御茶ノ水 遥

Last-modified: 2024-05-02 (木) 02:49:03

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通常進め!クロック大発進!
haruka.png大発信.png

Illustrator:FAMY


名前御茶ノ水 遥(おちゃのみず はるか)
年齢14歳
職業中学生
  • 2023年12月14日追加
  • LUMINOUS ep.Ⅰマップ1(進行度1/SUN時点で105マス/累計165マス)課題曲「MyPaceInvention」クリアで入手。
  • トランスフォーム*1することにより「進め!クロック大発進!」へと名前とグラフィックが変化する。

「クロック」という名のロボットと一緒に暮らす少女。
外出が禁じられている近未来、倉庫で発見された"伝説のヘルメット"が退屈な日々を変えていく、はずだったのだが……?

スキル

RANK獲得スキルシード個数
1アタックギルティ【LMN】×5
5×1
10×5
20×1


アタックギルティ【LMN】 [A-GUILTY]

  • ゲージブースト【LMN】より高い上昇率を持つ代わりにデメリットを負うスキル。
  • 強制終了以外のデメリットを持つスキル。AJ狙いのギプスとして使うことはあるかもしれない。
効果
ゲージ上昇UP (???.??%)
ATTACK以下で追加ダメージ -300
GRADE上昇率
1180.00%
2180.30%
3180.60%
▼ゲージ7本可能(190%)
35190.20%
101209.90%
▲SUN PLUS引継ぎ上限
126214.90%
推定データ
n
(1~100)
179.70%
+(n x 0.30%)
シード+1+0.30%
シード+5+1.50%
n
(101~)
189.70%
+(n x 0.20%)
シード+1+0.20%
シード+5+1.00%
プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境と最大GRADEの関係

開始時期最大GRADE上昇率
2023/12/14/時点
LUMINOUS
~SUN+309214.70%
所有キャラ

所有キャラ

  • CHUNITHMマップで入手できるキャラクター
    Verマップエリア
    (マス数)
    累計*2
    (短縮)
    キャラクター
    LUMINOUSep.Ⅰ3
    (105マス)
    165マス
    (-マス)
    御茶ノ水 遥※1
    ※1:初期状態ではエリア1以外が全てロックされている。

ランクテーブル

12345
スキルスキル
678910
スキル
1112131415
 
1617181920
スキル
2122232425
スキル
・・・50・・・・・・100
スキルスキル

STORY

ストーリーを展開

EPISODE1 伝説のヘルメット 「こんな面白そうなものが倉庫にあるなんて 思わなかったな!」


 ――212X年。
 科学が発展した世界では一家に一台、お手伝いロボットが働くのが当たり前になっていた。
 お掃除ロボット、子守用ロボットなどなど……その種類は多岐にわたり、一台と言わず何台も買っている人まで。
 様々な作業をロボットに任せるようになるうちに、豊かな時間が増えていったことで人間たちは――

 「クロック、テレビを消して」
 「ハイ」

 ぶつんと音を立ててテレビが消えた。

 「もうっ、こんな番組しかないの? 面白くないよ、なにか面白い話をして!」
 「ソノヨウナ キノウ ハ アリマセン」
 「はあ、目覚ましとリモコン代わりにしかならないなんて……」

 私は机の上にあるクロックをコツンと叩く。
 けど、クロックはなにも反応しない。

 「ママも変なロボット作ったなー」

 このクロックはロボットの研究開発をしているママが作ったロボットのひとつ。
 目覚ましと家電製品のリモコンにしか使えない。

 「なにかのついでに作ったって言ってたけど、もっと便利なロボットがよかったな。もっとこう、目からビームが出たり、悪党と戦ってみたりとか!」
 「ソノヨウナ キノウ ハ アリマセン」
 「わかってるよ、言ってみただけ」

 私は身を投げ出すように近くのソファーに飛びこんだ。
 誰もいない部屋を見て、思わずため息がこぼれる。

 「学校に行けたら少しは違うのにな。外出もしたらダメって言われてるし……」
 「ナゼ イケナイノ デスカ」
 「なぜダメなのか、説明してあげる!」

 天井を見上げてビシッと指をさす。

 「原因不明のウイルスや病気のせいで、外出が制限されるようになっちゃったの! ここは、そういう世界! だから、そのつもりで見てね!」
 「ダレ ガ デスカ?」
 「気にしなくていいから。クロックにはわからないことだろうし」

