メインシリーズの性能の変遷
- シリーズを通じて匠以外に必須スキルがほぼ存在しないのも特徴の一つ。
基本は手数より一発をしっかり当てていくので業物はなくてもそこまで困らないし、
集中は溜め攻撃を使い分けることができるのでMHXXの一部スタイル以外は必須とならず、
むしろ溜め3連発で味方を吹き飛ばし、地雷扱いされる事もある。
ランナーやスタミナ急速回復は、スタミナ管理に慣れないうちは便利であるが、
上達してスタミナ管理が出来る(もしくは強走薬を安定供給できる)ようになれば外しても何ら問題ない。
攻撃が激しい頭部を狙わなければならず、ガードもできないハンマーにとっては
回避系のスキルのほうが立ち回り上大きなメリットにもなりうる。
防御面を重視してスキルを付けても立ち回りであまり困らないのはある意味初心者向きなのかもしれない。- 必須スキルが多い事で知られるMHFにおいても、通常運用では上記同様である
(攻撃系スキルが必須なのは他の武器種も同じなのでハンマーに限った話ではない)。
- 必須スキルが多い事で知られるMHFにおいても、通常運用では上記同様である
- 昨今(MHW以降)では操作が非常に簡単な武器としても有名である。
ハンマーにはカウンターもガードも存在せず、複雑なコンボもない。
昨今では大剣ですら高火力を出すのにある程度手順が必要だが、
ハンマーはボタンを連打しているだけで勝手に強力な攻撃が出る。
とにかく頭を殴ってスタンさせるというシンプルな動きをする武器は現状ハンマーくらいである。
現状のハンマーにとって最大の個性である。
MHRiseではカウンターが登場したが、タイミングの習得必須の重要技では全くないため立ち位置は変わっていない。 - 火力自体は高いのだが、MHP以前とMH4~MHXX及びMHRise(:S)のコンシューマーシリーズでは冷遇気味。
くわしくは各作品の項目に任せるが、その時代の様々な仕様がことごとく逆風となっているのである。
MHXである程度の改善はみたが、それでもまだ風当たりは強め。
MHWorldでは後述の通り新たな逆風が生じているが、動作面でかなり強化がなされ不遇武器とまでは言えなくなった。
そしてMHW:Iになって新要素がことごとくハンマーと噛み合い、ようやく逆風の時代に終止符が打たれた。
と思いきやMHRiseでは再び冬の時代到来という状況である。
MHF-GにおいてもMHF時代からかなり長い間冷遇気味の立ち位置であったが、ここ数年で改善されつつある。- 武器自体が大幅に弱体化されたことは少なく、むしろ時代と共に強化されることの方が多い。
しかし、ハンマーが強化される以上に
徹甲榴弾を筆頭に盾斧や片手剣等の他武器の方が効率的にスタンが取れる、
スタンをとりづらいモンスターや頭の固い・頭部位置の高いモンスターの増加、
そうでなくとも殆どの肉質が斬撃>打撃である、
そもそも疲労やスタンを取れない極限状態や獰猛化などの登場など、
環境面での問題が強い武器なのである。
この辺り、作品ごとの細かな調整に翻弄される太刀とはある意味対局である。 - また打撃武器に用意されたスキルが悉く使いづらい傾向がある。
特にハンマーと相性が良さそうなKO術やスタミナ奪取は
相性そのものは良いのだが発動の手間に対して効果が微量であり、
(MHXXでは発動の簡単な「飛行酒場の心」でKO術が発動できるが、これもオマケ扱いが多い)
有益とは言い難いものである。
実際に公式ガイドブックでも紹介されているためか強い効果だと信じてしまうプレイヤーは少なくなく、
初心者に対してオススメスキルとして紹介してしまうのだろうが、
実際には「熟練のプレイヤーが使ってちょっと効果あるかも」と思えるくらいなので考えなしに薦めてはいけない。- MHWからはKO術が強化され実戦的な選択肢になった。
最大レベルまで上げてもよいし、効果の上昇値を考えると
余ったスロットにLv1だけ入れるという使い方でも充分強い。
- MHWからはKO術が強化され実戦的な選択肢になった。
- 武器自体が大幅に弱体化されたことは少なく、むしろ時代と共に強化されることの方が多い。
MH
- 前述のように、無印(初代)~MHPまではスタンが無かった為に、
今の視点で見れば欠点の割にメリットの少ない不遇な武器だった。
また、無印では縦振りのフィニッシュが無い(今で言う縦1→縦2→縦2のコンボ)ため、
