ひねもすイベントまとめ3

Last-modified: 2021-09-18 (土) 23:17:56

まさかのみっつめ

すずめのなみだ

おくすりちゃんの実装記念イベント…そういえばそんな呼ばれ方もしてたねえ
これのちょっと前に開催されてたあやかしの人気投票イベントで、見事一位に輝いたあやかしは式姫として実装という公約の結果生み出されたキャラ
当初は青行燈が突っ切ってたけどおくすりがウルトラC決めて一位をかっさらいました

タンコ ――ふぅ、今日も暑いのう……

芙蓉 そうですね。この先に村があるので、少し休憩しましょう。

タンコ うむ。その村に氷菓子屋はあるかの? 口いっぱいに頬張りたい気分じゃ!

芙蓉 食べるのは良いですが、お腹を壊さないようにしてくださいね。

タンコ わしはそんなに軟弱では――

???の声 ――いよ!

タンコ ……む? 今何か聞こえたような……

???の声 ――逃げて! 危ないよ……!

芙蓉 女の子の声……?

タンコ しかしどこにも見当たらぬが……

(パタパタ……)

??? ――ねえってば……! ここにいたら危ないよ!

タンコ む……? おぬし、何者じゃ?

??? そんなことより、今はここから逃げて! 妖がこっちに向かってるの……!

タンコ 今の所、妖の気配はないが……芙蓉、見てくれぬか?

芙蓉 はい……
   …………
   ……! かすかにですが……西の方に妖の気配を感じます。
   まだ遠くにいるようですが……

??? ……お姉さん、妖の気配を感じ取れるの?

タンコ おぬしこそ、そのような遠方にいる妖の気配を感じとることが出来るのじゃな。

??? うん……昔からそうなの。
    あ……ごめんなさい! 本当はもっといっぱいお話ししたいけど――
    この辺りにいる他の人達にも、知らせないといけないの……!
    お願いだから、ちゃんと逃げてね!

(パタパタ……)

芙蓉 ……行ってしまいましたね。

タンコ 不思議な娘じゃったのう。

芙蓉 はい。恐らく式姫かと……この辺りにも人がいると言っていましたし――
   まだ遠方にいるとはいえ、妖を放っておくわけにはいきませんね。

タンコ うむ。こちらから迎え討つぞ。

芙蓉 ――早い段階で討伐できたので、村に被害が及ばなくてよかったですね

タンコ うむ。あの式姫にも礼を言わねばならんのう。

??? ――あ……! さっきの……!

タンコ 噂をすれば、おぬしもこの村におったのじゃな。

??? うん。よかった、無事だったんだね!

おくりすずめ わたしはおくりすずめ。この辺りの村で暮らしているんだ。
       「おくりすずめ」って呼びにくいし、良かったらこの村に人達みたいに――
       「すずめ」って呼んで欲しいな!

タンコ ふむ、すずめか。
    わしの名はタンコ、こっちは芙蓉で、こやつはアピ助じゃ。

おくりすずめ あの……さっきは聞けなかったんだけど、あなた達は一体……?

☆選択肢☆

「陰陽師の一行。」

芙蓉 アピ助さんは、陰陽師なのです。

タンコ そうじゃ。先程の妖も、こやつが討伐したのじゃぞ。

「旅の一行。」

おくりすずめ でも、ただの旅人じゃないよね……?

タンコ こやつは陰陽師で、わし達は妖討伐の旅をしておるのじゃ。

芙蓉 先程の妖も、討伐して来ました。

合流

おくりすずめ あの妖を討伐したって……
       陰陽師って、やっぱりすごいんだね……!

タンコ おぬしは、主はおらぬのか?

おくりすずめ うん……式姫になってからずっと一人なの。
       わたしね、どうしても式姫になりたくて……妖浄(ようじょう)の水を飲んだんだ。

芙蓉 妖浄の水……確か、それを飲んだ妖は式姫になれる――
   ――という幻の泉の水ですよね。

おくりすずめ うん。だからわたし、元は妖なの……
       元妖だけど……いつか陰陽師に仕えて、強くなって――
       大好きな人達を守るのが夢なんだ……だからアピ助さん……もしよかったら……
       わ、わたしの……ご主人様になって欲しいの……!

