氷像のバジリスク/主要人物

Last-modified: 2019-08-27 (火) 19:01:55

主人公

アキラ・ホワイトアイス

人形のように白い肌に、ボン・キュッ・ボンなナイスバディと長身を持つモデルタイプの美人。
元々は見回り班に所属する男であったが、雨後の『迷宮』の出現を確認する仕事の最中に『迷宮』へと引きずり込まれ重傷を負う。その際神に見捨てられ一方的に契約を打ち切られた*1ことで信仰を喪失した直後にイースと出会い、「『軍』を討つ」という共通の目的の為に動く対等な協力者として、彼女と融合する程の深い契約を結ぶ。その後『軍』と直接遭遇するアクシデントはあったものの、辛うじて迷宮からの脱出に成功したのだが……気が付くと女になっていた。
容姿だけでなく性別まで変わってしまったのは「自分との適性を高める為に仕方なく」とのこと。もし男のままなら蜥蜴人間になるか受け入れきれずに死んでいたらしい。

 

公的には「グレイシアン出身で、契約している神の分体を与えられておりタカマガハラへの立ち入りや神々への面会も許されている高位の巫女。故郷を滅ぼした『軍』と戦う為にジャポテラスへ協力している」ということになっている。
順応性が極めて高く、女子力が鰻登りで上昇中。
アイドル化計画もファンクラブや神々達の暗躍で着々と進行中なのだが、踊りに関しては優れた才能を持つものの音痴なのが玉に瑕。一応修行でそれなりには改善されたらしい。
また軽い酒乱の気があり、新人女子歓迎会にて酔って歌った結果、魅了の効果が発揮される大惨事が発生したことから禁酒を言い渡されている。
特務班創設頃までは『軍』を倒した後は男に戻すよう念を押したり自分は男だと自分に言い聞かせたりしていたが、気が付くと女性的な行動をとっていたり、最初に精神世界へ連れてこられた時にも元の男性体ではなく今の女性体だったり、精神世界での修行にてこずったせいで女性体で生きた時間の方が長くなってしまったりと、もう男には戻れない可能性が高いらしい。

 

戦闘に関する才能は皆無*2と『狂正者』や作者に断言されているが、イースとの融合で得た基本スペックの高さと、茉波謹製の専用装備による底上げ、そして『狂正者』に与えられた『(シュライン)』という「自分にとって都合のいい領域を作り出す」力と、精神世界で行われた地獄の特訓で得た経験値によりなんとか最高戦力の座を維持している。
一方巫女としての能力や女子力は非常に高い。イースの力に振り回されて暴走させるようなことはほとんどなく、グレイシアン式の儀式を初めて行った際も戸惑うことなく成功させ、背中の露出多めなグレイシアン式巫女服だって普段着のように着こなすし炊事*3だってお手の物。
ただしオツムがとても残念であり、また戦線離脱することも多いことから読者からはもっぱらヒロインとして扱われている。主人公(笑)
イース本来の力を受け取った後は、さらっと物質変換をやらかしたり、背中から氷の蔦*4を生やし補助腕として自在に操る事も出来るようになるなど、イースとの融合が進んだ影響は懸念されるが、順調に人間上がりの残念な女神としての力を身に着けつつある。
断定はできないが、彼女がHASOの壁画に描かれた『呪いや災いと思しき物を光で退ける少女』と推測される。

 

『迷宮』内での役割:ジャマー、シューター、エンハンサー

イース

アキラと契約したグレイシアン出身の神。氷蜥蜴(アイスバジリスク)
外見は八本足の白い蜥蜴。
石化ではなく氷化の魔眼を持つ。
アキラの肩に乗れる程に小さく、読者からはもっぱらマスコット扱いされている。
浴場でパチャパチャ泳ぐ、頭に乗っかる、谷間から顔を出す、ヨタヨタと本をめくる、などなど、行動全てがかわいいマスコットの様に見えてくる不思議。
神としては下級神程度の力しか無く実体化出来ない為に契約(または信仰)していない者が視認、会話するには一定以上の霊視的な力や加護が必要である。ツクヨミは陰で「神もどき」呼ばわりしていた。
アキラよりはずっと頭が良いが、それでもどこか抜けているところがある。
オツムの残念なアキラちゃんに、難しい説明を簡単にまとめてあげたり、力の説明をしてあげたり、残念過ぎて尻尾でひっぱたいたり、トキさんに『お察しします』と言われるほどに、アキラちゃんの残念具合には苦労している。
グレイシアンにいた頃も他の神や民から可愛がられていたようだ。

 