単純なDPSですら現在とは比較にならないくらい低かったと思われる。
ただスキル環境がシビアだった当時、溜めながら移動することで風圧を無視できた点は小さくない。
スタンプは使えるので、リオレウスなどとの相性がいいのは現在と同様である。
MHG・MHP
- MHGでは現在の縦3が導入された。
これによって既存武器の中ではダントツのDPSとなった。
しかし同時期に双剣が登場したこともあり、定点火力の高さとしては結局トップには立てていない。
溜めスタンプの身軽さもあって大剣は勿論当時の強武器であった双剣、ランスより
火力が優れる場面自体こそ実のところ多く存在していたのだが、
尻尾斬りで紅玉や逆鱗などの重要なレアアイテムが入手できたため、
尻尾を切ってはクエリタをするマラソンが流行っていた。
そのため尻尾切りに貢献しにくいハンマーは今作でもお世辞にも採用率が高いとは言えなかった。
- MHG(MHP)以前でのハンマーを語る上で欠かせないのが、
ラオシャンロンから作られるハンマーであるドラゴンブレイカー系列の最終強化、ダークバニッシャーの存在。
詳細は任せるが、MHG・P共に龍属性ながら物理でもトップの性能を持ち、
作成難易度・時期もG級最序盤と半ば凶悪な性能を持つ。後年で言うところのこれ。
ハンマーどころか全武器種全武器と比較しても非常に強力で、状況・敵次第ではあるが
かの黒滅龍槍と比べてなお勝るとも劣らない活躍も望みうる強武器であった。
かと言って大普及していたのかと言われるとまた別の話で、
検索エンジンに掛けてもその名声はごく僅かしか引っかからない。
それもそのはず、たとえ火力が高くても、当時の龍属性の主力武器である超絶と黒滅と比べると
こちらはハンマーで尻尾を切れない、吹き飛ばしもあるとリスクを抱えておりこちらはこの2つと比べると敬遠されがち。
またソロであれば怯みハメも成立し辛い為、ハンマーの風圧&弾かれ無効、フットワークの軽さを存分に活かした戦術も強かったが
PTならば黒滅*4での怯みハメ等も容易で単純な定点火力の勝負になりやすく、そこでも不利気味であった。
オンラインでのPTプレイがメインコンテンツだった当時のMHGにおいては評価が少ないのも致し方ない話である。
このように、単独のスペックは全武器でも最強格のものがあってなお使用率が伸び悩んでいたという現実こそが、
当時の「ハンマーであること」自体の不遇を示していると言えるだろう。
- 一方、尻尾切りなどを無視した純粋な「モンスターを倒す力」でいえば
当時のハンマーは溜めによる風圧無効や弾かれ無効といった他の武器での実現が難しい強力な要素を持つので
全武器中でもトップクラスに位置しているのは確かである。
何らかの手立てでMHGやMHPが再リメイクされるなどすれば、
上記のダークバニッシャーの存在もあって使用者は増えるかもしれない。
実例としても、あの不死身ともいわれた村イャンガルルガ討伐はウォーバッシュによって初達成されている。
尻尾切りなどが重視されていたというだけで、ハンマーの実力自体は充分だったことは示されていると言えるだろう。
- なおWii版MHGではMH2以降の要素が数多く逆輸入されたが、スタンは導入されなかった。
これはスタンが導入された場合、MHGでは拘束手段が落とし穴か麻痺のみ*1と乏しい関係上
ハンマーがPTにおける必須武器になってしまっただろう為、妥当な調整と思われる。
そもそもMHG自体がスタンという概念を前提に作られていないのもあり、
仮に導入されていれば壊れになってしまった可能性は大いにある。- 「MHG環境においてスタンが導入されたハンマー」のように
「ソロプレイでも武器属性・持ち物を問わない独自の強力な拘束手段を持つ上に、高いモーション値で火力も充分」
という武器種が仮に出現すればどうなるか、というのは、
MH4シリーズでの操虫棍やマグネットスパイクが部分的に示している。
操虫棍は乗り自体が独自のものではないのもありバランスブレイカーとまではいかないがそれでも近接最上位格扱い、
マグスパも同様に非常に高い評価を受けており、一部のユーザー間では最強だったという声すら聞かれる。
これらの事象を鑑みれば、上に挙げたダークバニッシャー、及びMHPのウォーバッシュは
黒滅龍槍や双龍剣【天地】すら正面から食い殺せる恐るべきバランスブレイカーになりかねなかっただろう*2。- なおこの「MHGハンマーにスタンが導入された場合」の仮定に関しては、
