作品/【Final Fantasy XVI】

Last-modified: 2024-04-22 (月) 02:29:24

「これは、クリスタルの加護を断ち切るための物語」


FFシリーズの、ナンバリングタイトル16作目。
2020年9月17日に開催された『PlayStation 5 SHOWCASE』にて、
プレイステーション5向けのアクションRPGとして開発中であることが発表され、2022年12月9日に開催された「The Game Awards 2022」にて、
発売日が2023年6月22日、価格が税込9,900円と発表された

  • 1st紹介トレイラーのラストに「PlayStation 5 Console Exclusive」と明記。注訳にも書かれている通りPS5の時限独占タイトルとなる。
    • 後にPC版も発売決定。
      更に好評のため有料DLCも販売予定。

プロデューサーは吉田直樹氏、ディレクターは髙井浩氏と、FF14の主要スタッフが参加している。
主題歌は米津玄師の「月を見ていた


ロゴはフェニックスとイフリートと思われる。


ちなみに、2020年5月の時点で「FF16に吉田氏が関わっている」という噂は海外で流れていた。


2022年6月3日に開催された「State of Play」にて発売日が2023年夏と発表された。

『FF16』吉田直樹プロデューサーインタビュー(2022.6.22)によると
「FF14:蒼天のイシュガルド」発売直後に社長から打診を受け、2015年11月ごろから吉田Pを含め4人という少人数で開発が開始。
吉田Pは開発の最初に"コマンド"、"オープンワールド"という要素は迷うくらいならなくてもいいとチームに伝え、
前者はFFに対する様々なユーザー調査を行った結果、コマンドという要素が若い人に伝わりづらいこと
後者は「世界を救う主人公の物語でありたい」「派手な召喚獣バトル」「出来るだけ早く発売したい」といった理由から
自分達がやりたいこととオープンワールドが合わないということで見送られた。


ストーリー自体は王道であるものの、流血、残酷な表現も多く、FFシリーズの中でも大人向けのストーリーとなっている。

  • 日本・欧米共に17歳以上対象に。
  • これまでのシリーズと違い明確なベッドシーンもある。
  • 近年の創作にしては珍しい喫煙描写があるのも特徴。
  • 生々しい人種差別描写や呆気なくどんどん人の死ぬシナリオなどダークファンタジーとしても色合いも強い。
    • 一方で人種差別については描写が陳腐すぎるという批判意見もある。
      • 本作では子供が環境が原因で差別に走ってしまうという描写はあるものの、大人の差別主義者は基本的に悪人しか登場せず掘り下げが浅い傾向にある。
      • 過去作における差別描写の代表的な例を挙げるとするなら、FF10ではメインキャラクターのワッカが弟の死による憎しみとエボン教への傾倒からアルベド族への差別を拗らせてしまうという、差別問題の一筋縄ではいかない複雑な事情が描かれていた。
    • ややネタバレになるがこういった差別描写への解決はサブクエストである程度補完されるが、エンディングでの描写は「奇跡でなんとかした」といった描写なのでうまく消化できてない印象を受けてしまう。
  • というか、前半ダークファンタジー的だが、後半はいつものFFに近い少年漫画的ストーリーに近くなっている。
  • 近年では珍しくなくなってきている同性愛描写があるのも特徴。
    ただ、サウジアラビアなど一部の国で販売されなかったのはこのせいではないかと予想されている。
  • ゲーム中で殆どの用語やキャラクターを解説してくれる要素もあり、「あれは何だったのか」とか「明かされてない謎がある」といった要素は殆どなく、今作だけでお話が綺麗に終わるようになっている。

ちょっとした問題点として日本語音声がリップシンクできていない。(口の動きは英語版準拠)
プロデューサー曰く、作業量の問題やムービーをフェイシャルキャプチャーで作っているため演技に変化が出てしまうなどの理由で断念したそうだ。


またローカライズ担当者の裁量はかなり大きかったのか、各言語版において大筋のストーリーは同じであるものの、人物造形などには意外なほどの違いが見られる。声優の演技プランもそれぞれ大幅に異なっており、あるシーンで日本語版では雄叫びであるセリフが英語版では静かな独白であったりすることがある。今作では気軽に音声やUIの言語の設定を切り替えられるため、様々な言語でプレイしてみるのもよいだろう。


