うどんげの設定はどうなったのか/矛盾解消のための仮定を妄想しよう 101~

Last-modified: 2023-07-02 (日) 13:07:34

1~100番目はうどんげの設定はどうなったのか/矛盾解消のための仮定を妄想しよう 1~100
101番目から↓

  1. 薬物と逃亡の日々
     騒ぐ若者を見て老玉兎があんまり暴れると綿月姐にしょっ引かれるぞと言う。あの玉兎兵達も暴れてしょっ引かれたのだろうか。そうは見えないが、かつては荒くれ者だったのか。だがそうでは無かったのである。
     月の使者に送り込まれていたのは胡蝶夢丸依存症患者だった。実際の所、月の使者は薬物依存症の治療施設となっていたのである。胡蝶夢丸依存症の発生率は低いが、四十年ほど前までは0に出来なかった。幻想郷でも永琳がどうにか独力での解決に漕ぎ着けていたが、月の都でも解決に苦労していたのである。そして胡蝶夢丸依存症は患者のほぼ全てが少女であった。玉兎兵が少女ばかりであったのはこれが原因である。調査部隊が少女ばかりであった事情も同様である。依存症の原因を第二次性徴期の少女の精神の有り様に求める仮説もあるが、未だに原因はよくわかっていない。なお近年は依存症の発生が止まったため新規入隊も止まっていた。
     レイセン、後のうどんげもまた胡蝶夢丸のジャンキーとして月の使者に収容された。問題行動もあったが、次第に落ち着いていった。だがそこに地上の月侵略というとんでもない噂が流れたのである。単なる依存症治療の筈が本当に戦うことに?! 後から見れば地上にその意思も能力も無いことは明白だが、当時の月の使者は震え上がり、逃亡者も相次いだ。うどんげも精神を患ってしまった。そしてある日、胡蝶夢丸のオーバードーズをやらかしてそれっきり失踪してしまう。状況から見て月を脱出して地上に向かったのは間違いないとしても足取りはつかめない。
     何処をどうさまよったのか、十年程後に竹林に表れたうどんげは全く妄想世界の住人と成り果てていた。永遠亭に拾われたのは奇跡的な幸運である。永琳の長期にわたる治療の末に落ち着いていったうどんげだが、三十年ほどもたったある日、月における最終決戦と帰還の命令を聞いたのである。明らかに内容がおかしかったが、ある種のフラッシュバックであったのか、未だに治っていない依存症患者の通信を拾ってしまったのか、真実はわからない。主にうどんげを落ち着かせるための対処が何故か永夜異変ということになってしまった。幸いそのあとは症状の繰り返しは無く、月との通信を復活させたことで妄想も徐々に治っていったのである。
     
  2. ふたりのうどんげ
     部隊は全滅した。そんな状況から何故逃げ延びれているのかといえば、能力開眼したということなのだろう。本人はそんなことにも気付かず月面をさ迷っている。どこから飛ばされたのか、羽衣が。ふらふらとうどんげは近づいて行く…
     ただただ逃げたい助かりたいとの妄執のままに羽衣を纏い月面を飛び去った。そしてあまりにも強い妄執のせいか、知らぬ間に自分の世界から別の可能性世界へと逃げ出していたのである。気が付けば地上、身を隠し耳を欹てて情報を集め、幻想郷の噂を聞いたうどんげは結界を乗り越え竹林に至り、永遠亭に保護されたのである。
     永遠亭でしばらく落ち着いていたうどんげであったが、恐らく元の世界からの通信を聞いた結果が永夜異変となり、竹林の外と繋がる結果となった。そこでうどんげは閻魔の説教を受け、迷った末に月との通信を試みる。しかしここは別世界、月の様子はうどんげが知るものとはあまりにも異なっていた。しかし何故かうどんげは納得してしまう。
     この世界のうどんげも月を逃げ出していた。そして完璧な行方不明となっていた。異界よりのうどんげの認識のズレの隙間にこの世界のうどんげは顕現し、記憶の一部を融合しながら置き換わっていった。異界のうどんげは自分の世界に戻っていった。後のことはわからない。
     この件でそのままでは死んでいたであろう異界のうどんげは一時心身を休めることができ、そのままでは消えていたであろうこの世界のうどんげは再び存在することができた。多分これでよかったのだろう…
     
