Yamashiro

効果：HP+4%、主砲射程+4%、最大主砲砲弾散布界-4%、魚雷防御+6％、EXPアップ+35％、シルバーアップ+35％

効果：HP+4%、主砲射程+4%、主砲旋回速度+9%、副砲射程+6％、EXPアップ+35％、シルバーアップ+35％

　本艦の主砲の素の装填時間は21秒だが、エリート特性を「エリート砲術員(-3%)」として消耗品(-3%)も搭載する場合、実質的な素の装填時間は19.74秒(21*0.94=19.74秒)となる。この状態で「高速装填Ⅱ」を使用を使用した場合、スキル発動時の装填時間は約13.8秒(0.7*19.74秒＝13.818)となる。
　「高速装填Ⅱ」の素の持続時間は20秒間であり、この幅の皿には13.8秒の料理は1つしか載せられないので艦長を未強化の場合は2斉射が限界となる。実現方法としてはスキル発動時の装填時間をざっと14秒と考えると「装填終了のタイマーが6秒以下のタイミングでスキルを発動。この場合残りの装填は4.2秒で完了するので逡巡なく初回の斉射を行い、スキルの効果時間の残り15.8秒程度内に約14秒を要する斉射を終わらせる」というもの。
　計算の結果スキル発動のタイミングは6秒以下であれば問題なく、スキル発動タイミングにはかなりの余裕があって試合中でも普通に使える筈だ(6～1秒の幅広いタイミングで実施可能)。また斉射そのものに猶予時間を持たせたい艦長は、スキル発動のタイミングをなるべく1秒に近づけることで最大で19秒のスキルの効果時間の残りを確保可能。このケースの猶予時間は5秒程度が見込めるのでじっくり狙って撃ちたい艦長や2つの目標を狙いたい艦長はスキル発動のタイミングをなるべく遅くする事を心掛けると良いだろう。とはいえ狙い過ぎてスキル発動のタイミングを逃すのは本末転倒なので念のため。

　本艦こと「山城」は新充実計画(1911年度～16年度)において設計・計画された扶桑型戦艦の2番艦。起工は1913年11月で、1915年11月に進水、1917年3月に竣工・就役した。1926(昭和元)年に大正天皇が崩御された際には、本艦が弔砲を発射する艦として選ばれ計48発の弔砲を発射している。また翌27(昭和2)年の7月から8月にかけては昭和天皇の御召艦として連合艦隊の各種訓練に参加したほか、これ以降各地で開かれた観艦式には必ず本艦の姿が観られた。しかし本艦の華やかな姿は1940(昭和15)年10月の紀元2600年特別観艦式をもって見納めとなり、1941(昭和16)年12月の太平洋戦争開戦以降は機動部隊の後詰めという地味な任務に従事する事となる*2。
　1942(昭和17)年5月にはいわゆるミッドウェー作戦の一環としてアリューシャン方面に向かうも、米軍と交戦する機会は得られず6月には日本に戻った。そして、かのミッドウェー海戦により失われた空母戦力の回復のために旧式戦艦を航空母艦に改造する計画が持ち上がったものの、最終的にこれは伊勢型戦艦2隻のみの改造に留まった事から「航空戦艦へ改装の上で一線級に復帰する」という夢も失われてしまった。二線級扱いのため主力部隊には加われない本艦は、いわゆる「柱島艦隊」の一員として射撃訓練や練習艦としての日々を過ごすことになってしまい、さらに1943(昭和18)年6月に戦艦「陸奥」が爆沈し何の戦果も挙げないまま失われるのを見届けた。
　1943(昭和18)年7月、姉妹艦の「扶桑」が大和や長門といった連合艦隊の主力部隊と共にトラック泊地に進出する事が決まったものの、本艦はそのまま内地に留め置かれた。転機が訪れたのは1944(昭和19)年6月になってからであり、日本海軍はマリアナ沖海戦で敗北・サイパン島陥落により絶対防衛圏が崩壊。日本海軍は6月15日から「東号作戦」を発動しサイパン島に海軍陸戦隊を輸送・艦隊による砲撃支援を行う計画を立て、本艦がその主力となる予定であったがこの計画は中止となってしまった。
　太平洋方面における劣勢を挽回すべく同年7月に「捷号作戦」が発動し、本艦はフィリピン方面である「捷1号」を支援するため柱島泊地を出撃。10月にリンガ泊地へ到着し第二艦隊に合流。10月初旬に発生した「台湾沖航空戦」における戦果を過大に見誤った日本海軍は、レイテ湾に居る筈の米軍敵残存勢力を壊滅させるべく攻勢をかける事を決定。「扶桑」「山城」らの第二戦隊は速度に劣る事から本体とは別行動を取り、最短距離でレイテ湾に突入できるスリガオ海峡を経由するルートを進む事となったが、この時に集った部隊は寄せ集めであり統一訓練さえ行ったことが無い有様だった。
　また前述の「台湾沖航空戦」における戦果は日本海軍側の誤認であり、米軍側の戦力は損耗などしていなかった上に、レイテ湾において米軍側が用意した戦艦6隻中5隻は真珠湾攻撃において沈没もしくは大破扱いとなり修理の上で近代化改修を施された艦達(ウェストバージニア、メリーランド、テネシー、カリフォルニア、ペンシルバニア)であった事から、仮に別動隊が無傷でレイテ湾に突入できたとしても勝算は薄かった。
　主力である栗田艦隊が米軍からの度重なる空襲に悩まされ、被害を重ねた結果「シブヤン海海戦」で「武蔵」を失い、最終的に突入時刻に間に合わなかったのに対して、西村司令官に率いられた「扶桑」「山城」らは予定どおり10月25日深夜にスリガオ海峡に突入、米軍駆逐艦部隊の雷撃を受けるもこれを切り抜け砲撃を開始。「扶桑」が被雷により途中脱落し護衛の駆逐艦も次々と落伍するなか「山城」は「われ魚雷攻撃をうく、各艦はわれをかえりみず前進し、敵を攻撃すべし」と打電、これが西村司令官からの最後の命令となった。既に被雷して速度が落ちていた「山城」は艦橋付近に命中した敵弾により炎上、その後も次々と命中弾を食らい3番・4番砲塔が破損。火薬庫に引火して爆発が発生した際には艦橋が倒壊する程の被害を被ったものの、無事であった前部砲塔は果敢に射撃を続けていた。しかしその後に更なる米駆逐艦からの雷撃を受け転覆・艦尾部から沈没したとされる(アメリカ側資料によれば沈没時刻は4時19分)。
　「山城」の定員は1350名だが、沈没時には対空機銃を増設した関係で約1500名が配属されていたと思われ、沈没時は多くの乗組員が漂流していたものの米軍からの救助を拒み溺死した者、陸地に上陸したが住民に殺害された者が多数にわたり、最終的な生存者は10名であったとされる。

