学園日誌

Last-modified: 2021-12-08 (水) 10:17:21

概要

  • 学園メンバーの各人が書いた小説を置いておく、基本的にゆる~い場所です。
  • ストーリーの系統、時間軸、世界観に統一性はないので、ご留意ください。
テンプレート

題名

  • 著:太鼓次郎(なくてもよし)
  • 世界観設定の追記等

本文

やりすぎ?(愛梨/モブ/ちょっとだけ悠)

「愛梨様!」
突然、私達の前に3人の男が現れる。
彼らは口を揃えてこう言う。
「どうか、我々に罵りをくださいませ!」
……ああ、またこいつらか。

 

私は今、悠と共に歩いている。
そこを邪魔されるのは、聖域を侵害されるようなものだ。
「どいてくれる?今は本当にそんな場合じゃないの」
罵りだと判断されない程度の口調で言う。
悠が「誰?」みたいな顔をしているので、彼らに聞こえないような音量で事情を話す。

 

ある日突然「罵ってくれ」とせがんできた1人の男子。
驚いた私はついドMだとか変態だとか返してしまい、彼を満足させてしまった。
彼は私を見つけるなり寄ってきて罵りをせがむようになり、仲間を呼んでくるようなこともあった。
あまりにも鬱陶しかったので最近は無視同然の対応をしていたが、それでも寄ってくる。本当にしつこい奴らだ。
説明を聞いた悠は、まさにドン引きという感じの顔をした。
気持ちは大いにわかる、と思いながら、目線を前の3人に戻す。

 

「そういう訳にはいきません愛梨様!」
「もう2週間も受けていないのです!」
「このままではわたくし達、死んでしまいます!」
「どうか、どうか――」
ああ、うざったい。もう終わりにしてやろう。
私は、最終手段に乗り出す。

 

自分の出せる限界まで、怖く、冷たく。
本能的に恐怖を感じるであろう声で。
たった一言。

 

「いいから、どけよ」

 

「は、はいぃ…………」
「仰せのままにぃ…………」
「すみませんでしたぁ………」
どうやら効果は絶大だったようだ。
彼らは恐怖を顔に浮かべ、逃げるように去っていった。
ここまですれば、もう寄ってくることはないだろう。
これにて、一件落着。

 

「行くわよ、悠」
隣の影が動く様子はない。
「……悠?」
横を見ると、今まで見たことないくらい青ざめた顔でガタガタ震える悠の姿があった。

 

……ちょっと、やりすぎちゃったかな。