月人=天津神なのか

Last-modified: 2023-07-20 (木) 14:40:50

結論から言うと「史実通りではないものの、扱いは天津神」です。
ただし、「現在STGで出ている『信仰されないと死ぬ神』」ではありません。
あくまで扱いが天津神だというだけです。

根拠1

その賢者は満月が夜の月に映るのを見て、穢れた地上を離れることを決意したという。
海から地上へ、地上から海へ移り住むかの様に、賢者は地上から月に移り住んだのだ。
その方が月の都の開祖であり、夜と月の都の王、月夜見様である。
月夜見様は自分の親族で信頼のおける者をつれて月に移り住んだ。月は全く穢れて居なかった。
その結果、月に移り住んだ生き物は寿命を捨てた。(小説三話)

月人は月夜見の親族。ただし、東方的に月夜見が天津神かどうか明言がないため
疑問の余地は残る。*1

根拠2

豊「フェムトファイバーは切れない紐です(要約)
  遥か昔から不浄な者の出入りを禁じるために使われてきたのよ」
紫「不浄なもの、をねぇ………土着の神様もその縄で縛ってきたくせに」
豊「…そうね。察しのとおり、正確に言うと月の民に逆らう者の動きを封じるのに使ってきたのよ」
藍「紫様 いったいなんの話を……」
紫「古くはしめくり縄と呼ばれ、太陽の神、天照大御神が岩戸に隠れたときに
 再び岩戸に入れないように縄で縛ったのが始まりだと言う。
  それから不浄な者の出入りを禁じるときに使われるようになった縄」
豊「そう、注連縄。これのお陰で月の都は守られている」
紫「注連縄は本当は不浄な者の出入りを禁じるだけの代物ではない。
  神様を封印する役目も持っている
藍「え?」
紫「例えばダイコク様、つまり大国主から国を略奪した天津神
  は大国主の反乱を恐れ二度と出てこられないように神社に封印した」
藍「ダイコク様が封印? ダイコク様って兎たちがいつも歌にしている神様ですか?」
  あいつらのアイドル的な
紫「大国主の神社は出雲にある大社。
  藍は知らないかもしれないけど、そこには極めて太い注連縄があるのよ。
  それは不浄な者の出入りを禁ずるためだけとしては太すぎる……。
  さらにもう一つ太い注連縄をもった神社があるでしょう?」
藍「もしかして、最近山に越してきた神社ですか?」
紫「あそこの神社、本当の祭神は諏訪の土着神だけど…建前の祭神は建御名方神。
  大国主の息子にして最後まで抵抗した武神」
藍「大国主の息子で危険分子…。だからあれほど太い注連縄が必要、と」
(漫画19話)

紫が会話の中で、月人を「天津神」と表現し、豊姫も否定していないし、藍も特に疑問を呈していない。
「土着神を封じる」「大国主を封印する」「タケミナカタが最後まで抵抗する」と、天津神そのものの行為。

結論

①月人は月夜見の親族
②「天津神」と称されている。
③土着神封印、大国主封印など、行動が天津神そのもの
以上から、月人は天津神だと考えられる

注意(天津神≠東方で言う『神』)

天津神≠東方で言う『神』(現在STGで出ている、かなすわや秋姉妹のような神)である。


あくまで月人は「『扱いは』天津神であろう」という話であって、
月人が神奈子、諏訪子のように「信仰が無くなると死ぬタイプの神」*2だという話ではない。
というより、人が存在する前から存在し、穢れぬ土地に住み寿命を捨てたという設定*3がある以上、信仰されないと死ぬかなすわ的な神とは確実に別である。少なくとも月人には「信仰がなければ死ぬ」という明言はないし、信仰を重要視しているような描写も見られない。一応、小説版三話豊姫回で永琳が浦島を神に仕立て上げてはいたが、それっきりである。


以下、さらに補足する

死亡条件からくる違い

神については東方作品中で

早苗は別に信仰がなくても、普通の人間として生活できるから問題はなかったのだが、
早苗が祀っている神様、神奈子はそうはいかなかった。神様は信仰を失うと力も失う。
神徳も出せなくなる。それは神の死に等しい。(早苗テキスト)

という死亡条件が述べられている。
これに加えて

土の中から目覚める蛙も、脱皮を繰り返す蛇も、転生の苦輪から逃れた神に見えたんだろうねぇ。
(小町の非想天則対諏訪子勝ちセリフ)

