モンスター/【ヒュドラ】

Last-modified: 2023-06-24 (土) 09:50:23

原語は「Hydra」。
ヒドラ、ハイドラ、ヒュドラなどと読む。多頭蛇、多頭竜などと訳されることがある。
元はギリシャ神話に登場する怪物。魔神テュポーンと半人半蛇の女神エキドナとの間に生まれたとされる。
ギリシャ語で「水蛇」の意味を持つHydrosに由来しているが、その姿は9つの頭を持つ蛇。
頭を1つ斬り落としても短時間で傷口から頭が2つ再生するという滅茶苦茶な再生能力を持つ上、中央にある頭は不死であった。さらに体内に猛毒を持つ。吐く息どころか寝そべった跡にまで毒が残るほどの威力で、死後はヘラクレスにより毒矢としても使われた。
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスと戦ったことで有名。頭を切り落とした傷口は火で焼くことで再生不能になり、中央の不死の頭部は切り落とされた上で岩石を乗せられて封じられた。
現代のファンタジー作品でも比較的登場している。複数の蛇の頭を持つ大型爬虫類という部分は共通している。ただし胴体が蛇だったりトカゲのような四足歩行だったり、再生能力や毒の有無などの細部は作品によって異なる。
ただしモンスターとしての基本的な扱いはドラゴンより劣るという設定が多い模様。
メタルフィギュアをはじめとする立体化は昔から各メーカーからされている。大きさは様々で、人間並みの大きさくらいしかない物もあればドラゴン並みに大きい物もある。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットに登場。新和版、ルールサイクロペディア版ともに「ヒドラ」と表記されている。
外見は「ドラゴンに似た体と、5~12本のヘビに似た頭を持つ巨大なモンスターである。」となっており、四肢がある。
基本となる種のデータの他、移動能力と生息域により2つの亜種が設定されているが、毒性のかみつきや火を吐くなどの特別なタイプを使ってよいとわざわざ解説している。後述の通り、ルールサイクロペディア版では再生能力を持つ亜種としてリジェネレイティング・ヒドラが追加されている。
ヒットダイスは頭の数に応じて変動する。また頭の本数ごとに8ヒットポイントを持ち、ダメージを被ると頭が減っていき、ST判定値も低下していってしまう。
攻撃は頭1つにつき攻撃回数1回。移動能力はそれなり程度だが、士気が高い。アライメントはニュートラル。
上述の通り、戦闘開始直後が最も強くダメージによる弱体化がルール化されている珍しいモンスター。
ドラゴンの1種として設定されており、VSドラゴンのボーナスが作用する。
ルールサイクロペディア版では種別はモンスター知力2、サイズLとなっている。またこの版では再生能力を持つ「リジェネレイティング・ヒドラ」が追加された。

シー・ヒドラ

原語は「Sea Hydra」。
ヒットダイスを始めとするルールは基本種と同じ。異なる点は生息域が水中であり、移動方法は四肢の代わりに生えたヒレによる泳ぎになっていること。

フライング・ヒドラ

原語は「Flying Hydra」。
ヒットダイスは上記2種ほど高くないが、コウモリのような翼が生えており空を飛ぶ。飛行速度は遅め。飛行からの急降下攻撃を行えるが、この時は頭3つしか攻撃できない。またそれぞれの頭は人間サイズの生物をくわえて運ぶことができる。ただしくわえた生物1体ごとに移動速度が低下していく。
この種は「たいへん稀な存在」と明記されている。

リジェネレイティング・ヒドラ

原語は「Regenerating Hydra」。
ルールサイクロペディア版で追加された。
ヒットダイスはフライングヒドラ同様、高いわけではない。ただし被ったヒットポイントへのダメージが毎ラウンド急速に治癒する再生能力を有している。再生能力が厄介だがギリシャ神話同様、火によるダメージでは再生能力が発揮できない。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでの表記は「ヒドラ」。イラストは5本頭で、胴体からは4本の足と2~3本の尻尾が描かれている。
通常のヒドラの他に亜種が3種解説されているが、後述するように亜種は全て特殊能力が付加された種であり、クラシックD&D版のような移動能力の面で変わっていることはない。
外見は多数の頭が生えた爬虫類。体長は約30フィートに及ぶ。体色は灰色がかった茶色から濃い茶色。下腹部はより薄く、黄色もしくは茶褐色。目は琥珀色、歯は黄色がかった白。
ヒドラの頭は5~12本で、ヒットダイスTHAC0や噛みつきのダメージは首の数により変動する。
ヒドラは交尾の期間を除き、単独で暮らしている。通常の手段で飼い慣らすことは不可能とされている。
ヒットダイスは個体により変動。移動速度は速くはない。
アーマークラスはそれなり程度しかない。また一定のダメージを被るごとに頭が死んでしまい、攻撃回数が減少する。
攻撃手段は噛み付きだけだが、頭の数だけ攻撃可能。ただし、単独の目標に対する攻撃は4本の首しか行えない。前肢や尻尾による攻撃は記述されていない。
気候/地形は湿地および地底。出現頻度は頻繁。社会構成は独居性。活動時間は常時。食性は肉食性。知能は極めて低い。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズG。

ラーネアン・ヒドラ

原語は「Lernaean Hydra」。
lernaeanは「レルネーの」という意味と思われる。レルネーはギリシャ神話でのヒドラがいた沼もしくは泉のこと。
外見は通常のヒドラと変わらないが、ダメージにより頭が1つ失われても数ラウンドで新しい頭が2本生えてくるという再生能力を持つ。火によるダメージでは再生能力は発揮されない。ただし、頭以外の胴体部などへの攻撃は全く効果が無い。

パイロヒドラ

原語は「Pyrohydra」。
体色は赤みがかっている。「パイロ」の名の通り、それぞれの頭から火を吹く能力を有している。

クリオヒドラ

原語は「Cryohydra」。
cryoは低温の、冷凍のといった意味を持つ連結形。
体色は紫がかった茶色。「クリオ」の名の通り、それぞれの頭から冷気を吹く能力を有している。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

表記は「ヒュドラ」。

関連用語

ドラゴン