アルファベット表記:Gryphios
読み:ししわし/じゅうしゅう/ぐりふぃおす
分類:多肢鳥類六肢鳥類六肢獣鷲目
危険度等級:C~
生息地方・国家:応州・俄州・爬州・燦州・華州
生息域:主に山岳地帯
発案者:tocoma110
【Tag: 生物 鳥類 嘴鳥類 多肢類 危険度等級C 危険度等級B 危険度等級A 危険度等級S 発案:tocoma110 】
概要
多肢類の中でも一二を争う有名どころである、大型鳥類。
四足陸鳥類に近い体型を持ちながら、背肢が翼に進化し飛行する能力を備える。また、全体的に猛禽に近い外見的特徴を備えてる。
大半の種が危険度等級がC以上と、擬竜類と同等の危険度を誇る危険種。退獣士や秘境開拓者が秘境で遭遇することも多く、その脅威は広く知られている。
分布
大型樹類か山岳地帯に巣を構え、つがいで生活することが多い。
大型飛行種の例にもれず行動範囲は極めて広大であり、近隣の平野や森林部などを中心に獲物を求めて遊泳する。
形態
前述の通り、四足陸鳥類に近い形態をしているほか、顔つきや羽の構造などは猛禽類に近い。
多肢大類多肢鳥類六肢鳥目背肢六肢鳥亜目にある通り、肩甲骨辺りから伸びる背面翼が特徴。シルエット的には真竜類などに近しく、羽毛竜と混同されることも珍しくない。
- 差異としては、尻尾が鳥類のそれであること。
四肢は基本的に飛行生活に適し、歩行よりも物をつかむことに優れている。そういった点も猛禽類に近い。
- 鋭い爪は特殊な金属でもなければ人類種の防具を容易く引き裂き、時に獲物である鎧殻類の甲殻すら砕けるほど。
頭部には角やとさかを連想させる形で長い羽が生えていたり、隆起線が備わっていることが多い。
目つきも鋭く精悍な顔つきなため、そこを理由に勇猛さや強さの象徴として用いられる。
またくちばしが鉤状な通り肉食に適した形状をしており、食事のみならず戦闘でも大きな威力を発揮する。
種によって差異があるが羽毛はいずれも頑丈で、大型種にもなると時に最新鋭の銃弾すら弾く。
多くは保温性のみならず敵対生物(大抵は飛竜か大型鳥類、または同族)の爪や牙相手にも一定以上の防御力を見込める強度を誇る。中でも風切り羽など鋭い部位は武器にすることさえ出来るほどで、ある種の切り札的に使われるケースもある。
また、翼は純粋な飛翔用器官として機能するのみならず、第二の波音器官として機能する種が非常に多い。
- 詳細は後述するが、飛行用の浮遊能力を操るにとどまらない、ある程度の複雑な気流操作を行なうことが可能。
卵は大型種で大体開拓の民の成人男性が両手で手が回りきらない程度の外周を持つ。
幼体は大体10年ほどを掛けて成長し、巣立つ程度の大きさ(大体成体の7割弱)になる。
生態
数時間の飛行を平然と行なうのみならず、自在な空中機動を見せるなど大型猛禽類に勝るとも劣らない。
中型種は巣から半径数Km以上、大型種ともなると山岳地帯の巣から半径100㎞近い範囲をめぐることも珍しくない。一方、その縄張りはある程度重なることも多いようで、同種が数十m範囲に巣を重ねることもあると言う。
- 基本的には単体か家族単位で行動し、大きな群れを作ることは稀。
- 例外的に、狼鷲のみ十数羽で群れを形成し群狼戦術で狩りを行なう。
食性は肉食中心。陸上・水中問わず様々な生物を狩り、捕らえて巣へと持ち帰る。
- 狙う獲物は比較的大型種が多く、恐るべきは擬竜類すらもとらえて食べることがあるという点。有名な獅子鷲・獅子鷹は飛竜や爬竜と戦い捕食する姿が幾度も目撃されており、それ故にクァッルと並ぶ擬竜喰らいとして知られている。
能力
先天的に強力な波音術の使い手が多い。
波音声帯を備えており、振動系・衝撃系の波音術と同質の現象を起こす。主だった用途は威嚇、他種精素攻撃の妨害など。
そして、物質共鳴破壊系統の術式と同等のものを切り札として保有している。この嘶きは『雲払い』とも呼ばれ、大型種の放つそれは高空の白雲をかき消すとも伝わる。
- この能力はきわめて強力な武器であり、種によっては亜竜の鱗すら砕いた記録が残っている。
これを再現するための研究は長年続けられているが、竜紋鱗に影響を及ぼせるほどの成果を出せる術は、大陸歴1700年代でもまだ実現していない。
また、翼も波音器官である。
大型飛行種にはままあるものだが、本種のそれはその中でも際立って優秀。
浮遊用の波音術のみならず、強風を作り出したり特定の方向への追い風・空気抵抗現象を起こすことも可能。戦闘用・飛行用と複数の術式を使い分ける。
- それにより中型~大型擬竜相手にも大立ち回りを演じられる。個体によっては精術に長じ、小型の竜巻や乱気流を作り出す例も知られる。
知能・記憶力も高く、地域内の特徴や特定個体・狩猟技術の継承なども行なっている姿が知られている。
そのため、過去に獣鷲を救った冒険者が後年に同地域での危機を獣鷲に救われた、などという話も伝わっている。
主だった種
下記以外にも様々な環境固有種が生息する。
獅子鷲
