ストーリー/【クラウドの記憶探し】

Last-modified: 2024-04-05 (金) 22:55:42

FF7

ミディールを襲ったアルテマウェポンの衝撃で、ライフストリームに落下したティファと廃人のクラウド
そこで苦しんでいるクラウドの心たちを見つける。
本物のクラウドを取り戻すため、逃げてきた過去と向き合う為、二人は過去を探す。
そして全てを取り戻したクラウドは、全ての幻想を捨て現実を生きることを誓う。


FF7中盤の大イベントであり名イベント。
~以下明らかになる過去の全貌~

  • 幼少期のクラウドは同年代の子供たちを内心馬鹿にしており、それゆえ友達の輪に入ることができなかった。そんな寂しさを紛らわすため他者を見下し自分を特別視した。
  • ニブル山の吊り橋から転落したティファを守れなかった上、それが自分の責任だと誤解されてしまう。
    何もできなかったと自分を責めるクラウドは、他の子供たちに喧嘩をふっかけるなど荒れた行動をするようになる。
  • そんな時にクラウドはセフィロスの存在を知り、憧れると同時に自分を変えるため、ソルジャーを目指すよう決意する。
    ソルジャーになることで強くなったことをティファに自分を認めてほしかった。そうすれば強くなったと村の皆に認めてもらえると思った。
  • 5年前ニブルヘイムに来たソルジャーはザックスであり、クラウドは未だ一般兵だった
  • ソルジャーになれなかった事を恥じたクラウドは、母親以外の人間には帰郷した事を隠した
  • 一般兵のクラウドは魔晄炉でのティファのピンチに駆けつけ、力差のあるセフィロスに不意打ちでダメージを与え、セフィロスに体を突き刺されて持ち上げられながらもセフィロスを魔晄炉に投げ飛ばし彼女の救出に成功
  • ソルジャーは魔晄を浴びるだけじゃなく、ジェノバ細胞を体内に埋め込まれる
  • ジェノバ細胞を抑えられる心身の者がソルジャーとなり抑えられねば自分を見失ってしまう
  • クラウドが今までに語った偽の過去や性格は、親友ザックスからの伝聞とティファの記憶、そして自分の理想像をクラウドの体内にあるジェノバ細胞が混合し捏造したもの

これらの設定は今でこそ有名だが初出は全てこのシーン。


【クラウド語録】
「母さんを……ティファを……村を返せ……」
「あんたをそんけいしていたのに……あこがれていたのに……」
「ああ……。ティファ……やっとまた……会えたな……」
「俺、ソルジャーにはなれなかったよ」
「俺は元ソルジャーなんかじゃない」
「……俺は幻想の世界の住人だった」
「でも。もう幻想はいらない……俺は俺の現実を生きる
俺たちが乗った列車は途中下車できないんだ!

クールでイヤミな生粋のエリートだったりセフィロスの操り人形でしかないと思われていたクラウドの、
秘められた平凡さと明確な弱さが明らかになるシーンだけあってここで初めてクラウドや7そのものを好きになったファンも多いだろう。

  • 飛空艇のクルーも感動したと言っていた。そんな彼の敬礼にクラウドは当たり前のように敬礼を返す。
  • もう見ることのないクラウドの幻想=Final Fantasyというタイトルコール的場面であり非常に印象的。
  • ジェノバ細胞が作り上げた「元ソルジャークラス1stのクラウド」は爆破テロに加担し
    セフィロスには何度も利用され、憧れ慕った親友のザックスの存在は忘れ
    エアリスを何度も殺そうとし、ティファに約束は守れないと言い放っていた。
    肩書だけ理想的な地獄からようやく抜け出せた本物のクラウドの宣言は重い。

「5年前にニブルヘイムに来たソルジャーはクラウドではなかった」と、ティファがクラウドに打ち明ける場面から記憶探しが始まる。
始まりこそティファに導かれる形で記憶を取り戻していくが、母親を亡くしてからのティファの言動や、吊り橋落下の件で、ティファも知らなかった、あるいは忘れていたかつての自分と対面することとなる。
そして、5年前の真相をクラウドの視点から知ることとなる。
クラウドの記憶を探ることはティファの記憶を探ることでもあった。


