原語では「Dungeons & Dragons Tower of doom」。
クラシックD&Dを題材にしたコンピュータゲームで、1994年にカプコンからアーケードゲームとして発売された。最大4人のパーティプレイが可能だが、続編と違って2Pカラーがなく同じクラスを複数のプレイヤーで遊ぶことができない。
1999年にはセガサターン用に『ダンジョンズ&ドラゴンズ コレクション』 (Dungeons & Dragons Collection) のタイトルで続編『シャドーオーバーミスタラ』と共に移植された。ただしサガサターンというハードの制約上、プレイ人数は2人までになり遊ぶためには拡張RAMカートリッジが必要となっている。
後に続編『シャドーオーバー ミスタラ』と共に海外ではPlayStation 3、Xbox 360、Wii U、Steamの4機種でダウンロード販売として発表され、日本でもサターン版以来14年ぶりの移植としてPS3用ソフト『ダンジョン&ドラゴンズ -ミスタラ英雄戦記-』として2013年8月22日に発売された。
概要
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を基にしているため、ダガーやブーツといったアイテムを拾う・買うなどで手に入れ、使用・装備して戦いを有利にするというベルトスクロールアクションゲームでは異色のシステムを取り入れている。与える・受けるダメージなどのランダム要素をダイスによる計算で決定、ドラゴンの体力がブレスの威力に反映される、進行に応じてテキストが挿入される・選択肢に応じてステージが分岐するなど、原作を忠実に再現している箇所も多い。使用キャラクターも基本性能が高い・魔法が使えるといった特徴を明確にすることで、RPGのようにパーティを組む楽しみも再現されていた。アーケードでは環境次第で4人まで同時プレイ可能。また、敵もコボルト、スケルトン、ドラゴンなどファンタジーでは馴染みの深いものとなっている。
移動やゲームの進行は、カプコンの代表的なゲームである『ファイナルファイト』とさほど変わらないが、ボタンは4つ使用する。それぞれで攻撃・ジャンプ・アイテム変更・アイテム使用を行ない、レバーやボタンの組み合わせでしゃがんだり、移動しながら攻撃といった動作も可能。出典「ウィキペディア」
アクションゲームとしてはクラシックD&Dをよく再現していると、アーケード版稼働開始時から評価が高かった。特に4人プレイ可能なゲームセンターでは友人知人で協力プレイするグループがよく見られた。中にはアクションゲームを苦手とするプレイヤーを、アクションの上手いプレイヤーがサポートしながら遊ぶこともあったという。
また、米国では少ないプレイヤーで遊んでいる所へ、見ず知らずの別のプレイヤーが加入して一緒にクリアする事がよくあったと言う。
キャラクター
各キャラクターは初期レベルが固定されており、ステージクリア毎にレベルが1上がるという仕様になっている。最終ステージではドワーフ12レベルとエルフ10レベルと、原作通りの上限レベルに到達する。
- ファイター
HP・攻撃力が高く、肉弾戦を得意とする。基本装備であるロングソードはリーチが長く、さらに敵の攻撃をシールドで防御できると攻防ともに充実しており、初心者でも扱いやすい。ダガー、弓矢、スローイングハンマー、オイルといった消費型の武器も全て使用可能。
デフォルトネームは「クラッサス」。初期レベルは7。装備はプレートメイル、シールド、ロングソード。 - クレリック
回復魔法・補助魔法、さらに画面内のアンデッドを全滅させる「ターニングアンデッド」を無制限で使える。ただし、ターニングアンデッドで倒された敵はアイテムを落とさない。D&Dの聖職者は刃物を武器として使えないという設定のため、主力武器はメイスとなる。消費型武器もダガーと弓矢は使用不能のため、そもそも拾えない。
デフォルトネームは「グレルダン」。初期レベルは7。装備はチェインメイル、シールド、メイス。
使用可能呪文は以下の通り。 - エルフ
女性キャラクター。攻撃を中心とする魔法を扱うことができる上、武器での戦闘もこなし移動速度も速い。さらに原作通りグールの麻痺に対する耐性もある。反面、HPは他のキャラクターの1/2ほどで非常に貧弱。
デフォルトネームは「ルシア」。初期レベルは4。装備はレザーアーマー、シールド、ショートソード。
使用可能呪文は以下の通り。 - ドワーフ
ファイターに似た肉弾戦キャラクター。小柄な上に斧という主武器の特性上リーチが短いが、原作通り特殊攻撃への耐性が高い。
デフォルトネームは「ディムズデイル」。初期レベル6。装備はプレートメイル、シールド、ハンドアクス。
モンスター
- スケルトン
ターニングアンデッド可能。 - グール
ターニングアンデッド可能。 - ジャイアントビートル
- ジャイアントスコーピオン
- コボルト
雑魚だが、正面から突っ込むと割と反撃される。 - ノール
バトルアックスを装備した者と弓を装備した者がいる。 - オーガ
前半ステージではボスとして登場することがある。 - オウルベア
体力も攻撃力もあるので、雑魚としては手強い。 - マンティコア
ボスとして登場することがある。遭遇時は吠えたりうなったりするだけだが、こいつに倒された時には普通に人間の言葉を話してくる。 - ディスプレイサービースト
位置をずらす特殊能力は分身という形で表現されている。 - トロル
特徴的な能力と弱点がちゃんと表現されている。 - トログロダイト
- シャドウエルフ
「ザイード」という名前の男が中ボスとして立ちはだかってくる。 - ドラゴン
ブラックドラゴンと、迂回して戦闘を回避できる大型のレッドドラゴンが登場する。 - ビホルダー
原作通り、厄介な能力を持つボスモンスター。こいつに倒されると「ビホホッ」としゃべってくる。 - マッドゴーレム
ラスボスの前座戦として戦うことになる。こいつが出てくるためだけにラスボスは「ディソルブ」(と終了時に「ハーデム」)を使ってくる。 - リッチ
今作のラスボス。