KINGDOM HEARTS

Last-modified: 2021-02-02 (火) 09:19:09

●『キングダム ハーツ』 2002年3月28日発売 対応機種:PS2
●『キングダム ハーツ ファイナル ミックス』 2002年12月26日発売 対応機種:PS2

略称は「KH」「KH1」「KHI」「KHFM」「KH1FM」等。
主題歌は宇多田ヒカルによる「」。

記念すべき第1作目。
ディズニーキャラクターとファイナルファンタジーキャラクターのコラボや、主題歌に宇多田ヒカルが起用されたことなどが話題になった。


KH

ストーリー

小さな島、デスティニーアイランドに住む少年ソラは、親友であるリクカイリと一緒にイカダを作り、外の世界へ行く計画をしていた。しかし旅立つ前日の夜、突如発生した謎の嵐が島を襲い……。

一方その頃、ディズニーキャッスルでは、突然この国の王様がいなくなり、彼に仕えるドナルドグーフィーは、王様の置き手紙に従い、「を持つ者」を探すための旅に出ることになった。
 
主人公(プレイヤー)は前述の少年、ソラ。明るく活発な14歳。


ジミニー曰く、闇の侵食を止める旅。ソラとキーブレード、そして外の世界との出会いであり、ハートレスとの闘いの始まりである。


ストーリーは数多くのシリーズが発売されている現在でも人気が高く、ソラがさまざまな冒険やディズニーキャラクターたちとの交流を通じて「心とは何か」を学んでいくという堅実かつわかりやすいシナリオ運びが高く評価されている。
また、後々の作品と比較してディズニー要素・FF要素・オリジナル要素のバランスが取れていることも特筆すべき評価点として挙げられることが多い。

システム

シリーズ最初の作品ということで、後の作品の基礎となるシステムの大部分はすでに形となっているが、やや荒削りなところもある。

  • 後の作品とはダメージ計算式にかなり違いがある。
    「攻撃力-防御力」という基本は同じなのだが、KHII以降の作品がそこに倍率を掛ける形でのダメージ計算を行っているのに対し、本作では「攻撃力-防御力」の値の差が一定より大きくなると、その計算値以上にダメージが加算されていくという独特の仕様となっている。アルティマニア掲載の敵の攻撃による威力補正が数値を加算する形で掲載されているのもこのため。「(敵の攻撃力+威力補正)-防御力」の値が10を超えるとかなり危険になる。
    一方でボス敵への与ダメ最低値も低い傾向にあり、攻撃力が低くなりすぎても戦闘が長引いて苦戦することも多い。
    アクセサリーの仕様上、攻撃・防御の両立は困難でありどちらかに特化せざるを得ないのも悩みどころ。ソラのステータスも他の仲間と比べるとかなり低くなっている。
  • 多少ステータスが低くてもダメージ最低・最高値補正でどうにかなるように調整されていたKHIIの仕様は、本作の反省を踏まえてのものだったことが伺える。

マップはKHII以降と比べるとかなり複雑で、ジャンプアクションを駆使するマップ構成や、ギミックによる謎解き要素が多く含まれているのが特徴。
後のワールドで新たなアビリティやトリニティを習得しないと回収できないアイテムなどがかなり多いのも特徴である。このことはゲーム中でもドナルドやグーフィーが時々ヒントとして出してくれる。

KHFM

FM(ファイナルミックス)版とは、オリジナル版に追加要素を加え、言語を全て英語ボイスに吹き替えた完全版の作品。

  • FFシリーズでいうインターナショナル版の位置付けに近い。

わざわざ吹き替えるのは、「本場のディズニーキャラの声を聞けるように」という配慮のため。
ムービーにはちゃんと字幕が付くし、ボイス以外の言語は日本語なので安心してプレイできる。

  • ただ、英語ボイスに関しては「日本語でやりたい」「本場のディズニーキャラの声を聞きたい」など賛否が分かれやすいため、音声切り替えの実装を望む声も上がっている。

カメラワークの改善、難易度選択の実装、一部のハートレスのカラーリングの変更、隠しボス・リク視点のイベント・アンセムレポートの追加、グミシップミッションの追加等が行われた。また、FM版のプラウドモードは歴代作品でもかなり難しいことで有名。BbSFMを全編Lv1でクリアするより断然難しいという人も。
KHIIほど通常版とFM版に差異はないが、特にこだわりがなければカメラワークが改善されたり(通常版だとカメラ酔いしたという人も結構いる)KHIIへの伏線となる隠しボスがいるFM版を選ぶといいだろう。勿論、日本語音声で遊びたいという人は通常版で全く問題ない。

