ガノンドロフ上級指南書

Last-modified: 2023-12-05 (火) 13:51:51

ガノンドロフは『弱キャラ』である

今作のガノンは、強力な広範囲スマッシュ攻撃や着地隙の減少などで前作から大幅に強化されている。スマッシュは範囲が激増した上にバースト力も増しており、ラインを詰めた際のプレッシャーは前作以上になった。空中攻撃は撃墜性能が据え置かれたまま後隙が大きく減った。さらに地上烈鬼や上Bの吹き飛ばしが上がった事などにより撃墜択自体も増えており、ワンチャンおじさんと称された前作よりもさらに数段凶悪なバースト力を持っている。
一発一発の火力が非常に高く、技のリーチも長く判定も強めなので、単純な殴り合いになれば大体の相手にはリターン勝ちできる。
また空中攻撃の汎用性がとても高く、今作では立ち回りの主軸にできるレベルの技が揃っている。特に威力も回転率も判定もイカれている空Nは全キャラで見ても凄まじい取り回しの良さであり、前作までのような立ち回りで振れる技がなく様子見しているしかないような状況も少なくなった。復帰阻止が強く擬似的な道連れ技も持っているため崖の展開でぼったくれることも多い。空中攻撃が強いというのはスマブラのシステムとも噛み合っている*1
重量級の中では技のかみ合わせが優秀で攻防毎のリターンを稼ぎやすく、バースト力も相まって相手を撃墜するまでに触る回数を圧倒的に少なくできる。
これだけの強みがあるにも関わらず、なぜガノンドロフは強キャラではないのか?

 

まず何にもまして足が遅い。歩き、ダッシュ、空中横移動といったあらゆる機動力の数値がどれもワーストクラスで、その動きの重さは初心者でも十分感じ取れるほどである。よって「単純な殴り合いになれば」強いだけであり、ガノン相手に正直に殴り合いしてくれる相手などほとんどいない。
スマブラは格闘ゲームと比較すると、キャラクターのサイズに対してステージが広い。つまり間合い管理をする、ふっ飛ばした相手に追撃する、不利状況から逃げて仕切り直しするといった立ち回りの全てに機動力が絡むため、足が速い、空中制動が良いというだけで大きな長所となり、過去作まで見渡しても強キャラとして数えられたのはほとんど機動力が良いキャラクターである*2。逆に言えば機動力のなさはそれだけで大きなハンデとしてのしかかり、機動力がないのに強キャラになるにはよほど技性能が壊れていないと厳しいというのが現実である。
自分から攻め込みに行くだけの機動力が足りなさすぎるため、相手に動いてほしいところだが飛び道具なども一切持たないので、大体相手は飛び道具を撃ちながら逃げたり、ステップやジャンプで揺さぶったりで待ちに徹される。立ち回りにおいて「機動力がないのに攻めざるを得ない」という矛盾を抱えてしまっている。
技の判定は強いが、生身なのでさすがにやられ判定のない剣などにはカチ負ける。こういった相手には差し合いにおいても遅れをとってしまう。参戦人数が多く優秀な移動速度または飛び道具とのセットプレーで攻めてくるFE勢や、DLCのセフィロス、ホムヒカなど今作は剣キャラが多いため、差し合いの弱さはなおさら目立つ。
こういう性能なのでガノンはインファイターだと思われがちだが、技の発生がかなり遅く(最速が弱の7F)、遅さをごまかせるアーマーや無敵が付く技も少ないので実は近距離も強くない。至近間合いで技のこすり合いになればほぼ全てのキャラに負ける。
よってガノンの得意な間合いは「空Nや下強の先端が届き、かつガードも横Bで咎められる、不用意な後ろ回避やジャンプにDAや下Bが刺さる」ところに限られる。(これはタイマンの項で詳しく記載)自身がうまく立ち回れる間合いが非常に限定的な上、機動力が無いので間合い管理の難易度も高い。
復帰阻止が強いとはいえ、そもそも吹っ飛ばした相手に着いていく機動力がないので、離れられると相手の復帰を待つしかないため読み合いが多くなりすぎ阻止も安定してこなせるキャラや場面は限られる。

 

