ストーリー/【世界崩壊】

Last-modified: 2023-04-13 (木) 18:55:27

FF6

FF6ストーリー上の大きなターニングポイント。

その日
世界は引き裂かれた……

ケフカ三闘神の力のバランスを崩した事で発生した大災害の事を指す。
なお『世界崩壊』とはプレイヤーの間で使われている単語であり、ゲーム中には登場しない。
世界崩壊以前の事を『崩壊前』、崩壊以後の事を『崩壊後』と呼ぶ事が多い。
世界崩壊後のシナリオは崩壊から一年後の話であり、セリスが目覚めるシーンから始まる。


崩壊後は世界の地形が大きく変わっており、陸地の大部分が水没してしまっている。
さらにほとんどの陸地が荒地と化しており、大災厄が起こった事を嫌でも感じさせられる。
BGMも崩壊と比べると暗いものが多く、町の人々も絶望に打ちひしがれている様子である。
そんな死にかけた世界でセリスが仲間を探すというのが崩壊後のシナリオとなっている。
崩壊前限定のダンジョンやモンスターもいるため、図鑑コンプを目指す人は要注意である。
崩壊後、ファルコンを入手した後のフィールドBGMはシリーズでもかなりの人気を誇っている。


世界崩壊による具体的な影響は以下の通り。

  • 三闘神の魔法による世界規模の火災により地表の殆どが焼け野原に。
  • 地球規模の地殻変動で、フィガロナルシェのあった北側の大陸は複数の陸地に分断されてしまった。
  • 旧ガストラ帝国があった南側の大陸は陸地の大部分を喪失。更に旧帝国首都ベクタは完全に壊滅し、瓦礫の塔と化す。また海底通路の蛇の道が陸地に浮上、モブリス貿易都市ニケアと陸続きとなった。
  • 特にマランダ帝都ベクタのある南の大陸にくっついていたのが、崩壊後はオペラ座の半島と完全にくっついてしまうほど。
  • 地割れに飲み込まれた人間も数知れず、崩壊後もケフカの制裁で飲み込まれた人間もいる。
    • 大惨事の表現が前作5から凄い進化を遂げているのがわかる。

結果的に太古の文明が滅びたレベルの大崩壊を現世で再現してしまい、魔大戦の結末を繰り返したようにも見える。
ヴァリガルマンダに言わせると、「魔大戦が未だに続いている」と錯覚されたらしいので、魔大戦の末期もこのような状態だったのだろう。
実際にFF6の世界では崩壊後の生活様式は激変した。


ゲーム本編では『世界大破壊』という言葉が使われているが、プレイヤー間での認知度・使用率は低い。
なぜかサマサの村の住人たちが言うセリフにはこっちの単語が妙に多く登場しており、
例えば、ゾーンイーターについて情報をくれる人物の

「世界大破壊から一年、おれは色々な場所を旅して、色々なものを見てきた」

エボシ岩についての情報をくれる女性の

「世界大破壊の地震のせいかしら?」

サマサ長老の

「世界大破壊から1年… 短い時間のはずじゃが、随分と昔のことのようじゃ」

など。


崩壊の際に飛空艇は真っ二つに裂け、
後方に乗っていたシャドウ・カイエン・エドガー・ストラゴスはそのまま後ろ半分ごと落下。
セリスは裂け目の所に立っており、前半分の床にしがみつくが滑り落ち、ロックはそれを追って跳び降りる。
前半分にいたマッシュは吹っ飛ばされていき、セッツァーは転落しかけたティナに跳びつくが、結局2人共落下してしまう。
リルムは終始後ろを向いていたが、最後に助走を付けて落下していく。

  • リルムが落ちるのは後ろ半分が落下してからなのでストラゴスを追って飛び降りた可能性がある。
  • そしてガウとモグは出てこない。シャドウは出てるのに。
    • 魔大陸突入時に、ガウとモグがパーティにいない状況を任意で作れるからだと思われる。シャドウは魔大陸で必ず登場するため、世界崩壊時にも出ているのだろう。
  • シャドウがブラックジャックに乗る唯一の機会だったりする。

そして世界崩壊後、仲間達はどうなっていたのか?

