【住民】/“凶星”フーラムード

Last-modified: 2023-10-30 (月) 03:36:51

アルファベット表記:“Red King”Fuw Ra Muwd
読み:“きょうせい”ふーらむーど
種族:真竜類-神代竜
性別:オス
年齢:100万歳以上(大陸秘境開拓時代
立場:七竜
属性:混沌にして中庸
発案者:tocoma110
Tag: 住民 真竜類 七竜 神代竜 危険度等級EX 発案:tocoma110


「勝つとか負けるとか以前だ、ありゃあ。
 動いて飛んで智慧も回る火山なんざ、相手に出来るわけねえだろ」
ベイル・ウォーケン

概要

「灼熱乱気流」と表現させる気性を持つ、破壊と闘争の赤竜。
七竜の中でも群を抜いた狂暴性を誇るとされる個体であり、その性格故に「真竜の暴力性の化身」として恐れられている。
現在は紅蓮山脈火竜の狩場までを活動範囲に制限されており、外にまで影響を及ぼすことは稀だが、逆に言えばその内部においてはいつ気まぐれに姿を見せるとも知れぬ、極地災害の如き存在として君臨している。

 

詳細

七竜の中でも際立って戦闘力の高い個体として知られる。
その力は自身でも制御出来ているのか怪しいほどで、ただ生きているだけでも周囲に灼熱を振りまき、かの紅蓮山脈自体がこの竜の熱で生まれたと噂が上るほど。
有する力は絶大で、単純な戦闘力で見れば“黒き焔”と並び竜の中でも最強とされる。実際、その肉体は“帝”の攻撃すらも余裕で阻み、繰り出す一撃は山をも崩す。


などとその脅威が広く知られる一方で、実際にその活躍を目にした記録は少ない。
理由として、その生息域が極めて限定的かつ開拓難易度Aランク以上秘境であることは無関係ではない。そもそもが超高熱の火山地帯とその近隣地域を根城にするだけあり、その姿を見に行くことさえ命懸けなのである。
そうした理由から、彼の行動・性格などは概ね伝聞に次ぐ伝聞である。

  • ただし、幾度かの人里近くへの出没時にはそうした周囲への気遣いが一切ないため、悪意亡き災厄としての面は確実に存在する。

 

しかして、その実態は……

実際のところ、彼は好戦的ではあっても暴力的・威圧的な性格の持ち主ではない。
弱者をいたぶるような真似に興味はなく、彼の興味が向くのは常に強大な猛者のみ。戦いの果ての生死にこだわることもないが、殺戮を好んでいるわけでもなく、決着がつけばそれ以上の暴力を求めることもない。元来、戦うことを誇りと思うような生粋の戦士であり、守護者としての竜の気質も相まって強大かつ頼りがいのある防衛闘士として知られていた。

  • その一方で、渾名の如く「凶事を招くほどの戦闘狂い」であるというのもまた事実である。
    太古の時代には幾度となく無用な喧嘩を買っては暴れ、その都度、他種族どころか同類にすら平然と迷惑をかけ続けていたという、困りものであった。
    • その性格故に長らく先代の七竜の頭目とは幾度となく激突しており、彼の頭痛の種であったとされる。*1
      また、周囲にさほど頓着しない性格のため、気遣いという言葉とはあまり縁がない。良くも悪くも自己中心的。

しかし、竜としての在り様を見失う竜としての矜持を失うことはなく、己の守るべきもののため、誠実に活動を続けている。
ただし、あくまでも彼なりの誠実さに過ぎず、他の真竜がその真意・本質を誤解するのも仕方のない点が強い。

  • 彼の守護対象は「遥かいにしえの時代に結んだ再戦の約束」である。
    それさえ済めば死んでもいいとさえ思っており、彼はその願いを叶えるためだけに、今日も猛者との戦いを求めながらも執り行えない境遇に、苛立ちを覚えている。