そしてガノン最大の問題点が、復帰である。
スマブラが単純なダメージレースではなく場外に落とすことで勝敗を競うゲームである以上、復帰というのは対戦中に絶対に発生する要素であり、これが強い/弱いというのはそのままキャラの強さに直結する。スマブラにおける耐久力というのは、大体キャラの体重に復帰性能を掛け算したものと言えばわかりやすい。体重が軽くても単純な復帰力、復帰阻止への耐性などが高ければ長生きできる。メタナイトやゼロスーツサムスなどはその典型と言えよう。
デデデやサムスなどは体重と復帰性能を両立しているタイプで、早期撃墜は極めて困難なキャラと言える。ガノンの場合は体重こそ上位なのだが、それを復帰性能の低さで台無しにしているというパターンとなる。ガノンの重さは事実上、上方向のバースト耐性にしか活きておらず、横方向には復帰阻止されることを考えれば中量級以下の耐性しかない。
ガノンは運動性能や技の都合上横に距離を稼ぐ方法がとにかく無く、単純に距離が足りずに死ぬような泣き所がとても多い。大きなふっ飛ばしを受けた際にはまず緊急回避を使わねばならず、完全無防備なまま崖外を長時間滞空する羽目になる。
こうなってしまうと上級者でも初心者でもやれる行動は同じになる為、そもそも読み合いにすら持ち込めない。特に武器持ちや広範囲の置き技を持っている相手ではどうしようもなくやられる。
ジャンプを使ってしまった場合、カス当たりでも貰えば帰れなくなる悲しみを背負う。今作は空中回避も連発できなくなっており、ギリギリで上Bしなければならない状況のガノンはもはや詰み同然。崖外に関しては前作以上に悲惨なことになっている。
防御面に関しては低%時に浮かされると外側にずらしきれずに崖外まで追われるような状況が頻発し、読みメテオや運搬を通される事が余りにも多い。劣悪な運動性能の中で唯一空中落下速度のみが上位に位置しており、故にコンボをずらす難易度も高いのである。苦しくて内側ずらしをした事によりメテオが確定する場合もあり、浮かされた瞬間から復帰をケアして動かなくてはならない。
外側にずらすということは、ガノンが苦手とする復帰を自ら行うことであり苦しい展開を強いられる。同時にラインも失ってしまうので相手のターンを継続させることになり、こういった不利状況を打開する切り返し性能に乏しいため気づいたら何もできずに1スト取られてしまった、といった展開がどうしても多くなってしまう。
ガノン使いがガノンでのプレイを諦めてしまう最大要因が復帰であり、「ガノンは他の要素は立ち回りでどうにかできても、復帰の問題がどうしようもないから安定しない」というのが熟練したスマブラユーザーの共通見解となっている。
ガノンの長所を出し切るには、復帰阻止を少しでも高い確率で掻い潜るスキルが要る。

 

防御面の脆さは復帰だけでは無い。
通常の格闘ゲームでは立ち回りキャラのメイン戦法としてガードからの行動や反撃がリターンの取れる行動であるが、ガノンドロフは発生の早いガーキャン技を持たないため相手の技振りに対してリスクをつける事も難しい。ガーキャン行動の発生はリドリー、セフィロス(11F)に次いでワースト3位タイであり、最速のガーキャンsj空Nでも10Fである。その空Nや空上もガーキャン反撃に使える場面は打点の高さからかなり限定的であり、相手によってはガード状態から反撃できないままいいようにやられっぱなしになる。
直接ガードとは関係ないが上強に特異な攻撃が割り当てられている事も大問題で、他キャラのように地上から発生の速い対空技を出すことができない。そのため対空は専ら置きのsj空上、空Nに頼ることとなり、ガードしか択がない場面が他キャラより圧倒的に多い。これも間接的にガード状態の弱さにひと役買っている。
また、ガードを解けないということは相手に掴みのチャンスを与えてしまうという事でもある。
多くの格ゲーにおいて掴み技は相手のガードを崩す為の行動でありそれ以上でもそれ以下でもない。また通した後は不利な読み合いを仕掛けるのが精々なはずだが、スマブラは掴みのリターンが異常に高く掴みから直接コンボやバーストにつながってしまうのがとても辛い所。

 

防御面の酷さと機動力の無さ、これが立ち回りの全てに重くのしかかってくる。
掴みが強いスマブラであるが、ガノンドロフの場合は低%時以外掴みから直接コンボできる場面が存在せず、ガーキャンから発生の早い掴み技も出すことができない。ダッシュ掴みの性能が良くないので中距離からのガード崩しは横Bに頼りがちになるが、
ガノンドロフの横Bは入っても読み合いを仕掛けるだけの技であり、択が格闘ゲームの投げ技の後より多いのも問題である。同時間軸で単純に考えても3択あり(キャラ限ではあるが2択になる事もある)、さらに起き上がるタイミングを遅らせて行動すれば択は実質無数にある。撃墜チャンスとはいえ、上級者相手だと択を当てること自体かなり苦労する。
ガノンドロフの強さは、他のキャラ以上にプレイヤーに依存していると言える。

