小説/サイドストーリー/カタガン図書館と司書見習い

Last-modified: 2021-01-24 (日) 12:55:06

このサイドストーリーは、ファンタジー設定軸より設定を拝借、拡張した3次創作短編集です。
まるで次郎勢学園に関係のない物事だけで話が進んでいくことをご了承ください。IF短編とかあるらしいし、いいよね?

著:こいさな

はじめに

「こんにちは。始めましての御一行さんですね、まずはご挨拶を。シトロン・ロップと申します」
「ここで司書見習いをしているものでして、おすすめの蔵書などをあなたがたにご紹介することができますよ」

魔術士のこどものための魔法図鑑

概要

著者杖を持つギルド
流通度★★★★
発売すこし前
  • ロングセラーの図鑑シリーズのうちの一つ。
  • 字を読みはじめたくらいの小さな子供が理解できる内容である。
  • 「魔法使いに何ができるか」というところに焦点を絞って書かれた図鑑。

魔術士の友人のための魔法図鑑

概要

著者杖を持つギルド
流通度★★★★
発売すこし前
  • ロングセラーの図鑑シリーズのうちの一つ。
  • 魔法についての基礎情報や背景など、学者の間で議論の重ねられた基礎的な情報を極力わかりやすくまとめた良作。
  • 「魔法を学ぶならまずこれを読め」と評判になっている。
  • 一般的な魔術書でないため、誰にでも読める設計も評判である。
序章「魔法の出で立ち」・抜粋

人間は自然に祈りを捧げて暮らしました。
自然に祈ればそれは人間を助けてくれるからです。
人々の祈りは、やがて精霊を生みました。
水や雷、火の力を持つ精霊たちは、
人間にその力を分け与えるようになりました。

魔法世界の始まりを描いたこの歌の一節は、考古学者たちによって議論されてきた結果、大きく間違っていないとしています。
当時この歌は「精霊」というタイトルだと推定されていて、作詞されたのは私たちの3世代ほど前であるとされています。
現代で知られている魔法の始まりが以前のそれと似通っているところは、遥か昔の時代にさえ魔法を使いそれを研究する者たちがいたことを想起させます。
だからこそ現代に生きている私たちが、この図鑑などを通じて正しい知識を伝承しなくてはなりません。

森の教え

概要

著者不明
流通度★★★☆
発売けっこう前
  • エルフ族に伝わる「森の教え」を、人間に使える言語に翻訳した作品。
  • 元ネタがある。
だいぶ要約

一.精霊の助けを求めない。
森は私たちの生命を育み、精霊は森の生命を保つ。私たちが精霊に助けを求めることで、森の力は失われる。
一.精霊の恵みを試さない。
恵みが必要なほど困窮しているのなら、それを使って更なる利益を得ようとする行為は不適当である。
一.精霊の知恵を抽出しない。
精霊が望まない衰勢を辿っては、やがて精霊の怒りに触れることになるだろう。
一.精霊の福音を所持しない。
精霊の加護を用いて自身が他より大きな勢力を獲得すれば、森は分断し決裂する。
一.精霊の関与を押し付けない。
精霊が引き起こした結果は、精霊を含む他者のせいにすべきではない。全ての結果に自身が責任を持つ必要がある。
一.精霊の力を使用しない。
森全体が一丸となるべきこの時代に、他者を傷つけるために力を得ることは決して行ってはならない。
一.精霊の名声を使用しない。
精霊の存在を脅しに使用すれば、精霊は自身の存在に疑問を抱くことになる。精霊が消えては森は生きていけない。