　本艦の艦名の由来は、日本の古い行政区分であった律令国のうち、畿内に属した「山城国(やましろのくに)」から。なおこの地域は現代でいう所の京都府南部に相当する。そして「やましろ」という呼び名は平城京から見て「奈良山のうしろ」に相当した事から名付けられ、古くは「山背」や「山代」という表記がなされた。
　現代にも続く「山城」の表記となるのは延暦13年11月8日(西暦だと794年12月4日)の平安京命名の際で、桓武天皇がこの地を自然に城をなすところから「山城国(やましろのくに)」に改称。これをもって、それまでは「城(じょう、き)」と呼ばれていた漢字を「しろ」と読むようになったとされる。

　史実の項目で述べた「台湾沖航空戦」は、太平洋戦争中の最中にフィリピン奪還を目指す米軍が、その布石として台湾から沖縄にかけての日本軍航空基地に対して空母機動部隊を使用した攻撃を実行。この行動に対して日本側の基地航空隊が迎撃を行ったことで発生した航空戦を指す(1944年10月12日～16日)。
　日本側は基地に帰還した搭乗員からの12日と13日の戦果報告を纏め、損害も大きかったが戦果も大きかったと判断。しかし実際に米軍側が被った被害と、報告された戦果の間には大きな乖離が存在した。ところが14日には米軍からの空襲が弱まり、更に敵艦隊の撤退が確認された事から日本側は「米軍は大損害を被り撤退している」という誤った判断を下してしまう。そして米軍の攻撃が14日以降は艦載機によるものから陸上機によるものに切り替わった事から、日本側ではこの判断の誤りを正せぬまま16日の戦いを迎える事になる。
　この日の戦いにおいては撃滅したはずの敵機動部隊が出現したという報告を受け、司令部ではこれまでの楽観的な戦果判断の再検討が行われた。しかしこの頃に米軍がフィリピン東のスルアン島に上陸したという知らせが入った事もあり、時間をかけて精査する余裕が無かったこともあって最終的には「大戦果を挙げた」という結論が覆る事は無かった。

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