 なにか面白いことがあればいいのに。
 未来から猫型のロボットが来たり、ご先祖様の発明品が書かれた遺品が見つかったりさー。
 そういうこと起きないかな。

 「ピピピピピピッ!」
 「うわっ!? なに驚かさないでよ!」
 「ソウコ ソウジ ノ ジカン!」
 「ああ、ママにやっといてって頼まれたんだった。いいよ、掃除なんかしなくても」
 「ツウワモード オン ママ、ママ――」
 「ストーーーップ! やります、やるから!ママにだけは言わないで!」
 「ツウワモード オフ」
 「はあ、こういう変な機能だけは立派なんだから。ていうか、こっちが本当の機能なんじゃないの?」

 私は渋々、倉庫掃除へ向かうことにした。
 倉庫と言っても、要するにただのガラクタ置き場だ。
 パパとママが発明に失敗したものなんかを適当に投げ込んでいるだけの場所でしかない。

 「やっぱりガラクタばっかり……ん? お、おおっ、これは!」

 私は目についた鉄パイプを手に取って天へと掲げる。

 「これはかの有名な勇者が邪悪なドラゴンに挑んだという伝説の鉄パイプ!」
 「ブンセキチュウ……タダ ノ テツ」
 「こういうときツッコんでくれるロボがいたら……もういいや、早く掃除しよう」

 私は掃除道具を手に倉庫のホコリやらゴミやらを片付けていく。

 「こんな面倒なこと、それこそお掃除ロボットに任せちゃえばいいのにな。どうしてママはそういう便利なロボットを作ってくれないんだろう」

 まあ、ロボットに任せるとなんか電磁的ななにかで誤作動するかもしれないけど。
 だからって人力でやるなんて前時代的だと思う。みんなだって、楽できるなら楽したいって、そう思うよね?

 「……あれ? なんだろうこれ?」

 掃除を続けていたら、なにか古びたヘルメットのような機械を見つけた。
 手にとって見てみると、それがここ最近作られたものじゃないということがわかる。

 「なんだろう、古いのに……新しい? それに変なパーツもついてるし。パパがまたママに内緒で骨董品でも買ってきたのかな」

 ヘルメットをまじまじと観察してみたけど、特にスイッチのようなものは見当たらなかった。
 ただのオブジェか、ガラクタなのかな?

 「……そうだ! これは伝説のヘルメット!伝説の鉄パイプがあるんだから、きっとそう!」
 「アソバズ ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「ノリが悪いなー、クロックは。気分を上げなきゃ掃除なんてやってられないよ」
 「ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「そんなこと言わずにさ、ちょっとだけだから。さあ、起動せよ、伝説のヘルメット!」

 私はヘルメットを被って、さっきの鉄パイプを構えてみる。
 たぶん、かっこいい……はず。

 「ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「はあ……なにかカッコイイ効果音とかないわけ?」
 「ソノヨウナ キノウ ハ アリマセン」
 「はいはい、わかったわかった」

 私がヘルメットを外そうとしたそのとき、どこからか「ビビビ」と言う音が鳴った。

 「今の音は何? クロック?」
 「ワタシ デハ アリマセン」
 「えっ、じゃあ……」

 頭につけたヘルメットを触ってみると、なにか動いているような振動が伝わってくる。

 「もしかして、動いた!? ど、どうしよう、ガラクタじゃなかったの!?」

 慌てる私をよそにヘルメットが光り出すと、目の前に四角い映像が投影された。

 「く、空中に映像……? このヘルメットがやってるの? それに……」

 映し出されたものに目を移すと、そこにはなにかの名前がズラリと並んでいた。

 「これは商品名? ううん、違う。きっと発明品の名前だ!」

 映し出された発明品は見たことも聞いたこともないようなものばかり並んでいる。
 試しにその中のひとつを適当に押してみた。
 すると、その発明品を開発するのに必要な部品や制作工程が映し出されていく。

 「こ、これすごいよ、クロック! まるで発明品辞典みたい!」

 こんなの見ちゃったらワクワクするに決まってる!
 どうしよう、作ってみたい!

 「ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「うるさいなあ、今はそれどころじゃ……そうだ!試しにお掃除用の道具を作ってみよう!」
 「ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「すぐにするから待ってて!」

 私はディスプレイの中からお掃除用の発明品を探すためにリストを上から順番に見ていく。

 「ええっと、お掃除用……お掃除用……ああ、ありすぎてわからないよ!」

 さすがに数がありすぎてわけがわからない。
 こういうのって検索機能とかついてないの?

