絆語り

Last-modified: 2018-03-30 (金) 18:06:22

ひねもせば見れるけど一応ちまちま増やして行く予定ふみ
割と大変な作業だけど好きな式姫の絆語りなら余裕だよね…?

小烏丸

猫又「リッツ・アピー? 小烏丸の様子が変にゃー。」
猫又「何だかずっとふさぎ込んでるにゃー……」
猫又「一緒に様子を見に行ってほしいにゃー。」
小烏丸「……」
小烏丸「…………」
猫又「やっぱりにゃ……!」
猫又「こんなにボーッとしてる小烏丸は初めて見るにゃー!

選択肢

「小烏丸、どうしたの?」

小烏丸「はっ! リッツ・アピ様に猫又さん……!」
小烏丸「いらっしゃったのですね。 ぼうっとしていて気づきませんでした」

「主人が気に入らない?」

小烏丸「め、滅相もありません!」
小烏丸「すいません、すこしぼんやりしていただけですから……!」


猫又「小烏丸、どうしたにゃー?」
猫又「ボーッとして、何だかふさぎ込んでるみたいにゃー。」
小烏丸「少し考え事をしていて……」
猫又「何を考えていたにゃー?」
小烏丸「そ、それは…… 言うわけにはいきません……!」
猫又「何にゃー!?」
小烏丸「だから言えないと……!」
猫又「言うにゃー! リッツ・アピもわたしも心配してるにゃー!」
小烏丸「わ、わかりました……! 言いますから……!」

猫又「……?」
小烏丸「ひょっとしたら、リッツ・アピ様はご存知ないかもしれませんが……」
小烏丸「私は今まで……、」
小烏丸「今までの式姫シリーズのゲームでは……」
小烏丸「私は一番初めに陰陽師のご主人様のもとに、馳(は)せ参じる、そういう立場でした……」
猫又「……?」
小烏丸「ですが今回、なぜか、その役目は私ではありませんでした……!」
小烏丸「どうして私じゃないのか解せません……」
小烏丸「今までは、ご主人様にとっての「一番始めの式姫」。」
小烏丸「……それが私でした。」
小烏丸「そう、私は陰陽師なら誰でも知ってる式姫、言うなれば――」
小烏丸「「皆の小烏丸」だったのです……」
小烏丸「…………」
小烏丸「それが今や……」
小烏丸「ただの無個性……くっ……!」
小烏丸「存在感も薄れたように感じます……」
猫又「よく分からないけど、元気だすにゃー。」
小烏丸「……はぁ。」
猫又「リッツ・アピー! リッツ・アピも何か言うにゃー」
猫又「何とか言って小烏丸を励ますにゃー!」

選択肢

「気分転換に散歩でもしよう。」

猫又「それはいい考えだにゃー。」
猫又「外の空気を吸えば、少しは気が紛れるにゃー。」

「自分も個性ないよ。」

小烏丸「リッツ・アピ様は……、「たいむすりっぷ」というものを経験して……、」
小烏丸「しかも主役…… 唯一無二の陰陽師じゃないですか……!」
猫又「今は何を言っても無駄かもしれないにゃー……」
猫又「気分転換に散歩でも連れてってあげてほしいにゃー。」

九尾

砂華姫 ○○ー?
    何してるにゃー?

砂華姫 じつは誘いたいことがあるにゃー。
    ○○は、どんな手触りが好きにゃー?

モフモフ。

砂華姫 やっぱりモフモフにゃー♪

砂華姫 ○○とは気が合うにゃー!

ふわふわ。

砂華姫 ふわふわ……ということは、
    きっとモフモフも好きだと思うにゃー!

砂華姫 素敵なモフモフ……
    触ってみたくないにゃー?

砂華姫 ではあたしに付いて来るにゃー、こっちにゃー。

砂華姫 標的はあそこに立つ九尾にゃー。

砂華姫 気づかれないように近づくにゃー……

砂華姫 (ソロリ……ソロリ……)

砂華姫 気づかれるにゃ!
    隠れるにゃー!

砂華姫 (ササッ!)

砂華姫 このままこっそりと近づくにゃー……

砂華姫 その調子にゃー。
    そろそろ標的が攻撃範囲に入ったにゃー。

砂華姫 ○○、行くにゃ!

砂華姫 その尻尾、触らせてもらうにゃー!

 九尾 な、なんなのだわ!

砂華姫 モフモフにゃー!

 九尾 だわわわ!
    砂華姫ちゃんに○○、何をするのだわ!

 九尾 こらー!
    二人とも、そこに座るのだわ!

オマケ

ohanashi九尾壱.png

砂華姫 そんなに怒らないにゃー!

 九尾 怒るのが当たり前なのだわ!

 九尾 まったく……
    わたしの尻尾はおもちゃじゃないのだわ!

 九尾 それに……この位の高いわたしの
    尻尾を無許可で触ろうとするなんて、

 九尾 とんでもない不心得者なのだわ!

位が高いの?

 九尾 高いのだわ!

 九尾 妖狐は尻尾の数が多いほど位がたかいのだわ。

 九尾 このわたしの尻尾は
    九本あることを覚えておくのだわ!

ごめんなさい。

 九尾 ふん……
    ○○は反省しているようなのだわ。

 九尾 すぐに謝ったから、
    許してあげてもいいのだわ。

砂華姫 えー、○○ずるいにゃー。

 九尾 砂華姫も謝るのだわ!

砂華姫 ごめんにゃー。

 九尾 分かればいいのだわ……

砂華姫 九尾ー?

 九尾 なんなのだわ。

砂華姫 どうすれば尻尾を触る許可がもらえるにゃー?