MHRiseでの徹甲榴弾が「徹甲榴弾を撃てるボウガン」に限定されるものの
半ば証明しきったといってよいだろう。
特に金獅子砲による徹甲榴弾&竜撃弾戦法を例にすれば
「徹甲榴弾による強力なスタン拘束に加え、徹甲榴弾と竜撃弾による高いモーション値で火力も充分」
「弾倉火力もラスボス以外はほぼ手持ちの弾で足りるため持ち物もほぼ問わない」
といった具合で完璧に条件を満たしており、その結果どうなったかはネット検索すれば自明である。
尤もあちらは「敵に接近する必要すらない」「肉質も無視」というさらなる有利条件もあるため、
証明としてはいささかやりすぎ感もあるが…
- なおこの「MHGハンマーにスタンが導入された場合」の仮定に関しては、
- 「MHG環境においてスタンが導入されたハンマー」のように
MH2
- シリーズを通して絶頂期。
- MH2以降、ハンマーはスタンの概念ができた事により価値が上昇。頭を狙う武器の代名詞となった。
MHGのモーション値から据え置きなのも相まって、
MH2においてはほぼバランスブレイカーと言って差し支えないレベルであった。
特に序盤の大骨塊の強さが同期の他の武器種と比較しても群を抜いていたのも人気に拍車を掛けていただろう。
MHG時代のようにドラゴンブレイカー系列の強さもやはり健在であった。 - 上位においては抜けた強さを持ってはおり、封龍剣【超絶一門】や【絶一門】と唯一選択肢となりうる武器種であった。
特にテオ・テスカトルやクシャルダオラといったモンスターは頭が打撃に弱く、延々とスタンにし続けることが出来た。 - 一方、この時期の作品では珍しいことに、MH2上位においては「物理さえよければOK」という状況にはなっていない。
というのも、今作の上位の一線級として知られるハンマーはすべて*3
「攻撃力936で武器スロを持つ属性持ち」「攻撃力988で武器スロを持たない属性持ち(白長め)」
「攻撃力1040で武器スロを持つ無属性(但し白が少し短い)」
の3タイプに綺麗に分かれており、しかもその全てが全く異なる属性を有している。
いかに当時の物理寄りのハンマーと言えど武器倍率10程度の差では属性や斬れ味の長さによる逆転も有り得るため、
ハンマーで起こりがちな「物理さえ抜けてればOK」とされ
せっかく沢山のラインナップがある属性武器があまり作られないという状態にはなっていない。
ゲームバランスの是非が問われるMH2だが、上位ハンマーの数値バランスに関しては
ある種の完成形ではあると言えるかもしれない。- このような属性での使い分けが出来るハンマー環境は後にMHR:Sでも実現している。
あちらも物理にあまり差を付けず純粋に属性値で差が出やすいような数値バランスである。
属性重視の溜め変化【勇】の強化の影響もあるが、物理重視の【武】でも武器の使い分けが機能している為
武器自体の数値バランスも使い分けを機能させるのに十分寄与していると言える。
かといって無属性武器や状態異常武器も死んでいる訳ではなく、
特にストーリー攻略程度までなら強力な無属性一本でも通り抜けられるバランス。
16年後の作品でも似たような調整が採用され、実際にその前作と比べて状況に改善が見られた以上、
MH2におけるハンマーの武器間のバランスは黎明期ながら一定の評価に値したと言える。
- このような属性での使い分けが出来るハンマー環境は後にMHR:Sでも実現している。
MHP2(G)
- MHP2(G)でもその立場は健在。
モーション値が引き下げられ狩猟笛との差も縮められ落ち着いた性能になったが、
それでもスタンを狙う点で揺るがない位置にはあった。 - P2Gには、スイ【凶】、マグニチュード、角王鎚カオスオーダーという
非常に強力なハンマーが存在し、この3本が事実上の無属性3強とされていた。
これらの無属性ハンマーについては、斬れ味レベル+1を前提にすると、
まずマグニチュードが見切り+2でのサポートが必要だが圧倒的な攻撃力を誇っており、
カオスオーダーにはマグニチュードより良い斬れ味と防御力UPが、
スイ【凶】にはカオスオーダーよりさらに良い斬れ味と高い会心率、
そしてスロット2までもが付属している。- 上記3本の中では、斬れ味が長くスロットも多く、今作で追加された
真打とのシナジーも抜群と、幅広く使いやすいスイが一歩抜きん出ており、