また、あまり知られていないことだが、実は知的遊戯も嫌いではない。


住処である紅蓮山脈から出られず、また現代を生きる真竜類からも恐れられていることから、同属との触れ合いは皆無。
極々僅かな個体だけがかかわりを持っているとされる。

同族との付き合いについて。

己が七竜に数えられることについてさして思い入れはないが、いくつかの個体とは縁が深い。

  • “黒き焔”とは年齢・性格共に大きな開きがあるが、不思議と嫌悪感を抱くこともなく、奇妙な友情じみたものがある。
    元々かの竜王が憧れていた先代のことも嫌いでなかった故に、「あいつは死んじまったが、いい後輩残したじゃねえか」と謎の後方先輩面をしている。
    ついでに、鬱憤晴らしにも付き合わせている。
  • 若い世代からは割と距離を置かれて居るが、当人は理由が全く分かっていない。
    “海神”については「育てりゃ伸びる」と一目置き、“夜明けの太陽”についても「独特の感性を持ったかわいらしい嬢ちゃん」と割と鷹揚に見ている。
    しかし、前者からは「粗暴な年長者」と鬱陶しがられ、後者からも「父上も認めた実力者だけど、父上のおっしゃっていた通り面倒くさいお方だなーこっちには来ないでほしいなーでもやっぱ凄い方ではあるのよなあ」と複雑な敬意の眼差しを向けられている。
  • “妖賢”についてはその陰険・陰湿な性格を嫌っており、「機会があれば殺してやるのに」と思っている。
    が、実力(特にその悪知恵の働かせ方と知識量)そのものは正当に評価している。
  • “可憐なる太母”とは古くからの知り合いではあるが、あまり興味を持っていない。
    が、憐れみの目で見られるのは癪に障るため、遭遇する機会がないことには内心ほっとしている。
  • “光の鍵”とは面識は少ないが、反りの合わなさを自覚している。
    とはいえ、“妖賢”と比べれば無害もいいところの相手であるため、特段嫌悪感や忌避感はない。
  • その他、“天銀の剣”とはアルダート以外では珍しい喧嘩の常連である。
    彼としては活きのいい後輩相手に暇が潰せると楽しんでおり、敵意むき出しの姿さえ好ましく思っている。性格と趣味が悪い。
    それ以外の同族にはそれほど興味がないが、“黒き嵐”“眩い霧”の二玉については「陰険で趣味も性格も性根も悪い」と嫌悪しており、自由になった暁には息の根を止めに行くつもりでいる。

 

外見

ぱっと見は非常に巨大な竜だが、ところどころに個性的な特徴を備える。

  • 大まかに表現すると、「小山程の巨体とそれを覆い尽くす程の巨翼を持つ、真紅の鱗に覆われた大怪獣」とでもなろうか。
    とにかく巨大な生き物で、全長は500m近く、直立体高だけでも350m近いというのだから驚きである。陸上で主な活動している竜類全体の中で、これ以上に巨大な個体は極めて少ない。*2観測されている限りでは竜帝ただ一つのみである。
  • また、形状も若干個性的。
    細く器用な前肢、歩行補佐の中肢、巨躯を支える頑丈な後肢の六肢が特徴。下半身に行くほど大きくなり、特に後脚はその巨体を支えるためか、非情に太く短くなっている。そのため、歩行はそれほど早くない。
    一方で、背上竜突骨が進化した翼は巨大かつ強靭。硬質膜が複数枚形成される多層的な構造を持つ。背面の筋肉の盛り上がりが、この個体のが持つ膂力を示す。
    それ以外は割とオーソドックスな姿をしており、大きく裂けた口や、無数に生える角などもいわゆる「ドラゴン像」から大きく逸脱はしていない。

竜玉石はオーソドックスな喉元にあるタイプで、平時は深部に微かに炎色の輝くがある程度で、昏く沈んで見える。
端正かつ野性的な竜紋鱗が全身を覆い、その竜紋は炎のように揺らめく模様となっている。また、竜紋鱗が変質した甲殻は一切備えておらず、その身が柔軟に動くようになっている。


全長:495m 直立体高:349m 体重:75万t 翼長:片翼240m

 

来歴

超古代の精核文明よりはるか以前に生を受け、生まれ持った気性のままに活動し、同類の中でも屈指のトラブルメーカーとして貴竜までの年月を過ごす。
若輩ながら素質と経験に恵まれ、単純な戦闘力は貴竜到達段階で古竜級後半相当であったらしい。
その中でとある存在と運命的な出会いを果たし、友となる。
以降、玉生*3で初めてと言っても過言ではない、友との日々を楽しむようになる。


だが、彼が古竜に至れるか否かという境に差し掛かったある日、悲劇が起こる。
玉生でも初めてと言っていい完全敗北に、彼は己の無力を呪い、嘆く。
それ以降、彼は『ある存在の息の根を止める』事だけに、強さを求めることとなる。
 