 九尾 こんなことをした二人に許可するわけがないのだわ。

砂華姫 ……分かったにゃー。
    もういいにゃー。

砂華姫 ○○、
    もっとモフモフしているものを紹介するにゃー♪

 九尾 だわわ!?

 九尾 どこのどいつなのだわ!?

砂華姫 ぬりかべにゃー♪

オマケ

ohanashi九尾弐.png

砂華姫 ぬりかべの里にゃー!
    モフモフ三昧にゃー!

砂華姫 ○○、遠慮せずにモフモフするにゃ♪

 九尾 …………

 九尾 わたしの尻尾の方が触り心地がいいのだわ……

 九尾 ぬりかべ!
    勝負するのだわー!

砂華姫 にゃー!
    でもどうやって勝負するにゃ?

 九尾 ○○に頼むのだわ。

 九尾 ぬりかべとわたしの尻尾、
    双方を触って、より極上な方を選ぶのだわ!

 九尾 さあ、さっさと触るのだわ。

砂華姫 いいにゃー。
    あたしも触りたいにゃー。

 九尾 ……

 九尾 どっちの方が極上なのだわ?

圧倒的に九尾。

 九尾 さすが○○、
    本物を分かっているのだわ。

ぬりかべ。

 九尾 何を血迷ったことを言っているのだわ!
    この極上の尻尾をくらうがいいのだわ!

砂華姫 ○○ー、
    尻尾でモフモフ攻撃されて、羨ましいにゃー。

砂華姫 あれ?
    九尾、いつの間にか少し尻尾が乱れてるにゃー。

 九尾 なんてことなのだわ!
    早く手入れをしないと……!

砂華姫 ○○ー、九尾に
    お手入れグッズを買ってあげてほしいにゃー♪

オマケ

ohanashi九尾参.png

 九尾 砂華姫ちゃんも、○○に
    あんなことを言うなんて、いい心構えなのだわ。

 九尾 もちろん○○も
    二つ返事で承知するなんて、なかなかやるのだわ。

 九尾 わたしに相応しい、
    極上の櫛(くし)を買うのだわ!

 店主 いらっしゃい!
    立派な尻尾だねえ、手入れが大変だろ?

 店主 この櫛なんていいんじゃないかい?

 九尾 ふん……なかなか良い素材を使ってるのだわ。

 店主 お!
    お嬢ちゃん、お目が高いねえ。

 店主 それは良い柘植(つげ)を使ってるんだ。
    毛ヅヤが良くなるって評判だよ。

 九尾 ○○、これにするのだわ。
    尻尾の毛によさそうなのだわ。

他にも毛に良い品物を探す。

 店主 毛に良い物ねぇ……
    だったらこの椿油はどうだい?

 店主これはかなりオススメだよ!

椿油は欲しくない?

 九尾 椿油……聞いたことがあるのだわ。

 九尾 ○○、お手柄なのだわ!
    わたしに相応しいアイテムなのだわ!

 店主 ほう、買うかい?
    じゃあ櫛とセットで安くしておくよ!

 店主 毎度あり!

砂華姫 ○○ー! 九尾ー!
    おかえりにゃー!

砂華姫 なんだかいい匂いがするにゃー!
    早速モフモフさせてほしいにゃー♪

 九尾 砂華姫ちゃんのためにやったんじゃないのだわ!

砂華姫 にゃー……!

 仙狸 九尾、ここにおったか!
    空狐が大変じゃ、すぐに来てくれ!

 九尾 !!

オマケ

ohanashi九尾肆.png

空狐

??? あ、あの……悪路王さん……?

    ……入ってもいいですか?

空狐  あの……その節は、ありがとうございました……!

    伊賀の里で、悪路王さん達に
    見つけていただかなければ……

    わたしは今もずっと、
    災いを恐れ苦しんでいたでしょう…… 

    一度、改めてお礼を言いたくて……

  • 気にしなくていいよ。
        ありがとうございます……
        やはり悪路王さんは
        お優しい方ですね……
  • こっちこそ、出会えて良かった。
        そ、そんな風に思っていただけるなんて……
        わたし……嬉しいです……!

    本当に……ありがとうございます。

    わたし、悪路王さんのもとへ
    来られて良かったです……!

熊野

 熊野 最近は毎日寒暖差が激しいな。
    主くん、風邪などひいてないか?

 熊野 新しい風邪薬を調合したので、
    薬が欲しい場合はすぐに言ってくれ。

 熊野 飲めば立ちどころに
    風邪の諸症状が治るが――

 熊野 代わりに新陳代謝が良くなり過ぎて、
    髪が一日で長髪になってしまうのだが。

遠慮しておく。

 熊野 そうか、残念だ。

 熊野 気が変わったら知らせてくれ。

飲もうかな。

 熊野 本当か?

 熊野 じゃあ水を準備するので、
    少し待っているように。

 熊野 おや?

 熊野 ……主くん、顔色が悪いな。
    とうやら本当に風邪かもしれないぞ。

 熊野 もう少し私に近づいてくれ。
    しっかり診たい。

 熊野 ふむ……

 熊野 ――こ……これは。

 熊野 大変だ。
    風邪どころではないな。

 熊野 ――なに?
    夜摩天の料理を樽いっぱい食べた!?

 熊野 死ぬつもりか、主くん……!

 熊野 すぐに別の薬を用意するから、
    部屋で安静にしているように……!

レヴィア

 レヴィア:でっしでっし♪
      今日もハンティングに行くでし!
      ハンターたるもの、、
      獲物の気配には常に敏感でいるでし!
      (ガサガサ……)
      そこ!
      誰か潜んでいるでしね!
      誰でしか……!?
      …………
      アピ助!?
      何やってるでしか?
      