  3. 逃亡兵レイセンが幻想入り
     永夜異変後、霊夢と紫に幻想郷には月の使者は入れないと聞いたうどんげはすっかり安心し、隠れ住んでいたのが馬鹿らしい、もっと遊んでれば良かったとまで言ったのである。
     …どうして幻想郷の外から入ったうどんげが"結界があるから月の使者は入れない"などという説明を信じ得たのか、結界があるというなら幻想郷に入ってる以上は自分自身が結界破りを行っている筈ではないのか。レイセンⅡのように結界を認識せずに入ったのであれば結界など無かった、あるとしても意味が無いと思う筈ではないのか。まこと奇々怪怪。
     月の使者も通れない結界を通り抜けたアタシ天才などと思うアホの子なのか。心の病で物事を統合して考えられないのか。しょうもない茶番を速やかにやり過ごしたい師匠から突っ込んだらお仕置きと言われてたので妙なテンションの返事をしてしまったのか。はたまた紫と霊夢の明け透けな欺瞞に対する腹いせについわざとらしい反応をしてしまったのか。だがその何れでも無かったのである。
     かつて月の都で地上と戦争が起こると噂された。臆病で協調性を欠いた問題児の玉兎兵レイセン(うどんげ)は戦争を恐れるあまりに部隊を逃げ出してしまう。そして逃げる先は地上しかない。地上におけるうどんげの逃亡生活は10年以上にもおよんだ。ある日、外の世界で細々と生きる妖怪達の噂を盗み聞きする。忘れ去られたモノは此処ではない何処か"幻想郷"に行くのだと。何処かへ去りたいあまりにうどんげは噂に縋り博打を打った。その強力な催眠暗示能力でそこいらの人間に自分を認識させ、しかるに後に忘れさせて幻想入りする。こんな方法は自分以外の誰も出来ないし、やろうとする者もいないだろう、うどんげはそう思っている。この大博打は一応は成功した。うどんげは幻想入り出来たのだ。
     だが副作用は大きかった。一度の通信も行わないままに長年逃亡生活を続けたうどんげの精神は極限状態で正気を失っていた。そんな状態でさらに人の認識を経由するという無理を冒したために容姿能力性格など至るところに変質を被った。とりわけ記憶はすっかり変質してしまった。地上との戦争が始まるという噂を恐れて逃亡した事実は戦場からの逃亡という虚構にすり替わってしまう。一時的に認識させられた人間達からすれば戦争が始まる前に逃げ出したウサ耳娘よりも戦場から逃げ出したウサ耳娘のほうが刺激的だったのだろう。さらに耳はバニーガールっぽいほうが素敵とかアポロ計画と絡ませたほうが面白いとか月の都や地上軍は未来SF風がイカスとか様々な雑念が入り込み、実際の月についての記憶は曖昧になってしまった。永琳から月の使者のリーダーの話を振られても要領を得なかったのは記憶が変質してしまっていたからである。なおこの出来事がバニーガールやウサ耳の潜在的な人気を押し上げ、後にうどんげが新参ホイホイと呼ばれる土壌を作る一因となったとも考えられるが確かな事はわからない。
     もし仮に正しい記憶を持ったまま幻想入りしたならば、月が地上如きに侵されるわけが無いからさっさと帰りなさいと追い返されたかもしれない。しかし明らかに事実とかけ離れた事を本気で信じ込んでいるうどんげは永遠亭に保護される結果となった。永遠亭における長年の生活でうどんげの心身は癒されていった。しかし精神に余裕が出来ると今度は敵前逃亡に対する罪の意識が膨らんでいった。永夜異変のきっかけとなったあの通信が戻らねばと思うあまりに吐いた嘘だったのか、幻聴だったのか、月の"帰って来いレイセン"との呼びかけを歪んで受け取ったのか、それはわからない。
     永夜異変後、過去の全てを考えないようにして生きるうどんげであったが、閻魔の説教後に月との通信を決行する。月の"正しい情報"を聞くうちに自分の記憶がおかしくなっている事にも気付いていった。ならば自分の記憶は封じて周囲に合わせるしかない、うどんげはそう決心した。たとえ死神に周囲に合わせる心の病に冒されやすい気質だと指摘されても、死後は普通にあの世に行きたいとの願いを夢は持っておくんだなと切り捨てられても、自身の記憶は封じて周囲に合わせる、そう決めたのである。自身の記憶を共有できる相手など世界の何処にも存在しないし、何処の異世界にも存在しないのだから。うどんげは罪の意識を抱きながら生活していても戦場の悪夢にうなされることは無かった。本人も疑問に感じていたのだが、それはうどんげの記憶が夢魂の見る現実になり得ない完璧な虚構だったからである。
     
  4. Battle Doll
     "使っちゃだめ、何が起こるかわからない、使ったら次に繋がらない"…紺珠の薬が取り返しのつかない変容をもたらすモノであり、そんなものをあっさり処方するとしたら。そのような薬師の下に何十年も居たうどんげに似たような薬が処方されていないなんてことがあり得るだろうか。
     うどんげは幾度もの投薬によりすっかり変容していた。勿論、穢れに触れて開く優曇華のように変化を求められたうどんげには蓬莱の薬は投与されていないが、かつての支離滅裂な思考や記憶は無くなり、数十年ぶりの帰還や再会に際しても昨日会った様に小揺るぎもしない。永琳カスタムのBattle Doll、それが今のうどんげである。元より月人の道具であるし永琳にとっては自然な行為である。そして他の自機達もまた妖怪や人や魔術師らにカスタマイズされたBattle Dollである。
     さらにDollをカスタムする者達もまた誰かにカスタマイズされるDollなのかもしれない。例えば明日、永琳にウサ耳が生えて彼女もまた兎であり道具であったことが明らかになる、そんなこともあるかもしれない。そうなったところで恐らく何も変わりはしないだろう。
     