一方でスロットがなく防御力強化もG級だと大した意味をなさず、
ハンマーだと作成難易度も高いカオスオーダーは他2本と比べるとやや見劣りする。
- 上記3本の中では、斬れ味が長くスロットも多く、今作で追加された
- また、グラビモス亜種などに対して鳥兜やダイダラボラス、
雷属性の通るモンスターに雷鎚フルフルという選択肢もあった。
鳥兜は高い毒属性値を持ち、ダイダラやフルフルは
そこらの無属性武器を上回るほどの高い攻撃力を備えるなど
優秀な性能で、無属性ハンマーより速いタイムを叩き出すこともままあるほど。
また、古龍の角折りのためにドラゴンブレイカーGが担がれることもあった。- 実際のところ、P2Gにおけるハンマーの最適解は、ほとんどの場合
スイとフルフル、ダイダラのいずれかになることが分かっている。
このため、評価が落ち着いた現在ではこの3本を3強と呼ぶ場合も出てきている模様。
概要で紹介したように、基本的に属性ハンマーが無属性ハンマーを上回ることはほぼないのだが、
フルフルとダイダラは物理面も強力であるため、無属性槌に勝る場面が多々ある。
- 実際のところ、P2Gにおけるハンマーの最適解は、ほとんどの場合
- ちなみに後発作品ではラージャンとの相性の悪さに苦しめられることになったわけだが、
訓練所のラージャンの打撃武器枠は通常・激昂ともにハンマー。
頭の狙いにくさとスタン耐性による相性の悪さはこのころから片鱗を見せていたことが分かる。
しかし打撃肉質は全体的に柔らかく、当時は今以上にラージャン側に確定行動が多くそこに対して溜め3や縦3を置けたなど
ラージャンが持つ特性自体はむしろハンマーと相性が良い面も多い。
腕も硬化しない今作であればクリア自体は意外とあっさりとこなせるかもしれない。
MH3
- さすがにMHP2Gほどではないがまだまだ強武器。
- MH3からモンスターにもスタミナの概念が追加され、打撃属性にスタミナを奪う減気効果が追加された。
これにより高いスタン能力と奪スタミナ能力を兼ね備えた、相手の自由を奪う事に特化した武器となった。
ちなみに、同時に登場した抜刀術【力】により、大剣が切断属性のハンマーとしての役割を得た。
若干お株が奪われた感がしないでもないが、火力はともかくスタン・減気の性能はハンマーの方が上であり、
更に大剣には抜刀術【力】より優先すべきスキルが多い為、ハンマーの地位は特に変わってはいない。- 本作では斬れ味に応じてスタン値が上昇する仕様があるため、
ダメージ・スタン値両方の面で斬れ味確保が最優先とされていた。
このあたりの事情に関しては、当時紫を用意でき、
事実上の2強だったアルメタ及びカオスラッシュのページを参照されたい。 - モーション面に関しては、溜め2が大幅に変化し、
大きく踏み込みながらアッパーをかます技になった。
威力もそこまででもないがスタン値がアッパースウィングに次いで高く、
ハンマーの欠点であるリーチの短さをある程度補えるようになったため使い勝手が大きく向上した。
また横振り、縦振りの2回目、そしてアッパーから溜めに移行できる様になった。
これにより、溜め→攻撃→溜め→攻撃…と繰り返す事が可能になった。
但し溜め1で前進する為、小さな部位への定点攻撃には向かない。
ジエン・モーランの背中破壊や、ダウンした相手への追撃の際に使ってみよう。
縦振り2にスーパーアーマーがないのはもはやハンマーの伝統と呼べるレベルだが、
溜め1の後、縦振り連打ではなく横殴りから縦振り2につなぐと、
スーパーアーマーを保ったまま攻撃を続けることができ、位置のズレも抑制できる。
小型モンスターの妨害がある状況下やマルチプレイ中では特に役立つ、MH3以降のハンマー使い必修コンボである。
また、溜め始めた瞬間は風圧無効だけではない通常のスーパーアーマーがつくので、
周りのジャギィなどから邪魔されそうなときに攻撃から溜めへ移行すると
怯まずに攻撃を続けることができる。
ただしアッパーは名前の通りかち上げ効果も持っているので使いどころは考えるべきである。
- 本作では斬れ味に応じてスタン値が上昇する仕様があるため、
MHP3
- MHP3では大きな変化はないが、溜め2に心眼効果が追加されている。
かつてカモだったリオレウス及びリオレイアの希少種、及び怒り時ギギネブラの頭が固くなってしまった一方、
