Arkansas

ワイオミング級戦艦2番艦　アーカンソー

ヒストリカル迷彩

効果：HP･主砲射程･主砲砲弾散布界･対水雷防御･武功が上昇する

性能諸元

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

･兵装

ゲーム内説明

堅牢な装甲と同時代では十分に優れた兵装を持ち、米国海軍らしい均整の取れたパフォーマンスのドレッドノート。しかしながら、対空装備が不十分だったため空襲には弱かった。

解説

Ver1.2当時、初心者バンドルとして発売されていた安価なTierⅣの戦艦ではあるが現環境ではお世辞にも初心者向けとは言えない。過去にはショップで中型補給箱を買うとランダムに入手できる、というレアな艦だった。あらゆるステイタスを火力に振ったこの艦は高い攻撃力の代償して対空火器が一切ないのに機動性も低い…という欠点を抱えてしまっている。

安価に乗れる課金戦艦ということで初心者の皆さんも乗ってみたい…と思うかもしれない。しかし「機動力の無さから味方の艦隊と離れてしまい駆逐艦にいつの間にか接近され魚雷の餌食に」とか「対空能力の無さから敵艦載機に粘着され開始早々に港に帰ってきた」なんてことは珍しくない。まずは巡洋艦でゲームシステムや立ち回り、優先撃破目標などを学んでからの購入をオススメする。

・主砲
他国同格戦艦標準の305mm連装砲を6基の計12門搭載。砲配置は大変独特で、艦首部に背負い式で2基4門、船体中央後寄りから艦尾にかけて背負い式(×2)で4基8門という他艦では絶対に見られない構成。砲そのものはツリー艦のワイオミングのものと同等で、装填時間は21秒の射程は10.81kmである。HE弾ダメージは石槌(874)には劣るものの784と優秀で、門数の多さゆえにDPMは26880とトップクラスである。AP弾ダメージは1210と同格トップで、DPMも41486と他国を大きく引き離す。ただし、船体中央後寄りにある第3、第4砲塔は射角が大変に悪く(第6砲塔も十分とは言えない)普通に防御姿勢を取っていると正面に位置する敵艦に指向できないことが多い(半面、引き撃ちに入った場合は艦尾をフリフリするだけで第4~第6砲塔を指向できるので非常に心強いがそんな美味しいシチュエーションは滅多に発生しない筈だ)。また、同格ツリー艦に比べて射程が短く砲塔旋回速度も遅い(隣接距離まで詰められると駆逐艦の速度に追従できない可能性大)といった欠点もあるので運用する際には注意が必要である。

・副砲
他国同格戦艦の副砲に比べると小口径であるが、127mm単装砲を片舷側に10門、合計すると21門搭載している。砲そのものはツリー艦のワイオミングのものと同等であるが、ワイオミングは16門搭載である。装填時間は6秒、HE弾のダメージは280とおとなしいが門数が多いのでDPMは高めである。ただし、射程距離は4.95kmと短く扱いには注意が必要である。

・魚雷
本艦に魚雷は搭載されていない。別にどうでもいい。むしろ、対空や、機動性を心配した方がいい。

・対空
機銃1丁すらない。敵機が襲来してもなす術がないので完全に物静かである。鈍足且つ対空がゼロという性能のため、敵航空機の優先攻撃目標になるのは目に見えており、特に雷撃機がやってくることが多い。敵空母がマッチングしたらとにかく味方から離れることなく対空火力が豊富な艦と共に行動したい。

・装甲
装甲12%という値は他国同格戦艦が10.5%であるため防御に優れている。しかし、この防御力の優位が働くのは敵に対して適切な防御姿勢を取っていた場合であり、何も考えずに敵弾を弾ける訳ではないので注意が必要である。敵艦に側面を向けていれば戦艦といえど短時間で継戦能力(HP)を失ってしまうだろう。