 

ここまで挙げてきたようにキャラ性能は長所を覆い隠すほど短所の問題がどうしようもなく、残念ながらガノンドロフは1on1に於いては弱キャラと評価され続けている
(なお、海外では普通に最弱候補に挙げられるレベルで評価が低いが、ガノンの強者が日本国内に集中している事もあって国内での評価はやや高めになっている。とはいえ下の上といった所だが)
攻防両面において択が決定的に足りず、如何に一発のリターンが高いといえども徹底されると読み合いにすらならない相手も結構な数で存在し、厳しい戦いを強いられる。当然レベルの高いプレイヤー同士になればなるほどガノンのやれる事は漸減していく。使用数が多い割に大規模大会で目立った成績も残しておらず、低評価を後押ししている。(オン大会については近年成績が向上している) また、他のキャラは結構な強化を受けているが、ver9.0.2までガノンにはほとんど強化がなかった。*3制作側としても「立ち回り苦しすぎるけど一発読み当てて破壊できたら気持ちいい」というコンセプトは現状で十分だと見做されていると思われていたが、ver11.0.0で初めてともいえる上方修正(上Bの掴み後の後隙減少)があった。対ガノンの復帰阻止を上B受け身反確に頼っていたようなキャラ相手には相性が改善されるレベルの修正でありうれしい限りである。・・・ただし、それ込みでも復帰性能は元々最底辺にあるため、依然厳しい立場であることには変わりはないだろう。キャラ調整に関わる判断基準にはVIP帯のオンラインバトルの内容、戦績も加味されるため、VIPで最も使われているガノンをそうやすやすと調整するわけにはいかないのかもしれない。キャプテン・ファルコンのコンパチキャラとして参戦したDXを除く以降の作品のガノンはすべてこのような立ち位置なので、プレイヤーもガノンはこういうキャラだと理解して覚悟を決めて使い込む必要があり、そういう意味では中々シビアなキャラである。魔王は弱者に靡かないのだ

しかしキャラ性能とは裏腹にVIPマッチやメイトでの使用率は高く*4、乱闘のオンライントーナメントともなると使用率はダントツの1位。また、前作以来当該wikiのようなキャラ専用wikiが立てられているのはガノンドロフのみであり、キャラ人気はかなりのものである。オフ大会等で稀に見られたときにはワンチャン力とドラマで配信台を湧かせる不思議な魅力も持っており、前作同様その場に居るものを味方につける(?)ことが多い。最大規模のオンライン大会であるタミスマでも使用数の多さから度々上位に進出しており、準優勝は複数回、さらに第285回、第290回、第337回と立て続けに優勝までもが達成され、使い手にも恵まれている。人気の所以はXのころからネタキャラとしての地位を確立していたためスマブラプレイヤーから特に愛されるキャラである事や、「一撃で全てをひっくり返す」というキャラコンセプトはアクション・格闘ゲームにおいて人気が高い事が挙げられる。
また、上記の弱点がオンラインだと緩和され比較的立ち回りやすいことも理由の一つだと思われる。発売当初から改善はあったが、オンラインは入力遅延の影響でコンボ難度が上がったり、普段見える技が見えなくなる*5ためガノンの技にうっかりヒットして破壊されるリスクも上がる。また、ある程度の実力帯までならば勝ちやすいキャラというのも事実である。ガノンは攻防両面において択が足りないと述べたが、それは裏を返せば勝つために覚えるべきことが少なく済む*6ということであり、他のできることが多いキャラよりは立ち回りを早く完成させることができるため、そのようなプレイヤー同士ならば比較的勝ちを拾いやすいというのも魅力である。
人気も性能も高いパルテナやジョーカーが表ボスとすれば、さしずめガノンドロフはオンラインの裏ボスとも言える存在であり、「ガノンに破壊されず処理しきれるようになれば一人前」という登竜門的な存在のキャラでもある。
数が多いということは誰もがガノン対策を仕込んでいるということなので、ガノン使いにとっては相手が対策を理解して動いてくるのを前提にした「対策の対策」が求められるようになってからが本番である。

勝つ方法

 