ハンマーと比較的相性の良いティガレックス、ナルガクルガ、アカムトルム、ウカムルバスの復活とあり
立ち位置としては以前とそこまで大差ない。- 今作初登場の弱点特効との相性が非常に良かったのも環境面では追い風であった。
頭部が弱点の多くのモンスターに対しては、
スタンでの拘束を狙いにいく行動によって高いシナジーを得られた。 - 今作ではMH3にあった気絶値の斬れ味補正が廃止され、弱体化したと考えられるかもしれないが、
先の弱点特効の追加や、縦3のモーション値が65から90まで引き上げられたことなど強化された面もある。
- 今作初登場の弱点特効との相性が非常に良かったのも環境面では追い風であった。
MH3G
- MH3GではMHP3までと武器操作・仕様・立ち位置は特に変わらない。
ただ、本作においては震撃鎚グロンド・ギガの一強状態となっており、
MHG時代のような武器選択肢が乏しい状態が復活してしまった。
詳細はリンク先を参照してほしいが、簡単に言えば
「無属性としても最強クラスなのに、覚醒でMH3Gを代表するバランスブレイカーの爆破属性が付いてくる」
ということである。
一応全く対抗馬がいない訳ではなく、暴風槌【裏常闇】が武器の実力で概ね並ぶが、
総合的な考慮においては完全にギガの一強である。
爆破ゲーと言われるほど爆破属性の一強状態になっていたMH3Gにおいて、
それに加えて物理までトップクラスとあれば最早どうしようもなかったと言える。
本作ではアーティアXやヘリオス(セレネ)X、ネブラXなど、
匠・覚醒の両立に有用な装備が揃っていることもこの風潮を助長している。
同作の弓や双剣同様、プレイヤーが損はしないとは言え、
爆破属性の調整不足の煽りをまともに受けた武器種であったといえよう。
とはいえ後述するMH4以降での凋落を踏まえると、事後的に考えてみれば
武器種内のバランス調整が破綻していようがなんだろうが、
何か一つでもぶっ壊れ級の強い武器があったMH3Gのほうがよっぽどマシだったといえるだろう。
- 武器性能と同様に気になるのが「3シリーズの環境でどれ程相性が良いモンスターが居るか」と言うことだが、
結論から言えばMH3~MH3Gに至るまでそれ程心配するレベルではなかった。
まず鳥竜種及び牙獣種は、背中の肉質がやや硬めなラングロトラが少し面倒なだけで他は全く問題ない。
海竜種については頭の硬いラギアクルス亜種及び希少種を除いて特に水中でも軒並み相性がよく、
獣竜種に関しても頭が硬く突進を繰り返すボルボロスと
顎を割っても肉質の柔らかくならないMH3のウラガンキンを除けば立ち回りやすさは並~やや良程度。
飛竜種は宿敵だったディアブロスが疲労状態で非常に大きな隙を見せてくれるようになったので、相性は改善。
ディアブロス以外は希少種の頭が堅いことを除けばもともと比較的相性がいい方なのでこれも心配はいらない。
牙竜種、というかジンオウガは素早く攻撃も重いので慣れるまでは大変だが、
これはハンマーに限らず各武器共通の問題である。
頭を狙うチャンス自体は多いので、一度慣れてしまえば相性は割と良い部類である。
どの種に関してもモンスター自体の動きや骨格もそうだが、疲労状態を誘発しやすいのが何よりの強み。
一方疲労しない古龍種については、水中でも割とよく動きそこまで柔らかくないナバルデウスが難しいものの
その他のジエン・モーラン、アルバトリオン、グラン・ミラオスは比較的立ち回りやすい部類。
特にアルバトリオンは角折りとスタン狙いを兼ねることができるのでとても効率がいい。
MH4
- 良い点を先に挙げると、MH4では、溜めながら段差をジャンプすることが可能となり、
さらにジャンプ中にボタンを放すことで、「ジャンプ溜め攻撃」という新技を繰り出すことが可能。
基本的にスタンプ攻撃となるので扱いやすい上に、ジャンプ攻撃の中でもかなり威力が高い。
また、抜刀回避から溜め状態へと滑らかに移れるようになった。
さらに全武器共通でディレイがかけやすくなったのでハンマーもかなり立ち回りの自由度が増し、
攻撃はできるけど反撃をもらうかも…というタイミングでも積極的に攻めることが可能になった。
総じてハンマー自体の性能はかなり向上しているといっていいだろう。 - しかしMH3Gに比べると、ハンマーの人気はかなり落ちてしまっている。
ハンマーの性能そのものは前述の通り高性能なのだが(MH3Gと比較してモーション値など一切弱体化はされていない)、
