【○○○○バーク】

Last-modified: 2024-04-26 (金) 15:09:31

DQ3

【スー】出身の【老人】とパーティキャラ出身の【商人】が提携して作られる町。○○○○の部分はその商人の名前になる。「商人の町」と呼ばれることもある。
英語版での地名はNES版では○○○○ville、GBC版とスマホ版では○○○○burgとなる。
 
シリーズ初の本格的な多段階変化を遂げる、成長する町。
位置はスーから東で、現実世界でいうとアメリカのボストンあたりか。岩山と海に囲まれているため、スーからだと一旦川を下って海岸沿いに回りこまなくてはならない。訪れる際の【ルーラ】の飛び先はスーよりも【エジンベア】【ポルトガ】の方が便利。
 
後述するとおりクリアするためには避けて通れないイベントだが、この町を見つけるのは少々難しい。
スーの老人が場所に関する情報をくれるものの、町・村・祠といった分かりやすいシンボルすらない。
しかし、夜限定ながらエジンベアの大臣がより詳細な情報をくれるし、しかも森の中に1マスだけ草むらがあるといういかにもあやしい地形
ノアニール西の【エルフの隠れ里】の前例もあるため、さすがに近くに来れば気づくはず。
ドラクエに限らず、この時代のRPGではほとんどヒントが無い状態でわずかな情報を頼りにフィールドを探検しながらイベントを進めるのが普通だった。
近年の親切設計のゲームに慣れている新規のプレイヤーには、気付くのは少々難しいかもしれない。
さらにルーラで直接行けないので移動がけっこう面倒である。
 
ちなみにGBC版までの【公式ガイドブック】には商人の町に関する記述は一切ない。
もちろん地図にも表記されていないので、ガイドブックを頼りに冒険をしているプレイヤーではこのようなイベントがあることを知ることができない。
ただ、【ファミコン神拳 奥義大全書】巻の五の「お助け大ヒント拳」というコーナーでは「ある場所で『町をつくりたいので商人を置いていって欲しい』と言われたが、言うことを聞いたほうがいいのか」という旨の質問に対し「もちろん!」と回答し、さらに新規登録した商人でもいいというアドバイスも与えている。
Wii版公式ガイドでは正式に紹介され、「スー東の平原」と呼ばれている。
 
モデルはおそらくイギリスからの入植者が生活した「ジェームズタウン」であると思われるが……やはりというべきか食糧難やインディアンとの抗争(虐殺)が絶えず、かなり酷いものだったらしい。
 
なお、ここでセーブされる関係でエンディング後最初から勇者抜きは(バグ技に頼らない限りは)不可能。
【ランシールバグ】を利用して勇者を外して商人一人にしてここに来ても「商人欲しい」とガン無視される。
また複数の商人がいる場合は隊列の先頭のほうにいる商人を欲しがるようなので、もともと商人のいるパーティの最後尾に新たなLv1の商人を加えて連れて行く場合は渡す商人を間違えないように注意。
後述のようにFC版では間違えたときにリセットでやり直すことができない。

イベント

最初は森に囲まれたただの原野だが、ここに町を作ろうというスーの村出身の老人に商人をくれと頼まれる。
【ルイーダの酒場】で登録してきた、あるいは誰かを転職させたPCの商人を届けると、ストーリーの進行に従って自動的に町が発展してゆく。
 
町の発展は初期状態から最終段階に至るまで合計5つの段階がある。

  • 第1段階:初期状態。老人の家のみ。
  • 第2段階:商人が自ら営む【道具屋】ができる。
  • 第3段階:道に舗装がされて【宿屋】ができ、劇場の建設が始まる。
  • 第4段階:町としての形が完成し、劇場の他に【武器と防具の店】、商人の豪邸と【牢屋】が作られる。劇場ではショーを見て出ようとすると50,000ゴールドもの大金を請求されるが、実際に取られることはない。商人の強引な統治に不満を持つ一部の町人が出てくるようになる。
  • 第5段階:革命が起こり、商人は牢屋に幽閉されてしまうが、勇者には自分が手に入れて隠しておいた【イエローオーブ】の場所を教えてくれる。商人の【玉座】の後ろに落ちている。また劇場は子供ののどじまん会場に変わっている。なお劇場は昼間のみの営業で夜は閉められて入れない。

