概要
澄姫ちゃんの趣味は恋の詩を書くこと
異世界でも書いていたら素晴らしい才能ですされた作品の一部を紹介したいと思います
ふみすみいいよね
化けかかし
少女二人は、知らぬ世界にいた。
知らぬ空気、知らぬ景色、知らぬ地面。
何もかもがわからぬなか、歩みを進める。
霧の中を歩んでいくのは慣れていた。
親友をどうしたいか、どうするべきか。
片方の少女は常に霧に囚われていたから。
猛火めくらべ
少女たちは知らぬ世界で絆を得る。
失ったものもあるが、それは消えたのではなく、元の場所へ変えるための橋。
そしてこの世界へ至るきっかけとなった橋。
不安はあるが、この状況を楽しく思わないこともない。
この世界の経験を、楽しく話せる相手が待っていることが嬉しかった。
普通なら笑い飛ばされるであろう話も、あの子ならちゃんと聞いてくれる。
目を輝かせて聞いてくれることを確信していたから。
紅蓮不落不落
私も文も知らないあやかしが出るとは思わなかった。
れんは『塔界では時間が意味を成しません。もしかすれば、ですが今後あなた方が相対するのかもしれませんね』と言っていた。
存在するかもしれない先のことなど、言っていることはわからないが……
その未来では、私とあの子はどうなっているのか。
いや、あの子はどうなっているのか、心配でならない。
『助けて澄姫~』と気軽に呼んでくれるならいいのだけど。
……あの子、吹っ切れるたときの勢いが大きいから、そのまま間違った道に進まないか不安ね。
(……こっそり後ろから見てしまいましたけど、『お二人ともですよ!』と突っ込みたいですね……)
アスモデウスの幻影
「澄姫さん、何を書いているんですか?」
「ちょ、ちょっと!覗かないでよね!帰った時に何かわかるように、ちょっとした記録をつけているだけなんだから!」
「ああ、なるほど、だからいつもと違った手帖を使っていたんですね」
「……」
「な、なんで……詩集のことも知ってるのよ!」
「詩集……? あれは詩集だったんですね、てっきり───」
「ああ、もういい。いいわよ!忘れなさい!」
(この世界で記入した何か。は異物ではなく、この世界で造られた物。
元の世界には持ち帰れませんが……二人と見ていると、何か面白そうなので黙っておきましょう)
鵺
正体不明とされるあやかし。
姿も何もかも文献で異なるが、私が知っている姿でこの世界に現れた。
その能力まで同じとは思いたくないが、どこまで再現されているかは戦えないのでわからない。
……だが、その姿を見ているとどうしても抑えきれない思いがある。
鵺にまつわる話は後で聞いた。
そして私は───鵺もそうだが、あの子にあんな感情をぶつけたことを、いまだに少し許せないでいる。
(……こっそり後ろから見てしまいましたけど、『澄姫さんもですよ!』と突っ込みたいですね……)