ディズニー作品「美女と野獣」のキャラクター。
ビーストキャッスル出身。
元はとある城の王子であったが、甘やかされて育ってきた為にわがままかつ冷たい心の持ち主となってしまい、ある日自身の城を訪ねてきた魔女を冷たく追い払った事が原因で呪いをかけられてしまい、使用人は家具の姿に、自身は醜い獣の姿に変えられた。
呪いで姿を変えられてからは自暴自棄になって更にわがままになっていたが、ベルと出会う事でその心に変化が訪れ、互いに惹かれ合うことで人間らしい心を取り戻していく。
呪いを解く条件は、魔女に与えられたバラが枯れる前に彼が真実の愛を知って、誰かを愛し、誰かに愛されるようになること。
CVは山寺宏一。
- ドナルドとビーストを連れて冒険をするとダブル山ちゃんボイスとの冒険になる。
- 映画では当然人間に戻ってからの声も担当しているが、重厚な低音ボイスから一転、爽やかな若者らしい声になってしまうので、初めて聞いた時はベルでなくても「誰だお前」となること必至。勿論よくよく聞けば山ちゃんであることは分かるのだが。
FM版及び北米版における声優はロビー・ベンソン。
KHシリーズでは、KHIにおけるホロウバスティオンにて初登場。
ホロウバスティオンでソラが立ち直ることのできた要因であり、KHシリーズにおける影の最大の功労者。
KHIではホロウバスティオンの、KHIIではビーストキャッスルでのパーティーメンバー。獣の姿であるがゆえ、その戦い方は迫力に満ちた豪快なもの。
野獣の姿は、ライオンのたてがみ、バッファローの角と鼻、イボイノシシの牙、クマの体、オオカミの足と尾を混ぜてデザインされたもの。
人間に戻った姿は、ダビデ像などの彫刻を参考に美しい青年にデザインされたが、既に野獣に愛着が沸いていたスタッフからの評判は良くなかったとか何とか…。
- この影響なのか、KHも含む外部作品に客演した時は必ずと言っていい確率で野獣の姿になっている。
ビーストという呼称が定着しているため一度も呼ばれたことはないが、一応名前は「アダム」というらしい。
- が、監督含め製作スタッフにも本名を忘れられていた…不憫。
- 正確には当初は設定されていなかったと思われる。アダムの初出は原作の公開から7年後の1998年に発売されたクイズゲーム「The D Show」より。
- ただ、監督自身は名前は設定していないことを示唆する発言を残しており、DVDやコメンタリーなどでも名前は出てこない。
原作番外編の「ベルの素敵なプレゼント」では、人間時代は相手にしなかった宮廷音楽家フォルテの陰気な音楽に、獣になってからは安らぎを感じるようになった結果、呪いが解けない方が都合が良いと判断したフォルテがベルとの仲を妨害する、という事態を引き起こしてしまう。
また、パラレルワールドではあるが、原作のその後を描いた「ディセンダント」にて、様々な国をまとめてオラドン合衆国を作り、その国王の座に就いている。
ベルは王妃となり、彼女との間に一児をもうけている。
大元の原作はボーモン婦人の「美女と野獣」。ちなみにこの作品もヴィルヌーヴ夫人原作作品の改変版だったりする。
- 原作での野獣はアニメとは打って変わって礼儀正しく、自身の屋敷にボロボロの状態で迷い込んだベルの父親を姿を見せずに介抱するなど気遣いの塊のようなキャラである。
- これについては人を見かけで判断せずに心の美しさという美徳に目を向ける事を学ぶ立場にあるのが野獣ではなくベルだからである。
KH
ヴィランに攫われたベルを追ってホロウバスティオンに訪れるがリクに返り討ちにされてしまう。
だがやがてベルを救うために立ち上がり、その姿はキーブレードをリクに奪われた直後であったソラの励みとなり、互いの大切な者を取り戻すため、行動を共にする。
一部の壁を「たのむ」コマンドで破壊してもらうことができる。側にソラ・ドナルド・グーフィーの組み合わせでしか発動できないトリニティマークがあってセーブポイントとの往復が面倒になる箇所がある。
