【住民】/ステラ・シィンレム・イルフィード

Last-modified: 2024-03-20 (水) 18:41:31

アルファベット表記:Stella Siynrem Yeelfeed
人種:開拓の民
性別:女
年齢:33歳(大陸歴1600年時点/1567年年生まれ)/ラカトーム解放軍総指令着任時は19歳
職業・立場:ラカトーム解放軍総指令→イルフィード商会会長兼ラカトーム市市長兼ラカトーム評議会議長
属性:秩序にして中庸
活動時期:ラカトーム解放軍総指令 1587年~1589年
     イルフィード商会会長  1590年~1656年
     ラカトーム評議会議長  1590年~1630年
     ラカトーム市市長    1590年~1630年
発案者:tocoma110
Tag: 住民 ラカトーム商業都市 俄州 開拓の民 ラカトーム解放軍 俄州戦争 政治家 商人 発案:tocoma110


非市民如きが……立場をわきまえなさい」
「それは短絡的な利、彼らを見捨てれば、私たちはもっと大切なものを失います!」
あなたねえ! もう少し遠慮とかそういうものを知らないの!?」

概要

新生ラカトーム商業都市市長にして評議会議長。
俄州戦争英傑の一人。
若干17歳にしてラカトーム解放軍の頭領を務め、ガルディア帝国と徹底抗戦を繰り広げ独立を確保、ガルディア帝都大乱では帝国に協力し条約締結まで勤め上げた女傑。
その一方で、実直な運営とクリーンな政治・商売を謳い、清濁併せ持つラカトームの健全化もある程度成功させた、まさに歴史的人材である。


商人としても絶大な実力を持ち、没落寸前にまで陥ったイルフィード商会を、わずか数年でラカトーム三大勢力の一角にまで至らせている。
俄州戦争での活躍があってとはいえ、これほどの華麗な再興は他に例を見ない。


大陸歴1590年代~1640年代までの俄州を語る上で、決して欠かせない人物の一人。

 

詳細

元々はこれほどの商才・政治的手腕を持つ人物ではなかった。
ラカトーム商人の娘らしい、世間知らずで高慢な、ありふれた小娘だったという。
だが、俄州戦争が彼女に変化と成長を強い、結果としてこれほどの女傑へと至らせる。


現在の彼女は、清楚にして凛とした気高い女性である。
敵も味方も見くびることなく、だが決して恐れることもなく。あらゆる相手に分け隔てなく厳しく、また優しく、対等な存在として向き合う。非常に平等な視点の持ち主である。
これは新旧問わずラカトームでも貴重な特徴であり、それこそが彼女の商人・政治家としての強みとなっている。

  • 非市民に対して冷淡だった少女からは、想像も出来ない成長ぶりである。

一方で、清濁併せ呑んだ行動も厭わない。
個人的感情よりもラカトーム・イルフィード商会の発展を第一に考えており、そのためにはあらゆる手段を考慮する。恫喝も買収も、彼女にとっては選択肢の一つに過ぎない。
 
だが、荒っぽい手段を無暗に使うこともない。
彼女自身、ラカトームの健全化を謳っている身でもあるため、遣いどころの見極めには常に慎重。単純な利益だけでなく、外からの見え方についても非常に気を配り、彼女は清濁を使い分ける。
彼女は己の立場に、極めて自覚的である。

  • こうした在り方は、解放軍時代の経験によるものが大きい。
    世間知らずのお嬢様が、己の出自と立場、出来得ることを自覚するには十分すぎる経験があった。
  • 命を狙われる機会も山ほどあるが、それに動じぬ胆力もある。
    むしろ、命の危機さえも利用するしたたかさを育んでおり、一筋縄ではいかない女狐として、多くの政敵に恐れられる。

そんな彼女だが、素の性格は真面目で責任感が強く、負けず嫌い。
プライドの高さも相まって、強がったり素直に物を言えない面も強かった。年を経た今は鳴りを潜めつつあるが、時折顔を覗かせることも。
そうした可憐な面を知る者は少なく、だからこそ知った人間はそのギャップに落とされてしまう。が、本人は全く無自覚。
求婚相手も多いが、彼女自身はあまり乗り気ではない。

  • かつての姿も「ラカトームらしい在り方」に真摯であった故。
    プライドの高さは今も健在だが、それが己の立場と責務に向いている。視野の広がりが、彼女の気質の向き先を変えたのだ。

俄州戦争時代に培った豊富な人脈から、あらゆる世界に関わりがある。
敵味方、またそのどちらとも言えない知り合いも数知れず、それ故に様々な事態に対応することが出来ることも、彼女の強み。大陸同盟秘境開拓組合ガルディア帝国・在野の秘境開拓者精術士……彼女の人脈は大水脈のように広く、深い。