【山の向こうに】が流れる数少ない場面。FF7の音楽ではトップランクに好き。


厨二病のはしりといわれるFF7だが、少なくともクラウドは自らのコンプレックスを克服していたことがよくわかる。

  • コンプレックスというか、いつの間にか混同していた妄想と現実を区別できたっていうイベント。
  • コンプレックス=劣等感、クラウドの根底にはティファに夢破れた真実(劣等感)を隠したい気持ちがあり
    そこをジェノバに付け込まれて記憶改竄に至った(ジェノバを受け入れた)
    その後、真実を受け止め仲間達に打ち明ける事で劣等感を克服した(ジェノバを跳ね除けた)
    という書き方なら間違ってないと思う、記憶の混合はジェノバの影響ではあるけどクラウド自身が自分の弱さのせいとも明言している。
    • 強固な精神力がないと崩壊させられる。そしてクラウドは精神が弱かったため崩壊したという設定しかない以上、ジェノバを受け入れたという表現は少々怪しいものがあるが、何かそう解釈するソースがあったんだろうか。
    • 幼少期の自分を特別視する姿勢は厨二病の同類だし一度屈したジェノバの支配から逃れられたのもライフストリームという特殊な環境とティファ(やエアリス?)の手助けのおかげ。その戦闘能力もジェノバの細胞ゆえ。
      少なくとも本編のクラウド自身は何ら特別性のない田舎の青年である。
      • 改造される前の段階からバスターソードを振るってセフィロスを倒している以上、素養として尋常ならざるものはあったと思われる。
        ジェノバに支配されながらも、ライフストリームに落ちるという決定的なきっかけに至るまでは廃人にならなかったのもそうした部分が手伝ったのかもしれない。

このイベントで歩きまわっていたあの場所って何だったんだろう。クラウドの記憶がライフストリーム内で
具現化した場所なのか、それともFF8のジャンクションのような感じなのか。
アルティマニアΩの巻末の小説に書いてある通りエアリスのお導きである。ただし作者のベニー松山氏は「オリジナルな解釈を加えて書いた」とベントスタッフ公式サイトで発言しているため、公式設定とは言い切れない。


ちなみにこのイベントはゼノギアスにも応用された(流用ではなく、応用)

  • 人の心の中を歩き回るというのは前作にもあるね。こちらも実に感動的。

基本的にイベント中はメニューを開くことは出来ないが、ニブルヘイム入口のマップだけは何故かメニューを開ける。
そこではティファがリーダー(操作キャラ)でクラウドが仲間という珍しいことになってる。


「君はもう、クラウドになったかい?」
本作発売時のキャッチコピーを、このイベントをこなす事で初めて理解できるようになっている。
今思えば本当に秀逸なキャッチコピーである。

FF7R2

チャプター1、ゲーム本編は5年前のニブルヘイム事件の回想から始まるが、現在とは明らかに性格が違うクラウドや、カメラワークでやけにスポットされる神羅一般兵等、この時点でかなり違和感を覚えさせるような演出が増えている。
特に重大なのがセフィロス暴走後のニブルヘイムにて、炎上するクラウドの家の前で倒れている一般兵が「母さん…」と喋ることである。
普通は周囲の凄惨な状況や音でほとんど聞き取れないが、オプションでトークログの設定を変えておけばはっきり表示される。
直後、家の扉を開けようとする時も一瞬だけ一般兵視点になる等、この一般兵が「特別な存在」であることを示す伏線になっている。


カームの宿屋にてニブルヘイム事件の回想を終えて部屋に戻ったティファだが、なんとここで「5年前のニブルヘイムにクラウドは来なかった」事を相部屋のエアリスに打ち明ける。
さらにクラウドを屋上に誘ってクラウドの空白期間について聞こうとするも、逆にクラウドから「ティファはあの時致命傷を負ったはず」と、暗にティファを疑うかのような物言いを返される。
ティファは服をずらしてまで胸元の傷痕をクラウドに見せて説得するが…。
「再会にはしゃぎすぎた」と言うティファ、微妙な空気のままその場は解散となってしまう。

  • この直前、屋上に向かうクラウドに対してセフィロスの幻影がティファを疑うように唆している。

ゴンガガの廃魔晄炉にてセフィロスの幻影に惑わされたクラウドは錯乱状態に陥り、ティファに襲いかかり魔晄溜まりに突き落としてしまう。
魔晄に落下したティファはさらにウェポンに呑み込まれるが…そこはウェポンが宿すヒュージマテリアの内部だった。
ウェポンに抱えられたティファはライフストリームをさ迷い、白と黒のフィーラーが戦っている場面を目撃。
そして原作と同様過去のニブルヘイムを再現した記憶の断片に触れることになる。
給水塔の約束、幼少期の落下事故、事故の要因となった母親の死とニブル山の伝承…。
その後、救出されたティファは自身が喪失していた事故前後の記憶についてクラウドと語らい、「クラウドしか知らない」過去の記憶を再確認するのであった。
クラウドは自分自身の異常について不安を吐露するが、ティファは「今度は 私が守るから」と、後の展開を匂わせるような言葉でクラウドを励ました。


この時クラウドが言う、

ときどき 自分がわからなくなる
知っていて当然のことを知らなかったり
知らないはずのことを知っていたり

という言葉は、元々は原作でティファがクラウドについて言ったものである。


このストーリーの変化によって、リバースのティファは「何故クラウドが5年前のニブルヘイム事件を鮮明に知っていて、しかしザックスの事は知らないのか、それはまだ解らないが、このクラウドは本当のクラウドである。」とこの時点で確信している状態という事になる。

  • セフィロスの幻影がやたらクラウドにティファへの猜疑心を植え付けようとするのがその証拠であり、ティファを通じてこの「本当のクラウド」を取り戻すことへの対処とも思われる。