むかしむかし、ずっとむかし。
世界が出来る前のことです。
ここには、青い大きなドラゴンが一匹いるだけでした。
ドラゴンのお腹には双子の赤ちゃんがいたのです。
生まれた赤ちゃんは、太陽と月に育ちました。
ある日太陽は、自分の髪を紡いで光を。その息で火というものを創ったのです。
月も負けじと、髪から闇を、息から風を創りました。
二人はけっこう仲が悪くて、よくけんかをしていましたので、
ドラゴンは、火を消す為に水を、風をとめるのに土を創ったのでした。
やがて光と火、闇と風、水と土から、星が生まれました。
太陽と月は相変わらずけんかをしていたので、
星はドラゴンの背中の上で暮らしました。
ドラゴンは呆れてしまって、毎日眠っておりました。
さて太陽と月は、ついに顔をあわせるのも嫌になってしまいました。
(グリムレインのアズワード創世記 太陽と月の誕生より)