上述のように本作は明確にキャラクターの強さの成長としてのRPG要素はあるが、コマンドの廃止などFF15と同様にアクションゲームとしての色合いが強い。
「たたかう」という単語の廃止や飛空艇が出ないなどナンバリングタイトルにしてはかなり思いきった作品。
状態異常や属性相性なども無く、「フェニックス対イフリート」のような他のタイトルでは泥仕合確定の組み合わせでも決着がつく。

  • 操作できるのは基本的に主人公のクライヴのみなのもFF15と同様。
  • このように書かれるとFFっぽくなくなってるように思われるが、そういった要素以外は、あらゆる部分に歴代の小ネタが仕込んでありFFっぽさを出すようにかなり苦心していることが伺える。
  • コンボ主体のアクション性だが、敵の攻撃を直前で捌くパリィ要素も強い。
    またアクションゲーム初心者への配慮が手厚いのも特徴。
    ディレイ入力やレバー入力技が存在せず、コンボアクションの操作難度が抑えられている。
    さらにボタン連打でコンボが繋がるシステムや、敵の攻撃が当たる直前で時間が遅くなるパリィ補助システムなど、アクションゲーム初心者でも非常に手軽にアクションを楽しめる。
    • 一部の攻撃を除き、攻撃動作中でも動作を中断して回避できる遊びやすい操作性になっている。
      回避するために攻撃せずに待ち構える必要が無く、気兼ねなく攻撃できる点が初心者に優しい。
      さらに上級者にとってもガンガン攻めながら流れるように回避するアクションが楽しめる。

攻撃動作から回避行動へと即座に切り替えることができるため、手を休めず攻め続ける事が可能。
またジャスト回避に成功するとカウンターで即座に攻撃へと切り返す事ができる。
さらにカウンター技が豊富かつ強力で、敵の攻撃が大技を叩き込むチャンスになる。
まさに「攻防一体」を体現したようなアクションとなっている。
そして特筆すべきは、サポートアクセサリによってアクションが苦手なプレイヤーでも攻防一体のアクションを手軽に楽しめる点にある。
アビリティはデビルメイクライシリーズでいうエアトリックに相当するアビリティが初期状態で使用可能で、エネミーステップやワイヤースナッチ相当のアビリティもすぐに入手できるため、熟達したプレイヤーであれば序盤から縦横無尽に動き回る事ができる。
さらにアビリティの増えてくる中盤手前辺りから組み合わせる楽しみが生まれてくる。

  • チャージショットバーニングブレードは優先的にMASTER化したい。
    これらをMASTER化できれば基本攻撃によるコンボダメージが飛躍的に上がり、空中コンボもやりやすくなる。
    特にチャージショットはコンボミスしてもアドリブで拾いなおしがしやすくなる重要アビリティで、コンボアクションに慣れたプレイヤーであればチャージショットをMASTER化するだけでも大分違うだろう。
    トルガルに指示を出して敵を打ち上げることもできるため、これらをMASTER化するまではトルガルに頼るのが手っ取り早い。
  • 空中コンボの幅を広げるためには、ストンプも早めにMASTERしたい所。
    このストンプはコンボ系アクションゲームではお馴染みの「エネミーステップ」そのもので「地上ジャンプ扱いなので空中で回数制限がある行動をリセットして再度使用できるようになる」という仕様もしっかりある。

発売前に公式も推していたように召喚獣バトルの演出は全体的に素晴らしく評価されている。


コンボ系アクションの宿命で、ゲームバランスがプレイヤーのコンボの巧拙に大きく左右される。
コンボ系アクションではコンボを叩き込む前提で敵の体力が調整されているため、コンボができないと敵1体倒すのさえ相当な時間がかかってしまうという問題がある。

しかしコンボができるプレイヤーにとっては敵の体力が低すぎるバランスになっており、雑魚に対するエリアルコンボも強敵に対するテイクダウン中のバーストコンボも、極めていくほどコンボ完走前に敵を倒してしまうようになるため極め甲斐が無くなっていくという問題がある。

