもゴツい。
武器・防具はオークよりも質の良い物を着けていることが多く、オークの部族の精鋭部隊として雇われていることがある。
基本データはオークとほぼ同じだが、知能が高く、ヒットダイスも高い。

ハーフオーク

オークはエルフ以外の人間型生物との交配が可能で、その中でも人間ゴブリンホブゴブリンとの交配例が多い。どの種族との混血にしろ、ハーフオークと呼ばれる。
人間との混血の場合、オークの血の方が強く現れるが、少数の者は醜い容姿の人間として通用する場合がある。
AD&D第2版でのハーフオークはモンスターとしてのデータを持たず、人間たち同様のレベルを有することになる。
人間との混血の場合、両種族からの反感の的になるためハーフオークは両方の社会から爪弾きにされてしまう。この場合オークの社会では優れた実力を誇示することで認められることがあるが、人間社会では容姿を気に掛けない共同体で生活することが多い。
またどちらの社会にも馴染めないハーフオークたちが人里離れた場所で、自分たち独自の共同体を形成していることもある。ただしそういった独自の共同体は余所者に対して非常に用心深い。

関連項目

ハーフオーク(種族)】【オグル】【オーガ