  5. 野獣うどんげ
     戦闘中、うどんげの耳はストレスでよれよれです。普段でも大抵よれよれしています。ところでストレス反応とはアドレナリンなどを分泌し、身体を闘争もしくは逃走に適した状態にすることと言います。ある意味うどんげは野獣に近いと言えましょう。そんなうどんげにとって強く管理されている上に秘密と噂塗れの月の都は大変なストレスでした。うどんげの精神操作能力は生き残るべく自己に働いて周囲と合わせた人格を形成し、野獣の本性を覆い隠しました。
     人類の月侵略の噂が広がり情報統制が強化されるとうどんげのストレスはますます高まり、今いる場所からの逃走を激しく欲しました。猛烈な欲求により飛び交う不確かな情報から逃走せざるを得ない状況の妄想が作られ、表の人格は妄想に飲み込まれていきました。そしてついに月から逃走します。行き場は地上しかありません。
     地上が人類の世界であること、そして人類以外も住んでいる幻想郷があることは噂に聞いていましたから火事場の馬鹿力で幻想郷を察知して入り込みました。兎は社会性の動物、故に妖怪兎を追い竹林に入り、気がつけば謎の二人の前。本能的に逆らえぬ相手であることを察知したうどんげは二人の元で暮らすこととなります。
     永遠亭の暮らしは月よりはストレスの少ないものでしたがそれなりにストレスもあり、また月に連れ戻される恐れも潜在的に抱え続けていました。そんなある日、玉兎通信が強制的に入ります。それは玉兎からのものだったのか、(永琳がやってみせたように)月人からのものだったのか。激しいストレスと歪んだ妄想から月に帰ると言い出しました。実の所ただただ今いる場所から逃走したかっただけですが。実は月人だった二人の都合により月に帰ることはありませんでした。実際月に帰ってたらどうなっていたことやら。
     その後、永遠亭は解放され、また月に連れ戻される恐れも減りました。変化のある日常に時には闘争など色々体験するうちにある程度ストレスは落ち着いてきたようです。野獣の本性と長年現実を生きてきた表の人格が止揚されつつあるようにも見えますが、今後どうなるかはわかりません。
     
  6. ルナティック亡霊
     永夜抄から間もなくの頃、月で最後の決戦が行われ、月は滅亡した。だが月の魔力を奪おうとした瞬間、罠が発動し月侵略軍は滅亡した。抜け駆けを恐れて主戦派がみな月に居たものだから全滅した。政府からすれば厄介者が一掃されたわけである。
     さて月が滅んだのなら、縁起(求聞史紀)の通信から始まるその後の月は一体何か。それは亡霊であった。罪の意識と地獄落ちの恐怖に苛まれるうどんげは何の抵抗もなく亡霊に取り憑かれたのである。そして月に関わった者共はみな月の亡霊に取り憑かれおかしくなっていくのである。永琳と輝夜は元々月の使者の亡霊に取り憑かれていたのでこの事態に対処しようもなかった。
     幻想郷の主だった者共はもうすっかり月の亡霊に取り憑かれてしまった。こうなってしまっては祓うのは難しい。殊にうどんげは見殺しにした仲間たちが皆亡霊になったなどという事実を今更受け入れることは出来ないだろう。
     
  7. 世界は可能性で出来ている
     月の民は地上に居た頃から世界が可能性で出来ている事を知っていた。そして確率の収束を操作する方法も掴んだ。僅かな可能性を現実に確定する、例えば豊姫や永琳がやってみせたようにワープの可能性が微かにあればワープ出来るのだ。
     このような月人達からすれば戦いが始まる前に逃げ出した筈のうどんげが起こり得ない大戦争の最中から逃げ出したことを偽りなく証言しても、別の可能性が収束したまでと当然のように考えるのだ。
     何故月に居た時と幻想郷で収束した結果が違うのかと思われるかもしれない。これは結界というものが内部の確率の収束を操作する仕組みであることによる。幻想郷の噂を聞きつけ、なんとか入り込んできたという証言からも分かるようにうどんげは結界を強引に突破してしまった。結果、結界の外とは全く違う可能性に収束してしまったのである。
     このことは今では永琳も輝夜も承知している。うどんげにも世界が可能性で出来ていることは教えており、うどんげも何も言わないのでうどんげ自身も過去の体験と現在の通信内容の違いを当然の事と承知していると考え何も言わないのである。
     だが永琳の科学的うっかりミスにより重大な問題が見過ごされていた。たしかにうどんげも理屈では事態を理解していた。しかし玉兎通信で自分の中の収束結果と異なる世界を日常的に見せられ続けている内に心が徐々に平衡を失いつつあるのだ。まずいことに自分の都合で性格を変えられるので心の奥底の変調を隠し通してしまえるのだ。近頃のうどんげがやけに前向きに見える裏ではこんな危機が進行しているのである。
     
