各話メモ/創世のアリュージョニスト(旧)

Last-modified: 2021-02-07 (日) 16:33:41

2020年12月16日から2021年2月3日にかけて、「もしサイバーパンク世界の住人がオカルトパンク世界に転生したら~創世のアリュージョニスト~」は大幅に改稿されました。
ここは改稿前の文中に出てきた情報を留めておくページです

2-1.救いは死後にある

  • 俺の体格を遙かに上回る巨漢、ブルドッグそのものの頭部がくしゃりと歪み、叫ぶ。
    プーハニア
  • 握りしめた芝居用の酒瓶をリングの外に放り投げ、散らばった飴の破片と血糊を足で払いながら低く構えた
    Wikipedia>飴ガラス
  • 卑劣な外人野郎をやっちまえ、俺たちのチャンピオン。
    「卑怯な悪役外人と戦うチャンピオン」は、プロレス定番の構図
    Wikipedia>ヒール(プロレス)
  • 壮年男の丸い腹は恰幅が良いを通り越した膨張ぶりで、顔立ちも相まってカエルを思わせる。
    ロドウィ
  • 端末を片手に興奮している眼鏡の格闘技オタクがいる
    ファル
  • 宗教的な衣装なのか、薄いヴェールに覆い隠された女性
    ラズリ
  • ツーンとくる毒のキツさを鼻呼吸でやり過ごせる俺と違い、直接目に毒霧を浴びせられた暴漢は耐えきれずに呻き、手で目を押さえてしまう。
    Wikipedia>毒霧
    ツンと来たり目が痛むだけであるあたり、アキラくんが使っていたのは、ワサビ的な無害な毒霧だったのかもしれない
  • この街にいるほとんどの者は懸垂式の義肢すら手に入れることができない。
    懸垂式の義肢は、現代日本で一般に普及している無動力のタイプ
    反対の肩にまでかかるハーネス(8の字のたすきがけに類似)を利用して、ものをつかむ・はなす(把持)動作を再現する能動式義手などのこと
  • 鮮烈な意思を感じさせるまなざしと涼やかな面差し
    キロン
  • それから書物を開き朗唱を行い、横たわっている者の額と両手に何かを塗布していくあれは何だろう。薬、いや油?
    キロンが司るのは、アズーリアと同じ「病者の塗油」
  • 呆然と振り払われた手を見つめる美貌の聖者。
    • 救われようとしない存在が信じられなかったのか。あるいは彼らの信じる神は違うのかもしれない。
  • 俺はそういう悪役だった。この世界の人々は外人である俺に敵意を向けることで感情をひとつにできる。
    悪役(ヒール)であることを肯定するアキラくんの振る舞いは、イェレイドめいている
  • 周囲に倒れているのも犬の頭をした種族ばかり。
    • カエル爺のようなこの街の支配的種族とは違うコミュニティに属している。
  • 俺という外人と彼ら犬頭の種族を戦わせるのは、あの老人流の統治の作法なのかもしれない
  • だから俺は、存在しない左腕で虚空に十字を描く。
    ハンドジェスチャーがカシュラム風に変わっている?
  • 俺は暴力で彼に意思を伝えた。死が理解不能な相手を理解可能にした。彼はもう二度と喋らないからこそ俺と話すことができる。
  • 狂っているとでも思われているのだろうか。
    • もちろん俺は正気だ。
    • 俺はかつて本当に死者の言葉を聞いた事がある。
    • 人の口を通じてではあったが、それは本当に死者からのメッセージだった。
    • 死者の言葉は俺を救ってくれた。これまでも、これからも。
    • それだけが、俺をこの世界に繋ぎ止めてくれている呪いだった。

2-2.伏龍幻掌

  • 気付けば俺はその男の前に跪き、叩頭して教えを請うていた。
    サイバーカラテの技だけでなく、その模倣元である中国武術にまつわる礼儀作法まで身体化しているアキラくん
    Wikipedia>叩頭
  • 褐色の肌にモンゴロイド的な顔立ちの、中々の美男子だ。
    言うまでもなくカーイン
  • 身体の側面で魔法のように淡く光を放つ側線器官

サイバーカラテ道場が肉体を統御する。

胴体を縦方向に四分割するイメージ。続けて、八、十六、三十二まで体を割る。

それを横でも、そして時間においても繰り返す。

細かなマス目の中を力の流れが伝わって行く。

完成した。

他者のデータで憲法を完成させるのは同じだが、アキラくんの解釈と協力・強調が入っている、『創世のアリュージョニスト』版・新形態のサイバーカラテ。
単純にビッグデータからの最適解を提供するのではなく、人間の『邪視』(イメージ)をAIという『杖』が補強し、具現化している。
ある意味、呪術版と変わらないかもしれない。

2-3.「あなたの負けです」

  • 毎晩、眠る度、必ず同じ夢を繰り返す。
    • 水底から浮かび上がってくる泡のように、森の奥から聞こえる誰かの声。
      ルウテトの呼び声?
  • 柱に蔦のようにへばりついた無数の屍は地面にまで伝い、大河の上までも通過して、それぞれが六つの方向へと伸びていた。
    六王?に対応している?
  • 不可思議な魔力が働いているとしか思えない『不死の道』だ。
  • 『不死の道』の先にあるその『森』。
    死人の森
  • 夜が訪れる度に天上で輝きを放つ、九つの星々。
    ゼオーティアの地球を巡る四つの衛星と四つの遊星と太陽?
    天体

――『俺達』は見た。九層の秩序。多層化された心的領域を遊泳していく超上位自我エウダイモーン。炎を纏いながら巡り行く御使いフェーリムたち。無限に広がる暗黒の宇宙。天体を模した多層構造。地球の座には核となる脳。四つの衛星と四つの遊星、太陽

が地球を中心に巡る。周回軌道はそれぞれ球層をなしており、夜光天、幽冥天、精霊天、太陰天、太陽天、土塊天、火力天、水晶天、そして天堂天の外側に無数の星々たちの層。天球層に座すのは燦然たる後光を背にした神々であり、また天を覆い尽くすほど巨大

な竜であり、おぞましくも美しい異形の女性たちであった。(2-19 サイバネティクスとオカルティズムの幸福なマリアージュ)

  • 街のシンボルである石柱、そのすぐ傍に屹立する巨大な石板を見上げた。
  • 真上に『玉座に腰掛ける巨大なトカゲ』の彫像を乗せたその石板にはずらりと読めない文字列が並んでいる。
    • 魔法やオカルトなんでもありの世界だからか、力量の変化や生死の状態によってその位置は刻一刻と入れ替わる。
      ガドカレクの強さランキング?
  • 言葉は通じないが、ビールとナッツの現物を指差して紙幣を出すくらいはできる。
    ゼオーティアにも、ビールとナッツはある
  • 打撃された箇所が異様なへこみを見せている。
    • 破れた皮膚、その内側からどうしてか砂がさらさらと溢れていた。
      『邪視』の拳
      流石に、路上試合や喧嘩でも反則扱いっぽい。

