考察/サー=ヴァル暗黒卿の帝国兵時代について

Last-modified: 2018-08-18 (土) 14:22:39

帝国狩猟部隊"フェンリル"

第四章における夜刀神の発言から、サー=ヴァル暗黒卿は帝国狩猟部隊"フェンリル"に所属していたことが判明している。夜刀神はサー=ヴァル暗黒卿を一目見るなりフェンリルの所属であること(ただし、今では離脱している)を見抜き、狼狽えていた。このことから察するに、夜刀神はフェンリルから追われる身だったようだ。
ヒッポポタムスの言葉によれば7年前までは所属していた可能性もある。また、第十章では旧知の仲と思われ、自身もフェンリルの名を冠するビヨンドフェンリルから「トルネード」と呼ばれる場面があるため、当時は偽名ないし部隊内でのコードネームとして「トルネード」を名乗っていたものと思われる。
また、サー=ヴァル暗黒卿は神殺しの経験があることからすると、フェンリルは神殺しを請け負う部隊であった可能性も高い。夜刀神は名前に神とついている他、自身に神の力が宿っているという発言もしており、この予想と符合する。
フェンリルとは北欧神話にて主神オーディンを食い殺した魔獣の名であり、神殺しの部隊の名に正に相応しいと言える。また、暗黒卿の「神をも食らい、最強となった私」との発言より、構成員は皆、神との対峙のために神の力を取り込んだ者達なのかもしれない。

滅ぼされた故郷

サー=ヴァル暗黒卿はことあるごとに「ついに見つけたぞ、故郷を滅ぼした男よ……」と発言する。その発言がどこまで本当なのか、気が動転しての発言かは定かではないが、他の魔導生物の発言からすると、彼女の故郷が滅ぼされたこと自体は本当のことのようである。

滅ぼされた経緯

サー=ヴァル暗黒卿の故郷が滅ぼされた経緯について、断片的な情報はいくつかある。例えば、夜刀神によると、サー=ヴァル暗黒卿は「国を守るため親友を殺し家族を見殺しにした」とのことである。これに対してサー=ヴァル暗黒卿は「ごごご、人類の進化のためにはやむを得ないことだった。そうだろう!」と返している。
第六章①ではアルカキルティ大平原でグラシャラボラス率いる反乱軍を相手にむごたらしい戦争をしているものの、魔晄中毒者が出ることを良しとしない帝国軍将グリーヴァに対して「己の大事な家族や友のためにやめちゃったらー?」と提案している。かつての自分と重なる部分があっての発言なのかもしれない。
また、第七章④で帝国魔導図書館から去る際に、「・・・私はもう己を見失いはしない!」と自分に言い聞かせるように発言している。過去に己を見失ってしまうほど狂乱した出来事があるのだろうか・・・──いずれにせよ、彼女の過去を知るには、人類についての考察が必要かもしれない。

滅ぼした人物

実は、現時点で一人だけ、「貴様の故郷は私が滅ぼした」と自分から発言した人物がいる。それは、月の地下渓谷クリスタルタワーの音声である。音声は途中で途切れているが、サー=ヴァル暗黒卿の故郷が滅ぼされたのは「聖なる審判」によるもので、音声の主はその実行者であったようだ。しかしながら、音声の主が何者なのか、聖なる審判が実行された理由は何故なのか、それはまだ分かっていない。月の地下渓谷クリスタルタワーについても、更なる考察が必要だろう。