タンコ ほう……アピ助の式姫になりたい、とな。

飯綱 それって、新しい仲間が増えるってことだよね!

咲耶 それは素敵ですね。咲耶は心から歓迎します♪

飯綱 うん、私もー! 楽しみだなー!

タンコ ふむ。式姫達もこう言っておるしのう。わしも歓迎するぞ。

芙蓉 そうですね。仲間が増えるのは、ありがたいことです。

おくりすずめ ありがとう……! ふふふ。わたしにも、ご主人様ができたんだ……
       うれしいな……♪ わたし、これから精一杯頑張るね……!

――翌日――

タンコ ――ふぁ~……まだ寝足りんのう……

おくりすずめの声 ――ふんっ……ぬぬぬ!

芙蓉 ……? こんな早朝に、外で何をやっているのでしょう?

おくりすずめの声 絶対に……負けない!

タンコ ――なに!? まさか妖と戦っておるのか……!?

芙蓉 すぐに見に行きましょう!

おくりすずめ ――えいっ……! ……はぁ、はぁ……

芙蓉 すずめさん……大丈夫ですか?

おくりすずめ あ……! 皆、おはよう……!
       今ね、日課の修練をしていたの……!
       まずはこの岩を持ち上げて、足腰を鍛える修練だよ!

タンコ はぁ……なんじゃ、修練か。

芙蓉 てっきり妖を戦っているのかと心配しました……

おくりすずめ よし、もう一度! ふんっ……!

タンコ ……持ち上がらんな。

芙蓉 ……びくともしませんね。

おくりすずめ ……はぁ、はぁ……もうちょっとで持ち上がりそう……!
       村のおばあちゃんが、強くなるには、足腰を鍛えるのが一番って言ってたんだ!
       だじゃら毎日、この岩に挑んでるの。

タンコ 式姫に足腰はあまり関係ないと思うが――

芙蓉 しっ! タンコ、それは言わないでおきましょう。

おくりすずめ 修練を積んで、強い式姫になる……!

芙蓉 ……すずめさんは、頑張り屋さんなのですね。

タンコ そのようじゃな……

おくりすずめ ――よし、次は山まで走り込み……!
       あ、アピ助さんも一緒にやる……?

☆選択肢☆

「遠慮する。」

おくりすずめ そっか……きっとアピ助さんにはアピ助さんの――
       特別な修練があるんだね……!

「やる……!」

タンコ アピ助が、すずめの熱気にやられたようじゃ。

芙蓉 アピ助さん……あまり無理はしないでくださいね。

おくりすずめ それじゃあ、出発しよう!

合流
おくりすずめ 昼食までには戻ってくるね!

おくりすずめ ――美味しい! ふっくらしてて、いくらでも食べられそう!
       (モグモグ……)

芙蓉 ふふふ、すずめさんは見かけによらず、たくさん食べるのですね。

タンコ 白米が茶碗に山盛りじゃな。

おくりすずめ うん! わたし、お米が一番好きなの♪
       それにコメ農家のおじいちゃんが、お米をいっぱい食べると――
       大きくて強い子になれるって言ってたの!

タンコ ……それ以上は大きくなれぬと思うが……

芙蓉 タンコ……! 元気で良いことではないですか。

飯綱 すずめさん、すごいねー! 私もいっぱい食べよう!

ナタ ほう、すずめも強さを求めているのか。同じ強さを求める者として、負けてはいられないな。

芙蓉 ……式姫の皆さんも、すずめさんに感化されているようですね。

タンコ アピ助、茶碗が空じゃが、おかわりはせんで良いのか?

☆選択肢☆

「おかわり!」

おくりすずめ アピ助さんも、もっと大きくて強くなりたいんだね!