2-4.星を掴むような話

  • 引き絞られた弦が男の手から離れ、存在しないはずの矢が放たれた。
    • 実体のある幻。中空を奔った光が弓を握る左手の指先に繋がり、人差し指に乗っていた『矢尻』と接続して発射される。
      幻想再帰「5-6 神話の子供たち」でも用いられていた、マジックミサイル
  • 近付いて見ると、それは人の頭部ほどもある巨大な眼球だった。
    • 瞳孔は奇妙なバツ印。斜めの十字を描く大目玉は中心を正確に矢尻で撃ち抜かれており、端から光の粒子になって消えようとしている。
      店員さんの使い魔ゆらぎの神話百科>八万の眼球アブロニクレス
      幻想再帰と瞳孔が違うのは、主人が店員さんだからなのか、それともリメイクに良くあるデザイン変更なのか
  • 和弓の七尺三寸を軽く超えており、
    221cm
  • 七つの腕と二つの口、全身が棘まみれで犬と鰐を混ぜ合わせたような顔の見た事もない生き物だった。
    • 不自然に繋がった肉体の部位から青い体液が滲み出ている。
      融血呪?で作られた使い魔?ラズリさんの自作自演?トライデント内部の派閥争い?
  • その『寺院』では多種多様な種族の宿であり、集会場であり、職業斡旋所であり、教育施設でもあった。魚人が支配する河川の流域ではあまり見かけないトカゲの頭を持った人々や鳥の頭と翼を持った人々、虫の頭を持った人々までそこには存在した。
  • 九本の首を持った巨大な獣が世界の土台となっている神話的な絵画が表示されていく。それぞれの首がわかれて幻想的な獣、竜のような生物になる。
  • アキラくん、二度宗教勧誘に引っかかる。
  • 波打つ髪を持った、三叉の槍を手にした女性的な裸身。
    • 珊瑚の瞳、拗くれた角、雄大な翼を持ち、女性的な膨らみを持ちながらも男性の屹立を股間にぶら下げた、人を超越した神の如き雰囲気を持った巨像である。
    • 至る所が損壊しており、砕けた頭部からは脳が、砕けた胸からは心臓が、抉れた下腹部からは子宮が見えている。
    • まるで人体模型だ。最初からそれが見えることを前提にした作品なのかもしれない。
    • 破損した状態が完成品という矛盾。
    • 石でできた像の中でただひとつ素材が違う瞳が輝く。
      トライデントトリアイナ
  • 珊瑚が赤い光をこちらに投げかけると、その光が俺の左腕に反射してある方向を示す。
    • 夜空の九星。不可解な神像。彼方の森。
    • それらはきっと、ひとつに繋がっている。
    • 俺はあの森に挑まなくてはならない。
    • どうせ居場所はどこにもないんだ。
    • はみ出し者が選ぶ道、最終的な結論などひとつに決まっている。
    • 旅立ち。
    • 俺はずっと、星を掴みたかった。

2-5.昨日の敵は今日の友

  • ここは冒険の入り口、夢を目指す者たちが集う最後のフロンティア。
    「宇宙、それは最後のフロンティア」というのは、スタートレックTVシリーズのOPナレーション
    洋画専門チャンネル>スタートレック
  • 『女神像の身体の部位』に対応しているというその秘宝。
    • 更には遺跡の奧、森の中心部に辿り着くために必要な鍵は六つの遺跡に散らばっていると予想されており、その正体こそがこの秘宝ではないかと噂されているとのこと。
  • 魚人たちは『血縁』や『家族』を重視している。
    • 組織も疑似的な家族関係、兄弟の契りみたいな形式で運用しているふしがあった。
    • チャンプの皮算用だと、いくら俺が敵前逃亡かまして魚人どもを返り討ちにした敵であっても、いちど『息子』になってしまえば身の安全は確保されるということらしい。
  • 俺はもちろんチャンプも正体を知らない最強者こそ、その秘宝の存在を世に知らしめた人物なのだという。
  • チャンプは宝石が埋め込まれた腕輪を、俺は銀製のナイフを手にして必死に走る。
  • 移動ログと現在座標から考えると現在地は地下三階。
    アキラくんはマッピングアプリ持ち(幻ア1-1)

2-6.今日の敵は永遠の友

  • チャンプが端末に示してくれた簡易地図によると、現在判明しているだけでも百層まで続いており更に下があるという。
  • この地下階、どうやら天井がかなり高い。
    • 儀式や祭礼に用いる目的があったのか、他の都合なのかは知らないが、スペースの広さは階ごとに大きくなっているようにも感じられた。
    • 驚くべき事に光庭と呼ばれる吹き抜け部分が地上まで突き抜けており、最上層の採光窓からの光がここまで届いてきている。
  • 俺の眼球には暗視装置(ノクトビジョン)が搭載されているため、いざとなれば緑色に調整された暗闇用の視界に切り替えることもできる。
    • 通常はパッシブな微光暗視装置として機能するが、地下や洞窟の中など完全な暗闇にも対応したアクティブな近赤外線の投光機も搭載している
      おそらくアキラくんの「お仕事」用の機能
  • 流星錘と呼ばれる武器は十分に加速した状態でその遠心力を全て破壊力へと変えた。
    Wikipedia>流星錘
  • 独特の抑揚をもった声が響くと共に、目に見えない『ゆらぎ』が大気を引き裂いてチャンプに向かって行く。
    【空圧】の呪文?
  • 右手にナックルガード付きの槌矛、左手に同じくナックルガードが付いた防御用ナイフというスタイルは、剣術で言うところの『ソード&ダガー』とか『エスパダ・イ・ダガ』などと呼ばれるものと似ている。
    斬らなイカ?>ソード&ダガーとエスパダ・イ・ダガ
  • フィリピン武術エスクリマとその派生形であるいくつかの国の警察や特殊部隊の格闘術ならば『サイバーカラテ道場』のデータベースにも存在しているが、それでどの程度まで対応できるものやら。未知の武術と相対しているというひりつくような緊張感。
    Wikipedia>エスクリマ
  • 多分、この世界でも鎧の強化に伴う戦術の変遷とかがあったんだろう。
    地球では、鎧の強化によって、衝撃を通すメイスや鎧の隙間を狙う武術などが発達してきた
  • 裏切り者は白髪頭に捩れた鼻、離れ気味の両目をした小太りの壮年男性だった。
    メクセトの子孫?
  • 弟弟子の奴が何故か自分の首筋に指を埋め込みながら血を吐いて叫び
    自分で自分の秘孔を突いて、正気に戻るカーイン
  • 珊瑚が命を歌う。海の底で笑ってる。
    珊瑚の心臓、トリアイナ
  • 世界はひとつの透明な海だ。
    • 海は最初からここにあった。気付いていなかっただけ。
    • 俺たちは、ひとつの細胞だったのだ。
      トライデント世界観
      「世界の真実の姿に気づく」というのは、宗教や自己啓発本などで頻出するワード
      当然、先にその「真実」を知っていて啓蒙する側が、後からそれに「目覚めた」側にとって優位に立つことが出来る(要出典)
  • あの時、差し出された杯を手に取っていれば融け合うことができていた。
    ラズリさんの盃にも融血呪?仕込まれていた
  • 青い海に包まれていく中で、遠い言葉を思い出した。
    • 知らない呪文。『言理の妖精、語りて曰く』。聞き覚えのあるその記録。
      何者かによる干渉?
  • 瞬間。『E-E』が意識の深部レベルに対する不正な侵入を検出。鳴り響くアラートに『サイバーカラテ道場』が肉体をオートパイロットで強制駆動させる。肉体を拘束する青い流動体を強引に引き千切りながら離脱を試みる。あらゆる生理的欲求と意識的な目的規範を過去数日間の行動ログと比較。何らかの手段による記憶及び意識に対する改竄が行われていると判断し、意識の連続性を一時停止。再起動。『E-E』に継続させていた主観記憶をパージ、情動を抑制しつつ『俺』のエミュレートを開始。
    精神のコピペによるアキラくん復活
    これも一種の転生?
  • 人を殺すとき、俺の脳内には常に歌が響いている。
    • 許しの歌。あるいは赦しの歌。
      『ノーペイン』が、歌と表現されるのは初
  • 修道騎士が、端末の画面に何かを映し出している。
    • 空中に拡大投影されたイラスト。
    • 妙にすっきりしていてわかりやすい、写実と漫画っぽさの中間みたいな画風だった。
      アキラくんを遺跡での冒険に導いた上手い絵は、キロンの筆によるものだった