  8. シミュレイテッド・ラビット
     科学者達が今後数十年内の純狐襲来を予測した。永琳不在の今、如何に対処すべきか。永琳の遺産たるスーパーコンピュータ"オモイカネ"によるシミュレーションが繰り返される。。だが、誰が何をやったとしてもはじき出される答えは破滅。結局、なんとしても永琳探し出し、巻き込む以外に月の都の破滅を避ける方法は無いと判明した。狂気に対抗出るのは狂気だけということなのだろう。
     純狐襲来シミュレーションのシナリオの一つに純狐の侵略を地上の侵略と欺瞞する展開があった。結局は破滅的な戦いになるのだが、ここで一つの不具合が発生した。シミュレーション精度が一部で過剰となり、登場人物の一人が実体化してしまったのである。神の行うシミュレーションは現実そのものになりやすいが、都合で世界を作ってみて用がすんだら消去するなど倫理的に赦されない。という建前だがより重大な問題があった。現実そのものとなったシミュレータは穢れを盛大に撒き散らすのだ。よって現実そのものにならぬようにシミュレーションの精度は抑えられている筈なのだが、過負荷で過剰精度が発生してしまったようだ。玉兎兵である登場人物「レイセン」は戦いから逃亡して地上に降り立ったのだが、地上に存在する妖怪の作った結界に触れて完全に実体化してしまった。驚くべきことにレイセンはそこに隠れ住んでいた永琳の元に保護されていたのである。
     レイセン(うどんげ)は閉ざされた竹林の中の永遠亭で穏やかに生きていた。しかし心身が回復して時間が経つにつれ月の戦いに戻らなくてはと思うようになった。保護してくれた(かなり怖いが)親切な二人の地上人に月から連れ戻すと言われたので戻らねばならないと嘘を吐いた。しかしその結果は大変なものだった。保護してくれた親切な地上人はかの八意XX様と蓬莱山輝夜だった。月には返さないと決められ月は偽物とすり替えられ竹林の外から人や妖怪が殴り込むといった有様だった。これが切欠となって月は幻想郷の永琳を認識し、紫の月への干渉も再開されるなど事態は動き始めたのである。
     月がうどんげを認識したのもこの時以降である。永琳を巻き込むにあたり利用出来るであろううどんげの処遇も決められた。シミュレーション上のうどんげの元データはうどんげ生成の十年ほど前に行方不明になったレイセン(初代)である。多少いやかなりの齟齬はあるもののうどんげはレイセンとして扱うと決定し、綿月姉妹や玉兎兵などレイセンと関わりの深い者達についてはレイセン=うどんげを疑わぬよう軽度の精神操作を施した。まあ多少疑ったとしても本当に怪しく感じたことには深く突っ込まないのが月の住人というものである。
     永夜異変以降、全てを忘れようとしていたうどんげはそれを閻魔に咎められ、勇を振るって月と通信を行う。結果、月は無事と知ったが同時に自分の記憶とはあまりにもかけ離れていると知った。以来、うどんげは今の月が本当で記憶は何かの間違いだと思い込もうとしたり逃げた後ろめたさを働いたり戦ったりすることで打ち消そうとしたりしながら今日まで生きている。
     
  9. ―都市伝説―歴史は書き換えられる
     一羽の玉兎兵が戦乱の月を脱出する。月側は兎を追わない。それどころか地上側に捕捉されぬよう密かに保護する。兎の耳に玉兎の噂を装って地上に人間以外の者が住む幻想郷があることを流し込む。兎の意識が未だ見ぬ幻想郷に向くと兎の身体は幻想郷へと向かった。あの兎の能力ならば幻想郷の結界は突破できる。兎は幻想郷の兎を追って竹林に入り、間違いなく賢者の住む所に定着したことが確認された。
     兎が完全に賢者の元に定着した頃を見計らい、地上の玉兎レイセンの情報を事実を知らぬ軍の一部にリークする。リークされた部署はレイセンの能力の高さを知ると回収を図る。だがレイセンを回収せんと通信を送り込むと幻想郷が旧き幻想郷にすり替わってしまった。こんなことが出来るのは賢者永琳だけだ。永琳相手では回収を断念せざるを得ない。程なく術は解除され、隠れ住んでいた賢者達と幻想郷の者共との交流が始まったことが観測された。交流が始まると兎が戦乱の月からの逃亡兵であるとの噂も広がっていった。特に縁の無い騒霊から悲しい境遇と言われるまでに広まっていたのである。
     閻魔に説教されたレイセン(うどんげ)側から月に向けて通信が飛ぶ。ここで一世一代の欺瞞をぶちかます。うどんげに対し戦乱? 何を言っている、地上側は基地一つさえ作れなかった、おまえは事が始まる前に逃げ出したから知らないのだと言い切った。うどんげの知り合いの生き残りを洗脳して地上は惨敗したと伝えさせた。初めは混乱していたうどんげも月の無事と言う都合の良い話に縋り信じ込み周囲に話した。元々月が戦争で地上に追い詰められているという話は結界の外から漏れ伝わるアポロ計画の話とはそぐわないし、月が妖怪の総力を打ち砕いた科学技術の都であるという幻想郷の伝承ともそぐわない。うどんげが月は無事だったんだと話すと幻想郷の者共もそうだったのか、何かおかしいとは思ってたとあっさり受け入れたのである。
     こうして"地上は何も出来ず月は無事"という話が幻想郷に広がると月の情勢は書き変わり、地上軍は消え失せて平和な月の都が蘇ったのである。鮮やかな月の逆転勝利であった。こんなことが可能であったのは地上の月侵略が完全な秘密作戦だったからである。地上の外界で月面戦争が広く知れ渡っておればオカルトボールがあっても幻想郷の噂を書き換えるだけでは事態を引っくり返せなかったであろう。だが地上側が月侵略を広報して合意を取り付ける見込みは無かった。
     
