London Bridge Is Falling Down

Last-modified: 2018-04-12 (木) 20:39:34

イベント概要

はしひめ実装記念イベント
今回は強敵なしだからテキストだけ置いていくわよ

テキスト

タンコ ――宇治の橋姫?それがどうかしたのか?

芙蓉 はい。元は「守り神」として橋に祀られていたのですが――
   最近、橋に姿を現すようになったらしいのです。

タンコ ……ほう。

☆選択肢☆

「何か悪さをしているの?」

芙蓉 人を襲うわけではないのですが――

「悪い妖?」

芙蓉 橋姫に悪意があるのかは分かりません。しかし――

合流

芙蓉 日が落ちると現れ、橋姫に遭遇した人は瘴気に当てられ病に伏せってしまうと……

タンコ なるほどのう。守り神じゃったものが……妖に身を堕としたか。

芙蓉 恐らく、妖の墓の影響でしょうね。

タンコ そうじゃの。すでに妖となってしまったなら仕方がない……
    討伐して、魂を転生させてやらねばいかんな。行くぞ、アピ助。

タンコ ……ここか。

芙蓉 そこの橋に現れるはずのなのですが……

??? ~~♪

タンコ 何じゃ……?

??? ~われを忘れぬものならば――

芙蓉 これは……和歌、でしょうか?

??? 山の霞をあはれとは見よ~……

芙蓉 この歌は確か……

タンコ ――!
    あそこじゃ……!橋の上に立っておる。

芙蓉 橋姫は嫉妬深いことで知られていますが気のせいか……哀しそうに見えますね。

タンコ そうじゃのう……
    気は進まぬが、仕方ない。あの魂を転生させるのも陰陽師の務めじゃ
    アピ助、頼んだぞ。

芙蓉 ……戦闘が終わった時、討伐されたようには見えませんでした。

タンコ ふぅむ……
    討伐されることを避け、姿を隠したのか……そもそも幽世へ行くことが叶わぬ身なのか……

芙蓉 どちらにせよ、また現れるかもしれませんね。

タンコ うむ……元は橋に祀られておる存在じゃ。この橋から離れることはないじゃろうな。
    しかし……次に現れるのがいつになるのかは分からぬ。
    あやつを転生させる方法を探さねばならぬから、しばらく近くの宿に滞在するか。

芙蓉 そうですね、幽世へ行くことができない理由が何なのか――
   伝承を元に考えてみましょうか。

☆選択肢☆

「どんな伝承があるの?」

芙蓉 いくつかあるのですが――

「芙蓉は知ってるの?」

芙蓉 ええ、いくつかありますが――

合流

芙蓉 嫉妬にかられた女が生きながら鬼になった説、それから――
   橋を作る為に人柱になった娘が、守り神として祀られるようになった説もあります。

タンコ どれが真実かは分からぬがな。

芙蓉 ええ。こういう伝承は、複数の場所の話が混ざったりもしていますから。
   ――あ。

タンコ なんじゃ、芙蓉

芙蓉 あの歌……橋の上で聞こえた歌ですが――
   ……かずかずに――
   我を忘れぬものならば、山の霞をあはれと見よ。

タンコ ほう、知っておったか。その歌がどうかしたか。

芙蓉 この歌は……死にゆく人が、「自分のことを思い出してくれるなら――
   山の霞を見て愛おしいと思ってください」そう歌った歌です。

タンコ ……なるほどのう。
    自分を重ねて歌っておったか。……人柱の説は本当だったか。

☆選択肢☆

「かわいそう。」

タンコ ……じゃからこそ、早く討伐――

「そうだったんだ。」

タンコ うむ。早く討伐して転生――

合流

タンコ む……?どうした、アピ助?
    おぬし、まさか――
    涙ぐんでおるのか……!?

☆選択肢☆

「そんなことない。」

タンコ 本当か?どれどれ……

芙蓉 タンコ。やめなさい。

「……」

芙蓉 タンコ、そういうことは見て見ぬふりをするのが礼儀です。

合流

タンコ アピ助、おぬし……意外に情深いんじゃな。

芙蓉 タンコ、しつこいですよ……!

タンコ さ~て、今夜はどこに宿を取るかの~?

芙蓉 タンコ!?アピ助さんに謝ってください……!

……

??? ……
    ……涙……

――翌朝――

br;(チュンチュン)
??? ――ほう。なかなか良い宿じゃのう。
    やっと起きたか?
    わらわは腹が減った。さっさと朝餉(あさげ)にするぞ?
    早く女中(じょちゅう)を呼びにゆけ。

☆選択肢☆

「……誰?」

??? ――な。
    わらわの名を忘れたと申すのか……!?