特別な交友関係

非常に多岐にわたる知人を持つステラだが、その中でも特別な位置にあるのが“黒閃”裁ユーリリン・ブラウノックの2名。

  • 裁ユーリは彼女が最も信頼を置く相手である。
    始まりは父殺しの誤解から彼を策にはめ、使役する立場にあったが、和解以降は最も信頼する相手として接するようになる。それからは解放軍として正式に依頼を行ない、都度都度の作戦の要として起用することとなる。
    終戦後は私的に依頼を行なうことも多い。が、それらの内いくつかは素直に会えないための口実でもある。
    彼の実力・人柄の双方に全幅の信頼を置いており、疑うことはない。
  • リン・ブラウノックとの関係は一言では言い表しがたい。
    俄州戦争時代、彼女はステラの日常のすべてを破壊した、絶対的宿敵であった。
    当然、長らく対立関係にあったわけだが、ラカトーム復興段階からは協力関係を築き始める。特に、終戦後のガルディアからの援助引き出しや各種交渉では、欠かせないパートナーでもあった。加えてリンの帝国軍引退後は、エージェントとして契約していることもあり、なおのこと関係が複雑化している。
    油断ならぬ相手ではあるが、逆に言えば気を使う必要がないということでもある。そのためか、彼女の前では知らず気張らずに振る舞える様子。
    ついでに、複雑な恋敵でもある。

 

外見

亜麻色の真っ直ぐな髪が目を引く、美しい女性。
ほっそりとした顔立ちの通り、手指に至るまで繊細で、色白さも相まって貴族的な雰囲気が強い。
人前では涼やかな態度を心がけており、表情も冷たいか大胆不敵なものが多い。それは彼女の立場を踏まえれば仕方のないことであるが、折角の美貌を損ねていると嘆く声も多い。

  • 公の場以外では眉間にしわが寄りがち。
    長年の激務からくるものであり、その傷跡は根深い。後年は結構眉間の皺を気にしていた。
  • 一方、プライベートでは穏やかな表情も多い。
    時折見せる笑顔は年を経ても少女のような可憐さがあり、陰で想いを寄せる男は人種を問わず多かった。
    友人相手には感情を隠さず見せることも珍しくなく、普段からは想像し得ない多彩な表情を見せたとか。

公務中は緑を取り入れた藤色の長衣を好んで纏う。
私生活でも肌を晒す服装は好まない。それは年若い少女時代から変わらぬ彼女の嗜好である。

 

来歴

16の誕生日を迎えるまで、彼女の人生は順風満帆だった。
早くに母を亡くしはしたものも、ラカトームの有力商人ロンダー・イルフィードの一人娘として、ラカトームという大都会の狭い世界で何不自由なく育てられた。
だが、ラカトーム陥落戦のさ中、父を殺されたことですべてが変わってしまう。


故郷を失った彼女が解放軍を頼ったのは当然の流れだった。
その中で何も出来ぬ己の無力、そして自分の生きてきた世界の狭さを突きつけられる──


生きることさえ危うい中、天気は唐突に訪れる。
たまたま持ち合わせた知識が作戦・物資獲得に寄与したことから、彼女は解放軍内で注目を集めたのだ。
それは偶然に等しい出来事であったが、彼女はようやく解放軍の中で居場所を得た。どうにか生き抜くため、軍事・商業を学び始めた彼女は、やがて頼られることそのものに喜びを覚えた始る。
やがて、その目的は「少しでも仲間の助けになれればと」というものへ変わり、真摯な努力から頭角を現していくようになる。
そこに加え、母方の血筋がフレニシア王家由来のものであることも相まって、彼女は解放軍内のアイドルとなっていく。
父の死から1年を待たずとして、彼女は解放軍の神輿になるのであった。

  • ユーリと出会ったのはちょうどこの頃。
    父を殺した下手人と特徴が多く一致することから、彼を捕縛するも、人材不足から活用することを判断する。出会いは不幸なすれ違いであった。

新たに得た立場に、しかし彼女は慢心しなかった。
図らずして世界を知った彼女は、客観的な視点をもつ指導者としての意識を持ち始めたのだ。覚悟を固めた彼女は、常にギリギリの戦いを幾度も切り抜けていくこととなる。
己の矮小さを突きつけられながらも、逃げ場のない彼女は「解放軍の姫」を演じる外なく、否が応にも知恵と知識を身につけるしかなかった。努力は実りその手腕は急速に増していき、的確な指示と発言も相まって名実ともに解放軍の頭となる。
第一次ラカトーム奪還作戦を皮切りに、彼女の存在は外部にも密かに知られるように、いくつもの勢力から目をつけられる。だが、それらの干渉をすべて切り抜け、彼女は解放軍を巧みに運用し、成果を積み上げていった。


そうした中、父の死の真相や暗殺未遂など様々な困難を経験しながら、折れることなく彼女は戦い続けた。
表だって知られるもの以外にも、数多の謀略・取引を経て、狡猾にだが目的からそれることなく、危うい道を走り抜ける。
その末に、遂に大陸歴1589年、ラカトームの独立自治を勝ち取った。
若干22歳の小娘ながら、彼女は周辺諸国の如何なる為政者たちより、困難な偉業を成し遂げた瞬間だった。

