【ロンドンフィルハーモニー管弦楽団】

Last-modified: 2023-11-11 (土) 12:59:50

概要

ロンドンを拠点として1932年に設立され、90年以上の歴史を誇るオーケストラ。
【NHK交響楽団】に続いて【交響組曲ドラゴンクエストシリーズ】を録音したオーケストラである。
 
イギリスの5大オーケストラに数えられる名門であり、1980年代に首席指揮者だったテンシュテットによる演奏は未だに根強い支持がある。
クラシック以外では「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどの映画のサントラや、ドラクエ以外のゲームでは「ゼノザーガ」のサントラを手掛けている。
略称は「ロンドンフィル」や原語名の「London Philharmonic Orchestra」の頭文字をとった「LPO」が一般的。
DQファンの間ではロンフィルと呼ばれることもあり、ロンフィルでググるとDQ関連ばっかりだったりする。
 
N響がDQ5を最後にドラクエの録音から引いたのを継ぐ形でSFC版DQ1・2の交響組曲を手掛け、シリーズのDQ1~DQ7を録音した。【すぎやまこういち】の純音楽作品「弦楽のための舞曲I&II」なども録音している。
DQ7を最後にドラクエシリーズから引き(PS版DQ4の新曲は演奏していない)、以降は【東京都交響楽団】がドラクエシリーズの録音を担当することになる。
 
録音環境はN響と比べかなり良い物だが、初期の頃(DQ1・2)の演奏はかなり荒々しい(悪く言えば雑で汚い)印象だった。(元々ロンドンのオーケストラと言えば「ロンドン交響楽団」が世界的名楽団として名高い一方ロンドンフィルは少々粗削りな楽団という立ち位置ではある。)
しかし後年の録音になるほど丁寧な演奏になっており、DQ7は交響組曲DQシリーズでも屈指の名盤の一つとして評価が高い。
 
金管楽器の演奏に独特の味があり、【ハッピーハミング】【パラダイス】など、カジノで流れるジャズ系の曲が非常に上手い。バロック音楽にマッチするイギリスオケの特質に漏れず、バロック的な書法で書かれた城の曲なども素晴らしい(特にDQ4【王宮のメヌエット】・DQ7【王宮のホルン】)。
特にホルンに関しては圧倒的な迫力・切れ味・安定感を誇り、すぎやまも「おそらくヨーロッパで一、二を争う名ホルン奏者。めちゃくちゃ上手いの」と絶賛している。
また、SFC版DQ3の【回想】でのチェロ奏者のエピソード等も有名である(詳細は当該記事を参照)。
 
何と言ってもドラクエ的世界観の本場とも言えるイギリスのオーケストラということもあって、日本のオーケストラではなかなか出せない「中世感」を自然と出せるのが強み。
一方で日本とは違いおそらく奏者達はドラクエ原作を知らない為か、ドラクエ的な「親しみやすさ」とは違う尖った印象のある音であることが多い。それが魅力でもあるのだが前述の通り初期の演奏の荒さもあいまって賛否や好みが分かれやすい傾向にある楽団と言える。
 
ちなみにロンドンフィルの録音のものは二次使用不可とされており、ゲームのBGMにすることはできない。
近年の作品のBGMはその多くがオーケストラ録音になっているが、これらは別のオーケストラのものを使用している。
本編作品で初めてオーケストラ音源を採用したのはPS2版DQ5であるが、ちょうど交響組曲がロンドンフィルから都響へと移行しようとする時期に発売された同作のBGMに、当時既にドラクエから身を引いて久しかったN響による演奏音源が採用されたのも正にこれが理由。
3DS版DQ7でも都響のオーケストラ演奏がそのまま使われているが、名盤と評されるロンドンフィルの演奏が使えないのは非常に惜しい。