タンコ ほう、頼もしいのう。

「満腹……」

タンコ なんじゃ、情けないのう。

おくりすずめ 大丈夫だよ……!
       その分わたしがいっぱい食べて、強くなるからね!

合流
おくりすずめ おかわり!

芙蓉 ――今日は朝からずっと大雨ですね。

タンコ うむ。この様子だと雷雨になりそうじゃのう。

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 ……! い……今のはかなり大きな雷でしたね……

タンコ はっはっは! 芙蓉の雷嫌いは昔から変わらぬのう。

芙蓉 そんなことありません……! たしかに幼い頃は苦手でしたが……

飯綱 ――ねえ、すずめさん見てない?

芙蓉 そういえば、朝食の後から見ていませんね。

飯綱 どうしよう……もしかしたらいつも通り、山に修練しに行ったのかも……

タンコ なんじゃと……? こんな雷雨の中でか!?

芙蓉 天気が崩れてから、もう随分時間が経っています……

飯綱 もしかして、帰れなくなっちゃったのかな!?

タンコ 怪我などしていなければ良いが……

☆選択肢☆

「見て来るよ。」

芙蓉 アピ助さん一人では危険です……!
   ……わ……私も一緒に行きます!

「探しに行こう。」

飯綱 うん! 皆で探した方が、きっと早く見つかるよ!

タンコ 芙蓉は宿で待っておるのじゃ。

芙蓉 わ……私も探しに行きます!

合流
&br:タンコ ……じゃが、外は雷雨なのじゃぞ?

芙蓉 か、雷は少し不安ですが……
   渾天の力を使えば、早く見つかるかもしれません。
   アピ助さん、行きましょう。

タンコ すずめー! どこじゃー!

飯綱 すずめさーん!

芙蓉 ……! この先に、すずめさんの気配がします!

おくりすずめ ――はぁ、はぁ……えいっ! やっ!
       え……? 皆、どうしてこんなところに……

タンコ どうしてではない! おぬしを探しに来たのじゃ!

芙蓉 宿に戻ってこなかったので、心配したのですよ。

タンコ まさか、この雷雨の中修練を……!?

芙蓉 ここは危険です……! 宿へ帰りましょう。

おくりすずめ ……ううん。わたしはまだ修練を続ける……! この位、なんともない!

タンコ 何を言っておる! これからもっと酷くなるかもしれんのじゃぞ!

おくりすずめ それでも、だめなの……! 雨だからって……休んでなんていられない。
       あの日も同じような雷雨で……わたしは激しい雨に遮られて――
       大事な仲間達の……盾になることすら出来なかったんだから……!

(ゴロゴロ……ドーン!)

おくりすずめ だから、雷雨の中でも戦えるように……あの日と同じ後悔をしないように……
       強くならなきゃいけないの……!

芙蓉 すずめさん……「あの日」とは……? あなたに一体何があったのですか?

おくりすずめ ……あの日……わたしは全てを失ったの……

芙蓉 全てを……?

タンコ とにかく、宿に帰れなくなる前に、一緒に戻るのじゃ!

おくりすずめ わたしは置いて行って――

芙蓉 すずめさん! このままでは、あなただけでなく――
   あなたの主であるアピ助さんも危険なのですよ。

おくりすずめ ……っ!
       ……そう……だよね……ごめんなさい……わたし……

タンコ 分かったのなら良い! 宿へ戻るぞ!

おくりすずめ ――心配をかけて……ごめんなさい……

芙蓉 すずめさんがご無事でなりよりです。

おくりすずめ ちゃんと考えれば、危険だって分かることなのに……

タンコ ……そうじゃな。おぬしはなぜ、そこまで強さにこだわるのじゃ?

おくりすずめ それは……わたしが弱いせいで……あの日皆を……
       わたしの家族や大好きな人達を失ったから……

芙蓉 先程も「あの日」と言っていましたが……
   ……良ければ私達に、恐しくお話してくれませんか?