立ち回りキャラとして徹底する

ステージ端に寄せた際に回りこみや反撃の心理を読んで時には仕掛ける。
相手を浮かせた場合追撃に行けない事がほとんどなので、相手の着地をきちんと読んで距離を詰める。等
端に寄せた際の横Bは試合の流れを乱し破壊する重要な生命線であると覚えておこう。
ガノンドロフ的にはステージ外側に押される事が多くなるが、
守りを固めて確実な反撃を行い必要以上に何度もステージ外に出されないような工夫が必要である。
復帰阻止に関してはキャラクターによって崖外に出るタイミングが違ってきたりそもそも崖に出ないほうが試合の流れが良くなったりするので決して焦らないこと。
常にリスクリターンを把握しておこう。

キャラクター対策

キャラクターごとの最適な距離を維持して戦う。
キャラ対策に関しては、「戦う可能性の高いキャラと何度も対戦し、立ち回りを把握しつつ、読み合いを通せる場所と行動も可能な限り把握する。」これに限る。
簡単に思えるかもしれないが、把握するべきことが余りにも多い。以下にその一覧を示した。

  1. ガノンドロフがそのキャラクターに対して読み合いを行うべき最適な距離
    • いわゆる「間合い」。最も重要
  2. ガノンドロフが手痛いコンボを受ける%帯
  3. ガノンドロフが各種行動からバーストする%
  4. ガード&ジャストガードを通しやすい相手の行動
  5. 相手キャラクターのガノンが咎められる弱点
  6. 攻撃に対するリスク&リターン
  7. フレーム管理

これらは、上記の通り、対策したいキャラと何度も戦い、把握していくしかない。
特に、読み合いの距離は魔王にとっての生命線。読み合いやすい間合いの管理、延いてはライン維持こそが上級者魔王の登竜門である。
いずれにせよ、他キャラ以上に全行動のリスクリターンを計る必要がある。
なお、大前提としてどんなキャラクター相手にも大体通じる読み合いをきちんと行うこと。*7

防御面に関しては究極一回も崖外に出されないように立ち回る。
魔王の復帰技はいずれも咎められ易く、徹底されるとまず帰れなくなる。
さらに崖周辺(ガノンが復帰する時)の立ち回りも弱く、わかってる相手はここぞとばかりに打撃置き、掴み置きで復帰を許さない。
浮かされたらとにかく安定最優先で行動。崖に逃げる、ジャンプを使って逃げる等。

とはいえ、ガノンは読み勝つことによるリターンが他キャラの比ではなく、数回読みが当たるだけでバーストまで行けてしまうほどの攻撃力を秘めている。
それゆえガノンは「弱キャラ」であっても「勝機がないキャラ」ではない。
この点だけは他の弱キャラと一線を画している。
とにかく読み通せば勝率が飛躍的に上がる。

個別キャラ対策は→「キャラ別対策」から

 

【しゃがみ】

斜め入力でもしゃがめる。
ガードとは違い、吹き飛ばしに対して身を守りつつ、下強と横強に対空技の弱、
そして移動攻撃技の下Bを即座に出せる。
適材適所で使えれば割と強い。
ブレーキは優秀だが、ダッシュまで以降10Fと遅いことに要注意。
歩きと併用できるかは不明。
しゃがみを立ち回りに混ぜることに意味があるキャラクターは多い。
活かせるかどうかはキャラクター次第。
基本的には、

  • 強烈な攻撃を食らっても耐えられるか、ふっとばしが強い(コンボリターンが少ない)
  • 掴みのリターンが低い(投げでバーストしない、コンボにつながらない、など)
  • 空中攻撃が基本行動で打点が高い(しゃがんでいると攻撃が当たらないキャラ)
  • 待ちが強い(しゃがんでいられる時間が長くなるキャラ)
  • 復帰阻止がメイン(どうあがいても死ぬため)