     「ハンティングに興味がある。」
      アピ助もハンターになりたいでしか?
      陰陽師からハンターへ
      ジョブチェンジでしね!
     
     「レヴィアと遊びたい。」
      遊びでしか?残念でしが、
      レヴィアは今日はハンティングで忙しいでし!
      アピ助も遊んでる暇があったら、
      一緒にハンティングの腕を磨くでし!
     
      今日は他にも
      ハンティングに行く人がいるでしよ!
      小狐丸でし!
 小狐丸 :レヴィアさん、
      今日はよろしくお願いしますね。
      今日はなるべく
      ドジを踏まないように頑張り———
      あ!
      ハンター道具一式、
      持ってくるのを忘れてしまいました!
      すぐ取ってきます!
      (ズコーッ!)
      ああっ!転んでしまいました!
 レヴィア:先が思いやられるでし……!

 レヴィア:アピ助も小狐丸も、準備はいいでしね!
 小狐丸 ;はい……!
 レヴィア:じゃあ、まずは落とし穴の堀り方から……
      できたでし!
      これに獲物が落ちればしめたものでし!
 小狐丸 :ああ!
      (ドスーン)
      早速落ちてしまいました……!
 レヴィア:なんてことでし!
      これを見るでし!
      これは縄で作った罠でし。
      輪を作って、そこに足を踏み入れると、かかるでし!
      この罠を周囲に仕掛けておいたでし!
      (バターン!)
 小狐丸 :ああ……!
      今度は何でしか!?
 小狐丸 :自分で作った罠に、
      引っかかってしまいました……!
 レヴィア:やれやれでし……
      最後は、トラバサミ————
      (ドシーン、ドシーン)
 レヴィア:何か、大きな……大き過ぎる獣の足音がするでし……
 小狐丸 :そういえばさっき、広範囲に
      罠を張ってる時に、大きな動物が付いて来て———
 レヴィア:はやくそれを言うでし!
      逃げるでし!
 小狐丸 :はいっ!

 レヴィア:……ふぅ。
      ひどい目に遭ったでし……
      小狐丸とハンティングに行く時は要注意でしね……
      気を取り直して、
      次は座学に移るでし!
      アピ助には引き続き、
      ハンターのいろはを教えるでしよ!
      まずは、ハンターに必要な能力を教えるでし。
      ハンターたるもの、
      瞬時の判断力が大切でし。
      アピ助に判断力テストをするでし。
      問題、股の下で地割れが起こったら、
      アピ助はどちらに逃げるでしか?
      一、右へ逃げる。
      二、左へ逃げる。
      五秒で答えるでし!
     
       「右。」
      そうでしか。右でしか。
      レヴィアは左派でし。
     
       「左。」
      そうでしか。左でしか。
      レヴィアも左派でし。
      気が合うでしね。
      
      続いては、機器察知能力についてでし!
      それが終わったら推理力を鍛えるでし!
      むむ……!
      やることが多くて驚いているでしか……!?
      ハンターになろうと思ったら、
      まだまだ学ぶことは多いでしよ!
      ハンターへの道は長く険しいでし!
          

      ー数時間後ー
 レヴィア:アピ助、
      なかなか頑張ったでしね。
      レヴィアから教えられることは、
      ほとんど教えたでし。
      ハンターまであと一歩でし!
      最後は、
      ハンター認定試験を受けてもらうでし!
      その課題は……
      レヴィアを捕まえる、でし!
      期限は今日の日没でしー!
 ファラ :レヴィアたん?
      今日は見なかったー。
      かくれんぼしてるの?
      ファラも混ぜてー!
 狛犬  :レヴィアッスか!?
      知らないッス!全然見てないッス!
      ……はい?
      狛犬の膝にある……この痣ッスか?
      さっき蝶々を追いかけてて、
      ぶつかった時にできたッスかね?
      ぶつかった人は全然レヴィアじゃないッス!
      通りすがりのハンターッス!
      最近通りすがりのハンターが増えてるッス!
 小狐丸 :レヴィアさんですか?
      さっきうっかり割ってしまった水がめの中に———
      ああっ!
      口止めされていたんでした!
      …………
     
     「レヴィアに呼びかける。」
レヴィアの声:見つかったようでしね。
      仕方ないでし。
      姿を現すでし。
      
     「無言のまま。」
レヴィアの声:……アピ助でしか。
      抜群の推理でレヴィアを探り当てたでしね。
     
 レヴィア:見つかってしまったでし!
      これでアピ助は、
      ハンター認定試験、合格でし!

 レヴィア:あらためて、
      おめでとうでし、アピ助!
      これでアピ助も
      今日からハンターでしね!
      
     「ありがとう。」
      どういたしましてでし!
      この恩を忘れるべからずでし!
      
     「レヴィアのおかげ。」
      分かっているならいいでし!
      恩返しを待っているでし!
      