 「試すだけ試してみるか。ヘイ、ヘルメット!お掃除に使える発明品をピックアップして!」

 私がダメ元でそう言ってみると、映像内のリストがばばっと切り替わっていく。
 上から順番になにかをピックアップして、別の内容を映し始めた。

 「まさかまさか、こんなにうまくいっちゃうの!」

 私の期待通り、そこにリストに映し出されたのはお掃除に関連するものばかり。
 このヘルメット、ただのヘルメットじゃない!

 「この部品なら家のもので足りるかも。よーし、やるぞー!」


EPISODE2 なんでも作っちゃうぞ! 「このヘルメットがあれば、なんだって作れる! 次はなにを作ろうかな!」


 前回のあらすじ!
 倉庫でたくさんの発明品のリストが内蔵されているヘルメットを見つけた私。
 その真偽を確かめるため、お掃除に使える発明品の開発に乗り出したのだった!

 「見つけてきたよ、これで作れるはず!」

 私は家からかき集めてきたパーツを倉庫に広げる。
 足りないものはないはず、たぶん。

 「よーし、作っていくぞ!」
 「チラカサズ ソウジ ヲ シテクダサイ」
 「これからするから、黙って見ててよね!」

 私は映像に映し出された工程どおりにパーツを組み立てていく。
 ちょこっとパパとママの機材を借りながら、接着やら精密な部分の制作をする。
 丁寧に書かれているけど、専門的な知識は必要ないみたいだった。

 「よ、よし、できた! ぱららぱっぱぱー、万能アーム!」

 こいつはお掃除から発明のお手伝いまでなんでもこなしちゃう万能アームだ!
 重い物も持てちゃうし、繊細な組み立てだってお手の物なんだぞ!
 声に出さなくても、装着者の思いどおりに動いちゃうんだ!

 「まずは試しに動かしてみないとね。私が思ったとおりに動くはずだから……」

 私は床に置きっぱなしになっている掃除道具を掴むイメージをする。
 すると、万能アームが反応して、その掃除道具を器用に掴んでみせた。

 「で、できた! あとは掃除をするように考えて……」

 掃除をするイメージをすると、万能アームが動いて倉庫の掃除を始める。

 「……って、あ、あれ?」

 万能アームは、たしかに私のイメージどおりに動いてくれた。だけど、私のイメージが適当だったのかホコリをささっと払っただけで終わってしまった。
 クロックが、アームが掃除した場所に近づく。

 「ピ……ソウジ ヲ シテ クダサイ」
 「わ、わかってるってば!」

 丁寧にイメージすればいいんでしょ、丁寧に!

 「ぬぬぬぬぬ――!」

 クロックが「ソウジ、ソウジ」って連呼してて集中するのが大変だったけど、ついに私は細かい部分まで掃除させることに成功した!

 「すごい、すごいよこれ! 誰がこんなの発明したんだろう、すごすぎ!」

 一度イメージしたからか、私が感心している間にも万能アームは倉庫の掃除を続けていて、あっという間に片付けてしまった。

 「ソウジ カンリョウ オツカレサマ デシタ」
 「これ、本当に伝説のヘルメットかもしれない。こんな便利な発明品が作れるなんて!」

 これを使えば、私の退屈な日々が変えられるかもしれない。
 胸がワクワクして止まらなくなってきた。
 今度は発明品を使ってなにをしてみよう。
 あれもしたい、これもしたい。
 やりたいことがドンドン溢れてくる!

 「あっ、そうだ!」

 始めるまえに、やらなきゃいけないことがあった。

 「このヘルメットのこと、パパとママにはバレないようにしなくちゃね……!」


EPISODE3 作れないもの発覚!? 「まさか万能だと思ってたヘルメットでも 解決できないことがあるなんて……


 前回のあらすじ!
 ヘルメットの中にある発明品が本物であることをその身で知った私。
 これはきっといいことに使えるに違いないと思った私は、様々な発明品を作ることにしたのだ!

 「アハハハハハ! あいつの驚いた顔、最高だったね!」

 ソファの上に寝転がりながら、私は今日してきたことを思い出していた。

 「なにが起こったかわからない、って感じでキョトンとしてる人もいたし!」

 そう、私がしてきたのはとってもいいこと。
 リストからピックアップして作り出した発明品で家の近くを歩いていた人を驚かせてきたんだ。
 急に上から水が降ったり、捨ててもゴミが返ってくるゴミ箱だったり。
 ヘンテコな発明がたくさんあって、次はどれを作って驚かせようか迷っちゃうくらい。

 え? いいことに使うんじゃないかって?