  10. 巡る世界
     東方世界は何巡も回り続ける。そして各々の東方作品はそれぞれ別のループの記録なのである。それどころか各々のルートが別のループの記録ということもある。東方がシリーズに見えなくもないが繋がってないようにも見えるし絵柄もバラバラなのはこれが原因である。うどんげの場合、過去の影響が強い上にその過去に関わる事柄(月)が別作品中に出てくるためにループ毎の差異が目立ちやすいのである。
     ならば特定のループの連続した記録は無いものかと思われるかもしれないがそんなものは無い。
     
  11. 地上の兎
     新たな異変が起こり、新なボスといつも通りのやりとりが行われる。「私は地上の兎よ」その瞬間何かが発動する。

     私の名はレイセン・優曇華院・因幡。この名は永琳師匠に仕えることになったときに頂いた名前である。かつての私は竹林に住む一羽の妖怪兎だった。私は月を見るのが好きだった。見過ぎるとおかしくなるよと言われても構わず見続けていた。そのせいだろうか。ある日、月から月の兎の声が聞こえ始めた。目を合わせた仲間の様子がおかしくなった。直ちに永遠亭に連れ込まれた。私は月の兎-玉兎の力を持ってしまっていた。その日から永遠亭の月人-永琳師匠と輝夜様の元で働くことになった。大変な事になってしまったと思ったが今はこれで良かったと思っている。
     師匠より月の兎の声を聞き伝える仕事を仰せ付かった。しばらくは何事も無かった。ある日いつも通り満月を見て耳をそばだてると月からメッセージが飛び込んで来た。お前は逃げた玉兎だな、直ちに月に戻れ、逃げても連れ戻すぞ、と。仰天した私は直ちにこのことを師匠らに伝えた。永琳師匠と輝夜様は月からの逃亡者である。二人をよく知る私が月に捕まっては困るし、追手が竹林に来ても困る。師匠がとった手段は地上の密室化だった。月を(月から見れば地上を)挿げ替え、追手を来れなくしてしまう。しかし月を挿げ替えたことから竹林の外の妖怪達からクレームが入り、地上密室化は諦めて幻想郷を囲んでいるという結界に頼ることになった。残念ながら2年も経つと結界は月からの侵入を許してしまい、妖怪兎のリーダーたるてゐの力で永遠亭を隠す状況になってしまったが。幸い私が逃げた玉兎ではないことが伝わったのか、連れ戻すという話は無くなっていた…
     こんな昔の話を思い出したのは今朝の夢のせいだ。私が本当に月から逃げた玉兎だったという内容で地上に侵略されつつある月から敵前逃亡して竹林に隠れ住み、最後の決戦に参加せよと命令されたり、同じ月の兎同士で争ったり、随分と壮大で真に迫った夢だった。すっかり目が覚めても有り有りと夢の中の情景や心情が思い出される。けれどもそうやって思い出してみると、最後の決戦の後の月は随分平和なようで地上との戦いも月の一方的勝利で私の逃亡も戦争前のようだし、大体結界があるならどうやって私は幻想郷に来れたのか、入れたならその程度の結界に一時でも頼る気になったのか。夢の中の私は逃亡の罪悪感や地獄落ちの恐怖に苛まれることもあったが、今なら思い付く疑問点に対してはそれを疑問とも思ってないようだ。夢はもう一つの現実と聞いたこともあるが、やっぱり夢は所詮夢、論理も何も無いものとしか思えない。

     どうやら世界は修正されたようである。随分大規模な修正となったが、放置すれば破綻を招くし、ちまちました辻褄合わせは却って通らないので仕方がない。
     
  12. プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神が幻想入り
     かつて閉ざされた永遠亭に匿われていた頃のうどんげは自分が何を仕出かしたのかについて疑問を持つことは無かった。だがあの永夜異変のきっかけとなった通信を受信して以降、閻魔・死神との邂逅や玉兎通信、妖怪達の月面戦争、純孤襲来など何か起こる度に月で何が起こって自分が何を仕出かしたのかが分からなくなっていった。結局世界は絶対者の意のままに作られているのではないか、死後地獄に堕ちるか否かも己の行為や意思に依らず絶対者の意思で決まっているのではないかと思うようになっていった。
     地獄に堕ちるか否かが己の行為や意思に依らないのであれば気ままに行動してもよさそうなものであるが、そうはならなかった。地獄堕ちの恐怖から逃れるために「地獄に堕ちない者ならば(因)、善行を行うはずだ(果)」という、因と果が逆転した論理を生み出した。かくてうどんげは真面目にやるのみならず"自発的に"異変の解決に乗り出し、さらには命令された薬売りに止まらず良質な商品を人々に提供したのである。
     そして自分が善良であるかのように調子に乗りそうになると何処からともなくこんな声が聞こえてくる。お前は決して優しい性格ではない、全て自分の都合で性格を変えているだけだ、普通にあの世に行きたい? 夢は持っておくんだな、と。かくて当面の安心を求め続けて労働その他に励むうどんげであった。
     