      アピ助には想像以上に、
      ハンターとしての素養があるようでし。
      だから特別に———
      レヴィアの
      ハンティングパートナーとして認めるでし!
      これからは陰陽師ではなく、
      ハンターとして、妖と対峙していくでしね。
      パートナーの証として、
      アピ助にも特別な語尾をあげるでし。
      それは……「だす」でし!
      朝は、「おはようだす」
      昼は、「こんにちはだす」
      名乗る時は、「ハンターだす!」
      困った時は、「やめてくれだす!」
      ピンチの時は、「逃げるだす!」
      勝利の時は、「勝っただす!」
      これでアピ助とレヴィアは、
      完璧なパートナーだす……でし!
      これからもよろしくだ……でし!
      ずっとレヴィアのパートナーでいるでし♪

カク

カク「聞いて驚け見て驚け!」
   変面自在とはこのカクのことだい!
   人生はすなわち舞台なり!
   一挙手一投足、見事に舞い切ってみせようぞ!」

 

狛犬「おおー!
    カクさんの舞台ッス!」

 

猫又「パチパチパチにゃー。」
    でも、カクの変面で他人に変わるのは
    顔だけにゃから―――
    すぐにカクって分かるにゃー。」

 

狛犬「狛犬でも分かるッスー。」

 

カク「な、なにを……!」
   だが変面が顔だけなのは事実……
   むむむ……
   見てやがれい……!
   この変面の弱み、必ず克服してみせようぞ!」

 

分岐

┗どうするの?

  カク「それはダーリンには言えねえな。
     カクの修行の成果を楽しみに待ってな!」

 

┗顔が変化するのも面白いけど。

  カク「甘いねダーリン。
     舞台の道は常に修行の日々。
     変面の欠点を克服してこそ、
     次の段階に進めるってとこよ!」

 

カク「それじゃあ3人とも、
   帰ってからカクの舞台---
   首を長くして待っていてくんな!」

 

猫又「行っちゃったにゃー。」

 

狛犬「楽しみッスねー!」

―数日後―

 

猫又「最近カクを見ないにゃー。」

 

狛犬「山にこもって、
   修行してるらしいッスよー。」

 

???「やあやあやあ!」

 

猫又「この声は……」

 

狛犬「カクの声ッスー!」

 

カク「呼ばれて出でる花舞台、
   声に応えて帰還するは――」
   「変面自在のカク様だい!」

 

猫又「戻ってきたにゃー!」

 

狛犬「久しぶりのカクッスー!」

 

カク「さあ見てくんなせえ!
   このカクの進化した変面を!」
   (ボンッ!)
   (ササササッ!)

 

猫又「消えたにゃー……!」

 

狛犬「いえ、動きが早すぎて見えないだけッス!」

 

かぶきりひめ?「これが進化したカク様の変面だい!」

 

狛犬「顔だけじゃなく、
    服も変化してるッス!」

 

かぶきりひめ?「どうだい?
          本物のかぶきりひめ師匠と見間違えるだろうっ!?」

 

狛犬「そっくりッスー!」

 

猫又「要するに、にゃー。
    早着替えってことにゃー。」

 

かぶきりひめ?「その通りだい!」

 

カク「よーしダーリン、
   次は別の式姫に変面するよっ!」
   (ボンッ!)
   (ササササッ!)

 

狛犬?「狛犬ッスー!」

 

狛犬「こ、狛犬がもう一人いるッス!」

 

猫又「見分けがつかないにゃー。」

 

狛犬?「どっちがどっちか分からないッスー!」

 

狛犬「自分でもよく分からなくなってきたッス!」

 

猫又「どうしたらいいにゃー?」

 

分岐

┗北はどっち?

  狛犬?「あっちの方向ッス!

 

  狛犬「上ッス!」

 

┗3足す4は?

  狛犬?「7ッス!」

 

  狛犬「5ッス!」

 

猫又「その手があったにゃー。
    本物の狛犬は右側にゃー。
    左側はカクにゃー。」

 

  (ボンッ)
  (ササササッ!)

 

カク「な、なぜ分かる!?」

 

狛犬「不思議ッス!」

 

猫又「おばかな方にゃー。
    誰でもわかるにゃー。」

カク「おはようダーリン!
   今日も元気かい!?
   今、新しい舞台の稽古をしてるんだが――
   ちょいと観ていかないかい?」

 

分岐

┗観る。

  カク「こいつはありがてぇっ!
     やっぱり観客がいると血がたぎるからねぃっ!」

 

┗一緒に出たい。

  カク「おおっ!
     ダーリンも舞台に興味があるのかい!?
     こいつは嬉しい!
     いつかは共に舞台に出ようか!
     だけど今回限りはカクの舞台の観客に
     なってくれると嬉しいねいっ!」

 

カク「それじゃあ始めるよ!
   カクの演舞、これより、始まり始まり~!」

 

カク「――これをもって、此度(こたび)の活劇、
   終幕とさせていただきとぉございます!
   また舞台から皆々様のお顔を拝見できる日を
   このカク、首を長くして待っているでございますよ!」

 

かぶきりひめ「パチパチパチパチ~♪」

 

カク「ややっ
   かぶきり師匠!
   カクの舞台を観にきてくれたんですかい!?」

 

かぶきりひめ「もちろんよ~♪
         今日の舞台も良かったわ♪」

 

カク「こいつは嬉しいねいっ!
   かぶきり師匠にはまだ見せてない、
   進化したカクの変面もお見せしたい!」

 

かぶきりひめ「あら?
         それは楽しみだわ~♪」

 

(ボンッ)
(ササササッ!)

 

輝夜?「ピップルピップル☆」

 

かぶきりひめ「あら、お見事♪
         それじゃあ私も♪」
(ボンッ!)

 

輝夜??「みょんみょんみょーん☆」

 

輝夜?「輝夜なにょだー♪」

 

輝夜??「こっちも輝夜なにょだー☆」

 

狛犬「な、何が起こってるッスか!?」

 

輝夜「輝夜がいっぱいなにょー!
    ピップルピンピンピン♪」

 

輝夜??「ムームームー♪」

 

輝夜?「見分けがつかないピヨー♪」

 

狛犬「わ、訳が分からないッスー!
    元に戻ってほしいッスー!」

 

輝夜?「ピヨピヨー♪」

吸血姫

吸血姫「フハハハ!
     夜はわらわが支配する世界じゃ!
     む!
     アピ助、おはよう。
     これから屋敷に戻って寝るのかの?」

 

分岐

┗うん。

  吸血姫「そうかそうか。
       良い夢を見るのじゃぞ。」

 

┗吸血姫は?