 なにを言ってるの、いいことに使ってるじゃん。
 私が楽しむっていう、いいことにね!
 だって、大人だけは外に出てもいいなんて、ずるいもん!

 「でもホント、パパとママにバレなくてよかった。まあ、倉庫にあるものなんて覚えてないだろうけど」

 これは私の予想だけど、多分クロックに入っているAIの性能が低いのが、バレずにいる理由かもしれなかった。
 ママが設定した行動を私がやれば、クロックはママに連絡しない。
 だから、ちゃんとやることをやってれば、ヘルメットのことも、いたずらのことも連絡されないのだ。

 「ピピピピピ! シュクダイ ノ ジカン デス!」
 「はいはい、宿題ね。わかってるよ」

 学校はリモート授業だけど、しっかり宿題はあるから本当にメンドクサイ。
 宿題より発明品をもっと見ていたいのにな。

 「さてと、宿題を進めるのに便利な発明品を作ってみようかな!」

 ヘルメットを被って起動させた。

 「ヘイ、ヘルメット! 宿題に使える発明品をピックアップして!」

 ヘルメットが発明品リストの中から宿題に使える発明品のピックアップを始める。
 その結果は――

 「ノ、ノーデータ!? これだけリストがあるのになんでないの!」

 きっと調べ方が悪かったに違いない。
 他のワードを使えば、出てくるはずだ。

 「ヘイ、ヘルメット!」

 私はありとあらゆる宿題に関するワードで発明品を調べていく。
 ……だけど、手の負担をへらすとか姿勢をなおすとかぱっとしないものばかり。

 私は、自分で宿題しなくても済むものが欲しいのに!

 「そんなあ……万能だと思ったヘルメットにも作れないものがあるなんて……」

 科学が、宿題に敗北した……。恐るべし宿題……。
 結局、宿題は自分でやるしかないってこと?

 「はぁ……」
 「シュクダイ ヲ シテクダサイ」
 「あーもう! うるさいな!」

 クロックもママみたいに同じことばかり言ってくる。
 こんなときくらい、私を応援してくれるやつだったらいいのになー。
 いたずらしてるときもただ見てるだけで、なにも反応してくれないし。
 ていうか、一緒に遊んでくれる友達がいてくれたらいいのに。

 「友達、か……」

 リモート授業が当たり前になってしばらく経つ。
 もう友達ともしばらく会えてない。

 「友達がいてくれたらいいのに……」

 そのとき、表示されていたリストが急に動き始めた。

 「えっ、なになに!?」

 リストがばーっと高速で流れていく中、ひとつの発明品がピックアップされる。
 そこに書かれていたのは……

 『クロックアップデートプラン』

 「な、なにこれ? アップデートプランって、どういうこと?」

 なんでこんなものがピックアップされたんだろう。
 ううん、そもそもクロックはママの発明品で、どこにもないオリジナル。
 世界にたった一台の目覚ましロボットだ。
 それなのに、なんでヘルメットはクロックのアップデートを提案したんだろう。

 「……ちょっと開いてみよう」

 私はピックアップされた発明品の内容を見てみる。
 もしかしたら、名前が同じだけの別物かもしれない。
 ……けど、そこにあったのは素体としてクロックが必要だと丁寧に図と一緒に書かれていた。

 「クロックのアップデート……強化ってことだよね」

 ばっと中身を見ていくとクロックの強化は何段階にも渡って行われていくことになっていた。
 まずは搭載されているAIを強化して、次にボディを強化して……

 「これをくり返していけば、クロックを友達にできるってこと!?」
 「シュクダイ ヲ シテクダサイ」
 「わかったわかった。落ち着いて作るためにもまずは宿題を終わらせないと!」

 クロックを私の友達にするために。
 私はやりたくもない宿題と向き合った。


EPISODE4 クロックアップグレード 「これでもう退屈な日々とはおさらばね!」


 前回のあらすじ!
 発明品をいいことにたくさん使って大満足な私。
 宿題を簡単にするための発明品を探していたら、クロックをアップデートして友達にできるプランが見つかったのだ!

 「……これでよし」

 私は、強化したクロックの再起動を待っていた。
 おっと、改造するところを見せると思った?
 残念、もう終わらせちゃったのだ!

