モンスター/【グリーン・スライム】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 13:38:01

原語は「Green Slime」。
Slimeはヘドロ、軟泥、粘液を意味する名詞。
D&Dでは「ウーズ(Ooze)」という種別のモンスターに分類される。神話や伝承には登場しておらず、架空の生物としてのスライムは、アメリカの作家ジョセフ・ペイン・ブレナンの「Slime (邦題: 沼の怪)」(1953年3月号のウィアード・テイルズ誌に掲載)が最初とされている。また、現在のスライムに繋がる直接の祖先としては、1931年にH・P・ラヴクラフトが発表した長編小説「狂気の山脈にて」に登場する黒い粘液状の生物ショゴスが挙げられる*1
D&Dではスライム系モンスターのイメージが整理され、ダンジョン内での危険な存在として定義された。
特徴としては、単細胞ないし群体生物のため殺しにくく、触れるものを同化したり、巨大に成長して対処に困るなど、対応策を知らないと非常に手ごわいモンスターである。単純な物理攻撃だけではまともにダメージを与えられない。
ラルパーサ社からAD&D公式メタルフィギュアが製造されていた他、DDMでも立体化されている。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

第4版ではベーシック・ルール・セットで登場。新和版の表記は「グリーンスライム」。
緑色のヘドロ状の生物。
ヒットダイスは2。アライメントはニュートラル。布や皮革は触れる端から、木や鉄も6ラウンドで溶解してしまう。肉体を持つ生物はグリーンスライムと同化してしまう。グリーンスライムに対する攻撃は常に命中するが、ダメージを与えられるのは火と寒さのみとなる。
取りつかれた生物はグリーンスライムと同化した部分を火のついたたいまつなどで焼くことにより同化を止めることはできる。ただし、火によるダメージは取りつかれた被害者とグリーンスライムとで半分ずつ受けることになる。あるいはクレリック第3レベル呪文「キュアディジーズ」を使うことにより、被害者に取りついたグリーンスライムを浄化することができる。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版の表記は「グリーン・スライム(緑スライム)」。
種別は下等生物知力は0。サイズL。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版モンスターコンペンディウムでは「ウーズ/スライム/ジェリー」(Oozes/Slimes/Jellies)のページに掲載されている。
序文では「恐るべき植物であるグリーン・スライムは、明るい緑色で、ねばつき、湿っている。これらは暗い地下の壁や天井、床で成長する。」と記述されている。
気候/地形は地底。出現頻度は希。社会構成は集団。活動時間は常時。食性は雑食性。知能はなし。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズS。
積極的な攻撃はできないが、振動に敏感であり下を通過する生物に対して落下する事で付着する。生きている肉体に接触した場合、その肉体は数ラウンドでグリーン・スライムに変質してしまい、まともな手段での復活もできなくなる。
原則として「焼く」「凍らせる」以外の攻撃でダメージを与えることはできない。
日光はグリーン・スライムを乾燥、死滅させるために地下にいる。成長するのは犠牲となる生物や物質を得た時に限定されるが、巨大なスライムや群生が見られることがある。そのため発見されると大抵は焼き払われるが、グリーン・スライムの胞子を完全に死滅させることは難しく生え戻ることがある。


基本的にはクラシックD&D版と同じだが、異なる点は以下の通り。

  • 鋼鉄は素早く溶かしてしまう。プレートメイルでも3ラウンドで溶けてしまう。
  • 1インチの木を溶かすのに1時間もかかる。このため、こびりついたグリーン・スライムを木の棒やヘラでこそぎ落とすこともできなくはない。
  • 一応アーマークラスが設定されており、命中判定は必ず成功しない。

皮革については記述が無いため不明だが、生物相手と同じと考えるのが無難か。

関連項目

オーカー・ジェリー】【グレイ・ウーズ】【クリスタル・ウーズ】【ゼラチナス・キューブ】【ブラック・プディング


*1 ウィキペディアの記事より。