おくりすずめ ……うん。
       わたしは式姫になる前……妖の送り雀の群れにいたの。
       群れの皆がわたしの家族……生まれた時から、ずっと一緒だった。
       わたし達は、人に妖が近づくと、危険を知らせて助けていたの……
       そのお礼にお米を貰って、群れの皆で分けて食べていたんだ。
       幸せで、暖かくて……ずっとこうやって生きていけるんだと思ってた。
       だけどだんだん妖が姿を現さなくなって、わたし達の役目はなくなったの……
       お礼に貰っていたお米も底を尽きて、皆飢え始めた……
       それを見かねた群れの長が……
       あの日、皆を救うため……お米を貰うために、自ら妖を呼び寄せたの。

芙蓉 なんてことを……

おくりすずめ すぐに知らせれば、いつも通り助かると思ってた。
       だけど、突然の雷雨や、予想以上に大きな妖が来てしまったせいで――
       人々は逃げ遅れ、村は壊滅し……群れの仲間達も襲われたの……
       わたしも重症を負ったけど、命だけは助かった。
       大事な家族が襲われているのに、わたしは何も出来なかった……
       あの時、自分に力があれば、皆を助けられたのに……
       だからわたし、死んだ仲間に誓ったの。
       たくさん修練して、皆に胸を張れるくらい強くなって――
       次にその大妖に出会った時は絶対に倒す。もう二度と、同じ悲劇は繰り返さないって。
       だから妖と戦えるようになる為に式姫になって……
       そして昔と同じように、人に危険を知らせながら――
       仕えるご主人様を探したの。

タンコ そうじゃったのか……

おくりすずめ やっと出会えたご主人様なのに、危険な目に遭わせるなんて――
       ばかだな、わたし……

芙蓉 すずめさんの気持ち、分かる気がします。
   誰かを守れるよう、早く強くなりたいと……焦って無茶をしてしまうんですよね。

おくりすずめ 芙蓉さん……

芙蓉 ですが、その無茶のせいで、すずめさん自身を危険にさらしてしまっては――
   元も子もありません。元気でないと、修練も討伐も出来ませんからね。
   それに、今は私達もいるのですから。

タンコ そうじゃ。おぬしは一人ではない。
    アピ助や芙蓉、他の式姫達だっておるのじゃ。

芙蓉 皆と一緒に、少しずつ頑張っていきましょう。

おくりすずめ うん……皆……ありがとう……!

飯綱 ――じゃあ次は、あの遠くにある的を狙おうよ!

おくりすずめ わかった! ……えいっ!

(シュッ!)

飯綱 すずめちゃんすごーい! 私もー! やっ!

(シュッ!)

おくりすずめ 飯綱ちゃんも当たったよー!

飯綱 やったー!

タンコ ほう、二人で修練か。良いことじゃな。

☆選択肢☆

「楽しそうだね。」

おくりすずめ うん。一人でがむしゃらに頑張るより、仲間と一緒の方が楽しいね!

「上達してるね。」

飯綱 すずめちゃん、とっても上手なんだよー!

おくりすずめ 飯綱ちゃんが、コツを教えてくれたからだよ!

合流

芙蓉 一緒に修練できる仲間が出来て、良かったですね。

おくりすずめ うん!
       ……あれ?

タンコ ……む? どうかしたのか?

おくりすずめ なんだろう、この感じ……嫌な予感がする。

芙蓉 嫌な予感、ですか……?

(パタパタ……)

芙蓉 これは……妖の送り雀?

(チチチチ……)

おくりすずめ 山の向こう側にいる群れの子達だ……
       皆、そんなに慌ててどうしたの?

(チチ……チチチ!)

おくりすずめ ――え……!? 大妖が……?

芙蓉 ――大妖がどうしたのですか?