2-7.強くて頼りがいがあってダンディでセクシーな彼氏

  • 屈強なならず者たちが護衛するその中心には白骨の牛が牽引する荷車があった。
    エルネトモランでは、最近流行ってないらしい車輪による移動手段
  • この街に集うのは遺跡の調査に訪れた学者やその護衛、冒険を夢見る命知らずといった覚悟の据わった連中ばかりではない。どう見ても荒事に向いていない、着の身着のままで逃げてきたような難民たちが数多く存在している。
  • 存在しない左手と、女性の手が交差した、瞬間。
    アキラくんの左手には何かある?
    重要に扱われ、承認されることで、無のはずの左手に価値が生じている?

2-8.一方通行の妄想彼氏

  • 「本当にそう思っているのなら、わざわざ付き合ってくれたりはしないはずだ。君は自分で思っているほど自分の理性を信じちゃいないのさ。俺の姿が見えるくらいだしな」
    アキラくんは、理性より肉体と衝動主導で動く?
    幻ア、コルセスカからも指摘されていた。
  • 『男を上げる』とかわけの分からないマチズモに迎合するのも御免だ。
    Wikipedia>マチズモ
  • 自己診断をかけたくなる自分を抑えて現状を維持。
    ワクチンソフトは持ってるが、使用しない
  • 男によれば、彼は融合体として牛人に囚われていた女性の脳内彼氏であるという。
    • 『こんな強い男が自分の味方だったなら』という切実な願い。
    • 女性が苦境に置かれたことで願望は周囲にも波及し、その場にいた誰もが集団幻覚を目撃し、奇妙な体験を共有した。
      「収容所の架空少女」
      大戦中に、ドイツ軍の捕虜収容所に囚えられたレジスタンスのグループが、脳内共同ガールフレンドを作り出して生き延びたという都市伝説
      仏人作家ロオマン・ギャリイ(ロマン・ガリー)『自由の大地(原題:天国の根)』が創作したらしい
      Togetter>『収容所の架空少女』の原典
  • ほぼ勘だが、『青い血』には物質同士を融合させるだけでなく精神を感応させて操るような力があるのではないだろうか。
    救世主トリアイナは、この原理の応用で降りてくる?
  • 世界と関わり、他者と繋がりを得た妄想や幻は存在としての承認を受けて形を持つ。
    コルセスカトリシューラの相互参照姉妹、そして神々もこの理屈で実体化している?
  • いわゆる空想の友人。心理学で言うところのイマジナリーフレンドやクランテルトハランス、あるいはネット・カルチャーの中で俗化された思念体タルパ。
    異世界ゼオーティアの言葉である「クランテルトハランス」を普通に使っているアキラくん
  • 意識を閉じて悪夢の中に沈む。
    • 眠りながらでも『E-E』は機能するのが救いだった。
    • いつものルーチン。見慣れた景色。苦行のようなノルマを繰り返す。
    • 森を抜けて、流れていく血と永遠の時を見なかったことにしてやり過ごした
      一章の出来事の記憶?
  • 瞬間を切り取って固定された一点に封じ込める。
    • 彼はきっと世界を美しいものとして捉えている。
    • あるいは、美しくあるべきものとして。
    • この安らかな時間を守りたいという尊い願い。
    • 切り取った瞬間は永遠だ。世界を一枚の絵画にすれば、その時間には終わりが来ない。
    • 止まった時間の中で、俺たちは永遠の安らぎを得ることだろう。
      コルセスカ氷血呪?
  • この教会の門には夜になると不寝番が現れる。
    • 黒衣ですっぽりと全身を隠した子供のような体格の人物だが、声からするとどうやら老人だ。この番人に見つかると不思議な力で魔法のように寝室に連れ戻されてしまう。
      アズーリアと同じ青い鳥(ペリュトン)
      ゲームイベントめいた脱出阻害
  • かつて俺を救ってくれた青い闇は、この空のような色をしていた。
    アズーリアのこと
  • 「ああ、じゃあそれはきっと禍鳥(ペリュトン)だ」
    • 「ペリュ、え? 今なんか同時に発声しなかったか? まがとり?」
    • 「さしずめ君にとっては青い鳥、かな。遠い幸福ってやつだ」
      ルビを同時発声
      共有できる幻覚である男は、異世界人とアキラくんの知識の両方から引用が可能?
  • 「街の中心に宣名碑があるだろう。俺の名前をあそこに刻みたい」
    石碑の正式名称判明?
  • いずれにせよ、暴力や強さこそが全てとする価値観には明らかな欠陥があることは間違いない。完璧であること。美しく正しく強くあること。それらがあるからといって全てが上手く運ぶわけではないのだ。
  • 人を融け合わせる青い血。
    • それがもたらす圧倒的な多幸感をいまさら思い出す。
    • あれは依存性の強い薬物にもなり得るのだ。
  • 妄想には寄り代が与えられていた。人形という物質はこの瞬間に俺が用いる義肢と似たはたらきをしていた。人形は少女の前でひとりでに動き出す。