  • 絶望、もしくは自暴自棄…セッツァー、ストラゴス、シャドウ、モグ
  • 自分のやりたいことをやっていた、或いは現実から目をそらしていた…ロック、カイエン、リルム
  • ケフカの被害者を守ろうとしていた…マッシュ、ティナ
  • 義務を果たそうと努力していた…エドガー
  • 修行…ガウ
  • プレイヤー次第…セリス

こうして見るとまともだと断言できる仲間は半分以下であり、
都合良くセリスの知らないところで再会したというケースが数件しかないのも無理はないのかもしれない。

  • カイエンとガウは一度再会している。
    ガウが仲間にいない状態でカイエンと再会すると、ガウが打倒ケフカを目指して獣ヶ原で修業しているという話が聞ける。
  • おそらくマッシュは仲間を探して旅をしてたはず(アルブルグで聞ける)。たまたまツェンであんな感じになったのかと。

地割れにたくさんの人が飲み込まれ、山や大地が裂かれ、爆炎が広がっていく。
無音なら耐えられるが、あの一度聞いたら忘れられない胸騒ぎのするBGM「メタモルフォーゼ」。
その後真っ暗な画面に白い文字で「その日、世界は引き裂かれた」。
 
…と、プレイヤーでも絶望する中、主人公達の絶望感は相当なものだったと思う。
それでも希望を見つけることができた彼及び彼女達は、信頼、友情などが強く築かれていたのだろう。


あんな大災害で主人公全員(うち1人はイベント次第だが)生き残れるって相当奇跡だろう。

  • ケフカはなぜ裁きの光でリターナー一行を裁かなかったのか。忘れてたとしても12人もの幻獣の力を得た者達が打倒ケフカを掲げて飛空艇で飛び回っていれば流石に警戒しそうなものだが…逆にここまで本気の反逆者はあっさり殺すだけじゃ面白くないとでも考えたのだろうか。
    • 「皆さん必ず来ると思って相応しい言葉を一生懸命考えていましたよ」と発言しているので、敢えて泳がせておいたのだろう。
    • さすがのケフカでもすぐに三闘神の力を掌握できたとは思えない。裁きの光をコントロールして撃てるようになったのは崩壊後しばらくしてからだろう。ほぼ全員生き残ったのはあくまで偶然と思われる。ただ、1年後にセリス達が動き始めたことに気付いた上で、面白がって放置してた可能性は高い。
    • あの程度で死ぬやつ等だと思ってない節はあるし真っ先に抹殺したいならファルコン浮上と同時に打ち落とせばいいだけだしね。

イベント自体はインパクトが大きい、がいざ飛空艇を入手してみると意外とほとんどの街が無事で、ベクタなどが消滅している他は実際に崩壊しているのはモブリズくらいである。
文明が絶滅しかかっているような表現はあくまで孤島に隔離された人々の考えで、実は世界はそれほど崩壊してなかったのかもしれない。

  • 生態系に関しては、孤島のピーピングベアやら、モーグリモグを残して絶滅寸前とか、
    ドゥドゥフェドゥみたいなおかしな生き物が増えたとか色々細かい描写がある。
  • 植物が碌に育たないと言うことは、農業が壊滅しているということ。
    それだけでも十分すぎるほどだろう。いわば「終わりの始まり」的な状況である。

飛空艇で世界を飛び回る都合上、街を崩壊させまくる訳にはいかなかったのだろう。

  • 逆に崩壊してから1年たってるんだから、再建したという考えもある。
    あと、ナルシェのように「街はあるが人が住める場所ではなくなった」という場所もある。
  • 前作で完全に入れなくなったりしたことで何か不都合でもあったのだろうか…
  • 主人公たちを通じてプレイヤーが訪れることができる街は、崩壊前と崩壊後の両方に存在できた、ある意味では幸運な場所で
    それ以外のゲームで描写されない市町村や都市国家の類は、崩壊前は存在していたが、世界崩壊の時に失われてしまった…
    という見方はどうだろうか。

FF6と同時期に発売され話の展開や悪役の言動がFF6とよく似ているといわれるハドソン(当時はKONAMIと合併前)の某RPGでも似たような世界崩壊イベントがあるのだがそちらは一度世界が崩壊すると陸地が沈没し殆どの村に行けなくなってしまう。

  • 1年後に発売したクロノトリガーも世界が崩壊するイベントがある。結果、文明・地形が崩壊、既存国家や街が全て滅亡、氷河期の再来、食料の枯渇、環境悪化によりミュータントが発生、暴走したロボットによる人間狩り等、これでもかというほどの絶望的な状況になっている。
    • しかしこっちはその世界を冒険したりは出来ない。
    • クロノトリガーの場合は歴史改変によって結果的に世界の滅亡を回避できるが、こちらには歴史改変などという手段はない。
      つまりケフカ討伐後も崩壊した世界で生きていかなければならないのだ。この世界が元の姿に戻るまで一体何年かかるのだろうか。

世界崩壊のあとのイベントは小さいものが多く、最終決戦まであっと言う間である(FF7はメテオが発動してからこれでもかと言うくらいイベントが目白押しなのに)。
さっさと「うひょひょ野郎」を倒して世界に希望を取り戻してあげましょう。