芙蓉 まさか……

「芙蓉、整形したの?」

??? わらわの名は芙蓉などではない……!

芙蓉 アピ助さん、せいけいとは何ですか?私はここにいます……

合流

??? わらわの名は……はしひめじゃ!二度と――

はしひめ たわけた質問をするでないぞ!

☆選択肢☆

「はい。」

はしひめ 分かったか。

「ごめんなさい。」

はしひめ ……分かれば良い。

合流

はしひめ む……?
     無礼さに気を取られて気づかなんだが、おぬし、控えぬか。
     頭が高い……と申しておるのじゃ。

芙蓉 アピ助さん……ここはひざまづいた方が……

はしひめ 娘、おぬしはこやつの婢女(はしため)か?

芙蓉 ち……違います!

はしひめ そうか、わらわはてっきり――

タンコ ふわぁ……朝から騒がしいのう。
    !?おぬし……!!

はしひめ おや?かわいい獣じゃのう。どれ、わらわが飼ってやろう。

タンコ なにぃ!?
    かわいそうな妖じゃと思っておったが、そんな口をきくならば――

芙蓉 タンコ、落ち着いてください。

タンコ 芙蓉、おぬしだって怒っておったではないか!

芙蓉 ……他人が取り乱していると冷静になれるものですね。

はしひめ どうでもよいが、朝餉はまだか?この下僕を使いにしてやろうとしておったのじゃ。

タンコ な……!

芙蓉 アピ助さんを……下僕呼ばわり……!

はしひめ 悪いか?わらわの下僕になれるのじゃ。
     喜ぶべきじゃろう?

タンコ ……

芙蓉 ……

タンコ アピ助……これは……

芙蓉 取り憑かれましたね……

はしひめ アピ助、肩を揉め。
     首の近くの、ここの部分じゃ。ぼうっとせずに早くせよ。

☆選択肢☆

「嫌だ。」

はしひめ な、ん、じゃ、と~……?
     おぬし、下僕として教育されたいらしいな?
     ……うむ。分かれば良い。

「わかった。」

はしひめ ……「わかりました」、であろう?
     下僕は下僕らしい言葉遣いをするものじゃ。

合流
はしひめ さ、わらわの肩を揉め。
     ……む。おぬし、力が弱いのか?もっと強く揉め。
     まだ弱い。もっと強くじゃ。
     そうそう……なかなか上手いではないか。あとで褒美の団子をやろう。

タンコ アピ助……すっかりはしひめの言いなりじゃな。

芙蓉 ……はしひめさん、かなりアピ助さんを気に入ったようですね。

タンコ ほう。あれは好意の裏返しか?

芙蓉 はい。
   きっと、はしひめさんは、アピ助さんの優しさに惹かれて――
   ここまで付いてきたのだと思います。

タンコ アピ助の涙か。

芙蓉 ……はい。

――数時間後――

はしひめ スー……スー……

タンコ 寝顔は天使なんじゃがな……

芙蓉 まるで起きてると鬼か悪魔のようですね。

タンコ そこまでは言わぬ。じゃが、暴君なのは確かじゃろう?

芙蓉 否定はしませんが……

タンコ のう、芙蓉。あやつは……妖じゃった時の記憶がないようじゃな?

芙蓉 気づいていましたか、タンコ。彼女が式姫になりつつあると……

☆選択肢☆

「どういうこと?」

芙蓉 まだ完全に式姫とはいえないのですが、妖から式姫になりつつあるようなんです。

「式姫なの?」

芙蓉 はい。まだ完全にそうとは言えないのですが……

合流

芙蓉 通常、妖は討伐されると幽世へ行き、その魂が転生して次の生を受けます。
   式姫召喚は、幽世にいる魂を型紙を介して召喚する術なのですが――
   はしひめさんは、型紙を介さずに、半分式姫として存在している稀な例です。
   「橋」は場所と場所を繋ぐもの。もしかするとその特性が幽世と現世を繋ぎ――
   妖から式姫へと、変化しつつあるのかもしれません。

タンコ ふぅむ。式姫ならば、旅に連れて行ってやりたいが――

芙蓉 ええ。式姫になりきれていない、ということは、まだ橋に囚われているのだと思います。

タンコ なるほどの……
    鬼神じゃ女神じゃと祀られておるが、その実は……かつて人柱にされた普通の娘。
    なんとか解放してやりたいのう。

芙蓉 アピ助さんに惹かれてきたのなら、鍵はそこにある気がしますが……
   確たるものは今の時点では分かりませんね。

――翌日――

はしひめ アピ助、出かけるぞ!
     何をぐずぐずしておる、荷物を持て。

☆選択肢☆

「荷物が重い。」

はしひめ わらわの荷物に文句を言うなど、不届きなやつじゃのう……

「何が入ってるの?」

はしひめ そんなに知りたいなら教えてやろう……

合流
はしひめ 中に入っておるのは――
     わらわの膝掛け、わらわのおやつ、わらわの敷物、わらわの……

タンコ ……自分の物ばかりではないか。

はしひめ うるさい獣。

タンコ な……!!