抜群の攻撃力でディフェンダーやウィザードなど、これまでと一線を画する終盤ハートレスをいとも簡単に破砕していく。
グーフィーらと攻撃力・防御力共に格が違うため、戦闘がきついと思ったら採用しよう。
HPは他のどのキャラクターよりも高く、最大HPはソラを唯一上回る90。それもあり回復持ちのターザン、アリエル並みにタフで滅多なことでは倒れない。しかしラストリーヴなどを覚えないのでそこは注意。
ただ、リクとのボス戦では一戦目は罠にはめられて一時離脱させられ、二戦目は離脱等の描写がないどころか、まるでいないかのような扱いがなされているため共闘は出来ない。
- 素のステータスでも攻撃力が恐ろしく高く、更にスペシャル技の攻撃力補正が非常に高く強力なのだが、最大MPが非常に低くアクセサリー装備枠も1つしかない大きな弱点がある。
タイミング的にもソラが弱体化していて非常に厳しい場面なので、エーテルを使ってあげるなどして補助したいところ。
なお、彼にケアル系の魔法をかけてもお礼の言葉は言ってくれない。この事はアルティマニアにも書かれている。
KHFM
オリジナル版では上記のイベント事情によりボス戦で共闘する機会が皆無であったが、今作で追加された裏ボス「謎の男」戦では彼をパーティーに加えて挑む事も可能になっている。
- 台詞こそ無いが、戦闘前後のムービーにもしっかりと登場している。
つまり(偶然とはいえ)彼もまた、この時点で「XIII機関」と早くも接触していた事になる。それもそのリーダーと。
COM
ソラの記憶から作られた幻。
マレフィセントに攫われたベルを助けるためにホロウバスティオンへ駆けつけた。
- このシチュエーションもソラの記憶から来るもの。
しかしベルは何故か助けに来た自分に対して冷たい態度をとり、突き放すようにして行ってしまう。
その事で落ち込んでしまったところを偶然いたソラ達に声をかけられ、慰められるがやはりこのような姿では誰にも愛されるはずが無いと言って去ってしまう。
だが、マレフィセントに人質として囚われたベルを救うべく再び城に訪れる。
今までわがままだった自分を振り返り、そして最後のわがままとして、たとえベルに嫌われようと自分はこの城から彼女を救い出すと決意していた。
直後、マレフィセントに闇の魔法を放たれたが、ベルが自身を庇ったため、彼女の心が奪われてしまう。
ソラの協力を経てマレフィセントを倒し、ベルの心を取り戻した。
彼女はマレフィセントが自分達の愛し合う心を材料に闇の魔法を完成させようとしたのを知ったため、わざと自分に冷たい態度をとっていた事を知る。
お互いの愛はより深まり、今までの辛い想いを全て忘れてこれからを幸せな記憶で満たそうと向き合う。
ホロウバスティオン限定のフレンドカードとしても登場。
使用技はフェロシアスランジ。
- なお、Re:COMではどういうわけかフュリアスボレーに変更されている。
KHII
彼の城で物語が展開していくため、過去作で表出していなかったビーストの面倒臭い一面が浮彫りになっている。
- というか以降の作品では彼はほぼ毎回荒れている。
陰で暗躍するザルディンの煽動もあり、一時は完全に己を見失って傀儡と化してしまう。
まず一周目、城に迷いこんだソラ達が一室でハートレスと戦っていたところに入ってくる。
ハートレスを圧倒的な力でねじ伏せた後、ソラに「久しぶり」と言われるが答えようともせず、むしろソラを突き飛ばしてその部屋にあった赤いバラを持って行く。
部屋でザルディンという黒コートの男と二人で話しており、「あの女(ベル)はお前から全てを奪う気だ」と囁かれる。
- 真実の愛を求めていると意思表示しても「誰がお前のような獣を愛せる」と返されるなど、この時はザルディンによる洗脳や誘導は着々と進んでしまっていた。
1周目エピソード後半では心の闇に呑まれかけ正気を失っている彼と戦う事になる。
このバトルではコグスワースがゲストキャラとして加勢し、彼の力を借りなければ勝利できない。