これらの要素を多く持っていればいるほど、しゃがみによるリターンが増えるかもしれない。
通じないキャラには本当に通じないので過信は禁物。
またしゃがみふんばりによってコンボ始動技の吹っ飛び方をずらせる可能性が存在することも忘れてはならない。
これに関しては右下、もしくは左下を常に入力しながら待機できるという利点も後押ししている。
しゃがみは開始、待機、復帰に状態が分けられている。しゃがみを開始してからしゃがみ待機に移行するまで6F、待機から立ち状態へ復帰するのに6Fを必要とする。しゃがみふんばりが適用されるのはしゃがみ開始と待機中。シールド同様に1F発生なので入力さえしていれば即座に効果が出る一方、スティックを下に倒すのをやめるとしゃがみふんばりは利かなくなる。
しゃがみふんばりが利いている間、受けるふっとばし力は0.85倍、ヒットストップは0.67倍に減少する。麻痺属性の技のしびれ状態も短くなるため、ゼロスーツサムスやベル所有状態のパックマン、安定して最風を出せるカズヤなどが相手の場合、下強で攻撃しながらしびれに備える、といった立ち回りが戦略の一つとして考えられる。
しゃがむことで相手の攻撃目測を地面に寄せて空中攻撃を出させる事ができる。
誘っておいて引き横強や引き空Nも強いかもしれない。
他には、キャラクターの起き上がり転がりを阻害させたり、移動距離を減衰させたりもできる。
横Bの起き上がりに利用できるかも知れない。しゃがみには未知の可能性がある。

…とはいえ防御行動としてしゃがみを取り入れること自体が上級者向けの行動であるため実行には経験および知識が多く求められる。攻撃を防ぐ用途だけに絞ればそもそもダメージを喰らわずに済むガードや回避をすればいいだけの話だからだ。
敢えてしゃがみをするということは即ち被弾のリスクを負ってでも何かしらの行動を通したいという明確な目的があるということに繋がってくる。
しかしそもそもガノンは長身すぎる事が災いし、しゃがみ姿勢はかなり悪い。頭ふたつ分ぐらいしか低くならない上にしゃがんだところでまだマリオの立ち姿勢と同程度という高さなので上り・下り空中攻撃に普通に当たる場面もしばしば。空中攻撃を避けたり相手の意識を地上に引き付ける用途としてはイマイチな印象が否めない。
立ち姿勢・ジャンプをいっぺんに潰そうとやや高い位置で真横に放たれた飛び道具を避けるといった用途では使える。

 

【歩き】

歩きはさまざまな行動を即座にできるため悪くない動作。
移動速度が遅いため歩ける時間がないand動いていないような状態になるのは好ましくない。
今作ではゲームが全体的に高速化してステップでの駆け引きが重要化し、ジャストシールドのメリットが減ったことなどもあり、以前より歩きガノンの圧力が減っている。そのため歩行状態のガノンに臆せず普通に攻撃を仕掛けてくる相手も少なくない。通常の場面ではステップを連続した方が素早く近付けるので中~近距離での位置調整を除けば敢えて歩きに頼る使い手は減ってきている。互いの僅かな間合いを読み合う繊細かつ高度な駆け引きが求められるプロシーンや大会上位勢同士の試合などではしばしば見られるものの、通常のオンライン対戦では歩きの読み合いに対して何も考えず入れ込んで突っ込んでくる相手に破壊されるといった光景は日常茶飯事。読み合いという思考がない相手に対して歩きを択に混ぜても相手に塩を送るだけなので、VIP中盤くらいまでのレベルだと正直微妙かもしれない。
ステップ・ダッシュの出だしでシールドが張れないために攻撃を喰らう、という事も多いので飛び道具持ちに遠~中距離からじっくりと近付く場面、機動力の高い相手や中距離での制圧力の高い相手に対しては歩きは相変わらず有効。
余談として、読み合いとは関係ないが、割と使うのが崖狩りで横強等で相手の崖上がり択を狩りたい場合等。キャラにより待つべき間合いが違うので、先端を当てたかったり回避上がり諸共狩りたい場合などは歩きで位置調整をすべきである。

 