芙蓉 タンコ、抑えて。はしひめさん、お出かけですか?

はしひめ うむ。アピ助は下僕としての筋が良いからな。
     わらわの外出に付き添わせてやるのじゃ。
     アピ助、行くぞ。

芙蓉 それにしても……元は普通の娘のはずが、どうしてああ高飛車になったのでしょう……

タンコ 祀られておる間に、偉そうになったのかもしれんのう。

芙蓉 神様ですからね……

はしひめ ふぅ、お腹いっぱいじゃ!
     かねてより小料理屋の来てみたかったのじゃ。なかなか美味であったぞ!
     アピ助、次は向こうの店に――

女将 あんた、それだけで足りるかい?一皿おまけしとくよ。

はしひめ いや、わらわはもうお腹いっぱい――

女将 あんたじゃなくて、こっちの人さ。さ、この皿も食べな。うちのオススメだよ!

女中 女将さんたら、気に入った人がいたら、すぐにおまけしちゃうんだから……

女将 あんたはうるさいねえ……

はしひめ ……
     アピ助、出るぞ。

芙蓉 おかえりなさい。

タンコ 早かったのう。
    ところでアピ助、どうしたのじゃ?はしひめの機嫌がかなり悪いようなのじゃが……

☆選択肢☆

「小料理屋での一件を話す。」

タンコ なるほど……嫉妬、じゃな。

「黙っている。」

タンコ 黙っておったら分からぬ。

芙蓉 あの様子では……焼きもちを焼いているのでは、と思うのですが。

タンコ ……嫉妬か。

合流

芙蓉 伝承の中には、嫉妬心が強い、というものもありますからね。

タンコ アピ助、おぬし、とんでもない女に取り憑かれたのう……

――数日後――

タンコ ――なに?橋に妖が出る?
    ……芙蓉、本当か?そんなはずはないと思うのじゃが……

芙蓉 ええ、はしひめさんは私達と一緒にいます。ですから――

タンコ そうか。橋姫ではない、他の妖じゃな。

芙蓉 はい。もしかすると……はしひめさんが守っていた橋から離れてしまったので、
   そこに妖気だけが残り、妖を集めてしまっているのかもしれません。
   凶暴な妖が集まっているようで、人々に被害が出始めています。

タンコ 残存する妖気を消すには、その妖を消すしかない……か。

芙蓉 はい。式姫になりきれていない今の状態のままでは、妖が集まるのを止められません。

☆選択肢☆

「はしひめを消すってこと?」

タンコ ……そういうことになるな。

「どういうこと?」

タンコ はしひめを……討つ、ということじゃ。

合流

タンコ あやつを討たねば、橋にはどんどん妖が集まってくる。

芙蓉 はしひめさんを完全に式姫にできればいいのですが……

タンコ その方法が分からぬからのう。

芙蓉 焼け石に水、かもしれませんが、今いる妖だけでも討伐しに――

(バシャッ!)

飯綱の声 わあ!ごめん、はしひめさん!

タンコ なんじゃ……?

タンコ どうしたのじゃ?

飯網 ごめんね、はしひめさん……!お水こぼしちゃった!

はしひめ ……水……

タンコ これは派手にこぼしたのう……

飯綱 退屈だから、水鉄砲を作って遊ぼうと思ったの。でも桶の水、全部こぼしちゃった。

はしひめ ……

(ス……)

タンコ なんじゃ……?はしひめが消えた……!?

タンコ はしひめー!

飯綱 はしひめさーん!

タンコ ……おらぬのう。宿からそう離れてはおらぬと思ったのじゃが……

芙蓉 もしかすると、橋に戻っているのかもしれません。あの水がきっかけになって……

タンコ そうかもしれぬな、行ってみよう!

飯綱 はしひめさーん!

芙蓉 三人とも……あそこに……!

タンコ はしひめか!

芙蓉 はしひめさん……!

はしひめ ……
     ここはどこじゃ……?
     わらわは……なぜ、ここにおるのじゃ?

芙蓉 はしひめさん……?

はしひめ 水の音が聞こえる……ごうごうと、流れておる……

☆選択肢☆

「はしひめの名前を呼ぶ。」

はしひめ ――!?

「はしひめに呼びかける。」

はしひめ ……?