また、ソラ達の攻撃には一切怯まないので、リアクションコマンド「ウェイクアップ」を連発して動きを封じつつ戦うのがセオリーとなってくる。
残りHPが0になっても倒した事にはならず、時間を置くと復活してしまう。
動けなくなっている内にリアクションコマンド「チャージ→ゲッタラウンド」を発動させるとビーストは正気に戻り、ようやくこのバトルは終了する。
2周目の序盤ではダンスパーティーということでドレスローブを着た姿が見られる。
しかしそのパーティーもザルディンの乱入により、台無しになった上に大切にしていたバラが奪われてしまう。
パーティメンバーとしては、攻撃技等は前作のままで威力も高いのだが、素のステータスに関しては大幅な仕様変更のせいで弱体化したと言っても過言ではない。前作の最強ゲストの威厳はどこへ。
今作のゲストメンバーは最大HPが100で固定される他、ストーリーの進行に合わせて増えていくシステムになったため前作ほどのタフさが失われてしまった。むしろ今作のゲストの中では倒れやすい部類。
その代わり最大MPが他のキャラと同様100で固定になったため、アビリティ技をたくさん繰り広げられるようになった。
攻撃力や防御力も他のゲストキャラと統一(数パターンある模様)されたため前作の彼のイメージで臨むと多少の泣きを見ることになる。
今作では彼にケアル系の魔法をかけるとお礼の言葉を言ってくれるようになった。セリフそのものは「礼を言う」と、ややぶっきらぼうではあるが。
- エンディングでは人間の姿に戻っている。
Days
城を守るために単身ハートレスと戦っていた。
彼自身が恐ろしく疲弊したり、城のあちこちに爪痕が残るなど凄まじい戦いをしていた模様。
- 何とか持ちこたえていたもののデモンズフォートレスには歯が立たなかったようで、ロクサスが庭にたどり着いた際には城の入口の橋から城門を飛び越える勢いで吹き飛ばされ、そのまま床に叩き落とされて気絶してしまう。
DAY119で「化け物の姿をした城の主」として調査対象になり登場。ベルとはすれ違いが生じている。
そして運悪くザルディンの眼に留まってしまい、KHIIに至るまで執拗に付け狙われる羽目となった。
どれだけザルディンが彼に固執していたかというと、ビーストを籠絡しようと躍起になるあまり機関への定時連絡すら行わず城に留まり続けていた程。
挙句の果てには行方不明扱いされ、DAY322にて「ザルディンを捜索せよ」というプレイヤーを唖然とさせるミッションさえ発生する始末。
- どれだけ長いかと言うと、ザルディンが付いてくるミッションはDAY152~156のミッションNo.48が最後で、単純計算するとなんと166日間もビーストキャッスルにいたという計算になる。
- 実際はパートナーとならないだけで、DAY301あたりで存在しなかった城に居る姿が確認できるため、本格的に入れ込むようになったのはこれ以後のことと思われる。そう考えるとザルディンがビーストキャッスルにいたのは約21日だったことになる。それでもこんなに日が経つまでサイク…ゼムナスは放っておいたのだろうか。
χ
ビーストキャッスルに登場。
ハートレスを追って城に入ってきたプレイヤーを侵入者として牢へと放り込んだ。
Uχ
全てのエピソードが終わった後に再訪した際、人間に戻った彼と会うことが出来る。
呪いが解けて精神的に余裕ができたためか、野獣の時に比べると随分と穏やかな話し方をするようになっている。
DR
ビーストキャッスルに登場。
ベルに出会う前の様子が描かれる。バラを何者かに奪われる事件が発生し、またしてもご乱心。この時点では既に呪いで野獣に姿を変えられている。ワールド間の時間の流れは違うとはいえ、KHIIで人間の姿に戻るまで、随分と長い期間呪いに苦しんだことがうかがえる。
MoM
ホロウバスティオン(KHI)およびビーストキャッスルでのゲストキャラクターとして登場。体が大きく、マントも身につけているため迫ってくる敵やオブジェクトが少し見づらい。