 「さあ目覚めろ、私のクロック!」
 「ビービーガガガガガガ!」
 「な、なにこの音! もしかして失敗!?やっぱりネジが一本余ったのが原因?」

 聞いたこともないような音を上げながら、クロックが身体をビクビクと震わせ始める。

 「私が余計なことしちゃったから、クロック壊れちゃったのかな!?」

 どうしよう、今からでも止めて元に戻したほうがいいのかもしれない。
 だったら、すぐにでも――

 「オマタセシマシタ ハルカ クロック キドウカンリョウ デス」
 「く、クロック……?」
 「ナンデショウ ハルカ」
 「クロックが私の名前を呼んでる!」
 「ソノヨウ ニ アップデート サレマシタノデ」
 「やった、成功だ! クロックとおしゃべりできてる!」
 「ワタシ デ ヨケレバ ハルカ ノ オシャベリ アイテ ニ ナリマス」
 「な、なに話せばいいかな?」
 「マズ ソノ ネジ デスガ ソレ ハ ワタシ ノ ブヒン デハ アリマセン」
 「……えっ、そうなの?」

 それから私とクロックの秘密の日々が始まった。
 クロックは自分が改造されたことをパパとママに内緒にすると約束。
 2人の前ではいつものクロックのフリをして私の前ではおしゃべりをしてくれる。
 まるで本当のお友達ができたみたいで嬉しかった。
 クロックのAIも改良したことで、おしゃべりも少しずつスムーズになってきている。
 誰かとおしゃべりするのがこんなに楽しいなんて、思わなかったな。
 でも、最近はちょっとした問題が出てきて……

 「クロック、おでかけしよう! 新しい発明品を使ったイタズラを思いついたんだ!」
 「イイ デスヨ デモ 宿題 ハ オワリマシタ カ?」
 「え、ええっと……」
 「遥 ガ 宿題 ヲ シナイト ボク ガ 故障シタ ト オモワレマス」
 「う、うう、そうなんだけど……ちょっとだけ、ちょっとだけ遊んだらすぐにやるから」
 「ダメ デス」
 「もー、わかったよ……」

 新しくできた私の友達は、ちょっとだけお節介で
口うるさかった。


EPISODE5 私のお友達! 「クロックがいるだけでこんなに楽しいなんて。 お友達っていいな!」


 前回のあらすじ!
 私にできた新しい友達は、目覚ましロボットのクロックだった。
 ちょっとお節介で口うるさいクロックとイタズラ好きな私のちょっと変わった日常が始まる!

 「ねー、遊びに行こうよ!」
 「ダメデス 今 ハ 外出規制中 デス 遥 モ 大人シク シテイテ クダサイ」
 「それならヘルメットを使って部屋の中でも遊べるものを作ろうよ!」
 「ソレナラ イイデス」
 「よーし、なにを作ろうかな!」

 もう発明もすっかり慣れたもので、私はヘルメットと万能アームを使ってぱぱっと発明品を組み上げていく。
 ちょっとした遊び道具ならチョチョイのチョイよ!

 「ね、かんたんでしょ?」
 「オミゴト デス」
 「もー、褒めたってなにも出ないからね!」
 「片付ケ ヲ シテクレレバ ナニモ イリマセン」
 「クロックは真面目だなー」

 外に出られない日が続いてもクロックがいるから退屈な日も楽しく過ごせる。
 このヘルメットには感謝しかない。

 「でも、このヘルメットって誰が作ったんだろう?」

 そんな何気ない疑問に、ヘルメットが反応した。

 「えっ、なになに!?」

 いつもなら発明品のリストが表示されている映像に、砂嵐のようなノイズが走り始めた。

 「ど、どうしよう、クロック! 私、もしかしてヘルメット壊しちゃった!?」
 「オチツイテ ヨク ミテ クダサイ」
 「えっ……?」

 クロックに言われてディスプレイを見てみると、ゆっくりとノイズが消えていき、そして――
 見覚えのない男の人がそこに映し出された。

 「だ、誰?」
 「ヘルメット 開発者 ノ 可能性 アリ」
 「こ、この人が……?」

 映し出された人を見てみたけど、テレビや雑誌なんかでも見たことがない人だ。
 これだけの発明をした人だから、私が知っててもおかしくないって思ったんだけど。

 「あー、聞こえているかな」
 「しゃ、しゃべったああああっ!?」
 「はは、そんなに驚かないでよ」
 「はいはい! あなたは本当にヘルメットの開発者なんですか?」
 「うん、そうだよ」
 「どこかから話しかけてる?」
 「いや、僕はヘルメットに搭載されたAIさ」
 「ふーん、そうなんだ」
 「驚かないんだね」
 「だって、そこら中にありふれてるもん。ヘルメットの中っていうのは不思議だけど」