  • 基本的に海外オリジナル版をベースにしているが、日本に逆輸入されるに当たって追加された要素も多い。難易度選択のビギナーモードはFM版になって追加されたものである(プラウドモードは海外オリジナル版の「エキスパート」モードがベース)。
    FM版追加のアビリティ・アクセサリ・レアハートレスもほとんどは海外オリジナル版には存在しなかった要素。元々セフィロススライドダッシュなしで倒さなければならなかったという事実は意外と知られていない。
    ほとんどのFM版の裏ボスは海外版初出であるが、謎の男のみ国内FM版で初出である。
     

ゲームバランスもオリジナル版から大幅に修正が入っている。
ホロウバスティオン以降のボス敵の最大HPが大幅に低下した一方、防御力が大幅に上昇。
これに伴い物理攻撃でのダメージ効率が激減し、防御力を無視する魔法が相対的に大幅強化されている。
ボス敵のサンダー系グラビデ系の属性耐性もオリジナル版と比べると大幅に緩和された。
オリジナル版ではボス戦では基本的に物理攻撃が有利なゲームバランスだったが、FM版では魔法がモノを言う場面が大幅に増えている。
敵の攻撃力も全体的に上がったため、基本的に標準難易度の「ファイナルミックス」でもオリジナル版よりは若干難しくなっている。


「KINGDOM HEARTS -HD 1.5 ReMIX-」には、本作FM版のHDリマスターバージョンが収録された。
元になっているのはFM版だが、音声は日本語となる。対応機種はPS3。

主要キャラクターのモデルは当時の最新作であった3Dで使用されたものに差し替えられ、マップやUIなども高精細度化してワイド表示への対応がされた。
システム面においては、コマンド欄のうち4つ目の状況に応じて変わる「?」のコマンドがKHIIのリアクションコマンドのように△ボタンで発動できるようになり、カメラ操作がL2・R2ボタンから右スティックに、イベントスキップがいつでもできるようになるなど、全体的にKHIIに寄せたアレンジがされている。
ゲーム面でも、アビリティにEXPゼロコンボマスターが追加され、新たな遊びが可能となった。
一部ボイスを新録、そして音楽をほぼ全曲生楽器に差し換えとKHFMを完全アレンジリメイクしたものになっている。

トロフィー機能が追加されたことによりやり込み要素も上がった。

  • プラウドモードクリア、グミシップ全入手、装備変更なしでクリア、ノーコンテニュー、15時間以内にラスボス撃破などのある程度のプレイヤースキルがないと達成出来ないものも存在する。
    • その為PS2版をプレイした人も違った感覚でプレイする事が出来る。
    • PS3版は難易度トロフィーが独立しており、トロフィーコンプリートするには全ての難易度でクリアしなければならなかった。PS4版ではプラウドモードをクリアすれば他の難易度トロフィーも全て達成扱いされるようになった。
  • 海外ではFM版は本作が初お披露目となった。

リマスターにあたっては当時のデータがほとんど残っておらず、プログラマーが手作業でプログラムの中を探るような開発だったそうで、ディレクターはこれを「広大な図書館の中で1冊ずつ目当ての本を探すようなもの」と表現しており相当の苦労があったことが窺える。
開発が始まったのはKH1.5より先にリマスターが発表されたFFX/FFX-2よりも早く、KH1.5が発表された時点で大阪チームのプログラマー2名を中心として1年以上研究が続けられてきていたという。


「KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-」にも本作が収録された。音声は日本語。
対応機種はPS4で、画質や音質も更に向上した。ゲームプレイ中のfpsが30から60に向上し、より滑らかな映像となった(ムービーは30fpsのまま)。
また、PS3版ではキャラクターのリップシンク(唇の動き)が英語から日本語に修正しきれていない部分が多々あり、特にホロウバスティオンはほとんどが英語のリップシンクだったが、これらの多くが日本語のリップシンクに修正された(ただし全てではない)。気になる人には感情移入の妨げになりかねない点なので妥当な修正だろう。
その他にも、PS3版よりムービー中の字幕のサイズが小さくなっている。PS3版はPS2のオリジナル版とあえて字幕のサイズを合わせていたと思われるが、オリジナル版の発売から11年が経過してその間にブラウン管テレビから液晶テレビに世代交代し、さらに当時よりテレビの大型化が進んだ結果、PS3版では字幕が妙に大きく感じられてしまったが、これが昨今のテレビに自然に馴染むサイズまで小さくなっている。

