編集合戦の解決

Last-modified: 2011-09-04 (日) 23:00:32

 書いても書いても差し戻される。消しても消しても書き込まれる。Wikiというメディアが避けて通れない果てしのない不毛地帯。でもやっぱり無駄な労力だからできるだけ避けて通りたい。それが編集合戦。
 ここでは編集合戦の解決プロセスと実り多い話し合いの仕方についてのガイドラインを示します。
 この方針を盾に誰かをとっちめる行為を禁止します。わかってなさそうな 馬鹿 方がいたら、やんわりとこの文書のポインタを示して「読んでみてね」といってあげましょう。

自分が巻き込まれたと思ったら

 とりあえず一服してからBaalにでも八つ当たりしてきてください。牧場に雷を落とすのもよいでしょう。多少でも鬱憤を晴らして、骨チビとフレ牛の群れを華麗に掻っ捌いているいつもの沈着冷静な自分をとりもどしましょう。落ち着きましたか? よろしい、そうしたらHardCoreで初めてHellAct5WSK3Fへの階段を下りるときのごとく、深呼吸をして該当記事に戻ってきてください。幸い雷レジはそんなにいりません。でもスルーマスタリはRespecしてでもMax振っておくことを推奨します。
 これからの作業はもっぱら手続き的に面倒くさいですが、見ず知らずの他人とコラボレーションして一つの記述で合意形成し纏め上げるというWikiの醍醐味的な作業(ホンマかいな)でもあります。張り切ってまいりましょう。
 さて、該当記事にコメント欄はあるでしょうか。なければ作ってください。そこで 高らかに宣戦布告 競合者に対話を求めてください。先に相手のほうが 先制攻撃 コメントしているかもしれません。そのときは応じてください。覚えておいてほしいことがあります。自信のある人ほど紳士的に振舞うということです。そして、みんな仲良く。このWikiの方針です。馴れ合う必要はありません。罵り合う必要もありません。マターリいきましょう。

問題を整理する

 罵り合う 議論を始める前に幾つかやっておくべきことがあります。何故編集合戦になったのか、どこの編集で衝突が起こったのかお互いに理解し合うのが第一歩です。原因がお互いに理解できれば問題は8割がた解決したも同然です。逆にここがずれたままだと永遠に分かり合えません。案外ささいな誤解や不幸な行き違いが元で、記事自体の大勢にほとんど影響が無い部分ですったもんだしてしまう場合もままあります。よくよく話し合ってみれば「そもそも対立してなかった。何してたんだ俺ら……」いうことすらあり得ます。
 まず発端から今に至るまでの編集一つ一つについてどちらの編集であるかはっきりさせておきましょう。版が残っているものについては某日何時の版は俺だとかお前だとか指摘しあってください。バックアップが残ってない編集については思い出せる限り穴埋めしてください。
 肝心のところの差分がねーYO! と言う場合は管理者に話を振ると拾ってきてくれるでしょう(が、完全ではないかも知れないのであまり期待すんな)。ひょっとすると二人以外の第三者、第四者がうっかり編集に参加しているかもしれません。MediaWiki(WikiPediaのWikiエンジンです)のように全履歴が名前付で誰にでも見られるわけではないので、この時点ではっきりさせておかないとお互い見えない敵と延々戦う破目になりかねません。

編集意図の相互理解

 お互いの編集過程がはっきりしたら自分が支持する版をひとつ指定してください。バックアップが残ってなければ再提示しましょう。その編集の意図や要点を3行でまとめてみましょう(端的に手短にと言う意味で、3行にこだわる必要はありません)。これは自分の主張を自分で整理する意味もあります。その過程で矛盾や第3の着眼点に気付くこともありえます。
 それをお互いに披瀝して競合者の主張を理解しようとしてみましょう。そこを読み違えたまま議論になだれ込むと論点がそもそもかみ合わないので余計なイライラが募る羽目になります。相手の問題意識がどこにあって、何をどうしたいのかを理解するということです。相手の主張に納得する必要はありません。この段階で相手の主張に納得できる点があれば真っ先に表明して論点から外しておきましょう。
 ソースを示せる人は示してください。ソースにも重みがあります。ASも「こないだ僕が作ったホームページ」もソースには違いありませんが、後者の場合ソースのソースを出せと言われるかもしれません。
 競合者の主張で意図が汲み取れない部分があれば確認しましょう。分からないのは自分の頭が悪いのですから謙虚な態度を忘れずに。一方自分の説明が相手に理解してもらえないのも、書き方が頓珍漢だからです。横着せずに言葉を尽くしましょう。常に分かりやすい記述を心がけるべき編集者たるもの、「相手の理解度が足りない」などとは口が裂けても言ってはいけません。天に向かってゲロを吐くようなもんです。恥です恥。