  吸血姫「わらわはこれから一日が始まる。
       さて、今日は何をしようかの。」

 

吸血姫「………
     アピ助の血は美味そうじゃの。
     一度飲んでみたいものじゃ。」

 

分岐

┗え!?

  吸血姫「ハッハッハ。
       まぁ驚いて当たり前じゃの。」

 

┗やめて!

  吸血姫「大丈夫じゃ、安心せい。」

 

吸血姫「本当に飲んだりはせぬ。
     怖がらんでもよいわ。
     アピ助はまだ、
     吸血姫というものを分かっておらぬようじゃのう。
     どうじゃ?
     わらわの一日はこれから始まる。
     吸血姫の日常、覗いて見ぬか?」

吸血姫「吸血姫の日常……そうじゃの。
     まずは……散歩じゃ!
     真祖のペット達の散歩を仰せつかっておっての。
     では、連れて参るぞ?」

 

―数分後―

 

???「ギャー ギャー」

 

吸血姫「連れて来たぞ。
     なかなかかわいいペット達じゃろう?
     ――む。
     どうしたのじゃ?
     なに?
     付いて来るのを止める?
     まぁ、空を飛ぶから、
     付いて来るのは難しいかもしれんの。
     ではここで待っておれ。
     そんなに時間がかかるものではないからの。」

 

吸血姫「戻ったのじゃ!
     さて、体も動かしたし、
     食事にしようかの!
     ………どうした。
     まさか、まだビビっておるのか?
     安心せい。アピ助の血は飲まぬわ。
     食事はわらわの分を
     鈴鹿御膳が置いてくれておる。」

 

分岐

┗血は?

  吸血姫「特別な時なら、
       血を付けてくれることもあるのじゃが、
       今日はないじゃろうな。」

 

┗普通の食事?

  吸血姫「普通とは何じゃ。
       アピ助達と同じ食事じゃ。」

 

吸血姫「血は好物なだけじゃ。
     やはり誤解しておるのう。
     おや?
     アピ助、眠そうじゃのう。
     本来ならばアピ助は眠っておる時間。
     そろそろ休むがよい。
     わらわに付き合わせて悪かったの。」

―翌日―
吉祥天「今日さ、
     皆で買い物に行こうよ!」
烏天狗ちゃん「いいね、
         最近いいなと思ってた小物があるんだ!」
吉祥天「アピ助クンも行くよね?」

 

分岐

┗行く。

  吉祥天「じゃあ他にも生きたい子集めて、
       皆で行こー!」

 

┗吸血姫は?

  吉祥天「吸血姫は、さっき家の中で見かけたような……」

 

烏天狗「あ、吸血姫!
     これから買い物に行くんだけど、一緒に行かない?」

 

吸血姫「わらわは留守番でよい。
     今日は晴れそうじゃからのう。」

 

吉祥天「そっかー残念!
     吸血姫は日光が苦手だもんね。
     今度、夜のお祭りとか行こうね!」

 

烏天狗「?
     どうしたの? アピ助さん。」
     ――え?
     やっぱり残る!?

 

吉祥天「なるほど……吸血姫が心配なんだね。」

 

吸血姫「わらわのことは気にせずともよいぞ。
     アピ助、楽しんでくるのじゃ。
     なに? よいのか?
     ……そうかの。」

 

烏天狗「じゃあ、二人とも留守番よろしく!
     行ってくるねー!」

 

吸血姫「わらわのために残るのか……
     アピ助、おぬしは変わっておるのう。」

―夕方―

 

起床天「――え?
     私達にお願い?」

 

烏天狗「なになに?」

 

吉祥天「なるほど!
     それはいい考えだね!」

 

烏天狗「アピ助さんの頼みなら断れないなー。
     それに、吸血姫にも喜んでほしいしね!」

 

吉祥天「急いで行かないと、街のお店が閉まっちゃうよ!」

 
 

吸血姫「アピ助、おはよう。」

 

吸血姫「わらわは眠っておったから良いが――
     アピ助は一日屋敷にいて暇だったのでは――」

 

吉祥天「戻ったよー!」

 

烏天狗「あ、吸血姫、起きたんだね!
     ふふふ。
     じゃあアピ助さん、後はよろしく!」

 

吸血姫「よろしく……?
     何のことじゃ?」

 

吉祥天「ふふふー。」

 

烏天狗「吸血姫は今からアピ助と
     買い物に行くんだよ!」

 

吸血姫「なに……!?」

 

吉祥天「そうそう!
     楽しんできてねー!」

 

吸血姫「どういうことじゃ?
     夜だと店は開いておらぬじゃろう?
     なんじゃアピ助……!?
     わらわの手を引くとは……!」

 

吸血姫「これは……店が開いておる。」

 

店主「お、あんたが昼間は外に出られない子かい?
    さっき女の子達がたくさん来てね、
    『今日だけ夜も店を開けておいて』って、
    街中の店に頼んでまわってたんだよ。」

 

吸血姫「……そうじゃったのか。
     もしやアピ助、
     おぬしが頼んだのか?」

 

分岐

┗うん。

  吸血姫「そうか……ありがとうの。
       皆にも礼を言わねばなんな。」

 