第4段階の内に商人の屋敷の宝箱を回収しておかないと、第5段階では消えてしまう(空箱になっている)。
しかも夜は屋敷に入れないので、第5段階への発展条件を満たした上で夜に来てしまうと入手不可能が確定してしまう。
1つは【ラックのたね】なので忘れずに回収しておきたい。
 
発展の【フラグ】は複数あり、機種によって多少異なる。
FC版では

となる。
条件を満たしていれば、町に入り直すとすぐに次の段階に発展するほか、【ラナルータ】などで昼と夜を切り替えるだけでも発展することがある。
逆に言えば各段階の昼夜両面を見たくても、先行してフラグを立ててしまうと勝手に発展してしまうことになる。
フラグを先に立てまくった後に、それぞれの段階の昼夜両方を見たいのであれば、外でラナルータや【やみのランプ】で夜にして町に入り宿屋に泊まれば発展しないので、そのまま昼の姿を見ることができる(宿屋ができていない第1・2段階では無理)。
なお、第4段階の宿屋の客のあらくれがシルバーオーブの所在を教えてくれるのだが、第5段階にはいなくなっており、代わりに詩人が全く同じセリフで教えてくれる。別人なのか、別人のように見た目が変わったのかは謎。
 
イエローオーブはクリアに必須なので、商人は絶対に必要。一時的とは言え商人の同行が必須なので、DQ3での純粋な勇者【一人旅】は不可能となる。
仮に棺桶バグでイエローオーブを作り出す場合であっても、棺桶バグを起こす手順として基本的に仲間が必要であったり、もしくは勝手に仲間が出現したりなどの挙動があるので、やはり純粋な一人旅にはならない。
 
なおFC版の場合、大きく4つの注意点がある。

  1. 商人を渡した時点で断りもなく強制セーブされる
    つまり渡す商人を間違えた場合はリセットしてもやり直しができない
    ルイーダの店でもパーティ変更時は冒険の書に必ず記録しなければならないので、システム上の都合もあると思われる。
    ちなみに【バシルーラ】の例では、次回セーブする時点まで名簿データの更新を保留する内部処理になっているようで、これによりセーブせずに別れることを実現している。だったら同じような処理にすればよかったと思えなくもないのだが、さすがに無理があったらしく、バシルーラはバグの温床となっている。そう考えると、商人を渡すときはバシルーラのような処理は行わずに即セーブしたほうが確かに無難ではある。
    また、バシルーラと違って商人が持っていた道具は預かり所に送られるという都合もあったのかもしれない。
    しかし不親切にも、商人を渡す会話の中で冒険の書に記録することは全く触れられていないのである。
    漫画家の竹本泉もその罠に騙された一人で、リセットを過信するあまり、試しにパーティーメンバーの商人を渡してしまったという。気付いた時には手遅れで、仕方なくキャラクターを作り直したもののクローン感が半端なく、せっかくの感情移入が損なわれてしまったと著作の中で語っている。
  2. 預かり所の倉庫が一杯だった場合に預けていた道具が消える
    上記の通り、送り込んだ商人の持っていた道具は預かり所に強制的に送られる。このため、預けた道具がすでに120個の上限に達していた場合、最初のほうに預けた古い道具から順に消えてしまう
  3. 女商人を送り込んでも、発展後は店舗などにいるモブキャラの男商人のグラフィックになる
    可愛らしいポニーテールの少女が太ったオッサンになってしまうことに耐えられないならば、初めから男商人を送り込むのが無難。
  4. ここへ送られた商人は二度とパーティに帰ってこない
    思い入れのある仲間を、うっかり商人に転職させてまで送り込んだりしないように注意。これは、容量の都合で復帰イベントがカットされてしまったため。
    ただ、ドラマとして割り切ると、長らく旅をした愛着ある仲間との別れというのも何だか味がある。
    【オルテガ】等と同様、最善のプレイを経てもオールハッピーエンドにならないという重さ、そして主人公たちも後々もっと重い「置いてけぼり」になってしまうこと、DQシリーズのお約束の原点とも言えるかも知れない。

 
上記4.については、【ドラゴンクエストマスターズクラブ】内の「堀井雄二の DRAGON QUEST III Q&A」コーナーで

そうですね、あれはかわいそうなことをしたと思います。ただ、これも容量不足が招いた悲劇なんです。本来なら、あの商人は自分たちのパーティーに戻るハズだったんです。ところが、一度パーティーからはずれた商人を覚えておくメモリーがなくなっちゃって、それで結局は置いてきぼりにされちゃったんですね。ボクとしても、助け出してあげたかったんですけど、メモリー不足だけはどうにもなりませんからね。納得してください。