おくりすずめ 山にいた大妖が、人里に向かってるんだけど――
       今から人に知らせても、逃げ切れるような相手じゃないって……
       このままだと、村が危ないから……
       どうしたら良いか、わたしに助けを求めに来たんだって……

タンコ ふむ。今避難しても追いつかれるということか……

おくりすずめ 早く行って、皆を助けないと――

タンコ 待つのじゃ、すずめ。おぬし、一人で行く気か?

芙蓉 何のために陰陽師であるアピ助さんを探していたのですか?
   今一緒に戦ってもらわないで、いつ戦うのです……?

☆選択肢☆

「頼ってよ。」

おくりすずめ ……そうだね。アピ助さん、ありがとう……

「一緒に助けに行こう。」

おくりすずめ ありがとう……アピ助さん……お願い……!

合流

芙蓉 大妖の元へ向かいましょう。

おくりすずめ ――この先に、大妖の気配を感じる……!

タンコ うむ。この辺りなら人気もない。激戦になっても問題なかろう。

芙蓉 そうですね。ここで大妖を討ちましょう。

おくりすずめ ……この気配……! わたし知ってる……

タンコ む……? 知っておるのか?

おくりすずめ うん……間違いない。この大妖は……
       あの時、村や仲間を襲った……わたしの大事なものを奪った大妖だ……!

芙蓉 確かに……村ひとつを壊滅できそうな、恐ろしい力を感じます。

(オオオオ……!)

おくりすずめ ……っ!

芙蓉 すずめさん……大丈夫ですか?

タンコ あの妖に仲間を奪われ、おぬしも重傷を負ったのじゃ。
    対峙して恐ろしいと思うのは当然のこと……

おくりすずめ ううん……大丈夫。
       怖くないって言ったら嘘になっちゃうけど……
       次は絶対に立ち向かうって、皆に誓ったから……!

芙蓉 アピ助さん、お願いします!

タンコ 頼んだぞ。

おくりすずめ ――わたし……あの大妖を倒せたんだね……!

タンコ これでこの村が襲われる心配はなくなったのう。

芙蓉 すずめさん、良かったですね。

おくりすずめ 皆がいてくれたから討伐できたんだよ。……本当にありがとう……!

(チチチチ……)

タンコ すずめに大妖のことを知らせに来た、送り雀達か。

芙蓉 村が助かって良かったですね。

(チチチチ……)

おくりすずめ ……え……?

芙蓉 ……どうかしたのですか?

おくりすずめ ……この子達がわたしに……群れの長になって欲しい……
       ……群れの長がいなくて、困ってるって……

芙蓉 すずめさんが……群れの長に?

おくりすずめ うん……でも、わたしはアピ助さんの式姫だから……
       だから……長にはなれないよ。

タンコ ……すずめよ。おぬしが亡き仲間に誓ったことは、何じゃったかのう。
    仇である大妖を討つこと。……それから――
    同じ悲劇を繰り返さぬことじゃ。

芙蓉 あなたは立派に大妖を討ちました。……次に同じ悲劇が起こるかもしれない場所は――
   私達の元ではなく、長のいない送り雀達のところだと思います。

タンコ おぬしが長となり、群れを正しい道に導くことで、悲劇を避けられるのではないか?

おくりすずめ わたしが……導く?

タンコ そうじゃ。おぬしが味わった悲劇は、おぬしにしか分からぬ。
    すずめが導かずして、誰が群れを導くというのじゃ。

おくりすずめ でもわたし……長になんてなれるかどうか……

芙蓉 自信を持ってください。
   あなたは人一倍頑張り屋で、ずっと修練に励んできたのです。
   それにきっと、周りの送り雀達も支えてくれます。

タンコ 今おぬしを一番必要としておるのは、送り雀達じゃ。

おくりすずめ わたしが……必要……?

(チチチチ……)

おくりすずめ 皆……そうなんだ……
       …………
       ……アピ助さん、わたし……この子達の元へ行く。
       本当はもっと……皆と一緒にいたかったけど……
       いつかまたアピ助さん達に会えた時……
       こんなに強くなったよって、胸を張れるように、わたし……ここで頑張るね……!