  13. 永夜通信の謎
     間近に迫る戦争の噂にレイセンは恐怖した。ある日、気がつくとレイセンは羽衣を纏って地上にいた。そしてここが隔離された土地"幻想郷"であると思い出した。自分は戦争を恐れるあまり月を抜け出し何処かで聞いた幻想郷に逃げ込んでしまったのだと納得した。但し、何処で幻想郷を聞いたのか、幻想郷にどうやって入り込んだのかは実際には全く記憶していなかった。後に自分が入れたにも拘わらず幻想郷に月の使者は入れないと聞いて安心するという奇怪な反応を示したが、一つにどう入ったかを全く記憶してなかったからである。安心を求めるあまりロジックが疎かになったというのもあるが。
     兎を追って竹林に入ったらあれよあれよという間に謎の二人の前に引き立てられた。相手が何者であるかも分からなかったが逆らえぬ相手と直感し、説明を求められると経緯を語った。しかし戦いの前に逃げ出したことをみっともなく後ろめたく感じていたので戦争の最中に逃げ出したと話を盛ってしまったのである。実際、戦争が始まると思い込んでいたから話は真に迫っていた。そのせいか特に追及されることは無かった。頭の可哀想な子と思われてただけかもしれないけど。そしてレイセンは鈴仙・優曇華院・因幡となった。
     平穏な永遠亭の生活でうどんげは一見戦争のことを忘れたように暮らしていた。しかし30年程も経ったある日、月から最後の決戦が始まる、戻れと通信が入ったのだ。「一緒に居ると思われる地上人に伝えてくれ」等と妙にうどんげ側の事情に通じているようだが、動転したうどんげが漏らした情報に応じて伝えた言葉である。逃げた後ろめたさもあってこれまで何処かで月は無事かもと思ってたうどんげであるが、全然無事じゃないと聞いて観念し、二人に月に戻らねばと伝えた。しかし二人は地上人ではなくかの八意XXと輝夜であった。二人の事情に引きずられ、だって戻れないんだ、どうしようもないんだと半ば安心し思考停止して言われるままに動いたのである。
     異変までは月がどうなっているかは分からなかった。しかし今や月は不利な状況に追い込まれ最後の決戦が行われたらしいと聞いてしまった。後ろめたさから逃れようと二人に従い月のことを一切考えないようになった。後ろめたさから過去を無いものとする、これでは地獄落ち確実であり、閻魔にとって放置出来るものでは無く説教の対象となったのである。なおこの際問題はうどんげの魂であり、月の実態がどうだったか等は考慮されていない。
     悩んだ末にうどんげは月との通信に踏み切り、そこで月と地上の戦争は地上の惨敗だった、地上の科学力は月面基地建設すら失敗する程度でしか無かったと聞かされた。うどんげは心底安心した。永夜の通信や閻魔の説教と合わない部分はきっとみんな何かの間違い・思い違い・方便だったのだろうと思考停止した。何しろうどんげは安心を求めていた。そうして安心しきっていた時に死神からキツイ言葉を貰った。そうだ逃げたことに変わりはないのだとまた後ろめたくなったうどんげは異変解決やサービス提供等に動くようになったのである。

     さて、結局あの永夜の通信はなんだったのだろう。統合失調症患者の妄言だったのか。「月は危機に瀕している、上層部は真実を隠している」と考えたカルト集団のメッセージだったのか。だが何れでも無かった。うどんげが羽衣一つで失踪したのは40年も前。幻想郷に現れるまで10年はどうなっていたのか不明。知る者が存在するか否かも不明である。そしてうどんげ失踪から40年、玉兎達は地上との戦争の噂に怯え続けていたのである。想像を超えた科学力を持って月の魔力を奪う地上軍との不利な戦いと不利な交渉の噂が延々と続き、玉兎社会は重苦しい雰囲気に包まれた。戦いから戻らない兵、月を見限り逃亡する兵の噂も絶えなかった。そして遂に最後の全面戦争を仕掛けるとの噂が月を席捲する。そして高い能力を持っていたというレイセン(うどんげ)に帰還のメッセージを送ると言う指示が基本的な文面とともに月の民より玉兎に下されたのである。永夜の通信は「我々月の民」からのもので玉兎が勝手に内容を騙ったわけではなかったのである。
     メッセージは伝わったように見えたが、その後の動きは無く、焦燥にかられる玉兎達に「戦争は我々の全面勝利」との知らせが唐突に伝えられた。そもそも地上の科学力は余りに低く勝負にならず、月面に基地を作ろうとして悉く失敗したというのである。玉兎達はああ良かったこれで安心だという顔をした。この40年は何だったんだと表立って口にするのは憚られた。月人が説明しないということは理由を知れば消されかねないということだ。それが玉兎一般の考えである。事態に関わった玉兎から玉兎通信に漏れた情報が無いとは限らない。だが玉兎通信には月人は真の危機を隠すために偽の危機を演出していたとか玉兎をコントロールするために危機を演出していたとか、確認しようもない情報が溢れている。それらを弄んでる内は月人も何も言わないだろう。だが真実を見つけたと信じてそれが図星だったら。玉兎通信であっても玉兎だと思ってた相手が月人だった、そんな噂も絶えないのである。
     40年間を無かったことにしようとしている玉兎社会に突然レイセン(うどんげ)からの通信が届く。当然のように40年間のことも永夜通信のことも無かったこととして月は平和だし戦争は地上の惨敗だったと伝えた。うどんげもしばらくは戸惑っていたがすぐに慣れたようだ。逃亡した後ろめたさもあって地上での暮らしが結構幸福だったとは言いにくいうどんげであったが、それを差し引いても穢れた地上の僻地でかの八意XXと輝夜の下に仕えるという状況を羨ましがる玉兎は滅多にいなかった。不満が月人に向くこともあり、うどんげに悪意が向くことは無かったのである。
     