と回答されている。
 
前述の通り、別れた商人に持たせていた道具はすべて自動的に【預かり所】に移動する。外せないはずの【はんにゃのめん】を装備させていても消滅することなく再回収できる。
また別れる時に商人を先頭にして【あぶないみずぎ】【ぬいぐるみ】などを着せていると、別れた後先頭のキャラ(別れる前2番目)のグラが水着姿や猫になっているバグがある。これによって男キャラが水着姿になることができる。

リメイク版

【フローミ】を使うと「バーク」とだけ表示される。
 
SFC・GBC版では町が1段階発展した時点で、商人の服装が独自の物(ジャージのような上下揃いの服)に変化するようになった。この時のグラフィック及びセリフは男女別に用意されている。
ちなみに【へんげのつえ】で魔物に化けたり、【透明】になったりした状態で話しかけた際の反応は服装変化前がオルテガ同様通常のセリフと同一、服装変化後はNPC商人と同パターンである。
スマホ版以降ではパーティにいるときの姿そのままであるが、女商人のオジサン化は無く、いずれにせよFC版の悲劇は無事解消されている。
 
また商人の性別によっても、微妙に演出が異なるようになり、第4段階の劇場内が男商人の場合はFC版と同じくぼったくりキャバレーのようなところだが、女商人の場合イケメンのペアが歌い、【バーテンダー】が客席につくホストクラブに近い形になる。
入口にいる受付も男性商人の場合はバーテンダー、女性では【メイド】になる。FC版で受付をやっていた【あらくれ】はクビになったようだ。
入手できるアイテムは男商人の場合と変わりはない。
 
第5段階ののどじまん会場で歌っているのはFC版では「鉄腕アトム」の歌い出し部分だったが、版権の問題か、リメイク以降はスライムの歌になっている。
 
発展条件は基本的にはFC版と同じだが、若干複雑な手順が必要になっている。
また、第6段階も追加された。

  • 第2段階→残ってもらった商人に話してから【宿屋】に泊まる(【勇者】の家でのタダ宿でも可)
  • 第3段階→第2段階の条件を満たした上でやまたのおろち(二戦目)を倒す&【さいごのかぎ】を入手&商人に話す
  • 第4段階→第3段階の条件を満たした上でボストロールを倒す
  • 第5段階→第4段階の条件を満たした上で3つ以上のオーブを入手&夜に町に来訪し、クーデターを起こそうとしている連中の企みを聞く(3人組がこちらに気づいた時点でフラグが成立)
  • 第6段階→第5段階の条件を満たした上で【ラーミア】を復活させる&牢屋に囚われている商人の話を聞く

通常プレイで意識することはないが、さいごのかぎの入手が必須になっている。
FC版では【アバカム】で無視できたのだが、リメイク版では入手だけはしなければならない。
また第5段階の発展には町の中での会話が必要になったが、ちょうどこの段階では【ちいさなメダル】【ガーターベルト】が入手できるので、面倒がらずに調べておこう。
これらアイテムは発展すると失われる、あるいは別のアイテムに変化してしまう。
商人の屋敷に夜は入れないのはFC版同様なので、『まず昼に来て回収→夜に来て話を聞く』という順序にする必要がある。
第5段階の店にはFC版から変わらず【ドラゴンキラー】が売られているが、リメイクに際しサマンオサで販売されなくなったので、欲しければここで買おう。
また、商人専用装備の【まほうのそろばん】【まほうのまえかけ】も売られるようになった。
 
第6段階では道がさらに広くなっているほか、牢屋が無くなっており、その場所には民家が建てられている(この民家からも小さなメダルを入手できる)。
劇場は相変わらずのどじまん会場になっているが夜も営業するようになり夜では吟遊詩人によるリサイタルが行われる。
商人は牢から出されており、新たな町長を選出して自らは【ルイーダの酒場】に復帰する。
その為実は、最初の老人のセリフが「ここに骨を埋める」が「埋める『かも』」になっている。
しかしラーミア復活後にこの町に来訪する必要性はないため、復帰イベント自体が気付かれないことも少なくない。
 