  • 仲間を集めていく」というテーマ上、キャラクター1人1人にサブイベントダンジョンが用意されている。
    (セッツァー…ダリルの墓、ロック…フェニックスの洞窟、など)
    決してボリューム不足などということは無く、むしろ贅沢なくらいだと思うのだが。
  • ボリュームはともかくモラトリアムな自分探しエピソードが多くていまいち世界崩壊の緊迫感がない。使命感を持って動いてるのはフィガロ兄弟くらいか。

夢も希望も無い滅びゆく世界だからこそ、何の為に生きるのか、戦うのか、確固たる信念を持つために自分探し的なイベントが必要なんだろう。

  • フィガロ兄弟にとってのそれは王位継承や兄弟子との戦いで、他のメンバーより一足先に壁を越えていたのが崩壊後の世界で強みになったんだと思う。
    • 自分探しをしたからこそ、ラストバトル直前のケフカの問いに対して「揃いも揃って口答え」が出来たのであろう。
    • キャラクターに感情移入しながらプレイすると、むしろ崩壊後の方が感動的な良イベントが多い印象。
      ただし完全な第三者の視点に立ってみれば、ケフカを早く止めなければ世界が滅ぶことは明白なので「レイチェルを生き返らせてる場合じゃないだろう」「文通してる場合じゃないだろう」といった物語の本筋と関係ない自分探しを批判する意見にも納得がいく。
      でもFF6の魅力は群像劇としてのテーマ性でもあると思うので、そこは大目に見てほしいね。

FF6の序盤の大きなテーマだった『人間と幻獣の共存』が世界崩壊後には殆ど出てこなくなり有耶無耶になってしまったのが残念。まあケフカがあんな酷いことをしてしまったので関係修復は絶望的だとは思うが。

  • ケフカが三闘神の力を手に入れてしまっているので、もし魔石化せずにひっそりと生きている幻獣がいて人間との共存を望んでいたとしても、結局は消滅しか道がないという悲劇…。
    ティナが助かったのは人間とのハーフであり、なおかつ人間として生きる道を見つけたからだしな…。
  • ・幻獣界に勝手に入ってきた人間達に仲間を拉致される(捕まった仲間はビーカーの中で死ぬまで力を吸い取られ続ける)
    ・人間達に散々酷いことをされたにも拘らずそれを許し和平の提案を受け入れる、が結局提案は嘘で騙し討ちにあい多数の仲間が殺される
    ・人間達のいざこざで世界が崩壊し殆どの幻獣は魔石化し死亡
    幾ら幻獣が寛容な生き物でもここまでされて人間との共存を望む奴はいないだろう。
    やったのは帝国だけど幻獣達からすればそんな人間側の都合なんて知ったこっちゃない話だしな。
  • 有耶無耶というか、「共存」という構想自体瓦解したと言って良かろう。
    主人公たちも含め人類は正直それどころではなくなってしまったし、幻獣は幻獣でケフカの一連の行動により「もはや人間には期待できない」という考えに至ったであろうことは想像に難くない。
    或いは、殆ど出てこなくなった事そのものが結末と言えるかもしれない。

最終ボスを倒せばその作品の大きな問題が解決していた過去作とは違い、ケフカを倒しても世界が荒れ果て絶望的な状態である事には変わりない。諸悪の根源が居なくなるので平和に大きく近づくとはいえ、完全に復興するまで途方もない時間がかかりそうではある。

  • 魔法が無くなった世界なので、魔法生物系のモンスターもいなくなり危険度は下がっていく筈。またフィガロ国やドマ、そしてマランダ・ツェン等の都市国家は復興していくのは比較的早いかも…
  • 魔法が無くなった世界の復興には機械が大いに役立つだろう。フィガロが復興の中心となって機械の時代が訪れるのかもしれない。
  • FF2では竜巻をよってそれこそ完膚なきまで破壊された町がいくつかある。

地割れに落ちるだけでなく地割れに落ちそうになり掴まる人が容赦なく地割れに潰されたりするのが酷い…
FF6をやるまで「地割れの直後に再び衝突によって押し潰される」という発想自体思い浮かばなかった、今でもトラウマものです。
その隣には何気に、商人の素早い判断で助かる帝国兵もいてヌクモリティを感じる。あと地味に登場するカッパが可愛い。


実は、開発当初の予定では世界崩壊後のストーリーの構想はなかったという。
2019年のFF6発売25周年を記念したファミ通による当時のスタッフへのインタビューより

2018年6月22日配信の「光は我らとともにある [DFFNT ONLINE交流会]」(44:10~)でも「初期稿に世界崩壊イベントはなかった、当時は開発途中で色々と増えてゆきRPGなのだから世界がもう一段階欲しくなった」と語られている。

  • 崩壊後にメインイベントが少なくサブイベントが多く、前述の幻獣との共存の話がおざなりになるのはその名残なのかもしれないな。
    • 世界崩壊前に終わりだったら、ケフカを倒してから幻獣の代表と共存を宣言してハッピーエンドとかだったりして。