┗皆のおかげ。

  吸血姫「と言っても、
       アピ助の仕業じゃろう?
       ありがとうの。
       頼みまわってくれた式姫達にも礼を言わんとの。」

 

吸血姫「せっかく皆が用意してくれたのじゃ。
     買い物を楽しむとするかの!」

吸血姫「ふふふ。
     綺麗な櫛(くし)に簪(かんざし)じゃ。
     アピ助、礼を言うぞ。
     わらわもお金は持っておるから、
     買ってもらわぬともよいが……
     やはり贈られる、というのは嬉しいものじゃの!
     それに、買い物とは楽しいのう!
     店を見てまわって、品々を手に取り見る……
     気に入った物を見つけた時の喜びは格別じゃ!
     本当に、アピ助は優しい。
     何度礼を言っても足りぬのじゃ……
     ……?
     アピ助、どうしたのじゃ?」

 

分岐

┗一度、昼間に外に連れ出してあげたい。

  吸血姫「そうか、
       そう思ってくれて嬉しいのう。
       できぬこともないのじゃが……」

 

┗昼は絶対に外に出られないの?

  吸血姫「できぬこともないが…」

 

吸血姫「よし、
     では一度、アピ助にお願いしようかの!」

 

―翌朝―

 

吸血姫「さて、では出かけようかの。
     アピ助、心の準備はよいか?
     では行くぞ。」

 

吸血姫「む……!」

 

吸血姫「やれやれ、
     やはりこうなったか。
     ?
     アピ助、心配せずともよい。
     これは日焼けのようなものじゃ。
     日に当たると肌がこのように真っ黒になるだけ。
     まぁ、すぐに戻るのじゃがな。
     驚いたか?
     アピ助には見せておきたいと思っての。
     なぜって――
     わらわはアピ助が気に入った。
     アピ助とは
     これから長い付き合いになりそうじゃ。
     じゃから――」

 

吸血姫「わらわのことを知っておいてもらうのは、
     当然のことじゃろう?」

真祖

真祖
アピ助ー、
そろそろトマトジュースの材料が切れそうなのー。
材料を収穫しに行くからー、
一緒に行ってくれないー?

  • いいよ。
    ありがとうー。
    新鮮なトマトだからー、
    アピ助も食べたらいいと思うのー。
  • 何を収穫するの?
    それはもちろん、トマトなのー。
    トマト農家を訪ねるのー。

こんにちはー。
トマト農家
いらっしゃい。
よく熟れてるから、沢山収穫していってちょうだい。
ありがとうー。お金はこれで足りるー?
はーい、ありがとう。
ところで真祖ちゃん、
今度、村で大食い大会があるんだよ。
すごく盛り上がるから、
見にきたらどうだい?
大食ーいーかー、
楽ーしーそーうー。
あらいけない。真祖ちゃん、
喋るのが遅くなってきた。トマトが足りないんだね。
ほら、新鮮なトマトだよ。
すぐ絞るから待っててね。
あーりーがーとーうー。
あらら!
また小さくなっちゃって!
ほら、トマトを絞ったよ!
早く飲んじゃいな!
いーたーだーきーまーすー。

━大食い大会当日━
真祖  楽しみなのー。
    小烏丸が「飯の部」に出るのー。
砂華姫 そろそろ始まるにゃー?
    小烏丸の雄姿を見るにゃー!
司会  これより、大食い大会を始めます!
司会  尚、今回は「直産品の部」を新しく設けました!
    何を食べるかは後ほど発表!
砂華姫 へぇ、何かにゃー?
    魚だったらあたしが出たいにゃー。
司会  では最初に「飯の部」を始めます!
観客  ワアアアアアアア!
砂華姫 小烏丸にゃー!
    頑張るにゃー!
司会  勝者、小烏丸さん!
小烏丸 ありがとうございます。
砂華姫 やったにゃー!
真祖  勝ったーのー。
真祖  さーすーがー
    こーがーらーすーまーるーなーのー。
砂華姫 にゃ?
    真祖、喋るのが遅くなってるにゃー!?
砂華姫 大丈夫にゃ!?
真祖  血ーがー
    足ーりーなーいーのー。
砂華姫 にゃー!
    真祖が縮んだにゃー!
砂華姫 きんかん!
    大変にゃー!

砂華姫 ト、トマトジュースは……
    屋敷に戻らないとないにゃー!
真祖  血ーがー……足ーりーなーいー。
司会  続いては、「直産品の部」!
    食べ物はこの村の特産品、「トマト」です!
司会  食べ方は自由!
    挑戦者はいらっしゃいますか!?
砂華姫 ト、トマトにゃー!
砂華姫 真祖、あれに出るにゃー!
真祖  ジュースーがーいーいーのー。

自分が絞る。

砂華姫 そ、そうにゃ!
    食べ方は自由にゃー!
真祖  きんかんー、
    あーりーがーとーなーのー。

食べれば一緒。

砂華姫 な、なんてこと言うにゃー!
砂華姫 そ、そうにゃ! 食べ方は自由だから……
    きんかんが絞ってあげるにゃー!
真祖  あーりーがーとーきんかんー。

司会  な、なんということでしょう……!
司会  小さな動物のような出場者が、女性に
    変身したかと思えば、なんと優勝してしまいました!
真祖  ごちそうさまなのー。
真祖  やっぱりここのトマトジュースはおいしいのー。

━翌日━
真祖 きんかんー、
   昨日はありがとうなのー。
真祖 真祖ー、
   きんかんに何度も助けられてるのー。
真祖 何かー
   お礼がしーたーいーのー。