質問:疑問点の表明

 ここまでの過程でこのプロセスは不要になっていることもあるかもしれませんが、お互いの編集意図が理解しあえたら、衝突が起こっている部分について話し合ってみましょう。
 具体的には相手の編集内容で自分が疑問に思っている点について質問してみることです。端的に回答のポイントを押さえた質問をしましょう。行間を読むことは大切ですが、揚げ足をとったり重箱の隅をつついて相手を屈服させるような態度は慎むべきです。誘導して相手を陥れるような質問の仕方はもってのほかです。ディベートをしたいなら他所でやってください。あくまで目的はお互いにそこそこ納得のいく記事を仕上げることで、自分の主張を押し通すことや相手を言い負かすことではありません。
 また、糾弾したり非難したり、場合によっては批判・批評することもこの際控えましょう。ここでやっておくべきは事実の確認です。とにかく自分が正しくて相手が間違ってるんだという先入観は全て取っ払ってください。編集合戦の原因は必ず当事者の両方にあります(原因が片方にしかない場合は編集合戦ではなく荒らしの案件です)。編集者としてはことに編集合戦の案件では常に自分のほうが間違ってるんだくらいに思って行動できて一人前です。だからと言って必要以上にへりくだったり卑屈な態度に出るのもよしましょう。ちょうど良くやってください。

合意点を探る

 お互いの意図と衝突点は共有できたでしょうか。ここからはケースごとに対応も異なってきます。いくつか想定される例を挙げてみましょう。

Aの記述をBが消している

 これまでのプロセスでAが端的に何を書きたいのかがBにはわかったはずです。また、AはBが何を問題視して記述を消しているのかが理解できたはずです。AはBの問題意識に注意を払って記述を再構成し、提案してみましょう。この際Bもこういう書き方でどうかと逆提案してしまいましょう。
 Bの立場の人には一応心に留めておいてほしいのですが、不特定多数の匿名ユーザで構成されるWikiにおいては書く人のほうが一般的に主導的な立場になります。もちろん記事を整理することも大事なメンテナンスですが、無闇に記述を除去するより、その編集をどこかで活かす(そのページの中でとは限りません)方向を、編集合戦になる前にできるだけ模索していただきたいと思います。

Aの記述をBが書き換える

 先の例と似ていますが、「○○は△△である」という記述を「○○は□□である」極端に言えば「○○は△△ではない」に書き換えられるようなケースです。この場合両論併記が手っ取り早いです。身のふたもない例としては「○○は△△であったり場合によっては□□である」とやってしまうのです。
 ただし文章が煩雑になる危険も伴う諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない…のですがこの際ド素人であろうとがんばってやってみるしかありません。幸いあなたは一人ではありません。同じ記事を編集していた競合者が目の前にいるではありませんか。一緒に「多様な意見が公平に見通しよく書いてあるGJ! な記事」へ発展させていってください。

合意点がない

 相手の主張はわかったがどうしても受け入れがたい場合。そうなると他の利用者の意見を募ってみるしかありません。実際の編集内容云々よりも、単にお互いが意固地になって振り上げた拳が下ろせなくなっている状態が多いかと思われます。事態のスムーズな収束のためにはファシリテーター(後述)を入れるのも有効です。
 注意したいのは「感想」に属する記述に正しいも間違いも無いという点です。自分の「感想」と違うからといって「間違ってるぜpgrc」とやってしまうとただの因縁つけてるDQNでしかありません。
 また、プレイスタイルについてもきわめて多種多様であり、これが正しいというものはありません。「多数派なんじゃないかと推測されるそれ」があるだけです。他が間違っているということはありません。この手も両論併記でたいてい収まります。収まらない? 書き方に工夫が足りないのでしょう。誰もが ゴミと明言して憚らない スルーして差し支えないアイテムだと認めている愛染様でさえ有効な使用法が 強引に きちんと書かれているではありませんか。

修正案を煮詰め合意形成する

 相手の意図を汲み取りつつ、実際にプロトタイプを作ってみましょう。双方ともそれなりに納得のできる記述になったら本記事を編集してください。本文中に合意形成の手短なまとめと日付をコメントで追記しておきましょう。テーマによりますが合意形成は未来永劫有効なわけではありません。ある程度の期間を経た合意事項は、それなりに尊重されるべきですが、それなりに再検討されるべきでもあります。
 一段落したらコメントページや掲示板のトピックにまとめを残してモニタに向かって一本締めをしてください。お疲れ様でした。

こじれそうなときは

 なんの皮肉もあてつけも無く誠実そうに先に「ごめん、俺が悪かった」と言ってしまえたほうが勝ちです。実際の良し悪しはこの際どうでもよろしい。で、後は自分の「こう書いて欲しい」という希望もろとも競合者に丸投げしてvP熊でも育てる作業に戻りましょう。半年後くらいにやっぱり記事に合点がいかなかったら改めて競合者の意図も踏まえつつ手直ししましょう。
 冗談はまあ置くとして、論点があちこちに飛び火し、議論が散漫になり、他者への非難が発言のもっぱらになってくると黄信号です。記事にとっても当事者にとっても、後々の閲覧者にとっても不幸な結末を招きかねません。そうなる前に何とか手を打ちましょう。心に留めておいてください。上辺を取り繕うのは案外大事なことです。誠実にならなくても構いませんが、誠意ある態度はとっておきましょう。人間相手はBotをちょろまかすようなわけにはいきません。