2-9.「そんな都合のいい男、いるわけねえだろ」

  • 女性の瞳から光が消えていくにつれ、実世界での伊達男の存在感が遠ざかっていく。二人が消えてしまう。確信めいた不安に襲われて、通じない言葉で女性に呼びかける。きょとんとした視線が返ってきて一安心。
    • もしこの時、声をかけなかったら。
    • 彼女の心は理想の恋人と共にどこかに消えてしまっていたのではないだろうか。
  • ところでこの組織のトップである修道騎士には意外にも甘党な一面がある。
    • 食事やお茶の時間に必ずコンポートとジャムの中間みたいに見える砂糖と蜂蜜たっぷりに加熱濃縮された保存食品を取りだして、丁寧かつ大量に味わうのだ。
    • 物欲しそうな犬人たちから瓶を取り上げて独り占めにしようとする子どもじみた表情にはちょっとした微笑ましさがあった。
    • 瓶の中身はどろりとした濃い青色だった。
      どう見ても牛人たちが使っているのと同じ融血呪?
      どこかから供与されている?使いやすいように調整済みのもの?
      それに気づかないアキラくんは、無意識に自己の認識を欺瞞している?
      Wikipedia>コンポート
  • 都合良く辻占い師に教えて貰ったのだ。
    店員さんは、色々なバイトを掛け持ちしているので会うこと自体は不自然ではないが、あまりにも都合良すぎるタイミングなのである
    Wikipedia>辻占
  • 声をかけ腕をとりするりと小指を正確に抑え、危険だと判断した俺が一歩踏み込んだタイミングでさっと身を離してにこりと笑った。
    小指を抑えるのは、武術の技を仕掛ける準備
  • 輝く水晶、割れた亀の甲羅、謎めいた土瓶、迷路のような水盤を流れていく葉っぱの小舟、様々な異形の女神が描かれた絵札、そして円盤状の機械が取り付けられた杖。
    水晶占い、亀甲などの各種占い
    絵札の方は、おそらくキュトスの姉妹?が描かれたラヴァエノと呼ばれるもの
    Wikipedia>亀卜
    ゆらぎの神話>タロット
  • にこやかに微笑む占い師の女性には大きな借りを作ってしまった。
  • 腕は慈愛と寛大さを示すかのように開かれ、胸には九つの窓が開く。
    九つの星と対応?
  • それは巨大な青銅の像だった。屈強な牛人たちによって運び込まれた像は、かけ声と共に既にその場所に設置されていたもう一つの銅像の上に乗せられた。
    • 踏みつけにした、と言った方がより正確な意図が伝わるかもしれない。
    • それは権威の蹂躙であり、支配者交代の宣言でもあったからだ。
      アニメ(映画)『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』に同様の場面があり、『ハリーポッター』シリーズや宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』にも似たような差別社会を表す像が出てくる
      また、天邪鬼や悪鬼を踏みつける像は、仏教美術の毘沙門天像などで定番となっている

Wikipedea>天邪鬼
Wikipedea>悪鬼

  • 青白い魚や珊瑚の角を持つ蛙といった神秘的な生物の銅像は魚人たちの信仰の証。
  • 大半が打ち壊される中、とりわけ目立っていた角のあるクジラ像だけが原形を留めていたのは牛人たちのパフォーマンスのためであった。
    カッサリオだけは、共通の信仰対象となっている?
  • 特に目立っているのは中央に設置された青銅の牛像だ。炎で熱せられた青銅像は胴体が開くようになっており、牛人たちはその中に供物を投げこんでいく。
    Wikipedia>ファラリスの雄牛
    牛の偶像崇拝ということは、バアル信仰が元ネタ?
    Wikipedia>バアル
  • 異教への恐怖。
    • 古代の燔祭を現代の価値観で捉えきるのは難しい。
      ホロコーストの語源、ユダヤ教の宗教用語である「燔祭」(はんさい)

Wikipedia>ホロコースト
コトバンク>燔祭

  • 結果、生まれたのは死が日常となる世界。
    • 死を消費する社会を是とした、生贄文明の到来である。
    • これまでの、暴力と死をちらつかせて生命を搾取する世界とどちらがマシだろうか。
    • 我ながら馬鹿馬鹿しい思考だ。
  • 俗なバラエティ配信で見た『秘境の原住民』たちがやらせで演じるパフォーマンスのようでもあった。
    伝統文化の娯楽番組化によって、視聴者やマスメディアの妄想や欲望に応えたパフォーマンスが行われるようになった例
    『秘境の原住民』だって、期待されればそれにそった振る舞いをすることもあるし、観光ビジネスで現金収入を得ることもあるのであろう
    牛人たちの振る舞いにしても、周囲の悪印象がフィードバックされた結果として、こういった形になっているのかもしれない
  • 「無意味かつ無価値だ」
    • 物陰に隠れて牛人たちの様子を窺いつつ、先ほどと同じ台詞を繰り返す。

      「無意味かつ無価値だ。何でこんなことしてるんだろうな、俺は」(創ア2-8)

  • キツイ上に無謀、とびっきり悲惨でとびっきりハード。
    アキラくんの異世界オーダー

    「出来るだけキツイ異世界がいい。とびっきり悲惨で、とびっきりハードなやつが」(幻ア1-1)

  • ひどく憔悴した様子の女がこちらを見ているのに気が付く。
    • 波打つ黒髪と詰め襟の軍服の細いシルエット。
    • 魚人組織を率いる老人は俺のすぐそばに座り込んで頭を押さえている女を見つけると何ごとかを大声で叫び、両手を広げて大仰な仕草で抱きしめる。目尻には涙。
    • 抱きしめられた女がじっとこちらを見ているのに気付いて、カエル爺の視線がつられて動く。やばい、気付かれた。面倒だからさっさと離れよう。
      アニス
      アキラくんの結婚&言語コミュニケーション解禁フラグ
  • 助けないことで、愛する人に立ち上がって欲しいと願う。
    • 脳内彼氏が宿った人形。都合のいい幻想を抱きしめたままでは、差し伸べられた現実の手を握り返すことはできない。
  • 嘱託殺人。その生業を呪わなかった時はない。
  • だが、迷ったこともなかったはずだ。
  • 生まれたこと、存在したこと。その全ての間違いを、これから正す。
  • いつだって俺は、暴力で誰かを終わらせることしかできない。
  • 妄想彼氏の軽やかで力強い蹴りを思い出す。どこにも立っていないはずの男。それでも彼は確かにいた。いまもなお、俺の中に存在している。
    • 俺は死者の声を聞くことができる。
    • 『サイバーカラテ道場』に記録された戦闘経験。
    • 積み上げられ、俺の中にフィードバックされていく思い出。
    • だから行け、これまでの全ては強さに変えていけるのだから。
  • かつて遺跡の中で争奪戦を繰り広げた『財宝』であり、『融合』の奇跡を実現させるおぞましい彫像。俺の左腕はそれと同じ気配をあの角に感じていた。
  • だいたい火葬とゴミの焼却を一緒にしてんじゃねえ。
    • 「分別つけろ、クソ牛野郎!」
      二つの「分別」(正確には、『ぶんべつ』と『ふんべつ』)を同時に指摘しているダブル・ミーニング
      一緒くたにしていることを否定する指摘自体が、一緒くたになっている
      Weblio辞書>分別
  • かつて遺跡の中で争奪戦を繰り広げた『財宝』であり、『融合』の奇跡を実現させるおぞましい彫像。俺の左腕はそれと同じ気配をあの角に感じていた。
  • 断裂から溢れ出たのは青い血だ。
  • 角から出血するというあり得ない光景。
    融血呪を利用していた
  • 虚空を貫く角。捩れた衝撃。振動する言語。震災の如き世界の断絶。
    • 大地を踏みしめる四つ脚、大海を泳ぐ尾びれ、天に届く声。
    • それは王だった。あらゆる獣を凌駕し、粉砕し、蹂躙する。
    • 獣の王。あるいは、王として生まれた獣。
    • 言葉はない。視線だけが俺を殺すと語っていた。
      カッサリオ
  • 遙かな挑戦の予感。命を昂ぶらせる恐怖心は、戦いのために必要な心の形だ。
  • 闘争か。逃走か。それらは生きるための選択という点で等価値だ。
  • 歓喜と恐怖も同じだ。俺はその感覚を心に刻む。
  • 確信がある。俺はこの日、最強に挑み、一瞬だけ左手を届かせたのだ。
    • いまはまだ勝てないだろう。
    • だが積み上げたものは確かに通じた。
    • 『達人』の拳。『脳内彼氏』のスタイル。
    • 俺はあとどれくらい強さを知っていけるだろう。
    • その果てに、俺はあの王のごとき獣に敵うのか?
    • か細い光だ。それでも、明日くらいは生きてもいいような気がした。
  • ウィッチなんだかドクターなんだかよくわからない連中だ。
    ウィッチドクター
    元々、魔女は医者の側面を持つ
    Wikipedia>呪術医
    Wikipedia>魔女
  • とどめとばかりにとんがり帽子の先端をすっと真っ直ぐに伸ばすと、それを思い切りねじ曲げるというパフォーマンスを一斉に実行。
    • どのような手品なのか、魔女の敵意に連動したとしか思えないタイミングで槍が折れていく。槍は修道士たちにとって信仰の象徴だ。信徒たちが手にしていた小型の祈祷具や儀式用、護身用の槍は今やとんがり帽子の先と同じ有様だった。
      おそらく「男を不能にする」という魔女についての伝承と、男性器の隠喩としての槍を結びつけた呪術
      男性の権威と秩序をあざ笑い、自由奔放に行動する「垣根の上を飛ぶ女」(Hexe)としての魔女の力の現れだと思われる。