  • 後のアップデートにて、無料追加コンテンツとしてシアターモードが初めて実装された。
    ただし完全な後付けというのもあり、他の作品のものとは大きく仕様が異なる。詳しくは当該項目を参照されたし。

余談

開発の切っ掛けは、ディレクターの野村哲也氏がゲーム『スーパーマリオ64』に衝撃を受け、「いつか自分もあのようなゲームを手掛けたい」と思ったこと。
その際周囲の人間に「マリオに対抗するにはディズニーさん位のブランド力が必要」と言われたのがずっと頭に残っていたという。
一方、事の発端はFF8の開発中に遡る。当時ディズニー社とスクウェア社は同じビルに入っており、ある日橋本真司氏がエレベーターに乗っていたところディズニー社の幹部に話しかけられ、ゲームの共同制作を持ちかけられていた。
その話を受け、当時スクウェアに在籍していた坂口博信氏とどのようなゲームがいいか話し合っていたのだが、偶然そこに野村氏も居合わせていた。
「マリオに対抗するにはディズニー級のキャラでなくては不可能」という意見、そして自分の持つゲームのアイデアを合わせれば今までにないゲームができると考えた野村氏はそこで手を挙げ、プロジェクトが立ち上がった。

  • 余談の余談になるが、坂口氏は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の影響で『マリオ64』と同じく箱庭アクションの『武蔵伝』を制作した。その『武蔵伝』のスタッフは後に本シリーズの制作を手掛けることになるというのも不思議な縁であろう。

当初はディズニーのキャラゲーらしく、マレフィセントを倒して終了というようなシンプルなストーリーが予定されていた。
しかし坂口氏の「FFを遊ぶような層を狙わないと失敗する」という意見を受けて、現在のようなストーリーとなった。

  • 他にも初期案ではソラが獣人だったり、武器がチェーンソーだったりもした。
    • ソラが獣人でなくなったのは当時発売直前だったFF9の主人公・ジタンと「尻尾を持つ獣人系の少年」という特徴が被ってしまうのを避けるため。

当時ディズニー側はドナルドを、スクウェア側はミッキーを主人公にした作品を考えていた。
しかし野村氏には最初からオリジナルキャラクターを主人公としてディズニーの世界を旅するという現在のKHの基となる構想がすでにあり、野村氏が手掛けることに決まった後の初めての打ち合わせではディズニーが「こういうゲームを作ってほしい」とプレゼンをしていたが、野村氏は「僕はそういうゲームは作らないですよ」と向こうのプレゼンをぶった切って自らのプレゼンを始めたという。
当然、その場はとんでもない空気になったらしいが、野村氏曰く「英語がわからないから気にしなかった」。
その後は野村氏の案から現在のKHIにすり合わせていく作業がディズニーとの間で行われていくこととなったが、ともすれば突拍子もない提案を全面的に受け入れたディズニーの姿勢について野村氏は「かなり寛容だった」と話している。

  • この辺りの話が展開される「社長が訊く」はファンなら是非読んでおくことをおすすめする。

当初ゲームの名称は「キングダム」とする予定で、これには「ディズニーらしいイメージ」と「自分たちが一から王国を作る気持ち」という意味合いが込められていた。
しかし「キングダム」が既に商標登録されていたため、そのまま使用することは出来なかった。
そこで作中の重要なキーワードの「心(ハート)」を語呂を良く「ハーツ」にした上で付け足し、「キングダム オブ ハーツ」に決まりかかっていたが、これも語呂が悪いという理由から、文法より語呂を優先して現在の名称である「キングダム ハーツ」になった。


ゲーム発売前には日清食品のチキンラーメン、アサヒ飲料の三ツ矢サイダーとバヤリースオレンジとの大規模なタイアップが行われ、KHキャラクターをあしらったオリジナルデザインの容器で発売。チキンラーメンにはミニフィギュア、三ツ矢サイダーとバヤリースオレンジにはボトルキャップフィギュアかキーチェーンが付属していた。
さらにアサヒ飲料は実際のゲーム画面を使用したテレビCMも大々的に放映し、ゲームの知名度の向上に一役買った。当時このCMでKHを知ったというプレイヤーも少なくないだろう。

関連項目