・機動性
最高速度は17.51ノット。他国同格戦艦が大体21ノット以上出ることを考えると遅いと言わざるを得ない。また舵の効きもイマイチでワイオミングが4.8度/秒なのに対して本艦は4.6度/秒と若干重い。当然転舵そのものにかかる時間もワイオミングの12.3秒に対して12.6秒とわずかに遅い。それと、本艦は同格戦艦と比較して加速が鈍いので、座礁や他の船との衝突による停船は魚雷攻撃を受ける可能性が非常に高い。

・隠蔽性
本艦の隠蔽率は良くない。10.5kmで発見されてしまう。

・生存性
HPは28560であるが、この値は同格戦艦の最低ランクである。

・消耗品
低いHPと機動性を補うなら「予備整備パック」と「改良型ディーゼルエンジン」の搭載を推奨。残り一つは「高級船員食糧」だろう。

・装備
　・兵装　主砲改良Ⅰ
　・防御　舵か加速
　・適正　舵
防御・適正でそれぞれ火災浸水耐性と魚雷防御を上げることもできるが、効果は微々たるものなので機動性を上げるのが良いだろう。

・エリート特性
　・船体強化　HP+4％
　・防雷網　魚雷防御+7%
　・功績　EXPアップ+10%

・総論
　ツリー艦であるワイオミングの性能を攻(砲火力)に振り切ったような特性となっており、火力は相応に高いもののワイオミングより舵の効きも悪化、対空も取り上げられているといった具合に非常に癖の強い艦に仕上がっている。ティア4のプレミアム戦艦というと、いかにも「初心者が最初に触れるに相応しい戦艦を用意しました」的な特徴の艦と思いきや、その実態は「駆逐艦が魚雷を抱えて特攻してくる機動性の低い戦艦にとっては悪夢のティア3」「格上空母の艦載機が執拗に狙ってくる対空能力の低い艦にとっては悪夢のティア5」双方にマッチするという初心者泣かせ仕様。ある程度戦艦に乗ったことのあるプレーヤーであれば、本艦の欠点を隠して長所(絶大な火力)を引き出すことが可能だろう…しかし、本当の初心者であれば欠点ばかりが目立つ役立たずな艦と感じるに違いない。WG社は「初心者バンドル」として販売する艦の種類や性能をもう少し吟味してくれても良いと思う。ただ、米国戦艦ルートを目指すプレーヤー(脱初心者～中級者)からすれば艦長育成がしやすいプレミアム艦が安価に入手できる機会なので一考の価値がある。

戦闘名誉章

史実

戦艦アーカンソーは1912年9月17日就役のワイオミング級戦艦の2番艦。ただし同年同月25日就役のワイオミングよりも就役が早い。
このアーカンソーは改装を重ね、第二次世界大戦に於いては大西洋から太平洋へと転戦しつつ生き延びた。

戦後、クロスロード作戦に実艦的として参加。一回目の「エイブル*1」で撃沈予定だったものの生き延び、結局二回目の「ベーカー*2」によって沈んだ。爆発直後の巨大な水柱に張り付くように持ち上げられるアーカンソーの写真が有名。

• 参考
  戦艦アーカンソー(wikipedia)
  ワイオミング級戦艦(wikipedia)
  クロスロード作戦

小ネタ

1946年初旬をアーカンソーはサンフランシスコで過ごした。4月後半にハワイに向かい、5月8日に真珠湾に到着、20日に真珠湾を出航しビキニ環礁に向かった。クロスロード作戦の標的艦に使用されるためであった。1946年7月1日のABLE実験で沈められる予定であったがアーカンソーは生き残り、7月25日のBAKER実験により沈没した。アーカンソーは1946年7月29日に解役され、1946年8月15日に除籍された。

BAKER実験の様子を撮影した写真。原子爆弾の爆発によって発生した巨大な水柱の根本において、空中に持ち上げられている黒い影がアーカンソーである。

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