東方儚月抄 ~かぐやたちの夜XX 第二次月面戦争の真相~

Last-modified: 2023-07-20 (木) 12:43:13

【発売未定】上海、前作より2年、物語は遂に完結する!?
「東方儚月抄 ~かぐやたちの夜XX 第二次月面戦争の真相~」

 

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本作は書籍「東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue. 」の二次創作ゲーであり、第二次月面戦争(儚月抄)開始から物語が始まる。
永夜異変から2年、第一次月面戦争を経験した登場人物が、再び月に戦いを挑む。
戦争の理由はリベンジの為、好奇心の為、自身の為、さまざまな思惑が新たな異変を呼ぶ。穢れなき戦い、そして絶望的となる理解、
その真相の全てが本作で明らかにされる。シナリオを担当するのはZUN&比良坂氏、キャラデザインは秋☆枝氏と、
書籍のまったく隙がないタッグで物語は遂に無血勝利の完結をみる。

 

本作は儚月抄同様、複数主人公制を採用している。儚月抄でおなじみである「八意XX」様の
深いお考えだけでは犯行の真意にはたどり着くことはない。
物語の流れは、主人公たちの行動を管理しつつ、ストーリーを追っていく形となる。
ある時は時間をさかのぼり、主人公に違う選択肢をとらせてみたり、
ある時は主人公を切り替えてお互いの進行に干渉させたりと、プレーヤーは場面場面で自らの風流感覚を研ぎ澄まさなければならない。
行動のひとつひとつが、他の主人公や登場人物の行動に深く影響するので、単純に選択肢を手当たり次第に依姫無双していくだけでは、
戦争の真相を突き止めることはできないということになる。

 

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また、前作をプレイしていない人でも本作を楽しめるようにと、「東方永夜抄」、漫画「東方儚月抄」のシナリオが収録されている。
これにより、未プレイ&購読の人には予習として、過去にプレイ&購読したことがある人には
復習の意味で過去の物語を楽しむことができるという、まったく隙がない仕様である。

 

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フェムトチャート画面
 ゲームシステムは東方シリーズ初のサウンドノベル形式であり「文章を読み進めつつ分岐点で選択肢を選ぶ」を繰り返し、物語を進展させていく。
物語はプロローグからはじまり、最初の主人公である「八意XX」がスタートする。その後は、条件を満たすことによって選択できる主人公が増えていき、
同じ物語(戦争)をそれぞれの視点で進めていくことになる。各主人公の行動(選択肢の選び方)は、
他の主人公や登場人物の行動に影響を及ぼすので、プレーヤーは「フェムトチャート」で各主人公の行動を把握・管理し、
物語の正しい道筋を見つけていくことになる。

 

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『かぐやたちの夜XX』について比良坂氏が語る!

その1

――今回、ZUNさんが大枠のプロットを考えられて、それを比良坂さんがシナリオとして書き起こしているということなんですが、
なぜこのような形で制作することになったんでしょうか?
比良坂 まず『儚月抄』の連載が終わった時点で、いろいろ反省点も多くて、悔いが残る部分もあったので、
ZUNさんのほうに「また同人で作らせてほしい」という話をしたんですね。そのときに、ZUNさんのほうから3つ条件が出されました。
ひとつ目が月が舞台であるとか、登場人物、あとは住民税というか忘れられない恐怖ですね、それを使って『妖精大戦争』より風流にすること。
もうひとつが秋☆枝さんにキャラデザインしていただいて、ボウゲッシャーが喜ぶようなミステリーにするということ。
それで3つ目というのが、儚スレで、犯人が誰だか分かりきっていても楽しめるようにしなさい、というのがあってですね。
――難しい注文ですね(笑)。
比良坂 その仕組みができあがってから秋☆枝さんに相談するようにというような条件があって。それで私のほうで、
ある程度シナリオと仕組みというのを組み合わせたようなプロットを作った、ということが始まりですね。
――儚スレで犯人が誰だか分かりきっていても楽しめる仕組みというのは、どんなものなのでしょうか。
比良坂 厳密にそれをできるようにするというのは、水を斬るより難しいとは思うんですけれども、
ある程度をそれを実現させるような仕組みとして、ひとつは複数主人公にするということを考えました。
それともうひとつが、犯人を、ひとりにしないで複数にする。複数の犯人と複数の主人公が絡み合うことで、
複雑なシステムを作って、ひと筋縄では解けないというか、ゆっくりしてる場合じゃないですよ!、
と説明できないような仕組みにした、という感じですね。