Wikipedia>類感呪術
Wikipedia>テュルソス
Wikipedia>♂
EDケアサポート>ED(勃起不全)とは?

  • 一人は細身の麗人。性別のはっきりとしないタイプの美貌で、身体のシルエットがわかりづらい民族衣装風の服装もあって余計に判断に迷う。だが最も目を惹くのは腰から伸びた長大なサソリの尾だ。禍々しい針が修道騎士に殺意を向けている。
    マラコーダ
  • もう一人は牛人たちと比べても更に大きな巨漢だった。毛深い二の腕は丸太のように太く、ゾウほどある単眼巨人たちほどではないにしても、ちょっとしたクマ程度のサイズ感は確実にあるように思う。だが何より印象的なのは反り返った長い牙と大きな鼻。男は猪に似た種族だった。
    チリアット
  • 少女だ。すらりと長い背丈は俺と同じくらいだが、年の頃は周囲の魔女たちと比べて明らかに若いし、幼いとすら感じられる。
    トリシューラ
  • 明後日には真実を知って絶望するとしても、明日くらいは生きてもいい。
    • 俺は多分、そんな儚い光が欲しかったのだろう。

2-10.敵の居場所

  • 壁に背を預けている線の細い美男子と白髪の老人。
    老人は、幻ア「転章『それは素朴で純粋な当たり前の」で話だけ出てきた、『守護の九槍』旧八位シャハル爺さん?
    となると美青年は、幻ア5-10 夜明け前の沈黙で出自が判明した、亜竜王アルト王のコスプレ好きな『竜牙槍』のアルティウス
  • どちらかといえば大昔に想像されていた恐竜のようにも見える。
    昔は、恐竜は大きなトカゲでしかなく、のろまな動物だと思われていた
    Wikipedia>恐竜ルネッサンス
  • あの翼の生えた猫
    ヲルヲーラ
    『幻想再帰』二章で登場した多世界連合の代表。
    多世界連合にとってこの世界が一つにまとまっている方が都合がいいため、二つの陣営の争いにルールを課し、その審判をしていた。
    なお、生きている場合でも、アキラくんに情報をあまり与えてはくれなかった。
  • 猫が死んでいる周囲の空間が奇妙に歪んでいるため、近付こうとしても到達できない。
    封印?空間の上書き?
  • 槍によって尻から口までを串刺しにされた牛人たちも。
    Wikipedia>かかし
  • 敵を打ち倒し、救いをもたらす正義の修道騎士。
  • その在り方に、どうしても俺は恐れに似た感情を抱いていた。
  • 怯えに対する反動なのか、俺の心には使命感が湧き上がりつつあった。
    • 強い奴と戦いたい。
    • 存在しない誰かとの約束。
    • それを成し遂げれば、俺はこの恐怖を感じなくても良くなるのではないか。
  • 言葉を持たない俺が示せるのは暴力しかない。
  • だから暴力で獲得できる地位だけが俺の居場所になる。そのはずだ。
  • 「で、石碑の上位陣のうち、『別格』と目されているのが『上』に九人。『下』に四人か。こいつらを目指すのが当座の目標になる」
    『幻想再帰』一章終了時点での、『上下』の代表的強者の数と同じ。
  • 番付の頂点、最強と目されている人物の長大な文字の羅列の上にあるのは現実を映した写真や映像ではなく、描き手のイメージを反映したふわふわとしたイラストだった。しかも幼稚園児なみの雑さである。
    • 「なんだこれは。角が生えてて、鼻に輪っか? 牛なのか? その下には魚が泳いでて、上には太陽と羽の生えたヒト、それからこれは板か?」
      この世界では、人物の写真撮影は攻撃手段なので禁忌である。
      なので、アキラくんが写真や映像だと思っているものも、実は人物のものは精巧なイメージ映像に過ぎない。
      雑なものは、イメージ映像が出回っていないためプーハニアのイメージしかないためであると思われる。
  • 十三番目の人物も奇妙なイメージだった。
    • いちおう『上』に分類されているようだが、『天』に属する連中の神聖っぽさや宗教っぽさが全く感じられない。
    • それは髪を振り乱して子供を脅している、鋭い牙を伸ばした一つ目の老婆だった。
    • 背後に描かれている山のようなイラストが白く塗られていることから、冬の山に住む雪女か山姥、それに類する妖怪的存在とも推測できるが、はっきりとはわからない。
      おそらくコルセスカ
      『上』の神話英雄も、『下』から観ればこんな存在なのであろう。
      単眼で描かれているし、この世界では、トリシューラ製の義眼を得ていない?
  • ランキングは六位。ふてぶてしい笑みを浮かべた軍装の老人だった。
    六位は、[[キュトスの姉妹]ではラクルラール(代理)とミスカトニカ(自滅)に相当するポジション
  • そんな竜人の中でも最強の男が、最も巨大な竜の遺跡に挑んでいる最中なのだという。
    竜の遺跡は、おそらく(旧)ガロアンディアン?王である亜竜王アルトの遺跡なので、同族としてその後継者を自認しての振る舞いだと思われる
  • 大樽の酒はいくら注いでも途切れる事がなく、遺跡の中であろうと調理済みの鶏肉が山のように大皿に並ぶ。遺跡のような気がしていたがよく考えればここは相棒の自宅で、そこはお菓子の家だ。寝台がそのへんを浮遊しており、枕を叩くと飴玉が飛び出す。
    夢を操る赤の色合?が使われている模様
  • 何十年過ぎても言葉は通じない。俺はこの止まった状態のままずっと生きていくのか。
    『幻ア』の設定通りなら、居場所を得て承認されれば、言葉も通じるようになるはずなのだが・・・
  • 俺は正しい側ですと主張し、『そうでないもの』を殺さなければ。
    • そうでないと、俺が排除される側になってしまう。
    • だから人は戦うのだ。感情を消し、作業的に拳を振るい、日々のルーチンワークとして殺害と宴会を繰り返した。完成された世界。それはとてもとても楽しい日常。
    • 醜いものを殺せ。違うものを潰せ。相容れないものを壊せ。
    • 共同体の外側、異なるものは全て排除しろ。
      『下』の基本原理であり、『上』にも通底する共同体の性質
  • 全体的な印象は朽ち果てた骸。肥大化した片目がぎょろりとこちらを睨め付け、長く伸びた牙を剥き出しにして威嚇している。
    動く死体っぽいしルウテト
  • 暴力しか語る言葉を持たない俺は、『敵を殺す』という行動で居場所を作るしかない。誰かに受け入れて欲しければ、誰かの敵を殺すだけ。それが俺ができる全て。
  • この醜い怪物は俺にとっての恩人だ。
    • いつの間にか思考力を失っていた俺を我に返らせてくれた。
  • すなわち、ここはあの女が見ている夢の世界なのでは? という妄想だ。
    正解である
  • 取得情報選択アプリ『わくわくお絵かきセット(アグノスティックシーヴ)』が俺の認識を粗く削ぎ落としていく。
    • 感情をフィルタリング。必要な情報だけを選別し、不要な感情が喚起されないように『篩』にかける。
  • 何が『神に与えられた自然な心身を弄ぶな』だ腐れナチュラリストが。こちとら生まれる前からオール不自然のサイボーグ様だ文句あるか。
  • 『面白そう』『楽しそう』という運動そのものとは関係無いカジュアル層の流入が大きい。何を隠そう、俺も最初は遊べるアプリだと勧められて導入した。
    遊び(ゲーム)の楽しさが、認識を歪め現実を変えていく
    コルセスカ浄界?コキュートスを思わせる現象