そのためにより積極的な戦闘行為を重ねていくが、それはあまりに自暴自棄で短絡的なものだった。
修行・鍛錬を兼ねた戦闘行為は半ば見境がなく、他種・同種問わず様々な被害を出すこととなる。
そうした振る舞いを続けながら、彼は数多の強敵との戦いで成長を続け、さらにどん欲に相手を求め続けた。その苛烈な姿勢のまま上古竜を迎えると、もはや同族ですらその存在を持て余すほどであったという。
やがて精核文明が起こり超古代大戦が発生、激化しても、自暴自棄に近かった彼の怒りは変わらず、各地の戦場を荒らし回った。


それを見かねた各勢力は彼を潰しにかかるも、まるで歯が立たず、情勢を更に混沌とさせていく。
第四世代の理造神第四世代の巨人機を相手に、圧倒的な力で有意義な戦いを楽しむこととなった。
だが、長きにわたる闘争の中で記録を取られ、解析され、遂には理造神・巨人機両陣営が主戦力兵装を投入し、共同戦線を展開。次元座標軸・空間性質・意味情報など多次元的な規模からの合同封印攻撃を受け、見事現在の紅蓮山脈の地点に存在固定されてしまう。
以降、彼はその土地に縛り付けられ、更なる鬱憤を溜め込む生活を送ることとなる。

 

能力

主だった戦闘スタイルは一見豪快なパワー重視型。
しかし、そのスタイルは力任せだけのものではない。あまりに多すぎた交戦経歴から編み出された、巧みなテクニックを下敷きにもしているのだ。故に、こと近接戦では高度なフェイントを多数組み合わせることもあり、鈍重そうに見える体躯からは想像もつかないほど、巧みなファイターとしての顔を覗かせる。

  • 飛行戦は小回りこそ利かせにくいが、実は高速での戦闘も得意。
    竜王と渡り合うだけの実力を持つのだから、当然と言えば当然である。

なお、彼は真竜類の中でも際立って火の相が強い個体である。
故に、行使する能力には火炎が伴われることが多く、“氣”が昂ぶるだけで周囲が燃焼するほどの温度に代わるほどである。


戦闘以外のことに関してはあまり興味を持っていないためか、これといって秀でることはない様子。
強いて言うなら、地頭が良く世評を鵜呑みにしていると足元をすくわれることもある、と言ったところか。他種の文化や社会などに興味はないため、そういったことへの知識などは記憶の片隅に朧げにある程度。
ただ、「心身の強さ」を見抜く目は確かで、そこから相手の性質を見事に言い当てる。

 

得意技能・必殺技など

  • “竜の息吹”
    彼の場合は、その特性通り超高熱の火炎として顕現する。
    その威力は“黒き焔”に準ずるほどとされ、一息で一国程度は容易く完全燃焼させることが出来るという。
  • ただの息
    彼は本気で息を吹くだけで大気を炎上させられる
    本気で吹けば都市の一つ二つは灰になり、全力で吹けばその被害は一国を超える規模になる。かの竜王とてここまで滅茶苦茶なことはしない。というより、出来ない。
    常に溢れる火の“氣”がどれほど強大かを示す一種のバロメーターと言えよう。
  • 格闘術
    前述の通り、真竜式ではあるが高度な格闘術を持つ。
    牙・肢・胴・翼・尾……全身のあらゆる部位とその息吹や超常的能力を組み合わせ、一種の精武術じみた独特の戦闘模様を見せてくれる。"黒き焔"とはいささか異なるが、これもまた一種の真竜式格闘術である。
  • 耐久力
    実はこれこそが彼最大の武器とも言われる。
    何しろ、竜王と命を落とす危険性もあるレベルでのやりとりを平然とこなし、また“帝”の攻撃にすら耐え凌ぐというのは、並大抵のことではない。実際、超古代文明での戦いでは火力に優れる第四世代を相手に、封印に持ち込むしなかったと決断させるほど、物理的な強度は高い。平時も溶岩を平然と泳ぐのみならず飲食することさえあり、また過去には山を更地に変える攻撃を受けても平気だった……と謳う伝承すらある。
    半面、次元干渉や概念攻撃への耐性は真竜類相応程度のようで、そうした手段に対してはいささか弱いと言える……かもしれない。*4

 

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相談コメント欄


*1 ベルバートにとっては付き合いの長い友でもあったらしく、その気質を嫌っていない故に余計複雑だったとも言われる。
*2 全長だけならば例がなくはないが、質量では最大級
*3 竜種が人生に相当することを指す場合に使う、方言。
*4 それでもなお殺しきれない通り、並大抵の強さではない。少なくとも、寿命を見出し殺害するなどの手段はほとんど通じない。