その2

――-登場人物同士の疑心暗鬼”がひとつのテーマになったということでしょうか。
比良坂そうですね。ただ、「東方」シリーズには非常に大きな問題がありまして。それは登場人物たちが新キャラを除いた全員顔見知りということなんですよ。初対面だったのはだいぶ前なので、“この人、一見いい人風だけど……”といった疑心暗鬼にとらわれるようなシーンが作りにくいんです。そのため、身近な人を疑わせるために、それぞれの主人公の内面を掘り下げて、心理描写を詳しくしていく必要がありました。プレイした主人公たちのように、全員が同じ「犬と書いた猫」を「犬」と見ているのかもしれない、と感じることが、顔見知りでも疑心暗鬼を高める有効な手段だと判断したわけです。
――でも複数主人公というシステムは、逆に疑心暗鬼を和らげることにもつながりますよね。
比良坂確かにそうなんですが、そこはもちろん工夫を凝らしてありますよ。例えば、XXが主人公の時、霊夢を犯人だと思ったとするじゃないですか。でも霊夢も主人公のひとりなので、彼女の目線でプレイすれば自分が犯人ではない、ということが光を斬るよりたやすく分かる。しかし、3人目の主人公である豊姫でプレイすると、やっぱりが怪しいように思えてくるといった感じですね。そういう風に主人公間でも疑いの目を持つような伏線が張ってあります。とは言え、やはり自分で物語を追えば安心しますよね。その安心感を逆手に取ったのが、まさに○○○なんですよ。

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『かぐやたちの夜XX』ZUN氏インタビュー

その3

――やはり秋☆枝さんの表現による助力が大きかったわけですよね。
ZUN基本的なプロットは私が考えているとはいえ、“霊夢はけがれいむ”とか、あいまいな指定しかしてないですからね(笑)。それを膨らませてああいう絵に仕上げてくれるのは、やっぱり秋☆枝さんならではですよ。余談になるが、もうちょっと紫強くしなくていいんですか、と比良坂さんから聞かれたこともありますが、月の民には力では敵わないので、(妖怪だから)このくらいでいいんですという感じでしたね。
――霊夢はけがれいむ”と出ましたが、霊夢はとにかく卑劣なキャラクターです。
ZUNカタルシスを持たせたかったキャラクターだったんですよ。だから、とにかくネガティブに卑劣な思考するをキャラクターにしました。プレイ当初はボウゲッシャーの中で一番評判が悪いんですよ(笑)。“すげぇぜ! まるで倒して然るべき妖怪みたいだ!”とか。でも、彼女はハードボイルドな探偵役でもあるんです。最後まで行くと好きになってくれると思いますよ。
――心理描写のほかに力を入れた部分はあるのでしょうか。
ZUN「儚月抄」は秋☆枝さんの漫画でも、式神鴉という犠牲者が出たじゃないですか。「東方」のエンディングでは、設定ですでに死んでいるキャラ以外、犠牲者が出ませんよね。物語りが積み重なった結果として、あのエンディングがベストだとは思っているのですが、犠牲者が出たままで『第二次月面戦争の無血の勝利を』という部分に、どうしてもしこりのようなものが残っていて……あのあと永琳が忘れられない恐怖を刻んでいるとてはいないのではないかと気になってしまうんです。
――秋☆枝さんの「儚月抄」のラストでは、プールで月の古酒で宴会で終わりますよ。
ZUNあれは、少しでもいつもの東方らしくできればという思いからきた、苦肉の策だったんです。でも、失った威厳を取り戻すことはできません。だから、今作ではそれをもう少し補っておきたくて、一番最後に見るエンディングは、あのような画面で終わらせています。
――今回、どちらかと言えばギャグを前面に出したシーンが多いですよね。楽しい雰囲気が続きます。
ZUN戦争という暗さをやわらげたかったんです。その点で豊姫のキャラクター性には助けられました。彼女は何をやっても許してもらえる、といった得な性格をしていますので。豊姫がフェムトファイバーの説明を延々としている時、誰もまったく聞いていないというシーンがありますが、あれは選択している主人公ごとに見え方を変えているんですね。最低4回は同じシーンを見せなければならないことになるので、プレーヤーに飽きられてしまうと困ります。ですから、演出をそれぞれ変えて、ギャグにすることで退屈を打ち消し、面白さを出すという工夫をしているんですよ。
――ちなみに、XXをプレイしただけでストレートに異変を解決することは可能なのでしょうか。
ZUN真実を推測することは容易ですね。ほかの主人公を始めるために、いくつかエンディングを見なければなりませんが、各主人公を1回ずつプレイして「完」になるようできています。その手前までならば、ノーミスでいけるようにできています。ただ、発売前のサンプルの段階ではまだひとりもできていません。でも儚スレには、これを完璧すぎて裏がありそうなくらいに解決してしまうつわものがいるんでしょうね。

(フェム通.comより)