2-11.猫は死んだ

  • 傭兵たちの中には倒した怪物に首輪をつけて飼い慣らしている者もいる。
    『使い魔』呪術を得意とする者だと思われる
  • あの『夢から醒めた』劇的な瞬間から既に六十年が経過している。
    • 六十年分の蓄積、六十年分の思い出。
    • もちろん錯覚だ。ここが夢だとわかった以上、本当に『気がする』だけでしかないことはとっくに理解できている。
      『ドラゴンボール』の「精神と時の部屋」のように、アキラくんの修行になっている?
      ピクシブ百科事典>精神と時の部屋
  • 獣のようなタイプ、虫のようなタイプ、魚のようなタイプ、鳥のようなタイプ、それから樹人のようなタイプ。竜人の傭兵集団が戦っているのはこの五種類だ。
    古代ガロアンディアン?五大騎士団に種族対応している。
    同時に、アルト王の血筋を引くと主張する者たちなのだと思われる。
  • そもそもこいつ、この遺跡の生物なのか?
    • どっか別のところから紛れ込んできた可能性もあると言えばある。
  • 醜くおぞましい形は『恐怖』を生み出す。
  • 平時なら疎まれるその特性も、戦場では敬意を払うべき特質だ。
    • 敵がびびってくれればこっちのもの。
    • 『こいつは醜悪だ』という認識は心強さに早変わりする。
  • 俺には読めない文字のような図像が描かれた紙の札。
    道具>呪符
  • 戦利品、特に青い石の欠片を眠らない女に上納し、一部を懐に入れる。
    竜の遺跡では、秘宝の欠片を集める必要がある
  • 醜悪な自然界の捕食。俺はそれに安堵を感じる。
  • 愉快な社会での宴会。俺はそれに不安を感じる。
    • 自分の選り好みが馬鹿馬鹿しく思えてくる。
    • 人の中でしか生きられないサイボーグのくせに。
    • 不自然な社会と文明が存在するからこそ、俺は生まれる事ができた。
    • だというのに俺は自分に近いものを遠ざけ、正反対のものを求めている。
    • いや、だからこそなのだろうか。
    • だとしたらこれは飢えだ。欠落の補完を求めるみっともない渇望。
      異質なものを排除する「共同体の性質」とは、真逆の渇望
      共同体の欠陥に対抗できる?
  • 傭兵たちが探しているのはどうやら例の『財宝』、その欠片のようだ。
    • 『青い血』で全てを融け合わせる呪いの品。
    • 俺にとっては因縁深く忌むべき代物と言える。
    • 竜人たちはパズルを完成させるという段階を踏まなければならない。多分。
  • 小怪物を手招きした俺は、いつも餌をやるように口の中に小さな石片を放り込む。
    • 欠片発見の報告をするより先にこいつの中に隠してしまえば見つからないだろう。
  • 二人が唐突に巨大化をはじめたからだ。
    亜竜人なので、強者はこういうことも出来るようだ
  • 住民を巻き込んだあたりで顔なじみの修道騎士がやってきて、巨大な弓で二人に光の矢を浴びせかけて追い払った
    キロンは、序列六位と七位に対抗できるぐらいの強さがある?
  • 全体では六位。『天』側の九人の中では四位。
    • ひとたび巨大化して本性を露わにすれば全てを粉砕する恐るべきドラゴン。
    • それがあの老人だ。
  • 俺は回りの連中と心をひとつにして快哉を叫んだ。
    振る舞いだけのNPCたちと打ち解けるアキラくんであった
  • つまりは『敵』。俺が倒すべきはこの世界そのものだ。
    『幻ア』でのラスボス候補の一体、火竜炎帝メルトバーズと同じ性質
  • 俺はこの術理を理解して対処しなければならない。
  • 種類は五種類プラスアルファ。基本のカード以外もあるようだが実戦の中で効果を確かめていくしかない。
    道具>呪符
  • ルールが変わったら適応するだけだ。
    変更されたルールに適応するのは、サイバーカラテ使いの日常である
  • レザーフェイス?スプラッタ。フレディ
    ホラー映画に登場する殺人鬼たちの名前など
    全話で挙げられた名前のなかで、「ゴア」だけがまだ呼ばれていない