  14. パラレルクロス
    「パラレルワールドって言葉が誤解を生むわね。本当はねじれの位置にあるかも知れないのに。」
     紫に勝った時のセリフであり単なる知識自慢のようにも見えるが、ねじれたぁどういう事か。別の世界が並行に無関係にあるのではなく、接近して関わりそして離れて行く様を意味している…?
     何故そんな発想に至ったのか。それは自分の過去の記憶と自分の周囲、つまり幻想郷や月の都との辻褄が合わないから。そう、うどんげは(自分から見て)世界が挿げ変わってしまっているかもしれないと感づいてしまっているのだ。
     他人に喋っても仕方のない理解されそうにも無い話ではあるが、周囲の者達の中では理解しそうな幻想郷の管理者・紫に投げかけてみたわけである。無論、マトモな答えが帰って来ることを期待したわけではないけれど。
     
  15. 中二病戦士鈴仙とスーパーサイコドクター永琳
     世の中には自分は本当は魔王や天使なのだと信じることのできる中学生が少なくないといいます。それと比べれば自分は戦場から逃れた逃亡兵で祖国から直々に帰還命令が下ったと信じる娘がいたとしても驚くほどのことでも無いのかもしれません。玉兎は嘘吐きで純粋で信じやすいと月人達は考えています。突拍子も無い事を言い尚且つ本気で信じてる様子の玉兎を見ての感想ですが、我々の知る概念に当てはめるならいわゆる中二病と言えましょう。所詮たわいないものですし、偶に知ってはならないことを知って消される玉兎もいますが与太話の中に紛れてしまうので月人にとっては便利な性質なのです。
     まあいくら中二病といっても体験したことも無い戦いを体験したと何十年も信じ続けた挙句にありもしない帰還命令を聞くようなら流石に病院に行くべきでしょうが…鈴仙は偶然にも永遠亭という隔離病棟に入っていたわけです。強力な能力者の精神病者なんてどう扱ったら良いやら凡人には見当もつきませんが、永琳は物凄い能力と物凄い狂気を併せ持つ純狐に対処し続けた実績もあります。望みうる最高の人材と言えましょう。月に帰らなくてはと言いだして単純に閉じ込めるのが困難な局面では盛大な魔術をぶちかます等、難無く対処していきます。その後も鈴仙はずっと病院に居ますが、今は治ったのでしょう、多分。
     
  16. 噂のレイセン
     レイセンは地上に逃げた、という(定説化したが実のところ大した根拠の無い)噂が具現化したのがうどんげである
     噂は色々なパターンがありしばしば現実離れしていた。そんな噂から生まれたうどんげは逃げたレイセンとは違ったところもあり、記憶も奇妙で非論理的な部分があった。しかしレイセンであると信じられて生まれたうどんげはレイセンそのものであるとも言える。幻想入りした存在の相当部分はそのような元の存在とは違っているが、しかしそれそのものとしか言いようがない、そんな存在なのである。
     だいたい玉兎自体、反乱とか起こさない安全な下僕が欲しいという月人の願望を地上の月の兎伝説を利用して具現化したものだし、自己認識と実際の過去がズレているのも珍しくは無い。その意味では元のレイセンとうどんげが存在として大して違うわけでもない。
     さて、その元のレイセンだが…哀れデブリに当たって死んだのか、知ってはならないことを知ってしまって消されたのか、地上の何処かに潜んでいるのか、それとも月の住人には想像もつかない何処かにいるのか。純狐らの知っていた月の兎は、あるいは逃げたレイセンであったのかもしれない。
     純狐と知り合ったヘカーティアが月について話し込んでいる内に二人ともかの月の兎というものを一度も見た事が無いことに気付いた。月の都というのは大変に閉鎖的で秘密主義な国であるようだ。調べる内に月から逃げ出した玉兎と思しき者を見つけた。その者は普通(?)のオタク女として暮らしていた。中々の容姿ではあるが落ち着くからと言って普段からうさ耳ヘアバンド(動く)を着けている一寸イタい娘、それが周囲の認識だった。純孤とヘカーティアは月の都の事を持ち出してみたが彼女は何も知らない風だった。彼女が月から逃げ出した兎である証拠を突き付けてみると知らない、何も知らないと頭を抱えて騒ぎ出した。仕方がないので去って様子を伺うと彼女は一連の出来事を全く忘れた様子で普段通り過ごしはじめた。二人は驚き呆れ、このような者が何の脅威にもなる筈が無いと得心したのである。
     