合流

はしひめ アピ助……?そこにおるのか?
     アピ助?どこにおるのじゃ?姿を見せよ……

タンコ もしや……見えておらぬのか?

芙蓉 ……この橋は幽世にもかかる橋。
   はしひめさんの存在の半分は……幽世にいるのかもしれません。

はしひめ アピ助……
     アピ助……助けてくれ。
     ここは暗い……怖い。わらわは死ぬのか……?

タンコ はしひめ?

芙蓉 暗い、それに水の音……もしかして、生前の記憶が混濁しているでしょうか……

はしひめ 冷たい……寒い……
     アピ助……そこにおるのか?


☆選択肢☆

「はしひめ?」(セリフ無し)

「声が聞こえる?」

はしひめ 聞こえるぞ、アピ助。
     アピ助……お願いじゃ。
     わらわを……助けてくれ。

はしひめ 皆が「行け」……と言うのじゃ。
     本当は嫌じゃ……人柱など……
     父さまにも、母さまにも……止めてほしかった。
     「選ばれたのは誇らしいことじゃ」、「お前を誇りに思う」……?
     そんなことより……そんな誇りより、わらわは共に逃げてほしかった……
     アピ助……助けてくれ。ここから出してくれ。

タコ はしひめは、アピ助の声しか聞こえておらぬのか。

芙蓉 タンコ、アピ助さん……はしひめさんは妖に戻りかけているようです……!

タンコ なんじゃと!?

はしひめ アピ助……そこにおるか?ここは暗いのじゃ。何か言ってくれ。

タンコ くっ……!そういうことじゃったか……
    ……アピ助……はしひめを討て!

芙蓉 タンコ!?

タンコ 妖に戻ったことで、人柱の記憶が戻った……つまり、妖の間、橋に祀られておる間あやつは――
    死ぬ前の記憶にずっと苦しんできた、ということじゃ……
    妖としてここにおる限り、あやつは生き埋めの記憶に苛まれる……
    水の恐怖を感じ続ける……永遠にじゃ。
    アピ助、はしひめを救いたいなら――
    討って、その存在を消してやれ。
    どちらにせよ。妖気を消すためには、はしひめを討つ必要があったのじゃ……

☆選択肢☆

「嫌だ。」

タンコ はしひめが苦しみ続けても良いのか……!?

「できない。」

タンコ 何を言っておる……!

合流

はしひめ アピ助……?どうした。何が嫌なのじゃ?
     ……あの声は……
     父さま……母さま……

タンコ まずい。記憶がどんどん蘇っておる……!

芙蓉 完全に妖に……

はしひめ そうか……思い出した。
     わらわは……
     守り神として、この橋を守らねばならぬのだな。
     アピ助……
     短い間じゃが、楽しかったぞ。わらわの我が儘を聞いてくれて――
     ありがとうのう。

☆選択肢☆

「行くな。」

タンコ アピ助!?

「橋なんか守らなくていい。」

タンコ 何を言っておるのじゃアピ助……!?

合流

はしひめ ……
     何じゃと……
     アピ助……本当か?
     橋を守らなくてもよいと、そう言ってくれるのか……?

芙蓉 はしひめさん……

はしひめ その言葉を待っていた。幾月も、幾年も……
     アピ助……わらわはその言葉、信じるぞ。

タンコ ……消えた。

芙蓉 幽世へ行った……のでしょうか?

タンコ ……何やら、後味が悪いのう。

芙蓉 はしひめさん、幽世へ行けたのでしょうか……?それとも……

タンコ ……分からぬ。魂が来た可能性がないとは言えないからのう。
    幽世へ行った、そう願ってはおるが――

??? アピ助?何をぼうっとしておる?こっちへ来い。

芙蓉 この声は……

タンコ はしひめ……!?

はしひめ なんじゃ獣。わらわの名を気安く呼ぶな。

芙蓉 はしひめさん……式姫になれたのですね……

はしひめ 何のことじゃ?

芙蓉 いえ……いいんです。

はしひめ よく覚えておらぬが……橋を守らねば、と思って水に入ろうとしたら――
     誰かが……わらわを必死で止める声が聞こえたのじゃ……

タンコ そうか……そうか……良かったのう……はしひめ。

芙蓉 アピ助さんの言葉が、はしひめさんを救ったのですね……

はしひめ 何を言っておる?下僕にそんな高等なことができるわけがなかろう。

タンコ ……え?

はしひめ アピ助、ぼうっとしておらず、わらわの肩を揉め。
     強めに、じゃぞ?

芙蓉 はしひめさん……?

はしひめ おぬしの下僕としての修業は、まだまだ始まったばかりじゃからな。
     わらわがじっくりと教育してやるからのう。