掲示板で呼びかける

 掲示板にトピックを立て、他の人の意見を募集しましょう。ついでにファシリテーター(後述)も募っておきましょう。おそらく当事者が立てることになるのでどうしても自分の意向に寄せたトピックになりがちです。コメントする人はその点考慮に入れて読んでください。
 第三者としてコメントするときは、掲示板のトピックだけ見て反射的に賛成だ反対だとやるのは筋がよろしくありません。必ず対立点を見極め、議論に参加する時も必ず後述のファシリテーター的な視点は考慮に入れておきましょう。名前を入れるのもお忘れなく。

ファシリテーターを入れる

 調停者、斡旋者とでも訳しましょうか。議論が円滑に進むように論点を切り分け中立の立場からコメントする役割を負う人をファシリテーターといいます。わざわざ通じの悪い横文字で気取ってるのは筆者の趣味ですので突っ込み不要に願います。
 具体的な仕事は上記解決のプロセスを順を追って当事者に促し、進捗状況を他の利用者にもわかり易く示す(示させる)ことです。その際議論内容には中立的であることが求められます。ファシリテーターの仕事は編集内容を評価することや自分の意見を披瀝することではありません。自身が議論に参加してしまっては論者が一人増えるだけで事態は何一つ進展しません。議論をどちらかの「勝ち」に導くことは目指さないでください。それぞれの編集には必ず意図があり、その意図を可能な限り活かした記事にまとめることが最終的な目標になります。
 ファシリテーターは当事者以外の誰がやっても構いません。編集内容について詳しくない人でも問題ありませんし、むしろそのほうが中立の立場を保持しやすく、「よりわかり易い」記述にまとめ上げるためには都合がよいこともあるでしょう。特にこじれていない段階でも、上手にファシリテーターの立場を取れる利用者がいると円滑に話が進みやすくなり、結果的により深い議論が可能になるため都合がいいです。
 懸念事項としては、当事者の一方を支持している利用者がファシリテーターになって中立を装って議論の誘導をしたり(極端に言えば当事者が自演でファシリテーターになったり)、当事者がファシリテーターを軽んじて提案や要請を受け入れなかったりといったことがあり得る点でしょうか。
 ロギング機能がないので、いきなり出てきた第三者が議事進行を始めるのに抵抗があるかもしれません。この際自演がある程度看破でき、記事の保護も可能な管理者がファシリテーターをやるべきなのかもしれません。
 しかし、当Wikiのコンテンツホルダーは運営ではなく、管理者ではなく、利用者各位です。各々がコンテンツホルダーたる自覚を持って、記事のために進んでファシリテーターとして名乗りを上げ、自発的に合意プロセスを築き上げていただきたいと思います*1

ファシリテーターのチェックシート

 以下のプロセスは当事者のスケジュールを確認しつつ、無理の無いように期限を切って行ってください。

  1. 当事者同士の編集過程は把握できていますか? どの版が誰の編集で、版が残っていない間にどういう編集が行われたのか当事者に洗い出させてください。
  2. 適切な議論場所は確保できていますか? 掲示板にトピックが立っているときでも、場合によっては論点の立て直しを促しましょう。その際も当初のトピックは立てた人の面子に配慮してそれなりに消化しておくことが望ましいです。例えば新たな議論の中の各論でやろうとか、Aを決めてBを決めた後にこの話題をやりましょうとか、後のスケジュールに組み込んでしまうのがうまいやり方です。
  3. 衝突点は共有できていますか? 当事者の編集意図のまとめが無ければ作るように指示してください。まとめがあがっていたら、「これはこういうことだよね?」と自分の言葉で当人同士が納得するまで確認をとりましょう。
  4. 妥協するとして相手の意図にどこまで乗れるのかぶっちゃけてもらいましょう。まったく乗れないという答えもあり得ますが、意地になっているケースが多いと思われるので、妥当そうなところで「ここは譲れるんじゃない? てか俺の顔を立てて譲れ 」と 迫って 提案してみましょう。
  5. 当事者が拗ねたりいじけたり切れたり捨て鉢になったような態度を取るようなことがあればクールダウンさせましょう。「急な出張が入ったから3日間中断。不在中にコメントたくさん入っても確認しきれないから後で。ごめん」とか言ってしばらく黙らせてください。
  6. プロトタイプを作ってもらいましょう。余裕があったら当事者双方の意見を勘案して作ってあげたほうがなにかと話が早いです。あなたならできます。
  7. プロトタイプについて質疑をとり、適宜修正して合意を取ってください。多数決による合意は原則行わないでください。投票の公平性は厳密には管理者でさえ担保できません。
  8. 合意が取れたら本文を修正し、議論の経緯をまとめておきましょう。おつかれさまでした。

コメント

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*1 もちろん現実的に「管理者一人で全部の編集合戦の面倒見とれすか」という本音もあります