お礼なんていいよ。

真祖 そーうーなーのー?
真祖 きんかんーはー、
やーさーしーいーひーとーなーのー。

小さい真祖の頭なでなでしたい。

真祖 それくらいでーいーいーのー?
真祖 おーやーすーいーごーよーうーなーのー。

真祖 あーれー?
真祖 まーたー
   血ーがー足ーりーなーいーのー。
真祖 わーあー、きんかんー。
真祖 トーマートージュースー
   用ー意ーしーてーくーれーてーたーのー?
真祖 あーりーがーとーうー。
真祖 (ゴク……ゴク……)
真祖 おいしかったのー。
   さすがきんかんなのー。
真祖 きんかんはー、
   真祖のことをよく分かってくれてるからー、
真祖 きんかんのそばにいたらー、
   なんだか安心できるのー。
真祖 真祖ー、
   いつも元気でいられる気がするのー。
真祖 きんかんー?
真祖 ずーっと真祖のー、そばにいてねー。

あくろひめ

狗賓    ──それから、こちらがお台所と食堂ですね、
      皆さんが集まってくつろぐ居間でもあります。

狗賓    この屋敷の部屋は以上ですが、
      何かご質問はありますか?
あくろひめ ……いや。
狗賓    そうですか。
      では晩ご飯まで自由に過ごしてください。
あくろひめ 手間を取らせたな。
狗賓    とんでもないです。初めていらっしゃった方に
      屋敷の案内をするのは当然のことですよ。
狗賓    皆、あくろひめさんを歓迎しています。
      これからよろしくお願いしますね。
あくろひめ ああ。
狛犬    あくろひめさーん!
白兎    夕飯まで一緒に遊ぼうよー!
      ようこそッスー!
ファラ   ファラもー!
      ファラもあくろひめと遊ぶー!
ファラ   戦いごっこがいいぞー!
レヴィア  レヴィアはかくれんぼがいいでし!
ファラ   かくれんぼかー、かくれんぼもいいけど
      今日は戦いごっこの気分だなー!
レヴィア  レヴィアはかくれんぼの気分でしー!
ファラ   むむー!
      戦いごっこだってば!
レヴィア  かくれんぼでし!
─数分後─
レヴィア  はぁっはぁっ……
      結論が出ないでしね……
あくろひめ ……
ファラ   あくろひめはどっちがいいー?

レヴィア  レヴィアも聞きたいでし!
      ってあれ……!?
レヴィア  あくろひめが岩になってるでし!
ファラ   ほんとだー!
      (コンコン……!)
ファラ   硬いぞー!
レヴィア  レヴィアも叩きたいでし!

あくろひめ ……うるさい。
あくろひめ 静かに石に籠(こも)らせてくれ。
ファラ   わぁっ!!
      元に元った!!
あくろひめ ……騒々しいな。
      吾(われ)は少し寝る。
レヴィア  お昼寝でしか!?
ファラ   かくれんぼでも戦いごっこでもない、
      まさかの三択目だぞー!
あくろひめ ……
ファラ   じゃあ一緒にお布団を敷こー!

レヴィア  皆でお昼寝するでし!
あくろひめ よい。吾にかまうな。
ファラ   ……
      怒らせちゃった……?
レヴィア  ……でし。

ファラ   あくろひめ、ファラ達と遊ぶの嫌だったのかなー?
レヴィア  レヴィア達、
      きっと何か気に障ることをしてしまったでし!
狛犬    どうッスかねー?
      もしかして単に眠かっただけかもしれないッスよー?
白兎    そうかなー、
      こんな屋敷いやだって思われてたらどうしよー……!

  • 大丈夫だよ。
    ファラ   アピ助が言うなら大丈夫だぞー!
    白兎    そう言われても心配だよー……!
    白兎    ──え?
          あくろひめさんに聞いてくれる?
  • 直接聞いてみようか?
    ファラ   その手があったかー!
    レヴィア  さすがきんかんでし!
    白兎    ありがとうきんかんさん!
    あくろひめ なんだ、お前か。
          吾に何か用か?
  • 皆のこと嫌いになった?
    あくろひめ なぜそんなことを聞く?
    あくろひめ ──そうか。
          あの者達が心配しているのか。
  • お昼寝は?
    あくろひめ 寝たかったわけではない。
    あくろひめ 吾はまだこの現世(うつしよ)へ来て間もない。
    あくろひめ だから、ああいう騒々しさに慣れていないだけだ。
          (バターン!)
    狛犬    良かったッスね!
    あくろひめ お前達……戸の後ろで聞いていたのか。
    レヴィア  レヴィア達を嫌いになったわけじゃないでしね……!
    あくろひめ …………
    あくろひめ 嫌いとか、そんなことはない。
    あくろひめ だから安心しろ。
    狛犬    安心するッス!
    あくろひめ だが……吾は一人になりたい時、
          石化して石の中に籠ることがある。
    あくろひめ そういう時は放っておいてもらえると助かる。
          覚えておいてくれ。
    ファラ   わかったー!
    レヴィア  石の中に引きこもるでしね!
    あくろひめ ……

コロボックル 早く雪が降らないかナー。
コロボックル コロ、アイヌが恋しいノー……
あくろひめ  ……
あくろひめ  この屋敷に雪は降らないのか?
コロボックル あくろひめ!
コロボックル ううん、冬はたくさん降るよー!
あくろひめ  そうか。
       吾も雪には親しんだ。
あくろひめ  雪が積もったら、
       かまくらなどを作るのも良いものだな。
コロボックル うん!
       あくろひめはかまくらが好き?