Wikipedia>レザーフェイス
Wikipedia>スプラッター映画
ピクシブ百科事典>フレディ・クルーガー

  • 相手の裏取りを狙い続けるというものだ。
    KAKUGE.COM>裏まわり
  • 意思など通じていない。それでも何らかのコミュニケーションは発生する。
    • 形式的なものでしかない。だが確かに形はあるのだ。
  • 疑似家族、絆、仲間意識。ツールとしては優秀で、傭兵集団が採用するのも当然だ。
  • 俺は窮地においてなんだかんだと実際に効果があるのが嫌なわけだが。
    • だってそれじゃあ、必要に迫られて強制されているみたいだ。
    • それってかなり冒涜的じゃないか?
      強制的な仲間関係を嫌うアキラくん
      利用価値で仲間を作ることを嫌っている?
  • 「寝言ってのは、現実でしか言えないんだよ」
    • ここで負ければ、現実で寝言を口にして敗北することもできなくなる。
    • それは嫌だった。挑戦そのものが嘘になる。
    • 『寝言は寝て言え』という嘲笑は現実で負けてから聞かされるものだ。
    • こんな夢の世界で聞くべき台詞では断じてない。
  • 自動警戒アプリ『夢枕guard』を起動。
    • 『夢への干渉』。俺にはそれができた。
  • 現実との繋がりが感じられるこの不可思議な夢の世界でそれが可能なのかはわからない。だが、これはあの眠らない女だけの夢ではない。俺は確かに『俺』としての意識を自覚しており、あいつの脳内妄想ではない。というかその仮定には意味がない。
    • 俺という外部の存在を取り込んでいるのでなければ、奴はただ昼寝をしているだけに過ぎない。大掛かりな魔法っぽい夢世界を展開しておいて無意味ということもないだろう。
      ダンディな彼氏に続く、共有できる幻
  • 俺の幻肢は、実際には身体に接触していない『遊離型』だ。
    • 『幻掌』の動作に馴染んだ技の一工程として飛び出した拳が間合いを超えて標的を捕捉、勢い良く激突する。
      ロケットパンチ殺人事件(『幻ア』5-1)
  • 例の石碑のミニチュア版だ。
    • 薄いタブレットを指先でピンチしたりスクロールしたりできるらしい。
    • 拡大縮小して順位をいつでも確認出来るようだ。
  • 入れ替わったのは六十六位と七十一位。
    • つまり俺だ。どうやら今の戦闘結果が評価されてらしい。
  • 魔法。あるいはそれに類する技術。
    • そういうのに詳しい奴から学習しなければ俺に先はない。
    • いなければ実戦で鍛えていくしかない。
  • 飼い主とペット。そのくらいの関係性が俺にはちょうど良いのかもしれない。
    • 俺は、こいつを求めたりはしていない。
    • きっとそのはずだ。
  • そんなふうに自分をごまかしながら、俺は手のひらに乗っかったそいつの頬を軽く指でつついた
    幻肢レベルアップ
    指がなかったアキラくんの幻肢だが、もう指が認識できるようになっている

2-12.ある武術家語りて曰く『今はまだその時ではない』

  • 天空に輝く九つの星。
  • そのうちのひとつに、今なら手が届くような気がする。
    ここでの星は、石碑序列上位のこと?それとも守護の九姉?の一人ディスペータ
  • 以前、牛神像を殴った瞬間に感じた『向こう側にいる何か』の気配。それと似た気配を持った強者やその関係者と向き合うと、幻の左腕の肌がぞわりと総毛立つ感覚が生じる。
    偽りの槍神ハグレスの干渉が、上位者全員に及んでいる?
  • 最初に挑んだ『地下遺跡』は底知れない広さと深さを持つぶん、魚人や樹人、牛人をはじめとした多種多様な人種が挑んでおり、人種間での衝突が多い。避けた方が無難だ。
    • 他には機械的な仕掛けに満ちた『尖塔の遺跡』、至るところに水晶が埋め込まれた『水晶の遺跡』、ありとあらゆる種類の時計や十字架が飾られている『時計の遺跡』、丸みを帯びたつくりの『球形の遺跡』、そしてつい最近に挑んだばかりの『竜の遺跡』がある。
      それぞれ六王に対応している
      『地下遺跡』:カーティス
      『尖塔の遺跡』:パーン
      『水晶の遺跡』:ヴァージル
      『時計の遺跡』:オルヴァ
      『球形の遺跡』:マラード
      『竜の遺跡』:アルト
  • やたら目立つ帽子やら頭巾やら兜やらを被った一団で、ぷかぷか浮遊している浮き世離れした奴らだった。
    エルネ=クローザンドの空の民
    常に浮遊している民族であり、心身ともに浮世離れしている。
  • 「いつも通り牽制は任せるぞ、ゴア」
  • 『同じ鳴き声』に反応し、怪物はくわえた呪符を起動。
    鳴き声によるコマンド指示的な合図
    以前羅列した名前の中で、唯一まだ呼んでいなかった呼称
    コルセスカの愛称「コア」に似ている
  • 絵画の中心にいるのはどうやら一人の女王のようだ。
    • その女王に傅くようにして、六人の冠を被った男たちが手を伸ばしている。
      ルウテトと六王
  • 四方の壁を眺めると、偉大な女王と六人の王たちはずっと『何か』との戦いを続けており、これはその記録のようだった。
    • 王たちが対抗するのは黒く、おぞましく、けがらわしい怪物の群れ。
    • 壁画に描かれた『何か』は、どこか肩に乗った不気味な怪物と似ていた。
      おそらく怪物は狂怖(ホラー)
  • 背後で甘い嬌声が響く。立ちこめるのは脳を鈍らせる香と液体。延々と響くのはサイケデリックな質感の宗教歌。相変わらずの乱痴気騒ぎだ。
    Wikipedia>サイケデリック
    ヒッピーぽい振る舞いをする集団が、ヒッピーぽい音楽を好むという収斂進化
  • 商品棚のポップや立体映像広告を見ていると有名人らしき男女と商品を結びつけたような宣伝が主流に見える。
    この世界(ゼオーティア)の文化において、あるいは呪術的に同じ香水を身につけることには特別な意味がある?
  • この香水とタイアップしているのは蓬髪の壮年男性だ。派手なストライプスーツを身に付けて不敵な表情を浮かべた彫りの深い顔立ち。
    • 良く見ると番付上位の立体映像で見た顔である。確か三位。
      グレンデルヒ
  • 恐ろしく美しい横顔だ。輝く光輪に燃える翼。爽やかな美貌は女性のようだが、力強い表情と燃える赤毛、輝くような瞳から受ける印象は雄々しい戦士のそれだ。
    アルマ
  • 落ち着いた感じと爽やかさのバランスがいい香調。フゼアマリン、というのだろうか。
    Wikipedia>フゼアノート
  • 少しシトラスの柑橘風味が強いように感じたが
    シトラス=柑橘類
    Wikipedia>ミカン属
  • 発掘作業の班分け、日常での役割分担、その他の人間関係においても単一の人種や種族で染まり切ることがほとんどない、というか明確に避けられているようだ。
    アファーマティブ・アクションまたはポジティブ・アクションと呼ばれる差別対策
    コトバンク>ポジティブ・アクション
  • 直前まで仲間だったはずの『それ』を、化け物を見るかのような視線で凝視する。
    • いや、それは確かに化け物だった。
    • 竜人たちの肉体が、変質していく。
      まなざしによる怪物化、ゴーレム効果
      あるいは社会的スティグマ
      不良扱いされた若者が、実際に不良になるような現象
      「嫌われ者」として周囲から扱われることが、自分が「嫌われ者」だとする意識につながり、その意識によって、期待される「嫌われ者」らしい振る舞いをとってしまうようになり、それによってまた周囲から「嫌われ者」として扱われ…
      という負のスパイラルが起きてしまう。