  17. VR共同幻想
    時は2020年代。
    地上の監獄である悲しみの惑星テラは、今、破綻を迎え様としていた。年間9000万人増え続ける人口と、恐怖大魔王の浄玻璃の鏡による精神断裁が招いたイキリト狂徒の暴走(インターネットによる狂気の感染)、環境破壊、備蓄資源残量、宇宙開拓という名の侵略事業の技術的行き詰まり...。腐敗した資本主義による個人間でのマウンティングという名の穢れ無きバトルロワイアル。
    上記の混乱を招きながらも、それを最早コントロールする事もままならないまま慌てふためく支配者層達。世界の密度は凝縮し、今まさにノストラダムスの終末預言はラグりながらも成就しようとしていた...。

ただ一つ、全てのカオスベールに包まれながらも、いつでも何処でも見え隠れしていた事実があった。
人間は水と食料がなければ死ぬ。
しかし、今現在足りないし、これからはもっと足りなくなる。
かくして、最後の審判は決定された。
2018年、google社はGoogleマップの3Dデーターを元にしたオープンワールド形式のゲーム開発の支援を発表。
これは、後にインターネット上で集まった有志の手により、非公式の製作ツールが開発された事もあり、VR機器との連携による、文字通りの仮想現実ライフの構築の橋掛けとなる。
ある東方二次創作ゲームを幾つか手掛けてきた某サークルは、Googleがマップデーターの提供を発表した直後から、仮想現実上に文字通りの幻想郷を作り、VR機器を用いて、幻想郷の住人になりきる、若しくは幻想入りを行うという、東方二次創作史上前人未到の神境地に達するべく、密かに製作を開始した。

ゲーム開発進める中、最大の問題はその開発コスト。幾ら発想が素晴らしくても、幻想郷そのものを舞台としたオープンワールドゲームは、やはりサークルにとって荷が重かった。そこでインターネット上で資金援助を求めた所、外資開発系企業からお声がかかり、共同開発の申し出が出された。
サークル長の彼は、不審に思うどころか、それをSNSで声だかに自慢した。当然炎上はしたものの、それがきっかけとなり、東方project原作者が興味を示し、監修を務めるまでに話が大きくなった。

それから5年後の2023年。
東京オリンピックで世界的な注目が集まった事もある為か、不自然とも言える程、東方VRオープンワールドへの資金援助は滞りなく進み、最初期に開発に関わっていたサークル長や東方project原作者では最早、全貌が把握仕切れない程、projectは巨大化し、人口知能開発チーム、心理専門家や医療関係者まで一枚噛む様になった為か、開発原初から想定していたものとは別物、否、全く別格的クオリティにまで仕上がっていた。

ゲーム内では現実世界と大差ない感触と互角、そして快楽。 そう、遂に幻想郷は全世界に張り巡らされたインターネット網とリンクし、共同仮想現実世界の最初のモデルケースとして産声を上げた。
そこでは自由だった。現実世界での1秒が1000年に該当し、飢えや死も、半永久的に存在しない。あるのは曇り一つない、都合の良い快楽。 抗い堅し、いや抗いすら必要のない楽園を築いた人類は、現実世界を旧世界と呼び捨て、デジタルの安息子宮へと眠りに入って言った。
肉体の半永久制限は、脳内情報のデジタル化によって、取り払われ、データーを引き抜き終わった肉体は秘密裏に有機肥料として再利用された。それは超人工世界知能、Yakumoによって迅速に行われ、2069年の時点で、世界総人口の97億における78%の任意よる移住接続を達成。脳データーのデジタル化率は44%まで完了した。
東方新世界の 元開発プロジェクトリーダーで、2047年から全世界指定テロリストとして追われていた✖✖氏は、2078年旧ワシントンDCの地下抵抗組織団体の拠点となっていた最深部にて確保され、"S級記憶処理"を施された上で、プログラム哨戒セキュリティー"REISEN01"の役割が与えられたが、突然イレギュラーによる編集記憶データー77にエピソードのバラつき、改変が認められている。
外部からのハッキングが疑われているが、レジスタンス組織そのものは、2075年ニューアーク決戦にて、壊滅しており、その後3年間に及ぶ重点的な残党処理により、構成員は1人のもれなく処理及び確保されており、第三者介入による改変の可能性は、心理プログラムセキュリティー"SATORI"によって否決されています。

  • やっぱりうどんげの正体は野獣先輩だったんですね~たまげたなぁ・・・ -- 2016-04-12 (火) 04:41:32
  • これだけ沢山の説があるとは・・・もしやうどんげは野獣先輩である可能性が微レ存? -- 2016-03-27 (日) 07:14:20
  • SS保管庫じゃねえかw -- 2015-12-24 (木) 19:52:57
  • ついに100を超えてしまったか・・・目指せ!114514! -- 2015-09-17 (木) 10:14:32