環境面ではMH2からMH3Gまで暴れまくったツケが倍になったかのような凄まじい逆風が吹くのである。
あるいは、MH3G時代に存在したぶっ飛んだハンマーに準ずる存在がなくなってしまったというせいもあるかもしれない。 - この理由は、おおむね以下のように説明される。
- 無料オンラインによって(野良での)マルチプレイが当たり前になったことによる諸問題
- ハンマーのデメリットである「吹っ飛ばしやすさ」と「転ばされやすさ」が目立つようになってしまった。
どの攻撃パターンを実行しても吹き飛ばすか打ち上げるか、
逆にSA無しの縦2の間に転ばされるかというのは致命的であった。
さらに積極的に起き攻めを行うモンスターが多いことから、かち上げ自体の危険性も増している。 - 複数人プレイによる狩猟の高速化が容易になったはいいものの、
その反面疲労は相対的に弱体化を受けることとなった。
- ハンマーのデメリットである「吹っ飛ばしやすさ」と「転ばされやすさ」が目立つようになってしまった。
- 仕様上の諸問題
- エンドコンテンツに対する適性の悪さ
- 具体的には、ギルドクエストで人気のあるラージャンとの相性が絶望的なまでに悪い。
- ラージャン自体がスタンに対して高い耐性を持っている。
- そもそも頭自体が小さいため前脚に攻撃を吸われやすい。
闘気硬化も相まって、頭狙い自体が厳しい。
- そもそも頭自体が小さいため前脚に攻撃を吸われやすい。
- スタンを取ったとしても激しく動く上に体勢もあって、追撃で頭を狙うのはほぼ不可能。
- 前後脚の肉質が切断が45なのに打撃は40。
- つまり切断のみが弱点特効の恩恵を受けられるということ。
これだけで切断武器は単純に打撃の1.25倍ものダメージを見込める。
- つまり切断のみが弱点特効の恩恵を受けられるということ。
- ガード不可能なので起き攻めへの対処ができない。
- 疲労中は大きく弱体化するものの復帰も相応に早く、あまり意味がない。
- ただし、ラージャン自体怒り状態によって大きく強化されるモンスターなので、
疲労している時間の分だけでも怒り状態を防げる点は小さくはない。 - MH4Gで追加された極限状態はそもそも疲労が無効である。
- ただし、ラージャン自体怒り状態によって大きく強化されるモンスターなので、
- その疲労を取る意味すら皆無に等しい。
怒り中のラージャンには確定行動による隙が多いため、
怒り時間を減らす疲労狙いはむしろマイナスとすらいえる。
- ラージャン自体がスタンに対して高い耐性を持っている。
- 具体的には、ギルドクエストで人気のあるラージャンとの相性が絶望的なまでに悪い。
- 単純な火力の低さ
- 定点火力では操虫棍、単発火力では大剣に大きく負けている。
- スタンの大安売りやスタンを無効化する仕様
- 具体的には前者はチャージアックスやW抜刀大剣など、後者は極限状態のことである。
これらは特にMH4Gで問題となっていたため、詳細は後述。
- 具体的には前者はチャージアックスやW抜刀大剣など、後者は極限状態のことである。
- 無料オンラインによって(野良での)マルチプレイが当たり前になったことによる諸問題
- 元々トップクラスの火力とスタンによる拘束をウリにしていた武器が、
乗りという名の武器種を一切問わない拘束手段が追加され、
加えてスタンまでもがはや打撃武器の象徴ですらなくなったことで利点が少なくなり、
しかも肝心の火力も肉質面で大剣、片手など高DPS斬撃武器に劣るという大変な事態に。
こういう事情のため、オンラインでのハンマー使いは希少種レベルまで落ち込んでしまった。- 補足しておくと、マルチプレイでの邪魔さ云々の問題は昔からあった話ではある。
しかし、それが浮き彫りになったのは必ずしもマルチプレイの一般化だけによるものではなく、
ハンマーが火力面で劣ってしまうようになったことも関係している。
火力さえあれば頭がハンマーの独壇場であってもおかしくはなかったわけである。
そこで他武器種に後れを取ってしまったのが致命的だったといえよう。
- 補足しておくと、マルチプレイでの邪魔さ云々の問題は昔からあった話ではある。
MH4G
- MH4Gでも性能面はおおむね変更は無い。
残念なことに環境面ではさらに評価が低下。
