2人の行方不明者を出した(とされる)試合。
解説
2006年、日本ハムの主砲であった小笠原道大は本塁打王・打点王の二冠を獲得し、一方でソフトバンクの絶対的エースであった斉藤和巳は勝利数・防御率・奪三振・勝率の投手四冠*1を達成した。両チームの対戦となったプレーオフ第2ステージでは両者の対決が注目されていた。
当該試合の経過
日本ハムがアドバンテージを含む2勝で迎えた第2戦。後がないソフトバンクは斉藤が先発し、対する日ハム先発は当年12勝で新人王を獲得した八木智哉。
試合は両投手が好投を見せ、無得点のまま9回を迎える。裏の日本ハムの攻撃にて、先頭の森本稀哲が四球で出塁し、続く田中賢介が犠打を決める。小笠原は敬遠で一死1・2塁と一打サヨナラの場面を迎える。
続くフェルナンド・セギノールを三振に抑えるも、5番・稲葉篤紀への127球目は強烈なピッチャー返しで斉藤の足元を抜ける。二塁手の仲澤忠厚が好捕したが二塁へのトスが僅かに逸れ、その間に森本が生還。
日本ハムがサヨナラ勝ちで25年ぶりのリーグ制覇を決め、史上初めてペナントが津軽海峡を越える歓喜に沸く傍ら、斉藤はマウンドに崩れ落ち、フリオ・ズレータ、ホルベルト・カブレラの2人に抱えられながらグラウンドを去った。
このシーンは「残酷なまでに勝者と敗者の明暗が分かれた名場面」として多くの野球ファンの心に刻み込まれ、プロ野球史に残る名シーンの一つに数えられている*2。
行方不明
小笠原は同年オフ、巨人へFA移籍。日本ハム球団から行方不明となる。一方の斉藤は右肩の故障が悪化し、全盛期の投球が行方不明に。2008年以降は一軍登板ゼロで引退した。
結果的に本試合は2人の野球人生のターニングポイントであり、北のサムライと鷹の大エースが行方不明になった試合として2ちゃんねるで語り継がれている。