用語/フォ=ラー捜索者(ミドラーシュ)ギ・ロスギロス・イド

Last-modified: 2024-02-17 (土) 09:41:52

概要

 ビヨンドフェンリルが記述している書物と思われる題名。異説10章末尾でアミシティアバッカスがその名に言及した。「私たち(なぜか複数)それを詠唱んで真理の観測者を始めた」という。
 異説12章ではビヨンドフェンリル自身がなんらかの書物をロスリック・モーグリワーフォックスに対して註解している場面があるが、その図表内で「ギロス=ギロス(別名:『ヤミガラス』)」なる存在が登場するため、この書物にあたると推測される。ギロス=ギロスの姿は、同図表ではサウザンドブレードと同様の特徴を備えているように見える。

考察

 内容について直接的な言及はないため、10、12章の場面より推測するしかないが、幸い考察可能な情報や考察者らの見解*1は比較的豊富である。考察者らには12章の「ギロス=ギロス」の名が、宇宙貴族軍であるクロスボーン・バンガードの兵器(外部リンク)の名にきわめて酷似しているという指摘が多数ある。クロスボーン・バンガードのコスモ貴族主義を思わせるノブレス・オブリージュの、ジャパエデンにおける代表的な体現者として広く認識されている王族ワーフォックスが興味を示していることも関連をうかがわせる。ギロス=ギロスの「別名:ヤミガラス」は、ベルガ=ギロスの黒の部隊仕様(機体が漆黒に塗られ、漫画版では「この闇夜のカラスちゃんてば」等と呼ばれる)に明らかに符合する。また、神羅の優秀なエンジニアであるロスリック・モーグリが聞き入っていること、題名の「ギ・ロスギロス・イド」の語感はジャパエデンの要所に配備されている戦闘用アンドロイドのような分類を思わせる。ロスリック・モーグリが書店を経営していることから、神羅レポートのような書物に興味を示しているという考察もある。これらの材料から、新型の機動兵器の開発・運用構想を記した書物であると強く推測される。
 また、ビヨンドフェンリルが歴史学者かつ帝国魔導研究所の特派調査員であることから、「捜索者(ミドラーシュ)」とは、この書物自体が神羅レポートなどの捜索報告であることを示しているとも考えられる。しかし、その一方で、「ミドラーシュ」とは、本来の用法としては、旧約聖書の注釈のうち、聖書の字義通りとは大きく異なるもの、通例の解釈に反したものを特に指す語である。これが仮に「ギロス=ギロス」という存在の特性を示しているとすれば、「元となる存在から大きく外れたもの」、すなわち、教会の戦闘枢機卿であるサウザンドブレードをモデルとしつつも、似て非なる存在として構築されたことを示しているのかもしれない。つまり、神羅カンパニーがひそかに準備している、教会への対抗兵器である可能性もあり、おそらくは、「大いなる福音」の異名を持つサウザンドブレードに対する「異端の福音」として作り出されたコピードロイドの類と考えられる。神羅所属のロスリック・モーグリが性能評価に期待していることもこの説の裏付けとして挙げられる。なお9章でプレジデント神羅が死の山地方に滞在している唐突さは考察者の間でも謎とされているが、あるいは神羅カンパニーのこの兵器の開発プロジェクトに関連するコスモ貴族主義について知るため、ワーフォックスに接触することが目的であった可能性もあるだろう。
 装備やスペックについては推測の域を出ないが、図表中で、ギロス=ギロスは「魔眼」と称する両目から鋭い眼光を放っており、クロスボーン・バンガードの機動兵器と同様のツインアイタイプのオプティカルセンサーを装備していることは明確に把握できる。

メタ的な解説

 漫画家タイリクオオカミの著作である「ホラー探偵ギロギロ」のノムリッシュ翻訳。原作10話では漫画というが、12話では紙芝居のように見える。
 ミドラーシュとは語義自体はヘブライ語の「捜す者」であるが、上記のように本来の語義(現実社会の世間一般で使用される用法)はあくまで聖書用語のものである。が、カードゲームやソシャゲでキャラのそれらしい称号として(聖書用語とは無関係に)使われていることも多く、このノムリッシュ翻訳でも「捜索者」のルビであることから考えても、単にその仰々しい意で登録されていると思われる。


*1 動画コメでのツッコミ