Gryphios-Leon。本分類の代表である、大型種。
名前の通りに獅子、あるいは伝説の鬣雷音獣?のような鬣が後頭部・顎下から背中や胸周りまで生えている点が最大の特徴。
その鬣が波音共鳴を深めるようで、波音声帯による『雲払い』の威力は他種の倍以上の破壊力を発揮する。また急所を防ぐ硬質な羽毛でもあるため、下手な刃物では弾いてしまうほど頑丈。
- 体色は頭部・翼・鬣とそれ以外の部位で分かれている。頭部・翼・鬣が白・焦げ茶色・黒が多く、胴体などは明るい茶色や小麦色であることが多い。非常に目立つ色合いをしているが、それらは敵対生物への警戒色の意味合いを持っている。
縄張り意識が強く、敵対者への容赦のなさは獣鷲でも随一。
危険度等級はBに分類される通りで、非常に厄介な生物と言える。卓越した肉体性能と波音の扱いの巧みさ、そして縄張り意識の強さが秘境開拓者にとっては脅威であり、獅子鷲の住まう区域は難所となりやすい。
平均体長は10m、翼長は片翼15m程度が主流。
大型飛竜と比べれば小柄だが、それらと互角に渡り合う姿はまさに圧巻である。危険度等級Bとしてもかなり小ぶりな部類と言える。
獅子鷹
Gryphios-Falco。鬣を持たない大型獣鷲類の総称。
獅子鷲と比べると体躯・波音操作能力で見劣りし、危険度等級はCに区分されている。しかし、それでも自在な空中機動と高い身体能力は脅威であり、C級の中でも上位に位置する危険種とされる。
こちらの方が比較的小回りが利き、また飛行速度がやや早い傾向にある。そのため、操る精術もテクニカルなものが少なくない。
- 獅子鷲と比べると過度な排他性は薄く、比較的穏便。子供の頃から育てれば人類にも慣れ、ある程度飼い主の意図を汲んだ動きを見せるほどになる。
平均体長は8~9m、翼長は片翼12m程度。
蹄鷲
Gryphios-Hippo。陸上生活に特化した例外的な獣鷲。
前肢・後肢の足先が蹄に近い形状になっており、完全に陸上生活に適合している。爬州の平原地帯に生息。
脚部は蹄に近いが食性は変わらず肉食。その蹄をハンマーのように振るって獲物を撲殺する、なかなかえぐい狩りを行なう。その狩猟で狙う獲物は鎧殻類や大型爬虫類など。
- 翼は波音に特化しており、飛翔ではなく加速や跳躍補助に優れている。
平均体長は4m弱、翼長は片翼3.8m前後。
狼鷹
Gryphios-Fang。比較的珍しい「十頭を超える群れで活動する」獣鷲。
黒味の強い羽毛と鋭利なシルエットが特徴の中型種で、獅子鷲や獅子鷹と比べると膂力に見劣りする。その代わりに敏捷性の高さと持久力に優れ、それらを駆使した群狼戦術で獲物を追い詰める。
森林部に巣を構え、どちらかと言えば平野部を中心に活動する。
陸上での歩行能力にも優れるため、足先は物を掴む形に適していない。
その代わり、牙状の突起のついたくちばしを器用に使うとされる。
- この突起は獲物を狩る上でも有用な武器であり、擬似的に牙を用いたものに近い食いちぎり方を可能とする。
また、名前の通り狼に高い性質を持つ。
知能は高く身内との連携を行ない、更にその嘶きをコミュニケーションに活用する。そのため、時に彼らは獅子鷲すら苦戦する相手を仕留めることもあると言う。
上位種と比べると小柄で、平均体長は6m前後、翼長は片翼5.5m弱。
大獣鷲
Gran-Gryphios。全長数十mを超える、超大型獣鷲。
稀少種であり、霊峰など特別な地にのみ生息している。擬竜類を平然と喰らうのみならず、亜竜どころか貴竜や古竜と小競り合いをする姿も目撃されるなど、極めて強力かつ攻撃的な種として知られる。
操る精術も大規模となり、村の一つ二つを消しとばす竜巻を作った記録もある。
外見的には前述の種それぞれに近い見た目の個体が複数確認されており、個体差なのか異なる種なのかは意見が割れている。
その他の点も謎が多い。
危険度等級はA~S、平均全長66m、平均翼長65m程度
獅子雀
Grypios-Pegio。大陸歴1600年代では最小の獣鷲。
名前の通り、雀のようにふっくらとした丸みを帯びたシルエットが特徴の小型種。顔つきも可愛い。
流石に雀程に小さくはないが、小型犬程度の大きさであり獣鷲としては破格のサイズ。複数の種類があるが、多くは森林部に巣を構え、森林内部やその周辺で狩りを行ない細々と生きている。
固有の能力は人類種相手なら生存に役立つ程度で、翼の方は飛行はともかく攻撃能力は低い。せいぜいが圧縮大気の刃を放つ程度。代わりに、嘶きは失神を起こしかねないほどの頭痛をもたらすことがある。
- 獣鷲としては非常に憶病な性格であるが、その分獰猛ではないため愛玩用・実用の両方から各地で飼育されている。
主な食事は小動物。特にこだわりはない様子。
基本的には茶色を中心とした羽毛なのだが、鮮やかな朱色を湛える『紅獅子雀』という種も知られており、これは特に愛玩用として高値で取引されていた。
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