イエローオーブ以外の5つのオーブを取ってから商人を預ければ、すぐに復帰できる。
復帰後にその商人をパーティに加えて訪れると牢屋跡地の民家の女にお礼を言ってもらえるほか、町長の屋敷の側にいる子供に何やら言われる。なお、この子供のセリフは商人の【性格】によって3通りに変化する。
この性格はアクセサリーによる性格ではなく、本人の素の性格が反映されるため、本でなれない性格のセリフを見るのは難しい。
町を作った商人は、復帰後は勇者と同様に消すことができなくなる。FCとは逆に、即席の商人ではなくあえて思い入れのある仲間を向かわせるのも乙かもしれない。
 
なお商人を預けた後、【ルイーダの酒場】で預けた商人と同じ名前のキャラクターを作成することも可能となるが(【ダーマ神殿】での改名でも可能)、FC版はそのまま復帰しないが、SFC・GBC版は預けた商人のパーティー復帰前(復帰後は不可能となるので注意)までに2人目を作成しておけば、同じ名前のキャラクターを2人パーティーに入れることも可能となる。
 
またSFC版やスマホ版では、はんにゃのめんなど呪いのアイテムを付けた商人を送り込んだ場合、そのアイテムは消滅してしまう。再利用はできなくなっているのだ。
GBC版では再加入の際に離脱時の装備品をそのまま装備している(装備品以外の所持品はに入れられる)。

町の名称

この記事名の○○○○には送り込んだ商人の名前が入り、これがゲーム中での正確な名前となり、例えば商人の名前が「とるねこ」なら「とるねこバーク」となる。
 
【遠藤雅伸】は自分のプレイで「みにはん」や「すひ゜る」という名前の商人を送り込んだそうだが、あくまで「バーグ」ではなく「バーク」が正しい。
ちなみに「ドラゴンクエストマスターズクラブスペシャル」の66ページには、「バーク用の商人に『はん』と名付けるプレイヤーを見下す」という内容のネタがある。
このネタを投稿した側も採用した側も、彼のプレイを知らなかったのか、それとも「彼が付けた名前は『みにはん』だから大丈夫だろう」と判断したのか、なかなか際どい内容である。
 
平仮名が混じるのがイヤならば【ルイーダの酒場に最初からいる人たち】をレベル20まで上げて商人に転職させて送り込もう。
その場合、一番成長の早い【戦士】がオススメ。
FC版なら必ず男だから前述の性転換+肥満化の悲劇も避けられる。
 
リメイク版で送り込んだ商人がルイーダの酒場に復帰したあと、この商人の名前を変更すると町の名称も同時に変更される。
このキャラクターは転職できるものの消すことはできなくなる。
 
余談だが、英語の「burg(バーグ)=町」、その語源となったドイツ語の「burg(ブルク)=城塞都市」、あるいはスコットランド方言の「burgh(バーグ)=自由都市」あたりが元ネタだと思われる。

ゲームブック版

中巻で登場。
【エジンベア】での選択肢によっては、エイモスという商人を船でここに連れてくることになる。
そして【ラーミア】を入手した後、そのラーミアに連れて来られて訪れることになり、ラーミアを操るのに必要な「竜のアミュレット」を主人公が逆向きに付けていることを教えられる。
なおエイモスを連れてこなくても、ラーミア入手後には町はちゃんと発展している。

小説版

元々は寂れた村だったが、商人のサバロが訪れたことをきっかけに発展する。
町名は、上巻では「サバロバー『グ』」という表記で統一されていたが、下巻では「サバロバー『ク』」になっていた。
サバロは革命後、【アレフガルド】で再起する誘いを断り、地上世界で一からやり直すことを選んでいる。

知られざる伝説

商人のその後が描かれている。
革命後、支持者の女性(ゲームで「今となっては商人様の時代の方が良かったと思いますわ」と言っていた女性がモデル)の手引きで牢屋から脱出し、やがて勇者たちの様な冒険者を支えるべく、新たな町を創ったという。

DQ7(PS版)

【移民の町】の名前の候補として【シム】から提案されるものの一つ。◯◯◯◯は主人公の名前。
移民の町は上記のDQ3の商人の町を原型にしたような町であるが、こちらはお楽しみ要素という位置付けであり、本編をクリアするだけなら発展させることは必須ではない。
なおリメイク版では町の名前は付けられない。

トレジャーズ

DQ3において【別れた商人の道具ぶくろ】が、お宝として登場。