実はグレイシアン生まれではなく、幼い頃に傷付き倒れているところをヒムロノユミルに保護され育てられた神。
その正体は『ミラスト』の人々の「戦いを終わらせてくれるもの」が現れて欲しいという願いが集まって形になった存在である。
過去にも何度か同様の存在が生まれていたが、その度に既得権益の維持を目的とする一部の神々の策略により抹殺されてきた。
イースはそれら代々の存在の分の力も受け継いでいるため、本来持っていた力は強大すぎて自力で制御できずこのままでは自壊し滅んでしまうところだったらしい。
そこでヒムロノユミルは力の大半を分離し、グレイシアンの中心部・『祈りの塔』に封印。封印内部に置いた自分の思念体がイースが制御出来るようになったと判断してから解除されるようにしていた。
その封印内の精神世界で明らかになった本来の姿は、両手足の先が蜥蜴のそれになったアキラ。
本来の力を自らの力として取り込む過程において魂の一部がアキラと融合してしまい、以降はアキラがなんか前より賢くなったり全力詠唱時にイースっぽい口調になる等、むしろアキラの別人格的存在になってしまった。
それでも軍との最終決戦時にはそれぞれ別個の術行使などで存在感を示したが、軍の森羅狂象への対抗の為に後先の事を考慮せずに力を行使した為に、推定ではあるがほぼアキラと一体化してしまったと考えられる。

 

……と思われたがエピローグではちゃんと別個の存在を確立したままだった。
ただし事後処理が終わっていないことからまだ契約続行中なのでアキラは女のままである。

 

余談だが「人々の祈りから生まれた」というその成り立ちから『南瓜の魔法使い』に登場した破壊神(笑)や存在だけ語られた創造神(笑)と同系統の存在と思われる。

特務班

田鹿トキ

田鹿姉妹の双子の姉の方。外見はそっくりだが性格は正反対で、こちらは真面目で冷静な委員長タイプ。
手にした大盾を自在に操り敵の攻撃を防ぐだけでなく、時には攻撃にも利用する。
茉波ヤツメから可変盾を受け取った後は、小回りが必要な時は小盾二個に分割したりといった戦法も使用している。
また『神喰らい』の気まぐれで与えられた超聴覚や未来視*5の能力によりさらに戦闘力が向上した。
『氷像のバジリスク』における真の主人公……と言って良い程主人公的な活躍をしている。
アキラ様ファンクラブの名誉顧問(トキ本人には無断で任命されている)。会員ナンバーは0。

 

グレイシアン攻略作戦で討伐班が粛清班や『軍』により窮地へと陥った際、事態を打開する為に『神喰らい』の力を引き出した。しかし本来相性があまり良く無い『神喰らい』の力を無理に使った代償は大きく、瞳の色が変化したり盾を変形させた籠手と自身の腕が一体化する*6などの肉体的な侵食だけでなく、魂までも侵食されてしまい、他の神との契約が出来なくなった。
そもそも複数の神との契約がある状態では人間の受容限度を超えないようそれぞれの契約が干渉し合うことで、神が契約を通じて信者に与えられる影響に限界が発生するため、本来であれば彼女がこうも危険なレベルで『神喰らい』の力を引き出すことは出来なかった。
しかしツクヨミの謀略により『神喰らい』以外との契約が打ち切られてしまったせいで歯止めがなくなってしまい、トキが求めるまま『神喰らい』が許すまま魂が侵食される程の深い契約を結べてしまったのである。(アキラとイースも同じような例)
これ以上の侵食は存在そのものに関わるとして茉波にはもう戦わない方がいいと忠告されたのだが即座に拒否。それを見越していた茉波から「殆ど致死量の劇薬を飲んだ時と変わらない副作用はあるが、十分は侵食を食い止められる薬*7」『魂定丸』を受け取り、後で茉波とは別口で説得に来たアキラにも「茉波さんから薬をもらいました、時間制限がある代わりに副作用はないので安心してください」と嘘を吐き、最後まで戦うことを選ぶ。
因みに『神喰らい』は『(エクリプス)』の性質も持っている*8ので、太陽神(アマテラス)月神(ツクヨミ)にとってはどうしようもない天敵である。
もっとも存在そのものが不倶戴天というわけではないので、フェルミオことエブリラとフォトンことアマテラスは友人関係を結んでいるが。
ただし敵対した時の威力は絶大であり、対ツクヨミ戦では弱体化していたとはいえ一応上級神である彼の力を、『神喰らい』の力を借りた人間である田鹿トキが完全に無効化していた。
『魂定丸』の副作用(本来の作用)で苦しむ彼女に対する『神喰らい』の甘言を即刻拒絶したことで気に入られたのか、『神喰らい』の目的について禅問答に近い形の「ヒント」を与えられた。ついでに神化も誘っている……?