☆選択肢☆

「楽しみにしてる。」

おくりすずめ わたしも……また会えるのを楽しみにしてる!

「応援するよ。」

おくりすずめ ありがとう、アピ助さん……!

合流

おくりすずめ ……少しの間だったけど、皆の仲間になれて本当に楽しかった……!
       いつか絶対、皆に会いに行くね……!
       寂しいけどその日まで……
       ありがとう……さようなら……!

(チチチチ……)
(パタパタ……)

芙蓉 ――すずめさん、新しい家族が出来て、良かっですね。

タンコ うむ。あのがむしゃらに頑張る姿が見られないのは寂しいが――
    いつかまた会えるじゃろう。

芙蓉 彼女ならきっと、立派な長として活躍することでしょう。

タンコ うむ。わし達も次なる旅路へ進むとするかのう。

雷神さまは気まぐれ

怪人タケミーの実装記念イベント
これでおしまい

タンコ ――それにしても、この雷はいつ止むのじゃ?

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 ほ、本当ですね……

タンコ 雨も降っておらんのに、おかしな天気じゃのう。

咲耶 それに先程から、雷は同じ場所に落ちているようですよ。
   不思議なお天気ですね……

タンコ 同じ場所にじゃと……?

咲耶 はい……あの山の中腹辺りです。

芙蓉 もしかすると、妖の仕業かもしれませんね……

タンコ うむ。落雷で火事にでもなったら大変じゃ。その場所へ行ってみるかのう。

☆選択肢☆

「芙蓉は留守番してて。」

タンコ それが良かろう。おぬしの雷嫌いは、昔から変わらぬのう。

芙蓉 も、もう大人なのですから、雷くらい……平気です!

「芙蓉も一緒に来る?」

タンコ 芙蓉は幼いころから雷が苦手じゃからのう。留守番しておれ。

芙蓉 い、いえ……!
   アピ助さんだけに、お願いするわけにはいきません……!

合流

芙蓉 ですから……私も一緒に――

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 っ……!

タンコ 本当に大丈夫かのう……?
    そういえば、雷が恐ろしくて、わしに泣きつき震えておったこともあったのう。

芙蓉 た、タンコ……! それはずっと昔の話じゃないですか!
   今はもうそんなことはしません……!

タンコ しっしっし。まあ、あまり無理はするでないぞ。

咲耶 天災ならどうにもなりませんが――
   妖の仕業なら討伐すれば、雷を止ませることができますね。

タンコ うむ。早速出発じゃ。

(ゴロゴロ……ドーン!)

タンコ ――雷の落ちている場所だけ雷雲がかかっておるのう。

芙蓉 やはり不自然ですね……

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 ……!

タンコ 芙蓉、大丈夫か……?

芙蓉 ……この気配……どうやら妖ではないようです。

タンコ む? 妖でないとなると……

芙蓉 恐らく式姫です。強い力を感じます……!

??? はっはっはー! もっともっとこの山を賑やかすよー!

タンコ ……たしかに式姫のようじゃが……何をしておるのじゃ?

??? わーっはっはー! ……あれ? 僕以外にも、この山に人がいたんだ。

芙蓉 あの……そこで何をしているのですか……? なぜ雷を……

??? この山、誰もいなくてなんだか静かだったからさ。雷で賑やかそうと思って!
    賑やかで派手にした方が、皆も楽しいよね!

建御雷 僕の名前は建御雷(たけみかづち)! 雷みたいな、派手なものが好きなんだ!

