サタヴィーの宇宙帝国漫遊記/登場人物

Last-modified: 2024-04-14 (日) 00:13:55

主要人物

サタ・セーテクス

フルネームは「サタ・コモン・セーテクス・L・セイリョー」。
外見は黒髪黒目で何処にでも居そうな風貌をした、帝国の標準的なヒューマンで言うところの20歳前後の姿の青年。
セイリョー社が製造した人造人間。五年の雇用期間が過ぎた後、現在は一般市民向け、初心者向けの記事を書くフリーライターとして活動している。
製造時に何かしらのイレギュラーが発生しており、グレードExの秘匿情報とされている。
本編開始前時点で違法組織の壊滅を行っていたり、殺したのに死ななかったといった情報がある。

製造元から絶対にブラスターを使うなと言われており、白兵戦しか出来ず、戦闘時には伸縮自在modを入れたチタン製の棒を使用する。
手で触れることでmodが使われているかどうかが分かり、舐めることでより詳細に分析できる能力を持つ。

軽度のネタバレを含む

「我が名はサタ・コモン・セーテクス・L・セイリョー。虹銀泡界の主にして、新しき宙の主。新たなる法の支配者。未熟なりし改変の徒」
その正体は普通の帝国人とは異なるOSを保有する生物、すなわち宇宙怪獣であり、そのOSと幾つかのmodが噛み合った結果として宇宙空間でも支障なく生存できる。
分類上は世にも珍しい人造の宇宙怪獣。
普段は力を抑えており、少し開放した程度で中度の事象破綻による悪臭が発生し、周囲を銀色にヘドロを混ぜ込んだようなこの世ならざる領域へと変化させる。
これが発生した宙族の船の床は溶け落ち、壁は腐敗し、船の環境を維持するためのmodたちが悲鳴を上げた。

誰も彼も無差別に助けようと思うほどのお人よしではないものの、セイリョー社の人造人間製造部門の研究者達がとても善い人々で、サタをきちんと人として扱い教育してくれたため、人類にとっては数少ない友好的宇宙怪獣である。
超光速航行や超高速航行、条件付きではあるもののゲートを介さない転移が出来る。

普段活動している肉体は端末あるいは人形のようなものであり、本体は別位相の空間に居てそこから端末を操作している。
端末は普通のヒューマンで言うところの髪の毛、爪、表皮の薄皮一枚程度のものであり、幾ら壊れても本体への影響はほぼゼロな上に、即座に新しいのを出してこれる。
この新しい端末を出す際に別の座標を指定することで転移しているようである。
相手が対人間サイズの武装を使っている限りは不死身と言って良く、mod兵器はOS違いで大体が機能不全を起こし、生物兵器、化学兵器についても、感染性、浸食性が仮にあっても端末で止まるように仕込んである。
相手がただの宙族程度であれば、端末だけで戦闘用人造人間の製造装置がある船を単独で制圧できる戦闘力を持つ。

端末の外見や性能はある程度自由に変更することができ、作中でもいくつかの型が登場している。

人形の種類
  • 男性型
    サタが普段使っている姿。黒髪黒目で何処にでも居そうな風貌をしている20歳前後の姿の青年。ある程度自由に変更可能。
  • 女性型
    ヴィリジアニラより頭一つ分ほど小さい、ミゼオン博士を思わせる顔をした少女の姿をしている。側頭部にはヤギのような角、腰には一対の蝙蝠の羽と日本のタコ足のような尻尾が生えている。しかし、それを含めて非常にバランスの取れた容姿をしておりノーメイク+白衣+シャツ+ズボンという着飾っていない状態でもヴィリジアニラに並ぶほどで「二人が一緒に歩くと、真っ当な人生を歩み続けた人でさえ犯罪者の道へと落としかねない」というほど美少女。
    男性型と違い、女性型を作ると容姿が固定されてしまう(理由は色々あるらしいが今更変更することができない)。
    サタも外見の破壊力は自覚しており、人前に出すことがないサタの温室管理を担当させている。
  • 髪飾り型
    ヴィリジアニラに渡した髪飾り。操作するわけではないが、サタの一部であるため、装着者の位置把握や転移、シールドの展開が可能。また、遠隔でもヴィリジアニラによるサタの能力解放が可能になっている。
  • パワードスーツ型
    シブラスミス星系で作成した、対象の捕縛や仲間たちの壁役となることを目的としている。外見は4メートルを超え正面は金属質の甲殻、ブラスターの類はないが、背中には伸縮自在な触手が生えている。さらに高レベルの迷彩やを持ち、壁や天井に張り付くことも可能。
    パワードスーツ型なのでコックピットもあり搭乗することもできる(ただし、内部は全て蠢く肉)。外部コックピットもありそちらから誰かが操作することもできる。