 「さて」と男の人は続けた。

 「これはある条件を満たすと起動するように設定してあったんだ」
 「どんな条件?」
 「君がこのヘルメットを一定数使用して――」

 たしかに結構使ってるけど……。

 「このヘルメットの開発者を知ろうとした瞬間、立ち上がる仕組みになっている」
 「なるほど……」
 「さて、これから話すのは君とクロックの中だけにしまっておいてくれると助かる」
 「私とクロックの?」

 そう言ってクロックを見ると、彼も同じように困った顔を表示させていた。

 「さて、まずどこから話したらいいものか」
 「結論から言ってくれると助かるかな! 尺ももったいないし!」
 「えっ?」
 「さ、結論をどうぞ!」
 「強引だなあ……僕の楽しみが失われてしまったけど、仕方ない。じゃあ教えるよ」

 おほんと咳払いして、彼は言った。

 「僕は君の500年後の子孫なんだ」
 「え……えええええええー!?」

 500年後の子孫? わけがわからないよ!


EPISODE6 ヘルメットの真実 「わからないけど、未来が危ないらしい! でも、私はどうすればいいの!?」


 前回のあらすじ!
 ある日、ヘルメットの開発者が気になった私。
 すると突然ヘルメットがある人物の映像を流し始めた。
 ヘルメットの開発者だっていうその人は500年後の未来の人で、さらに私の子孫だって言い始めて――!?

 「クロック、お昼ごはんまだー? 腕を付けてあげたんだから早く作ってよー」
 「遥 スグニ ツクル カラ」
 「今日の献立はなにかなー!」

 ヘルメットの開発者と名乗る私の子孫。
 その人は未来がなんちゃらかんちゃらという理由で名前を教えてくれなかったから、とりあえず御茶ノ水Jrと名付けることに。
 彼が言うには、私にある発明品を作って欲しいということだった。
 なんか未来を守るためとか、なんとか。
 でも、よくわからないから断った。
 だって、クロックがめちゃくちゃうるさかったんだもん。

 「遥 危険 ソンナ コトヲ シタラ 時間 ノ 因果 ガ!」

 これをずっと繰り返して言うもんだからもういいやと思って映像を途中で切った。
 クロックが言うことはよくわからないけど、未来って簡単に変えちゃダメだと思うしね!
 それにタイムパラドックスとか、タイムリープがどうこうっていうSFってさ。
 ぶっちゃけ読んでる方も頭痛くなるでしょ?
 みんなもそう思うよね?

 「ヘルメットはもう使わないことにするよ。今の私には、クロックがいるんだしね」
 「遥 ト ハナセルノハ ウレシイ コト」
 「そっかそっか。でもまあ、また退屈な日々に逆戻りかなー」
 「退屈 デスカ?」
 「んー……まあ、クロックがいるから大丈夫!」
 「遥 アリガトウ」
 「どうしたの、急に。お礼を言われても食事当番は変わってあげないからね!」
 「ソレハ 残念 作戦 失敗 デス」
 「ふふん、私はそんなにちょろくないのだよ!」

 なんていつもと変わらない会話をしながら日々を過ごしていくんだなと思ってた。
 ――あの日が来るまでは。

 「不吉 ナ ナレーション ハ ヤメテ クダサイ」
 「えー、そのほうが緊張感あるじゃん。未来に関わるような戦いに巻きこまれていく感じ!」
 「ハア」
 「ロボットがため息なんてつかないの。ほら、早くお昼ごはんを――」

 そう言いかけた私の声は、キッチンに響いた警報音にかき消された。
 その音を聞いたクロックが、真っ先に私を守るように立ちふさがる。

 「い、今の音ってなんなの……クロック!」
 「侵入者 デス」
 「ウソ、泥棒?」
 「不用意 ニ ウゴカナイデ クダサイ」
 「う、うん……!」
 「様子 ヲ ミテキマス」
 「ま、待って! 私もついてく!」