 

最終決戦ではアキラへ奇襲を掛けてきたベイタを迎撃しそのまま戦闘へ突入。お互いの存在を罵り合いながらも力量は認め合い限界を超えた戦いを繰り広げる。
ベイタを打倒した後は神化したオオリと共にアキラの助太刀に入り絶体絶命の危機から救出、『神喰らい』の力で『森羅狂象』を防ぐことで『軍』までの道を作った。
戦いが終わった後、誰にも何も告げずにいつの間にか一人姿を消す。
感想欄での作者様のコメント返しによると、『ミラスト』に害をなす存在を陰で狩る仕置人的な存在になるらしい。

 

HASOの壁画に描かれた『自らの身長に匹敵する盾を持って敵の攻撃を防ぐ女性』とは彼女の事。

 

『迷宮』内での役割:ディフェンダー、ヒーラー、サーチャー
契約している神:エブリラ・エクリプス
188話まで契約していた神:タヂカラオ、アシテコウ、カグツチ、アメノマ

田鹿ソラ

田鹿姉妹の双子の妹の方。こちらは陽気で好奇心旺盛なムードメーカータイプ。
優れた索敵能力と遠視能力で探索を助ける。
主な攻撃方法は怪力を活かして巨大ハンマーでぶん殴るというもの。後にサーベイラオリ様の空間操作能力により遠く離れた場所の相手へ直接攻撃したかのようなダメージを与える事が出来るようになった。
アキラのストーカー一号。アキラ様ファンクラブの会員ナンバーは101。
穂乃オオリの策略によりファンクラブの結成に気づくのに遅れ、二桁ナンバーにもキリ番にもなれなかった。
210話以降、穂乃オオリがかつて愛用していた儀礼剣を改造した物へと武器を変更する。
最終決戦では真旗カッコウと戦い追い詰められるも偶然アキラの攻撃の余波がカッコウを巻き込んだことで形勢逆転。サーベイラオリから授かった秘術『次元飛ばし』により世界の外側(アウター・ワールド)へと追放した。

 

『迷宮』内での役割:アタッカー、サーチャー
契約している神:タヂカラオ、サーベイラオリ、イダテン

穂乃オオリ

アキラのストーカー二号にしてアキラ様ファンクラブの会長。
ジャポテラスでも有数の貴族の出。トキのライバルを自任する、自分にも他人にも厳しい誇り高き少女。
トキに次ぐイケメン女性。穂乃さんマジ漢女。
火の神力の扱いに特化しており、大火球による一撃や無数の小火球による飽和攻撃などの強力な攻撃を使いこなす。
グレイシアンにて左腕と腹部に重傷を負うが三理マコトから最期の別れの際に託された『シンなる火』を手に単身で『軍』と対峙、己の肉体と魂を焼き尽くしながらアキラ達を逃がす為の時間を稼ぎ、アキラ達の無事と戦いを終わらせてくれる事を願い笑顔で塵一つ残さず散っていった。

 

その後、第225話舞台袖にてR05-I14-C01世界の近くへ辿り着き『輪廻』様と邂逅。
神になりかけていたことから助言を与えられた後、サーベイラオリ様などの助けを借りて『ミラスト』へ帰還する。
トキと共に最終決戦で危機に陥っていたアキラを助け、炎の剣で『軍』への道を切り開いた。
なお神となった後の姿は半透明であり雰囲気も『マリス』とは大きく異なった為、敵と誤認されることはなかった模様。
炎に関する権能を有しているようだが詳細は不明。

 

『迷宮』内での役割:アタッカー、ヒーラー
契約している神:カグツチ、アマテラス

布縫ユイ

穂乃オオリの取り巻きその一。
布状の障壁を操り、防御や拘束などを行う。
210話以降、武器を杼へと変更する。

 

『迷宮』内での役割:ディフェンダー
契約している神:タクハタチ、アメノハヅチ、アマテラス(203話以降)

風見ツツジ

穂乃オオリの取り巻きその二。
風を操り、索敵や防音、穂乃オオリの火力増強にも一役買う。
さらに、祈りの塔崩壊時には、強力な風の逆噴射によって落下の衝撃を抑える荒技もやってのけた。
地味ながらも応用の利く能力であると考えられる。
210話以降、武器を槍へと変更する。

 

『迷宮』内での役割:サーチャー、エンハンサー
契約している神:シナツヒコ、スサノオ(203話以降)

このページについてのコメント

  • 三理マコトは主要じんぶに入りませんかね?準主人公なみに活躍してますけども -- 2013-12-23 (月) 15:23:40
    • もういっその事アウターワールドカテゴリに、これまでの転生体分も含めて独立記事を作った方が良さそうな気がしますね -- 2013-12-23 (月) 15:28:45

*1 実は『狂正者』が干渉して神との契約を引き剥がした
*2 もし才能があったら最初から見回り班ではなく討伐班に所属している
*3 気持ちを落ち着けるのにうってつけなんだとか。またパッツァに手際の良さで負けた時に本気で口惜しがっていた
*4 触手ではない
*5 厳密に言えば未来そのものを見る能力ではなく「その時点でその場に存在する要素を元に計算した結果、訪れると予想される未来」を見ることができる能力(いわゆるラプラスの悪魔)であり、計算後にそれまで存在しなかった他の要素が割り込んでくれば当然外れる
*6 籠手部分は出し入れ自由なので日常生活には問題ない
*7 実は薬ではなく「健常者ならギリギリ死なない程度毒性を有し、飲んだ者を可能な限り苦しめると言う、拷問にでも使う方が正しい用途であろう毒」であり、『神喰らい』が侵食無しで力を与えるに足る存在かトキを試す為という名目で茉波に作らせた物だった
*8 しかもジャポテラスの神々が苦手な『穢れ』の塊である混沌系邪神