タンコ 建御雷……確か、雷を司るという式姫じゃったな。

芙蓉 その姿は、神話でのみ語られるとされていましたが……

タンコ まさかこんな所で出会うとはのう……

芙蓉 建御雷様、このような山の中で雷を降らせるのは……

タンコ そうじゃ。皆が皆、雷を好いておるわけではないからのう。
    雷を恐れる者もおるのじゃぞ。

建御雷 そうか……確かに人を怖がらせるのは良くないよな。

芙蓉 解って頂けて良かったです……

建御雷 きみ達は……えーっと……

タンコ ああ、わしの名はタンコ。こっちが芙蓉で、こやつはアピ助じゃ。

建御雷 うんうん、皆よろしく!
    じつはこの辺りに来たのは初めてなんだ。だから、僕を案内してくれないか?

芙蓉 案内、ですか……?

建御雷 うん! ほら、この山の麓(ふもと)に街があるだろ?
    気になってたんだよなー!

タンコ ふむ。まぁ、山に雷を落とされるよりは良いじゃろう。

芙蓉 そうですね……

建御雷 よし。それじゃあ早速出発だ!

建御雷 ――賑やかだね! ……ん? あのピカピカしてるのは何?

芙蓉 あれは……袴ですね。

タンコ なんと……あのような金色の袴があったのじゃな……

建御雷 ド派手でかっこいいなー!
    なあ、アピ助! あの袴着てみたらどうだ?
    絶対似合うって! ほら、行くよ!

建御雷 ――思った通り! すごく似合ってるよ!

芙蓉 これは…………

タンコ おぉ……

☆選択肢☆

「恥ずかしい……」

芙蓉 アピ助さん……無理して着なくても良かったのですよ……

タンコ あっはっはっは! アピ助が光り輝いておるわい!

「眩しい……」

タンコ あっはっはっは! 今度からその袴を着て妖討伐をすれば――
    金色陰陽師として一躍有名になれそうじゃな!

芙蓉 タンコ……! アピ助さんがかわいそうですよ!

合流

建御雷 うんうん! 雷にも負けないくらいピカピカだな!
    これならどこにいてもすぐにアピ助だって分かるよ!

タンコ ふむ、そのピカピカ袴で迷子知らずじゃな!

芙蓉 アピ助さん……

建御雷 ――へえー! この屋敷で皆暮らしてるのか?

芙蓉 はい。広くて過ごしやすいのですよ。

タンコ 部屋もたくさんあるしのう!

建御雷 でも……この屋敷、ちょっと地味じゃないか?

タンコ なんじゃと!? 失礼な……!

建御雷 だって、全然輝いてないからさ!
    よし、アピ助と同じく、この屋敷も僕が派手にしてあげるよ!

芙蓉 派手にとは……まさか屋敷も金色に……!?

タンコ 嫌な予感がするのう……

建御雷 そうだなー。まずは芙蓉の部屋からだな!

芙蓉 え……!? ま、待ってください!
   私の部屋は、そっとしておいて――

建御雷 心配ないって! 僕に任せてよ!

芙蓉 ああ……!

(ドタバタ……)

建御雷 ――よし、できたっと!

タンコ う……な、なんじゃこの光は!? 眩しすぎる……!

芙蓉 これが……私の部屋……

建御雷 かなり上出来だと思うんだよなー!
    ほら、芙蓉。部屋の中心に立ってみて!

芙蓉 え……?

建御雷 ピカピカの中心にいると、なんだか楽しくなってくるだろ?

芙蓉 確かに……そんな気がしてきました!

☆選択肢☆

「芙蓉、しっかりして!」

タンコ そうじゃ芙蓉……惑わされてはならぬ……!

「ピカピカで良い部屋になったね。」

タンコ 芙蓉、しっかりせい! アピ助まで、何を言っておる!

合流

建御雷 うんうん。よし、この調子で広間や台所もド派手に――

(ゴロゴロ……ドーン!)

タンコ ……随分大きな雷じゃったのう……

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 ……! またです……! 雨も降っていないのに……

タンコ もしやおぬし……また――

建御雷 え? 僕は何もしてないよ?

(タッタッタッタ……)

飯綱 ――大変だよ! 街に雷が次々と落ちて、民家が燃えてるって……!

タンコ なんじゃと!?

芙蓉 …………
   街の西側から大妖の気配を感じます……!

