台詞/家畜に神はいない

Last-modified: 2024-02-17 (土) 09:08:09

概要

 何かを否定・詠嘆しているきわめて意味深長な言葉。「家畜」とはいずれかの魔導生物か、「神はいない」とは神の喪失か守護者を失ったことを謳ったものか。クァール枢機卿(1章前編のファルシ登場場面、異説7章②など)も使用するが、1章サイドストーリーのウァ=ラーイン騎士団長の台詞が印象深い。

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メタ的な解説

 「だめ」のノムリッシュ翻訳のひとつ。元は『FINAL FANTASY TACTICS』において、人である以上貴族も平民も神の下に平等という主張に対して、悪役(憎まれ役)の貴族アルガスが、平民を人でなく家畜扱いし、神の下に平等に扱われるに値しないのが天の意思と言い放ったもの。
 貴族と平民(出身者)の平行線な立場を一言で表現したFFTの名言だが、基本的には憎まれ役の歪んだ認識を表現した台詞で、視聴者らの動画コメントも相応のものである。ただし、FFTではここまで追い込まれたアルガスの生い立ちなどを考慮すると単純にそれで済まされるでもない、世界設定を考えさせられるきっかけとなる台詞となっている。

 

 ここで、人同士は平等だが人と家畜は平等ではない、というこの前提について、実在の中世欧州に強くモデルを取っているFFTは、人と動物は平等ではない(人は特別に恵まれている)というキリスト教的認識に則ったこのような台詞回しがあり、全ての生物・あるいは無生物含む森羅万象が繋がっているという東洋思想の多く(仏教等)とは異なる思想の存在を強く認識させる。
 一方、ノムリッシュけもフレの世界においては魔導生物(動物)、人類、神・神々の相互の立場や存在・永続性もすべてあやふやである。また、原作の考察でよく言及される点ではあるが、原作けもフレのモチーフは「自然の動物」ではなく「動物園」であり、動物らは「人」に「飼育」されていたが、アニメでは現在は人は存在しない。これらを考えると、この台詞は現状でもFFTと同じ意味合いでは読み取れず、おそらく物語の趨勢によってこの語はさらにまったく違った意味を持ってくる。後程考察するのが興味深いだろう。