 私は万能アームを装着して、キッチンに置いてあるフライパンとか武器になりそうなものを装備する。

 「これでバッチリでしょ!」
 「ボク ヨリ 前 ニ デナイデ クダサイ」
 「もちろん、わかってるよ!」

 クロックが言うには、警報の発信源は、ママの書斎。
 慎重に、慎重に書斎に近づいていく。
 でもその途中、人の気配どころか物音ひとつしなかった。

 「もしかして、もう逃げた?」
 「ソウカモ シレマセン」

 クロックが警報を解除して部屋の扉を開ける。

 「うわ……」

 ママの書斎は、台風に上陸されたみたいにめちゃくちゃに荒らされていた。

 「最悪! 誰がこんなことしたの!?」
 「ナニカ ヲ サガシテ イタ ヨウ デス」
 「なにかって……まさか――」

 心当たりがひとつだけある。
 倉庫の奥にしまったヘルメットだ。
 もし本当にそれを泥棒が狙っていたとしたら――御茶ノ水Jrの話は、本当なのかもしれない!


EPISODE7 未来犯罪者 「ヘルメットは泥棒たちには渡さないよ。これは、私が 毎日楽しくすごすために必要なものなんだから」


 前回のあらすじ!
 私、大ピン――

 「ハルカッ!!」
 「ふぎゃっ!」

 事件のあと、私の頭に大きなカミナリが落ちた。
 ママのげんこつという名前の、大きなカミナリが。
 音を聞いたクロックは真っ先にママに連絡していたみたいで、部屋を片付けているときに急いで帰ってきたママに鉢合わせ。
 クロックが全然説明してなかったせいで怒られてしまったのだ……。

 「遥 ゴメン」
 「もういいよ、気にしてない。そ・れ・よ・り!」

 今は、倉庫のヘルメットの方が大事。
 ママが書斎を整理しているあいだ、私とクロックは倉庫へと向かった。
 ママにはまだヘルメットのことは言ってない。
 ママにも、もちろんパパにだって、心配かけさせたくないから。
 それに……。

 「こんな面白そうな話に関われなくなったら、イヤだしね!」

 それから私たちは、倉庫の中に戻ってきた。
 部屋の奥に隠していたヘルメットが無事だったのを確認すると、すぐに被った。

 「ヘルメット、起動」

 そう言うとヘルメットが起動して、自動的にあの映像を流し始めた。

 「おかえり。やはり帰ってきたね」
 「ねえ教えて! 私のお家にやってきた泥棒のこと!」
 「君の家に泥棒に入ったのは、未来犯罪者。僕の時代の犯罪者が、時間を下ってそちらの時代にやってきたんだ」
 「未来犯罪者……」
 「泥棒はヘルメットを見つけられなかったんだね?」
 「うん」
 「じゃあ、彼らはまたすぐに君のお家へやってくるだろう」
 「ヘルメットを手に入れるまで?」
 「そうだね」
 「その犯罪者を全員やっつけたら、どうなるの?」
 「知らないのかい、新しい未来犯罪者がくるよ」
 「そんなあ!」

 退屈な日がずっと続くのは嫌いだって思ってたけど。
 退屈じゃない日がずっと続くのは、なんかちがう。

 「大丈夫さ、君はもう彼らをやっつける力を持っているんだから」
 「え?」
 「大丈夫 遥」
 「クロック……」
 「クロックのアップデートを、今すぐに始めるんだ」

 御茶ノ水Jrが、ヘルメットにクロックのアップデートプランを表示する。
 そこには、大きな腕と脚が取りつけられ、背中に私が乗れちゃうくらいに巨大化したクロックが映っていた。
 すごい……ワクワクが止まらない!

 「彼らがもう一度やってくるまで、まだ時間はあるはずだ。大急ぎで始めよう」
 「わかった!」
 「遥 ハ ボク ガ マモル」
 「ありがとうクロック。すぐにアップデートしてあげるからね!」

 私は4本の腕で別々の工具を手に取ると――クロックのアップデートに取りかかった。
 これが終わったら、未来犯罪者なんて全員ぎゃふんと言わせてやるんだからね!


EPISODE8 未来に向かって 「私とクロックが力を合わせれば、どんな未来犯罪者が 来ても、やっつけてやるんだから!」


 前回のあらすじ!
 私のお家に泥棒に入った未来犯罪者たち。
 私はあいつらがもう一度泥棒にやってきたところを返り討ちにして、いたずら用に発明した透明化機能を使って追跡すると、悪いやつらのアジトに乗りこんだ。
 そして、驚いて動けなかった未来犯罪者たちを、一網打尽にしてやったのだ! わっはっは!

 え? 前回の話と違うって?
 戦闘シーンはCGでお金がかかっちゃうからさ、仕方ないよね!

