原語は「Scorpion」。
蠍。
節足動物の1種で、体長数cmのものが多く最大種でも20cm程度。熱帯地方を中心に世界中に広く分布しているが、ある程度寒い地方にも生息している。砂漠に生きるイメージがあるが、森林などの湿潤な気候にも適応する。
鋏状の蝕肢2本と4対8本の脚、毒針の付いた長い尻尾が特徴。肉食性だが、ある程度の絶食にも耐えられる。夜行性でそれほど動かず、獲物をじっと待ち受けることが多い。
鋏状の前肢と毒針付きの尻尾を持つ肉食動物ということで、好戦的な印象を持たれるのか、フィクション作品ではモチーフとされることが多い。コンピュータRPGではややマイナー気味だが、ドラゴンクエストシリーズの初期やファイナルファンタジーシリーズに出てくる等、メジャー作品にもある程度出ていたりする。
その戦闘的な外観のためか、メタルフィギュアなどの立体化はそれなりにされている。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ
巨大種と通常種の2種がいる。
ジャイアント・スコーピオン
原語は「Scorpion,Giant」。巨大蠍。
クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットに登場する。新和版での表記は「ジャイアントスコーピオン」。
AC9 モンスターマニュアルではモンスタータイプがローライフに分類された。
大きさは「小さなウマほどの大きさ」とある。巨体で肉食性のため、攻撃的。
ヒットダイスはオグル並みだが、防御力は高い。
移動速度は速い。アライメントはニュートラル。砂漠や洞窟、廃墟などに生息するとされる。
攻撃方法は鋏状の爪2回と尻尾の毒針による突き刺し。爪の攻撃が2回とも命中すると尻尾攻撃の命中にボーナスを得る。尻尾の毒は強力で対毒ST判定に失敗すると即死してしまう。
スコーピオン
AC6 モンスターマニュアルに登場。
モンスタータイプはローライフ。
基本的には地中や石の下、草陰などの隠れることが容易な場所にいることを好む。攻撃されたり驚かされたりすると反撃しようとするため、罠の1種として配置されていることがある。
ヒットダイスは1/8。小柄なため移動速度は非常に遅い。尾の針による攻撃が命中した場合でも針そのものにはダメージはないが、針に付いた毒によるダメージはある。
ルールサイクロペディア
ルールサイクロペディア版の日本語表記は「ジャイアント・スコーピオン(巨大サソリ)」。
モンスタータイプは下等生物。知力0。サイズL。
解説文は若干編集されており、普通の蠍と同じ形をしていることと2フィート以上の動物ならなんでも食べることが加筆されている。
アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ
AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでは3種が解説されているが、最低でも体長2フィート(約60cm)以上の現実世界ではあり得ない大きさのものばかりとなっている。
原語版ではLarge、Huge、Giantと小さなものからデータが紹介されているが、日本語版ではなぜかGiant Scorpion(日本語版名称:巨大サソリ)が最初に紹介され、続いてLarge、Hugeと紹介されている。
共通するデータは以下の通り。
気候/地形は温暖の荒野および地底、出現頻度は頻繁、社会構成は群れ、活動時間は常時、食性は肉食性、知能はなし、アライメントは適用せず、攻撃回数は爪2回と尻尾1回の計3回、尻尾の毒針には毒あり。
ラージ・スコーピオン
原語は「Large Scorpion」。日本語版では「大サソリ」と訳されている。
モンスターコンペンディウムで紹介されている3種の中では最も小型だが、それでも体長2フィートと現実世界ではあり得ない大きさを誇る。
ヒットダイスは低いが、それでも3回攻撃と毒の効果は侮れない。
ヒュージ・スコーピオン
原語は「Huge Scorpion」。日本語版では「大型サソリ」と訳されている。
ヒットダイスはラージ種の倍はあり、毒の効果は強力でST判定に失敗すると即死してしまう。
サイズはMで、体長は4フィート。
ジャイアント・スコーピオン
原語は「Giant Scorpion」。日本語版では「巨大サソリ」と訳されている。
解説文は主にこの巨大種について述べられている。
主に砂漠や暖かい地域に生息しているが、暗く冷たい地下にも隠れている可能性がある。
ヒットダイスはヒュージ種よりも高く、サイズMで全長は5~6フィート、甲殻は緑色で、足とハサミは黄色がかった緑色、尻尾は黒く鋭い毒針が先端に付いている。
甲殻は強靭でアーマークラスが良い。さらに爪の攻撃はダメージが高く、尻尾はダメージは低いが致死性の毒が強力。
爪の攻撃が成功すると、相手を捕らえることができる。脱出判定はストレングスのベンドバー/リフトゲート判定で一度だけ試みることが可能。
爪に捕らわれた状態の相手に対して、尻尾の毒針攻撃は自動的に命中してしまうため早く脱出するか、素早く討伐しなければならない。