おそらく、人の思いが現実を直接変えるゼオーティアでは、『邪視』の影響によってそうした現象が激しくあらわれ、偏見が現実をダイレクトに変えてしまうのだと思われる。

コトバンク>ゴーレム効果
STUDY HACKER>ピグマリオン効果とは? ゴーレム効果・ハロー効果との違いもわかる!
Wikipedia>社会的スティグマ
Wikipedia>予言の自己成就

  • 肩に乗った小さな怪物を見て、目の前で起きている人体の怪物化現象と比較する。
    • 似ている。似すぎていると言ってもいい。
    • もしかして、こいつも元々は人だったのか?
  • 巨大な太陽を中心に幾つかの天体が巡り、天使たちが舞い踊る宗教画のような光景。
    槍神教の宇宙観、キュトスの姉妹もある程度共有?
  • 一瞬だけ女かとも思ったが、身体のシルエットは屈強な男。だが性別を超越した美がそこにはあった。
    アルマは女性のはずだが、なぜか男性化している
  • その瞳でまなざしただけだ。それだけでもっと異常な事態が起きた。
    • 天使の無機質な視線を向けられて、魚人たちまでもがおぞましい怪物と化していた。
    • それは宣告だ。差など無い。等しく殲滅すべき怪物である。
      槍神教の世界観押し付け
      『幻ア』では、魚人たちは当初『異獣』扱いされていなかったので、これもまた相違点の一つである
  • 同じく透明な障壁によって。
    • いや、左手の甲を中心にして広がるあの方形は氷の盾、なのか?
      コルセスカの雪華掌の一つ、氷盾をもっている
      コルセスカとの仲間関係が無ければ、所有しているはずが無い武装のはずであるが…
      goo辞書>方形
  • 牛人の神を通して見た巨大すぎる『何か』。
    • 第一位。この街における最強者。青い血をばらまき、現在進行形で悪意と混乱を撒き散らしている、俺にとって因縁深い宿敵。
      どう見ても単独では「青い血をばらま」いたり出来そうにないので、協力者や支援組織がある?
      ハグレスに憑依されている?

2-13.「び、」

  • 「冗談じゃない、機動力士だってもう少し軽やかに歩くぞ!」
    機動力士については、ゾーイ?ならびに幻ア四章を参照のこと
  • 修道騎士がいつの間にか手にしていたのは豪華な装丁の本のようにも見える石板だ。
    メクセトの神滅具のひとつ
    幻ア本編では、託宣によってアキラくんの嘘を見抜くという重要な働きをした
  • 二大勢力による拘束は、共同作業と言うより綱引きに近い印象を受ける。
    天使はどちらの勢力にも所属しておらず、その所有権を二大勢力が争っているようだ
  • 長大な独角がぶるりと震える。
    仏教において「悟りを得た」と自称するが、他人を救うための説法をしない人物を指す「独覚」(大乗仏教の立場からの非難、邪道に近い意味で使われることが多い)という語を意識している?
    また、この特徴は、幻アでアキラくんと戦った王獣カッサリオにも酷似している
    コトバンク
    Wikipedia>独覚
  • それは言葉によってもたらされる、人心に対する地震。
    言震
  • 俺が文字を学習して反復、確認しようとする行為は確実に失敗する。
    ゼオーティアの文字は特殊
    幻ア二章を参照のこと
  • イラストにも似たような石板が登場した。
    • 『隻眼の白竜王』はその頂点に名前が刻まれたことで王としての地位を得て竜神に力を授かった、というような神話があるようだった。
      石版の番付最上位は王となり、言語能力の付与と剥奪を可能とする力を得る
  • 奴を放置することはできない。対峙する理由はそれで十分すぎるほどだが、それ以上にあの最強者の地位は俺にとって必要なものだった。
    • 言葉をほしいままにできるのであれば、俺はまたこの世界で誰かと言葉を交わすことができるようになるのではないか。
  • 別に誰かと言葉を交わしたいわけじゃない。
    • 俺はただ、欠けていることが耐えられないだけだ。
    • 右側の義手を握りしめる。最初から満たされていたもの。外から来た俺にはこれしか持ち物がない。だから単純に、もっと欲しい。ただそれだけだ。
  • つまりはそういうことだ。石板の最上位に登りつめれば、たとえ社会に馴染めないアウトローであろうとも誰も文句はつけられない。
  • 果たしてリーダーである竜使いの巫女はどう判断するのかと思ったら、にっこりと笑顔を浮かべながら指と指を合わせてバツ印を作った。
    パーシーイーの聖印
    「×」
    神々>パーシーイー
    Wikipedia>×
  • とある仮説によれば、オスのある形質に対するメスの『美しい』という好みが一定以上の頻度で集団内に広まると、その形質を持っているオスしか配偶相手として選ばれなくなるらしい。
    明らかに生存に不利なのに、どんどん派手になるクジャクのオスの羽根などがその代表である
  • 気に入らなかった。だから俺はせめてもの抵抗として、醜い怪物を引き寄せてその頬に口づけをした。
    幻ア4章「死人の森の断章9-∞ 必ず貴方を迎えにいくから」
     および「終節:窮『Put My Finger Only On Your Cheek』」
    口づけするなら頬にだけ
  • 存在しない幻の左手。
    • 最初から、そんなもので誰かの手を掴めるはずなどなかったのだ。 
      創ア「2-12」
  • 不意に俺は自分の中の感情を理解した。
    • 俺が引っかかっているのはその方法論ではなく、制御の不徹底ぶりだ。
    • 人間の動物的側面を利用して『共存や相互理解』を実践しておきながら、人間の動物性に由来する攻撃性や独占欲を否定するのは少しばかり都合が良すぎる。
    • 動物性を肯定するなら情動の全てを認めた上で制御すべきではないのか。
    • あるいは、『良い動物性』と『悪い動物性』を切り分けているとでも言うのか?
  • ほっそりとした首筋にかかるくらいの白銀の髪と青い瞳、氷像を思わせる透き通った端整さの造形は儚い芸術作品を思わせる。
    コルセスカ(仮)登場
  • それは氷の指輪。冷気を放つ指輪を中心に、周囲の青い血が固まっていく。
    幻アの二章で使用した指輪
    その時は、敵の赤い血をストックして自己再生に用いていた

2-14.「びっくりしたじゃないですか!」

2-15.死せる猫のゲーム

2-16.「いえーいぴーすぴーす」

2-17.眠れる猫のゲーム

2-18.死地

2-19.牛と魚、そして天使

2-20.めまい

2-21.六淫操手

2-22.霊性複合体

2-23.『オデュッセウスの鎖』