どうしたんだ佐伯!

Last-modified: 2022-09-08 (木) 14:31:10

佐伯貴弘(元横浜→中日)が2006年8月23日の横浜ベイスターズ対読売ジャイアンツ戦(横浜スタジアム)で起こしたボーンヘッドに対する実況のワンフレーズ。転じて本プレーそのもの及び類似のプレーを指す。

松下賢次アナウンサーの絶妙かつ的確なツッコミも相まって、横浜の暗黒期を象徴する珍プレーの一つとして現在も語り継がれている。

概要

1-1で迎えた9回表、巨人は先発の吉見祐治を攻め立てて一死満塁のチャンスを作る。ここで横浜は勝ち越しを防ぐべく前進守備シフトを敷き本塁封殺に備えていた
吉見は対する鈍足の阿部慎之助に注文通りの平凡な一塁ゴロを打たせピンチを脱した…かに思われたが、一塁手の佐伯は本塁に送球して三塁走者の鈴木尚広をアウトにすれば良かったものを、もたついた挙句何故か一塁ベースを先に踏んでしまう*1。すぐさま本塁へ投げるも、その間に俊足の鈴木はホームベースを駆け抜けて巨人が勝ち越し。これが決勝点となり横浜は1-3で敗戦。

このプレーを目の当たりにした実況の松下はテレビ中継で「どうしたんだ佐伯!何のための前進守備だ!これはいけませーん!!」と絶叫。同じく椎野茂アナウンサーもTBSラジオで「これは順番が逆だろー!」と叫ぶ始末。ベンチの牛島和彦監督はガッツリと佐伯を睨んだ。

本プレー自体は明らかに佐伯の判断ミスであるが、記録上は内野ゴロ間の得点であり、後逸や悪送球ではないため佐伯にエラーは記録されず、吉見に自責点(及び敗戦投手)が記録された。9回まで巨人打線を抑え続けた吉見にとっては踏んだり蹴ったりな結果となった。

佐伯自身は当時消去法的に4番を任されていたが、この年は故障も影響し打撃不振に陥り*2、シーズン後半は急成長を見せていた後輩に4番の座を明け渡す等、苦しい状況に置かれていた。そんな中での失態であった(本試合は6番で出場)。

動画

↑の冒頭部分(twimg)

コピペ

佐伯はホームゲッツーを知らなかったのではないかという疑念まで持ち上がり、本プレーを元ネタとしたなろう小説風のコピペが存在する。

ベイスターズナインは怪しい者を見る目つきで俺を睨んでいる。

佐伯が怪訝そうな顔をして尋ねた。

「前進守備…?なんだそれは。確かにあのとき、いつもより守備位置を前にするようには言われていたが。」

俺は唖然とした。

「なんと…前進守備を知らないのか。

いいか、9回同点で1死満塁。ここは何としても抑えきらなければならないという場面だな。

ここでゴロ性の打球が一塁へ向かった。こうだったな。」

「そうだ。そして当然俺は一番近いアウトを取るために一塁ベースを踏んだ。」

なんと、これでも野球ができるのか。だが無理もない。

何せここは勝利という一般的には何よりも優先される目標を完全に度外視し、

究極のエンターテインメント性のみを追求してきた、『ベイス・ボール』の世界なのだ。

「ちょっと待ってほしい。一塁へ向かいたい気持ちもわかる、しかしだ。

ここで捕ったボールを一塁ではなく、ホームへ投げたとしたらどうなる?」

俺がこう問うと、一瞬、周りの空気が止まった。

その数秒後、辺りは感嘆の声に包まれた。

「なんてことだ!本塁に投げれば相手に点をやることなくアウトを取れるじゃないか!」

「おい、それにフォースアウトを取った後、バッターランナーをアウトにすることもできるぞ!凄いなこれは!」

「そうか!守備位置をいつもより前に置いたのも、本塁のアウトを取りやすくするためだったんだな!」

類似例

  • 2017年4月11日の巨人対広島戦(東京ドーム)にて、本プレーで打者側として当事者だった阿部が同様のミス*3を犯し、Good luck Good life事件のきっかけを作っている。

関連項目


*1 先にホームに送球すれば本塁はフォースプレーだが、佐伯の選択した「一塁アウト→本塁転送」の場合、一塁アウトの時点で三塁ランナーの進塁義務がなくなるため、本塁はタッチプレーとなる。
*2 規定未到達、打率.225、5本、37打点
*3 一死1・3塁からの一塁ゴロで、前進守備を取っていた阿部の判断ミスでオールセーフとなっていた。