今作では味方のカチ上げからジャンプ攻撃が可能になり、平地での乗り補助要員としても役に立つ…かもしれない。
ハンマーは抜刀で素早くかち上げできるため、気心の知れた仲なら良いサポートとなる…かもしれない。
意思疎通の難しい野良では少し厳しく、無理に狙うのはやはり地雷行為であるが。 - 一方、大剣が抜刀術【力】を付けやすいこと*4や、チャージアックスが大幅に強化され
味方の拘束に合わせて一撃でスタンを取ることができるようになった等、
スタンが大安売りされハンマー以外もスタンを取る=頭を狙うケースが多くなり、さらに肩身が狭くなったところも。
もっともチャージアックスや大剣とは違い、コンスタントにスタンを狙っていけるのがハンマーの強みなので、
頭が柔らかくスタンさせる事のアドバンテージが大きい相手には輝いてくれる。
しかし現実にはスタンを取ったとしても弱点肉質が打撃と斬撃で被る事も多く、
火力比べで勝れないために「大剣や操虫棍に頭を譲れ」と言われることもある。- ハンマーに限った話ではないが、マルチプレイでの状態異常持ちの武器(種)選びでは、
その回数が変わらないのであれば火力や生存性を確保すべきであって、
それらを犠牲にして状態異常狙いに特化しても意味がないという考えがある。
一方で当時のオンラインの場合、4人マルチでタコ殴りにしていると、
ハンマーがスタンを取れるのは1回かせいぜい2回くらいが限度であることがほとんど。
その最初の1回目のスタンを取る手段は上述のようにハンマー以外にも豊富に存在する。
そのため、スタン狙いでハンマーを担ぐ必要性が大きく低下したのである。
このような状況では武器種選びは火力やマルチでの使いやすさなどによる影響を強く受けるわけだが、
火力はまだしも周りの迷惑になる/迷惑をかけられる仕様が重大な欠点となる。
わざわざハンマーを使う理由がまずないのはこのような事情からだと思われる。
- ハンマーに限った話ではないが、マルチプレイでの状態異常持ちの武器(種)選びでは、
- とはいえやはりスタンさせてナンボの武器なので、その強みを買いたいところだが、
スタンを狙おうにも極限状態の相手はそれすら許さない。
詳細はリンク先参照だが、スタンも減気も無効、疲労しない、
さらには強制弾き・ダメージカットとハンマーの強みをご丁寧に叩き潰してくる。
スタンと疲労に関しては上述の通り極限状態でなくても強みが薄れているのでまだしも、
看過できない問題なのが強制弾きとダメージカットである。
強制弾きは弾かれ無効持ちのモーションが多いハンマーの利点を台無しにし、
ダメージカットは言わずもがな、ハンマーでなくてもありがたくない。
この問題が最悪の形で表出するのが、ジンオウガに代表される
頭が対象部位になっている相手にマルチプレイで挑む場合である。
頭を狙う場合は抗竜石・心撃があってもダメージは大幅カットされスタンも取れず、
頭以外を狙うと当然他プレイヤーにとっては大迷惑である。
これはもはやハンマーに居場所はなくなったと言っても過言ではない状況である。
言ってしまえば、極限状態の存在そのものがハンマーの存在の全否定に近いのである。 - これらの事情によって、ハンマー自体は仕様も含めて全くといっていいほど劣化はしていないのに、
周りの環境(武器種ごとの仕様変化含む)によってかなり隅に追いやられてしまい、
火力はあっても様々な点を総合して下から数えた方が早い武器とまで言われてしまう事態に。
周囲の変化によってここまで評価が変わった武器も珍しく、どうにかテコ入れをして欲しいと
ハンマー使い達は願っている。
- 一応この時代のハンマーを立てておくと、これらは全てPT戦を考慮した評価である。
そもそもMH3Gより武器自体はより強化されているので、
ソロであればMH4系列でも充分な活躍が可能である。- まず、吹き飛ばしを考えなくてもよいというのが大きい。
これにより好きな場面でジャンプスタンプやホームランをかませるし、
ガララアジャラやセルレギオス、グラビモスのように
頭以外を狙う方が効率が良い相手に対しても吹き飛ばしを気にせず対応できる。
- まず、吹き飛ばしを考えなくてもよいというのが大きい。
- また競合関係になりやすい他の武器種との単純な比較は以下の通り。
- 大剣の方は単発がとにかく重いのが特徴である。
スタンについては、確かに抜刀技【力】か居合術【力】を付ければ拘束手段は増えるが、