 「遥 未来犯罪者 は 全員 捕まえ ました」
 「ありがと、クロック」

 文句を言いたそうな犯罪者たちは無視して、私はヘルメットで御茶ノ水Jrを呼んだ。

 「ヘイ、御茶ノ水Jr。この人たちはどうすればいいの?」
 「君ならすぐにやってくれると思っていたよ。彼らの腕についている時計を見てくれるかな」
 「わかった」

 御茶ノ水Jrの言うとおりにすると、彼らはみんな時計のようなものをつけていた。
 これが未来からこっちの時代に来るのに必要なアイテムなのかな?

 「何時だい?」
 「えっと……あれ、時間がふたつ書かれてる」
 「それが未来世界の時間だよ」

 御茶ノ水Jrがペラペラと説明し始めた。
 神聖な時間の流れがどうとか、タイムパラドックスがどうとか言ってるけど、ようはこの時計に書かれた時間が合わさったときに未来犯罪者たちがやってくるということらしい。

 「次の波<ウェーブ>までまだ余裕がありそうだね」
 「ねえ、そのウェーブを止める方法はあるの?」
 「もちろんあるよ」

 御茶ノ水Jrの解決策――それは、未来のどこかの時代から指示を出しているボスを捕まえて、未来警察に突き出すこと。

 「遥 危険 危険」
 「心配してくれてありがとう、クロック。でも」

 ウェーブとか第何波だとか、そんなのがいつまでも続くのは嫌だった。

 「クロックのパワーでやっつけられても、ずっとよくわからないボスから狙われるのは嫌。だから、こっちから探しに行ってやる!」

 私は、御茶ノ水Jrにボスを捕まえる方法があるか聞いてみた。

 「やっぱり、話に聞いてたとおりの人だ」
 「え? なにか言った?」
 「なんでもないよ」
 「それで、方法はあるの?」
 「あるよ。君はもうそれを手に入れている」
 「え?」
 「クロック、ゲートを開いて」
 「ピ―――― ゲート 開放」

 御茶ノ水Jrがそう言うと、クロックがヘッドライトからビームを発射した。

 「うわ!?」

 私たちの前に、輪っかのような空間が広がっている。
 中が透けて見えているけど、その先は色んな絵の具を垂らしてかき混ぜたようにゆらゆらと揺れていた。

 「それはポータル。設定した時間に行く事ができるものなんだ」
 「ええっ、そんなものまで作れちゃうの!?」

 ていうか、それって好きな時間に行けるってことでしょ?
 そんなすごい機能を持ってたら、私たちまで未来警察に捕まっちゃうんじゃ――

 プゥゥゥゥゥン!

 「なになに、何の音!?」
 「未来警察だ。おそらく時空干渉の痕跡を見つけたんだね」

 このヘルメット自体が未来と関わりがある証拠だ。
 というかよく考えたら私、もう犯罪者なのでは?

 「ってことは、もしかして私捕まっちゃう?ボスに狙われてるのに?」
 「捕まるね」
 「遥 逮捕」
 「ですよねぇ!」

 なんか、すごい勢いで私の人生が書き換わっている
ような気がする。

 「でも安心して、もし未来警察に捕まっても、このヘルメットを見せてくれればいいから」
 「本当に? どうやって無実を証明するの?」
 「それには結構な手順があって……うーん、分かりやすく伝えるには」
 「結論! 結論から言って!」
 「遥 扉 閉まる」
 「えっ、もう?」

 クロックの言うとおり、さっきより扉が小さく
なっている。

 「とりあえず今は逃げた方がいいかも」
 「遥 遥」
 「ええい! どうにでもなれ!」

 クロックの背中に乗りこんだ私は、未来に
つながっているというポータルへと飛び込む。

 『こちら未来警察。ここで時間犯罪の痕跡が確認された。事情聴取のため、全員を連行する』

 そんなのごめんだ。
 べつに、私は未来のことなんてどうでもよかった。
 いたずらしたり、変な発明品を作ってみたり。
 そこにママとパパ、そしてクロックがいればそれでいい。
 だけど、そんな毎日さえ送れなくなるのは、絶対に嫌なんだ。

 「ママ、パパ、ごめんね」

 ポータルの先がどんな風になってるのか、それは少しだけ楽しみだ。

 「御茶ノ水遥、行ってきます!」

 それじゃ、このお話の続きはまたどこかの未来で。




■ 楽曲
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WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN / LUMINOUS
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
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