本体はヤギの角と蝙蝠の翼が生えたメンダコのようなもので、銀色にヘドロを混ぜて淀んでいるような世界(エーテルスペース)に存在している。
脳みそを10個以上保持しており、順繰りに眠らせることで体の活動を止める必要はない。また、端末が食べたものは本体に転送され、modの作用で排泄物、老廃物は100%分解・再利用可能なため排泄の必要もない(そもそも本体のmod作用により食事の賄われているため食事は必須ではない)。端末が着ている衣服も、端末と一緒に作成しているため衣食住については娯楽・嗜好品の範疇に収まっている。
余談だがサタの本体は帝国軍がよく使っている戦艦と同じくらいの大きさであり、宇宙怪獣としては最小クラス、人造生命体としては最大クラスとなる。

『ツメバケイ号』でのギガロク宙賊団残党による襲撃が起きた際、戦闘用人造人間の製造装置まであった宙賊の船を一人で制圧してしまったために危険人物判定を受けた。
それにまつわる面倒事を避けるために、ヴィリジアニラの部下となることで庇護下に置かれ、正式採用された人造人間としてヴィリジアニラが主に登録された。
普段バンダナを巻いている首にはセイリョー社製の人造人間であることを示す鵺の入れ墨が入っており、その鵺の前足の虎の腕はサタの固有コードになっている。

製造元での雇用期間が明けた後も有効な制限がかけられており、主が許可を出すことで制限されていた機能・身体能力が解放される。
能力の解放は主の地位によって異なってくるものとなっており、主の地位が高いほど解放される能力の出力が上がる。皇族(エン)クラスならば宇宙怪獣としての真の力を完全に解放することが可能。

OSから異なる宇宙怪獣であるため、異なるSwの影響圏に侵入した際にはきちんと調整しないとmodが競合し、特に噛み合いの悪い部分で事象破綻が発生してしまう。
modの調整は普通の人間には絶対に出来ない行為であるが、サタは自力で調整をすることが出来、そのおかげで帝国にいることが許されている。また、このmod調整技術は戦闘などにも応用しており、特製の毒などを生成することもできる。
ブラスターmodとはOSが根本的に相性が悪く、OS下では破綻が生じるため使い物にならなくなる。具体的には「上下左右に曲がる」」「出力が勝手に向上する」「発射点がずれた上に乱射される」「エネルギー切れなのに突然乱射される」など。事象がランダムな上、セイリョー社でも矯正できなかったためブラスターmod系兵器の所持は禁止されている。

事象破綻砲・500・エラーセピア
サタのとっておき。
本体を顕現させつつ、口頭による特殊なmodの製造及び使用制限解除と生成を開始する。本体にある漏斗部分に生成した特製modを充填しつつ、足を螺旋状に束ねて筒にする。発射の掛け声とともに、漏斗から漆黒色の光線が放たれる。
光線の軌跡は重度の事象破綻を強要、特殊なmodによる制御がなければ周囲一光年に存在するものはバニラOS含め全て蒸発、消滅する。また、軌跡は数日間ブランクOSとなってしまう。
被害を抑えるための手段としてヴィリジアニラに『試作外部制御mod-サタンの金環』を渡しており、このmodを使うことで事象破綻砲による影響を対象外とするものを指定できる。ただしこのmodは「事象破綻砲の準備でサタ自身は使えない」「ヤタと認識共有するために契約が必須」「高密度の情報処理能力が必要」と制限が多く、現在はヴィリジアニア以外使い物にならない。