それだけで此方を抜き去れるほど強力という訳でもない。
どのみち極限個体には効かないので大剣の強みとしては微妙である。ハンマーの強みは消し飛んでいるのだが。
そもそも大剣の、非拘束状態の相手のわずかな隙に一撃離脱を繰り返すという性質が、
拘束機会の少なさをものともしないほどに強いため、
大剣相手にスタン性能で張り合ってもこちらが悲しくなるだけである。
戦闘スタイルは割と似通った部分もあるので、肉質が打撃に弱いか斬撃に弱いかで使い分けするのもよい。
と言いたいところだが、そもそも打撃超有利の敵自体ほとんどいない。 - チャージアックスの属性解放斬りによる高いスタン能力は確かに魅力的だが、
肝心の属性解放斬りの隙が大きく、味方の拘束がないと安定しないのは言うまでもない。
- 大剣の方は単発がとにかく重いのが特徴である。
- そこに来るとハンマーはスタン・乗りの二つの拘束手段を味方の拘束なしでもある程度安定して使えるし、
また単発及び定点火力も大剣及び操虫棍程ではないがそれでも高い数値を備えているので
ソロならば戦闘スタイル的に他の武器種に食われにくく、ハンマー独自の活躍ができるのである。
幸い武器自体はミラガルズイーラやバースorデスなど極めて強力なものが揃っているので、
折角あるのだから食わず嫌いせずに使ってみるのも悪くない。
産廃でしかないこいつとかこいつ?そんなものの存在は忘れなさい。- ただし、ソロでもやはり極限状態を相手取るのは大変であり、
なんならマルチでの火力によるゴリ押しを捨てる分ソロの方が余計につらい場合も。
ハンマー縛りでもない限り、極限状態モンスターを日常的に狩りたいのであれば、
まずはハンマーを捨てたほうがよっぽど楽で早いとすらいえるだろう。
- ただし、ソロでもやはり極限状態を相手取るのは大変であり、
- 体が小さく、何も考えなくても頭に攻撃が当たる中型モンスターに対しては、
スタン、疲労、乗りによる脅威の三段構えによってあっという間に畳みかけることができる。
何かと使用用途が多いくせに手に入りにくくなるアイテムを集めるときにうってつけである。- 大型モンスターに関しては一応「明確に使いにくい」という場面はそこまで多くないが、
他の武器の方が相性が良いという場合も少なくない。
例としてはテオ・テスカトルはハンマーもそれなりに相性が良いのだが、
頭狙いの立ち回りを行うならば大剣、脚狙いであれば操虫棍や片手剣などの方が立ち回りやすいだろう。
他の武器よりハンマーの方が明確に相性が良さそうなのは精々リオス種ぐらいだろうか。
総合するとマルチプレイでの不遇っぷりはMH3G以前から考えると明らかに異常なレベルである。
複数人で狙いが競合する場合、かつては「ハンマーに頭を譲れ」だったのが、
「ハンマーが譲れ」と言われてもおかしくないような環境になるとは誰が予想できたのか。
MH4とMH4Gの2作品だけは特にオンラインでハンマーをメインで使わなかった、
あるいは使えなかったというハンマー使いも多かったのではないだろうか。
当時はごく初期の頃を除いて野良ではまず見かけることが少なかった武器種であった。
副業だったはずの大剣が本業と化すことがザラだったのがハンマー不遇の象徴だったのかもしれない。
- 大型モンスターに関しては一応「明確に使いにくい」という場面はそこまで多くないが、
- 何より、「PT用の難易度設定だからソロがきついのは仕方がない」と言われる作品で
ソロ向けと言われる時点で色々とお察しであるのも確か。
最近こそ盛り上がりも落ち着きある程度環境が寛容になりつつあるとはいえ、
オンラインで使う場合には細心の注意が必要である。
- だが、改めて言うがソロのみの場合ならちゃんと活躍できる。
特に活躍できるのは、引継ぎなしでMH4Gを一から始めるとき。
MH4Gのオンライン人口が減り、攻略はソロで行うのが基本となっても、
全てのキークエスト及び緊急クエストの進行をソロハンマーで行い、
ゴグマジオス突破を達成することは十分可能。
これができるのは、ハンマーという武器種の運用自体に必須スキルは全くなく、
物理火力と防御力さえ担保できれば大抵のクエストはなんとかなるからであって、
つまりはハンマーそのものは性質が変わっていないし弱くなってもいないからである。
ついでに言えばマジオス突破前はG級の極限個体を相手にせねばならないことはないおかげである。