  • 『ラカトーム魔神討伐戦』では最終的に自身も前線に出て、宿敵リンと協力しラカトームの魔神?に致命傷を与えることに成功している。
  • この際にガルディア側の王族将軍を打ち取った“破軍”の引き渡しを巡る悶着などもあったが、これも上手く切り抜けている。

終戦後、彼女はラカトーム再建のため若干23歳にして商会を立ち上げる。
再興出資のために華州の『鷲爪会?』、亜州の『フシャール商社?』に協力を仰ぎ、更に青南将軍リン・ブラウノックを通してガルディアにも援助の約束を取り付ける。
それ以外にも戦中作り上げた様々な人脈を駆使、わずか5年でラカトームを一大商都として返り咲かせた。
 
それらと同時に、かつての選民的で閉じた体制を治すべく、ラカトームの清浄化にも手を出す。
彼女主導で行われる街づくりは、そのすべてが理想通りはいかないものも、立ち上げの段階で基盤づくりそのものには成功する。反社会的組織とのつながりを断ち、差別を禁ずる法律を定め、ゆくゆくは民主主義政治を確立させる下地を築く。
それを、己の商会の繁栄と発展と並行して執り行う激務を、彼女は青春を賭して歩み始めた。

  • それ以外にも、彼女は秘境開拓組合とも裏で結託していた。
    世界に隠された真実の一端を知った彼女は、それによる世界の不安定化を案じ、そうした情報を集めては組合に提供していたという。
    • そうした状況もあり、彼女には敵が多かった。
      故に、解放軍時代以上に命を狙われる機会も増えるが、結局、彼女やその身内を害することの出来た者はいなかったという。

ラカトーム再建最大の立役者として、彼女は政治の世界にも足を踏み込む。
イルフィード商会会長にして、三大商会による議会の議長、そしてラカトーム市長を兼任することとなる。
中央集権的と揶揄されることもある彼女だったが、私利私欲に走ることなく、実直にしたたかに責務を果たし続ける。その姿勢は多くの新市民から好意的に受け止められ、最終的に60歳までの間、それらの地位を維持し続けた。
引退までの間に民主政治の下地を作り上げ、その後もそうした未来が訪れるよう、最後まで街を見守り続けたという。

 

装備・保有する特殊な技術

大陸全土で見ても稀に見る才媛である。
何しろ、元は世間知らずの小娘が商売人・政治家としてここまで大成したのだ。
したたかに、だが決して相手の利を損ねすぎない振る舞いは、弱小かつ不揃いだったラカトーム解放軍での辛酸の日々によるものである。


基本的に、彼女の戦い方は極めて王道。
使える人脈を駆使し、使える手札は遣いどころを考えながらも出し惜しみせず、かける裏はかく。
だが、決して一方的な利得にはしない。相手が求めるものに応え、必要な場所に必要なものを過不足なく送り、その上で得られる成果をギリギリのラインで叩き出す。理想的過ぎてなかなか実現出来ない絵空事を、彼女はやってのける。
それは、様々な意味で相手を侮らないという考え方に由来する。
時に妥協することも惜しまず、目的のために私情は挟まない。
あくまで、やれることをやれる限り。やってはいけないところに踏み込まない、見極める力を養い続けた結果である。

  • もっとも、それは確実な常勝無敗ではない。
    失敗がないわけでもなければ、賭けに出ることも珍しくない。
    だが、常にその失敗にはカバーとフォローを手早く行なう。その判断のタイミングの妙味が、彼女のセンスであり強さである。
    • また、プライドのある人間ながら頭を下げることも厭わない。
      利と理を鑑み、それが必要ならば個人の感情など犬に食わせられる。解放軍時代に味わった、辛酸の賜物である。

一方で、戦闘など荒事に直接絡む技術は持ちえていない。
精々護身用の武器を構える程度で、武術はもちろん戦闘用の精術の心得もからきし。
解放軍時代の活動から戦略眼・戦術師としての眼は備え、またサバイバル生活もある程度経験があるが、力仕事や狩猟は得手とは言い難い。
あくまで、彼女は政治と商売の世界の人間である。

  • 護身用には解放軍時代中頃までは家に伝わる短剣を、後半以降や終戦後は拳銃を持ち歩くことが多かった。
    腕前は近距離でも当てられるか怪しい程度なのはご愛敬。
    ただし、どんな危機的状況でも気丈に振る舞える胆力は、並大抵のものではない。
  • 一応、解放軍時代にある程度の炊事などの生活能力は習得。
    縫物や料理程度は一通りこなせるようになっている。イルフィード商会子女時代からは考えられないことである。

 

余談

いわゆる「便利に使えるNPC」ポジのキャラです。
超古代文明がらみについても多少の知識と危機感があり、大陸同盟・秘境開拓組合ともつながりがあるので、何らかのシナリオを動かす時に便利なキャラ、という感じです。
また、俄州戦争時代は悲劇のガッツストーリーヒロインでもあるので、そういう意味でも強い経歴の持ち主です。

 

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下記はその中の極一部である。

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