というセリフと(まあこれ自体は見えたってだけだけど)、
死神から「転生の苦輪から逃れた」とのセリフがあるので、
神は信仰が途絶えぬ限り死なないと考えられる。
要するに世間一般に言う「寿命」はない。


そうすると、そもそも「寿命を捨て」る必要が無いので、月夜見が『神』であるとすると不自然になる。
これは他の月人についても同様。
というより、月人にもわずかな穢れがあるため、月人には豊姫曰く、寿命がある「かもしれない」らしい。

勿論、月の民も月の兎も不老不死ではない為、事故や戦いによって死ぬことはあるだろう。
そうでなくても月の宮都に住んでいる民も、僅かにだが穢れを持っている。
私達だって何れ寿命で死ぬ運命にあるのかも知れない。(小説三話)



つまり、
月人(天津神と扱われる):信仰を必要としないが、一応、寿命はあるかもしれない
(かなすわや秋姉妹) :信仰されないと死ぬが、寿命はない

月人的に、神は同族ではない

また、霊夢が使役した神々は

謀反の噂とは、月の都の転覆を謀る者が居るという不穏な噂であった。
誰が流した噂なのか判らないが、噂が出始めた頃から身の回りで不思議なことが続いていた。
まず、表の月に刺さっていた人間の旗が抜かれて、跡形もなく消えてしまった。
これは、地上から何者かが侵入してやった事を現している。
そして、月に住む神々が何者かに喚ばれ、使役されているとの事。
これが出来るのは依姫くらいである。(小説最終話)

とされている。
つまり、月人から見て、スミヨシ、天石門別命など霊夢が呼んだ神は月に住む神々
という扱いであり、同族ではないらしい。

大国主に対して

紫「注連縄は本当は不浄な者の出入りを禁じるだけの代物ではない。
  神様を封印する役目も持っている」
藍「え?」
紫「例えばダイコク様、つまり大国主から国を略奪した天津神
  は大国主の反乱を恐れ二度と出てこられないように神社に封印した」

と言われているが、まさか月人が地上に住みたがるワケはないので、
前のセリフで豊姫が

豊「…そうね。察しのとおり、正確に言うと月の民に逆らう者の動きを封じるのに使ってきたのよ」

と言っているように、月に逆らったから封じただけで後は放置だろう。
つまり、天津神扱いであるからといって、現実の神話と完全に同じなワケではない。


また、ここから「略奪、とある以上は」
天津神の話は「フェムトファイバーを使用した勢力の一例」とも考えられる。
つまり、月人とは別に「天津神」という勢力が存在し、そいつらもフェムトファイバーを持っている。
大国主封印はそいつらの仕業。
こう考えれば月人と天津神は別である可能性が見えてくるが、
こうまでして月人と天津神を分けなければならない必然性は別にない上に、
まったく描写がない第三勢力(月人じゃない天津神)を想定しちゃうのはどうなのという話になる。

アマテラスについて

「お姉様、鴉は太陽の化身です。月夜見様のお姉様の使いかも知れませんよ」
(中略)
あの鴉が太陽の化身ならば、その足は三本で瞳は赤でなければならない!(小説三話)

という設定がある。
まーた思わせぶりにあえてアマテラスと言ってないけど使う気のない伏線とか
混乱するだけだしやめてほしいマジ勘弁っていうか依姫がアマテラス呼んじゃったからすげえややこしい
コレの考察はゲッシャーじゃなくてブレストスレの仕事だとおもいます。


*1 普通なら「特に言及がないなら、天津神でいいじゃん」で済むのだが、依姫の強さ議論と同様、めちゃくちゃ厳しいので厳密にいかないとダメ
*2 早苗は別に信仰がなくても、普通の人間として生活できるから問題はなかったのだが、早苗が祀っている神様、神奈子はそうはいかなかった。神様は信仰を失うと力も失う。神徳も出せなくなる。それは神の死に等しい。(早苗テキスト)
*3 現在、地上は百年以上生きる事の出来る生き物が殆ど居ない世界になってしまった。しかし穢れが与える寿命の存在に気付いた賢者がいた。その賢者は満月が夜の月に映るのを見て、穢れた地上を離れることを決意したという。海から地上へ、地上から海へ移り住むかの様に、賢者は地上から月に移り住んだのだ。その方が月の都の開祖であり、夜と月の都の王、月夜見様である。月夜見様は自分の親族で信頼のおける者をつれて月に移り住んだ。月は全く穢れて居なかった。その結果、月に移り住んだ生き物は寿命を捨てた。寿命がなくなるということは、生きても死んでもいないという意味である(小説三話)