mod生成の口頭

「我が名はサタ・コモン・セーテクス・L・セイリョー。虹銀泡界の主にして、新しき宙の主。新たなる法の支配者。未熟なりし改変の徒」
『私の名はヴィリジアニラ・エン・バニラゲンルート・P・バニラシド。バニラ宇宙帝国を治めるバニラ帝室の末席に名を連ねるものの名において、試作外部制御mod-サタンの金環を起動します』
「我が敵は帝蘭の法に反するもの、違えしもの。己が法が為に万華摘み取らんとするもの。此度は華を捨て、他の華を己が華とし、見えざる手の法の猛威を振るう邪天」
『フラレタンボ星系の星々、恒星フラレタンボF1、惑星フラレタンボ1、惑星フラレタンボP1よりP6、小惑星帯を認識。第一プライマルコロニー及び無数のサブコロニー群、ガイドコロニーを認識。正規シグナルを放っている衛星各種、宇宙船各種を認識』
「異法にして帝蘭の法に反旗を翻すならばそれは違法。異法なれど帝蘭の法に準ずる我にとって見逃せぬ悪法。故に我が意の下に汝が軌跡を無法と帰さん」
『フラレタンボ星系内の全生物、フラレタンボ星系外の周辺宙域に存在する同様の存在を認識。サタ、メモクシ、ジョハリス、ヴィリジアニラ、『パンプキンウィッチ』を認識』
「事象破綻砲・500・エラーセピア。発射!!」
『事象破綻砲・500・エラーセピア。発射!!』

ヴィリジアニラ・バニラゲンルート

愛称はヴィー。
外見は金色のふわふわした髪質の絶世の美女。
服装は上にジャケットを羽織ったワンピースにブーツ。腰のベルトで絞る部分は絞っている。それとアクセサリとして両手首にブレスレットと右側頭部に渦巻き型の髪飾り。
武装は小型拳銃型のブラスターが1丁。それと何かしらの身体強化modを使用しているようで目の回りに青緑色の燐光が現れては消えている。
自分が興味ない案件については割とどうでもいいと思っているタイプ。
帝国歴2571年生まれで、作中時点では16歳。2585年にバニラシド帝国大学を卒業している。

軽度のネタバレを含む

本名は「ヴィリジアニラ・エン・バニラゲンルート・P・バニラシド」。
その正体は帝国軍の諜報部隊の一員にして皇族の一員。現皇帝の庶子である。
父親とはDNA検査でも血縁が認められており、書類上でも親子となっている。
母親も未婚の母親であると同時に、身ごもった当時は帝室に仕えるメイドでもあったため、周囲の証拠も十分揃っているものの、ヴィリジアニラ自身は帝国が自分を駒として使うために手を回したと考えている。
継承順位は24位。
普段は母の実家の爵位から子爵(ヴィスカ)の方の名前を使っている。
生まれた時から目の周りにビリジアン色の燐光が生じており、それ故にヴィリジアニラと名付けられた。
常時発動しているmod群の中には未来視とも言えるmodもあり、現状を観測・解析した結果として未来が予見できる。ただし、彼女が理解できていない・無意識的に処理している情報も解析には利用されており、結果しかわからないため、原因がわからない時は非常に疲れるとのこと。

表向きはサタと同じくフリーライターとして活動し、主に観光と食事についての記事を書いているが、サタとは違って記事は貴族や上流階級の人間向けに書かれている。
裏では帝国軍の諜報部隊として活動しており、フリーライターとしての記事を卸している会社は諜報部隊が作った企業である。
諜報部隊とは言うものの、求められているのは見逃してはならない悪を見つけて対処する事や囮としての役目であり、情報収集は深度が浅いもの程度のものしか求められていない。

メモクシ・アイチョーハ

機械知性と呼ばれるメイド型ガイノイドで、愛称はメモ。
本名は、メモクシ・コモン・アイチョーハ・L・バニラシド。
服装は全身をクラシカルなメイド服に身を包んでおり、身長はサタよりも頭二つ分ほど小さい。
ヴィリジアニラに仕えており、彼女とは幼少の頃からの付き合い。

バニラシド星系のラボまたは工場で生まれ、他の機械知性と同じく名前は肉体ではなく精神の方が持っている。(特例措置で合法にしているが)バックアップ用の体や諜報活動用の使い捨ての体をいくつも持っている。
機械知性のため人間ほど休息は必要ないが、週に一度一時間程度のメンテナンスとデータ整理の時間が必要。ただし、やろうと思えば100時間程度は無補給かつ連続で活動可能。

シブラスミス星系では改修を受け、内部に異水鏡を搭載した。合わせて搭載した特殊な液体を使うことで簡易的に起動できる。さらに背中からジョハリス入りの機械を背負うように接続することでより詳細な探知結果を出力できるようになった。