タンコ 妖の仕業じゃったのか!

芙蓉 すぐに向かいましょう……!

(ゴロゴロ……ドーン!)

街の商人 ――ああ……俺の店が燃えちまう……!

子ども 誰か助けて……! まだ家の中に母ちゃんが……!

タンコ あちこちから火の手が上がっておる……

芙蓉 ひどい……

建御雷 雷を使ってこんなことをするなんて……許せない……!

タンコ 大妖を一刻も早く討伐せねば……!

子ども お姉ちゃん……! 母ちゃんを助けて……! お願い……!

建御雷 僕はこの子のお母さんを助けて来る……!

芙蓉 どうかお気をつけて……! 私達は大妖を探しましょう!

建御雷 ――ふぅ……あの子のお母さんや、家に閉じ込められた人達はなんとか助け出せたよ!

芙蓉 よかったです……建御雷様、ありがとうございました。

建御雷 そっちは大妖は見つかった?

タンコ それが見つかりはしたのじゃが……

芙蓉 雲の上に隠れているようなのです。姿が見えないので動けなくて……

建御雷 うーん、こちらの隙を狙っているのかも……
    ――……っ! 皆、建物の陰に隠れて!

(ゴロゴロ……ドーン!)

芙蓉 っ……!

タコ わわ……!

(グオオオオ……!)

建御雷 やっと降りて来たな! 今度こそ逃がさないよ!
    僕ときみ、どちらの雷が強いか勝負だ! いくよ! アピ助!

芙蓉 アピ助さん、建御雷様、討伐お疲れ様でした。

子ども ――お姉ちゃん! 母ちゃんを助けてくれてありがとう!

建御雷 ああ、さっきの子か! お母さん無事だったか?

子ども うん! ちょっと怪我してたけど、お医者様がすぐに良くなるって!

建御雷 そうか、良かったな!

子ども 街の人達も、お姉ちゃんにありがとうって言ってたよ!

建御雷 へへへ。素戔嗚と遊ぶ時は、いつも怪人役だけど、今回はヒーロー役みたいになっちゃったなー。

タンコ む? 素戔嗚じゃと……?

建御雷 ううん、なんでもない!

芙蓉 あの子もお母様も無事で良かったですね。

建御雷 そうだな! この街の役に立てて良かったよ!
    さてと……

タンコ ……む? なんじゃ改まって……

建御雷 僕はそろそろ次の場所へ行くよ。
    この街にも、きみ達にも、十分楽しませてもらったしね……!

タンコ この街を去るのか……?

建御雷 うん!元々ここには、ちょっと立ち寄っただけだったから。
    きみ達といるのが楽しくて、つい長居しちゃったけど!

芙蓉 そうですか……

建御雷 皆には、また会いに来るよ。……そうだ! 芙蓉、手を出して!

扶養 手……ですか?

建御雷 うん! お別れの握手しようよ。

芙蓉 はい……!

建御雷 タンコも!

タンコ うむ……達者でのう。

建御雷 ほら、アピ助も握手しよう!

☆選択肢☆

「握手する」



「躊躇する」

建御雷 なんだよ、お別れの握手くらいいいだろ!
    ――うん。そうやって素直に差し出せばいいんだよ!

合流

(ビリリリリ……!)

建御雷 あっはっはっは! 引っかかったな!

芙蓉 アピ助さん……!? どうされたのですか?
   ――え? 電撃が走った……?

建御雷 ちょっとびっくりさせようと思ってさ!
    まあ、また遊びにくるから、皆、その時はよろしくな!

タンコ ――ふぅ、少しの間じゃったが、あやつがいないと静かじゃのう……

芙蓉 寂しいですが……またお会いできるのが楽しみですね。
   それまで、私の部屋は金色のままにしておきます。

タンコ 芙蓉……さてはおぬし、あの部屋を意外と気に入っているのじゃな。

芙蓉 ふふふ。はい……!

タンコ やれやれ……