コロボックル コロ、寒い国のお話ができて嬉しいヨ!
       いつも一人で思い出してたから!
あくろひめ  ……
あくろひめ  吾で良ければいつでも相手になろう。
コロボックル 本当!? 嬉しいナー!
コロボックル あ、でも……
コロボックル あんまり故郷のことばかり話すのも、
       良くないカナー……?
あくろひめ  なぜだ?
コロボックル コロは今このお屋敷に住んで、
       アピ助さんと旅をしてるのに──
コロボックル 自分の故郷のことばかり考えるのは、
       後ろ向きな気がするノー……
あくろひめ  ……なるほど。
コロボックル ね、そうダヨネー?
あくろひめ  うむ。
       だが、たまになら良いのではないか?
あくろひめ  故郷を懐かしむ心は誰しもが持つものだ。
       時々それを懐かしむくらい、当たり前のことだろう。
コロボックル 本当ー!?
       そっかー、思い出してもいいんだ! 嬉しいナー♪
コロボックル あくろひめも故郷を思い出したりするノー?
あくろひめ  ……

あくろひめ  ……さあな。

あくろひめ ……♪

あくろひめ なんだ、きんかんか。

あくろひめ きんかん、お前は……あれだ、
      人間の中ではましな方だな。

  • 何の話?
    あくろひめ お前はましだ、と言っている。
    あくろひめ つまり、褒めている。
          まったくお前は……察しが悪いな。
  • 褒めてくれてるの? ありがとう。
    あくろひめ ああ、そうだ。
          もっと喜んでもいいくらいだ。
    あくろひめ 吾が人を褒めることなど珍しいのだぞ?

あくろひめ じゃあな。

      (バタバタバタ……)

紅葉御前  た、大変だー!

猫又    どうしたにゃー?

童子切   何かあったんですか?

紅葉御前  大事にとっておいた焼酎の瓶が、
      空になってるんだよ……!

童子切   え、ええ!?
      あの一升瓶ですか……!?

紅葉御前  そうだよー!
      今度一緒に飲もうって言ってたあの一升瓶だよ!

紅葉御前  一体誰が飲んだんだろ?
      最近の宴では飲んでないはずだよね。

紅葉御前  もしかして、泥棒……?

童子切   なんということでしょう……

猫又    童子切のショックが果てしないにゃー。

童子切   この屋敷の中に賊がいるはずです……!
      なんとしても──

あくろひめ ……

童子切   あくろひめさん、どうしましたか?

あくろひめ ……すまない。

あくろひめ 大事な酒とは、
      そんなに楽しみにしていたとは、知らなかったのだ。

童子切   ……え?

あくろひめ その酒は……吾が飲んだ。

紅葉御前  え、ええー!?

紅葉御前  あくろひめって……お酒飲めるのか……!?

あくろひめ たしなむ程度には、な。

あくろひめ 一日で焼酎の一升瓶を空けるのは、
      たしなむ程度とは言いませんよ……

あくろひめ では言い直そう。
      ウワバミ程度には。

童子切   ウワバミ……ですか。

紅葉御前  そっか、びっくりしたけど、大人だもんね!

紅葉御前  見た目は子どもでも、
      伝承を考えると年齢は数百──

あくろひめ 年齢のことには触れないでもらおう。

紅葉御前  あくろひめ、そういうところ気にするんだねー。
      意外だなー!

あくろひめ 歳を気にするわけでない。
      今のは「ノリ」というやつだ。

紅葉御前  わぁ……そういうのもできるんだね。
      あくろひめ、いけるくちだ!

あくろひめ ああ。
      夜の「テンション」というやつだな。

紅葉御前  て、テンションって……
      っていうか酔ってるでしょ!

あくろひめ 酔ってなどいない。

童子切   これは宴を開かないといけませんね。

あくろひめ お前達、怒っていないのか……?

童子切   もちろんですよ。
      お酒を愛する仲間が増えるのは喜ばしいことです。

紅葉御前  あくろひめの歓迎会がてら、
      宴を開くから楽しみにして待っててね!

あくろひめ ……ああ、楽しみにしている。

(コンコン)

あくろひめ きんかん、入るぞ。

あくろひめ ……少し、話したいことがあってな。

  • なに?
    あくろひめ この屋敷は居心地がよい。
    あくろひめ皆、明るくていい式姫達だ。
  • 皆に馴染んだみたいで良かったね。
    あくろひめ ああ。
    あくろひめ ……きんかんのおかげだろう。

あくろひめ 集団の空気は
      その長で決まる部分も大きいからな。

あくろひめ だから……礼を言う。

あくろひめ 吾がこの世に降りてきて心地良く暮らせるのは、
      きんかんのおかげだ。

あくろひめ 正直に言うと、お前以外の
      陰陽師のところでないく、ほっとしている。

あくろひめ ……なんだ?

あくろひめ 人の顔をじっと見るな。

  • あくろひめってかわいいね。
    あくろひめ な、なんだと……!?
    あくろひめ ……ひっく。
  • 酔ってるの……?
    あくろひめ ばれたか……ひっく。
    あくろひめ ──なに?
          酔ってるのがかわいい……!?

あくろひめ ……そこまで酔っていない。
      少し気分が良いだけだ。

あくろひめ それにしても、
      吾がかわいい……だと?

あくろひめ それ以上言うなら、
      しばらく現世(うつしよ)には出てこない。

あくろひめ しばしの間、さらばだ。

あくろひめ ……

あくろひめ ……

大食い大会

鞍馬
甘味の部 狗賓
白飯の部 小烏丸 狛犬
酒の部  童子切

空狐
お餅の部 狗賓
飯の部  小烏丸 狛犬

真祖
直産品の部(トマト) 真祖