  • アップデートによりアルティマニアックチャレンジにおけるコンボ時間制限が緩和され、極めたコンボを実戦でまともに決められるようになった。
    またアルティマニアックチャレンジの雑魚敵はウィル値が非常に高く、このウィル値を削り切らないと空中コンボに移行できない。そのためウィル削りコンボと空中コンボを適宜切り替えながら戦う必要があり、かなりのアドリブ力が要求されるなど、上級者にとってもやりがい抜群のコンテンツに生まれ変わっている。
    • 本作のアクションや最高難易度アルティマニアックチャレンジはコンボや死にゲーの上級者にもやりがいがある。しかしアーケードモードにおけるスコアがバトルテクニックを前提とした算出方法となっており、それを重視したプレイだと高スコアが狙えるが、バトルテクニックを無視して見栄えの良いコンボを叩き込むようなプレイでは当然低スコアとなってしまう。
      この算出方法は一部プレイヤーからの批判の的となっており、開発もそれを聞いてか長時間プレイの抑制や早期クリアによるスコアボーナス、スコア倍率の導入といったテコ入れがされたものの、バトルテクニック重視のスコア算出であることには変わっておらず、彼らの不満を抑えるには至っていない。
      また、アルティマニアックチャレンジで全ステージをプレイするには、2周目以降のファイナルファンタジーチャレンジを最後までクリアすることが必須であり、この敷居の高さも相まってアーケードモードのプレイ人口はそこまで多くないというのが現状である。
  • ストーリーフォーカスモードであれば敵の体力を含む能力値全般が下方補正をうけ、敵を倒しやすくなる。
    またオートアタックの指輪を装備すれば自動でコンボを行ってくれる。
    「アクションが苦手な人でも楽しめる」事を宣伝文句にしていた通り上記以外にもアクション初心者向けの救済措置は徹底されており、適切なプレイスタイルを選択すればアクション初心者でも敵をサクサク倒せるようになっている。

中型・大型の敵は打ち上げ不可能なので空中コンボはできず、ウィルゲージを削らないかぎり怯みもしない。
本作では敵の攻撃を直前で捌くことでメリットを得られる行動が豊富にあるため、これらの敵とのバトルではパリィ系アクションのような戦闘になる。

パリィ系アクションは攻撃動作をキャンセルしてパリィ行動ができる作品(例:SEKIRO)とできない作品(例:Wo Long)があるが、FF16は前者に該当する。
FF16は下地がコンボ系アクションのため、激しい攻めを続けながら敵の攻撃を捌くことが可能。
さらに敵の攻撃を受ける直前で捌くことに成功すると猛烈な反撃を繰り出すアクションが豊富にあり、パリィ系の作品の中では極めてアグレッシブなゲーム性になっている。


2023年12月8日、DLC第一弾となる「Echoes of the Fallen《空の残響》」が配信された。
太古に栄えた「空の文明」についての設定を補完する内容となっている。
また追加ステージが一つ用意されている。
追加装備も存在し、特にストンプの最大回数が6回になる「エアリアルビット」がバトル面での大きな追加要素となっており、熟練者によるLBストンプを駆使したスーパープレイが更に進化している。


2024年4月18日、DLC第二弾の「The Rising Tide《海の慟哭》」が配信された。
8属性の召喚獣のうち、本編で唯一姿を見せなかった伝説の召喚獣リヴァイアサンが登場する。
さらに本編での終末感漂う薄暗い空模様とは異なる、青空の広がる緑豊かで幻想的なフィールドが舞台となる。
バトル面では新たな召喚獣リヴァイアサンのアクションが追加される他、クリア後にさらなるアクションが開放される。
カイロスゲートというサバイバルモードのようなエンドコンテンツもクリア後に開放される。
また同日配信されたパッチ1.31により既存の召喚獣アクションにアッパー調整が入り、ボタン配置のカスタムが可能になった。
今回のDLCでは遊びごたえを重視して難度が上がっており、かなり歯応えのあるバランスになっている。