ジョハリス・サゴーキヨ

本名は「ジョハリス・コモン・サゴーキヨ・C・フラレタンボ」。
表は衣料品製造会社『エニウェアツー』移動販売部門所属の雇われ船長。裏は帝国軍諜報部隊所属のスライム。
元々はフラレタンボ星系でサタたちを運ぶ宇宙船の船長として登場。同惑星での一件を経て正式にヴィリジアニラの指揮下になり、以降は一緒に旅を続けている。

種族はスライム。しかも第一世代という両親を持たず、人間と認められた知性を得た特殊なスライムである。加えて、その中でもさらに珍しい無核のスライムであり体の一片でもあれば水分と栄養を取り込めば復活できる。
出身はフラレタンボ星系のプライマルコロニー。そこで自然発生したスライムとして生まれ、3年ほどで突然知性に目覚め、様々な人との交流を経て現在の立場にいる。
一人称は「ウチ」で語尾に「っす」をつけた話し方をする。初登場時は、キャタピラとマニピュレーターがついた寸胴鍋の中に搭乗していた。水色半透明の体をしており、少女の姿を撮ることもできる。

サタたちの旅では、宇宙船「シェイクボーダー」の運転を担当している。宇宙船だけでなく、惑星内では車等の運転もできる。また、異水鏡に搭乗することで、ノイズキャンセルと精度向上ができる。

セイリョー社

ミゼオン博士

正式名称はミゼオン・コモン・アヴァロキタ・C・イカズノルート。
セイリョー社人造人間製造部門、教育課に所属する女性職員でサタが生まれる前は人造人間の製造と教育に関するmod研究と検査を担当していた。サタが生まれてからは彼の研究と教育、それを元にしたmod研究と開発を担当している。サタからすると母親のような存在。
物語途中からは、サタとの交渉や教育を成功させた経験から帝国で『バニラOS』の代替か、帝国を支える存在を探るためのmod研究をすることになった。実際、調査により未来に対して一つの推論を立て、それがチラリズム=コンプレークスを満足させる内容だったため、500年はその推論を流布せず、自身もこの世界から離れないことを約束させた。

帝国バニラシド

イセイミーツ子爵

ミゼオン博士を連れてくるようサタたちに依頼を出した子爵。自身が不利になるとしても手順に則ったやり方を好み、必要なら爵位が上の人間であっても言うことは言うまともな人。
ミゼオン博士の一件は、(様々な思惑があったが)シンクゥビリムゾ王子に皇帝・皇太子に有名貴族からの依頼であり当人は苦言もしたしかなり困っていた。
なお、サタとヴィリジアニラが婚約する場合、サタが養子縁組となることがすでに確約している。

  • グランドマザー
    機械知性の祖先と言える機械知性。modも利用した特殊なコンピューターの中から、殆ど偶発的に生まれたと言われており、現在は帝星バニラシドで爵位を得て業務に励んでいる。
    彼女から生まれた個体はマザーと呼ばれ、他種族の人間から受けた要請や周囲の情勢に合わせて新たな機械知性を帝国各地で生み出している。
    機械知性の数を増やせるのは、グランドマザーとマザーだけであり、帝国法を遵守し人間に仕えることをよしとする機械知性だけを世に出している。

チラリズム=コンプレークス

成人資格証発行機関の長兼本作の世界における創造主にしてmod技術の原型を与えた存在。
最初はニリアニポッツ星系にて露出度が高いのか低いのかわからない際どい衣装で登場。自称変なおっさんを名乗りヘーキョモーリュという宇宙怪獣のみに作用する毒草をヤタに渡し去っていった。
その後、バニラ宇宙帝国でサタの前に再登場。自身が神であることと、帝国での関係を明かした。バニラ帝国皇帝一族との関係は、「助言者と責任者」あるいは「神と神官」。皇帝と皇太子(近年はグレートマザーも)の前にだけ姿を現し、皇帝の致命的事情につながることを止め、人類では抵抗できない脅威に対処してもらう代わりに何かを提供している(提供しているものは皇帝も把握していないが信仰や負債になるようなものではないらしい)。
バニラOSの拡大と維持に必要な諸々の大半を担っており、現状のままいなくなればバニラOSも損なわれ帝国崩壊につながる。

その正体は、アウターワールドシリーズお馴染みの超巨大企業、多次元間貿易会社コンプレックスの社長(本作時点では出奔しているので元社長)であり、チラリズム大好きのど変態。