【ステップ】

非公式用語。左スティックを横に弾いてファイターが勢いよく前進し始める部分のことをスマブラプレイヤー間ではステップと呼称している。*8はじき入力後にスティックをニュートラルに戻すあるいは上下に倒しているとステップのみが出て、そのまま倒し続けるとダッシュに移行する。
全体的なスピードが高速化した今作における重要テクニックのひとつ。前作と違いステップをキャンセルしつつステップする行動(ステステ)が簡単に行えるようになっているため中距離で前後にステップし間合いを読んだりフェイントを掛けたりする行動をしやすい。
鈍重な魔王様が馬鹿正直に突っ込んでもシールドや回避で軽くいなされるため、差し合いには是非ステップを取り込みたい。
空中攻撃やDAなどで突っ込んできた相手を引きステップで避けながら攻撃・つかみに移行する、逆に前方へのステップでフェイントを掛けて即引きステップし、迎撃しようとした相手の攻撃・つかみをかわしてから再びステップで間合いを詰めて後隙を突く等の動きを取り入れてみよう。文字に起こすと何だか難しいことをしているように見えるかもしれないが、要はシールドや回避に頼らない攻撃を避ける動作や中距離でのフェイントの一環としてステップを取り入れると良い、という話。例え相手が攻撃してこなくても後隙を突かれる等の不利状況に陥りにくいという特徴がある。
一定以上のプレイヤースキルを持った者同士であれば当たり前のように行われている駆け引きである。とりあえず真似してみるだけでも相手からするといつ攻め込んでくるかが分かり辛くなるので牽制に充分な効果が生まれるだろう。
加えて、魔王様はステップの初速がダッシュ状態よりかなり速いのでステップを連発した方が素早く移動出来る。ダッシュでは追撃または逃げが間に合わない場面でもステップ2~3回連発してみたら間に合った、ということもあったり。

ただしステップ動作には前後に隙が生じるため、あまり考えなしに使うと相手が攻撃してきたのにシールドが張れず被弾してしまう、といった状況が起こりやすい。ステップ後にシールドを張りたい場合はステップ入力後、ニュートラルに戻したりせずにステップ方向へスティックを倒したままにすると良い。この場合はダッシュからのシールド、という扱いになるためステップ単体からよりもシールドを張れるようになるタイミングが早くなる。
また、後方へのステップは反転モーションを挟むので更に2Fの遅延が生まれる。
中距離で読み合いを行う場合はステップ、一瞬の隙すら許されないような場面や僅かな間合いをじりじり詰め合うような近距離での攻防戦では歩き、といった具合に使い分けよう。

余談だがガノンがステステを高速で繰り返し続けるとステップ時の大きな土煙、反転モーションの腕の動きと相まってかなりシュールな光景となるので一見の価値あり。ただしオンライン対戦においては煽り行為と見做される可能性が高い行動なので、仲の良い友人知人以外での試合では控えておくこと。魔王たるもの礼節を忘るるなかれ。何故か一部のLv9 CPUがたまにやってくるけど

 

【静止】

相手の目と鼻の先で突然棒立ちする魔王様。
ともすれば単なる煽りか操作ミスにしか見えかねない行動だが、ちゃんと意味はある。
今作はその場回避が強いため、つかまれないよう密着時にその場回避を擦るプレイヤーが結構な数いる。魔王様は単発技が多く持続の長い技をほとんど持たないので追撃が確定していない場面ではその場回避からのカウンターを喰らわされやすい。
そんな相手にはこの一瞬だけ何も行動していない瞬間を僅かに挟むことで回避の無敵Fが切れた時に攻撃やつかみが当たるようになるためリスクを付けられる。一旦これを通してダメージを稼いだり、ここからストックをもぎ取ったり出来たら一層相手を揺さぶれるという無防備なようでかなり攻め寄りのスタイル。ただしその場回避後隙キャンセルという、全体Fの終わりから数えて5F目から後隙を地上攻撃動作でキャンセル出来るテクニックがあるので立ち止まりっぱなしにならぬよう。
「シールドでも良いのでは?」と思われるだろうが魔王はシールドが大きすぎて至近距離で張ると視認性が下がり相手の行動が見えづらくなったり、ガーキャン行動が弱いので移動回避を通された時に有効な反撃を取り辛かったりで、相手の咄嗟の攻撃擦りを防げてもそこから攻めたり相手の逃げ行動を咎めたりするのはやや苦手。また、近距離なのにシールドを張らないという強気の姿勢を見せることで相手に抱かせるこちらの印象が変わり、攻めを躊躇させたり、逆に強引に攻撃しようとして迂闊な行動を誘発させたり出来るかもしれない。目の前でガードを固めず立っている魔王の圧力は思った以上に強い。
シールドを張っていない=DAや烈鬼などを即座に出せるということなので相手が後方回避などの引き行動をしたら突っ込む、あるいは裏取りされたらこれらで素早く逃げたり反転DAをぶちかましたりなども出来る。

…とはいえ至近距離というのは本来魔王が不得手とするポジションなので何度も近付き過ぎるのはNGである。
静止はいつ、誰にでも通用するテクニックではなく要所で使うことで効果を発揮する。試合を通して相手につかみやDA、空中攻撃などをその場回避で避けられがちだな…と思ったら駆け引きのスパイスとして取り入れてみよう。

 

【ダッシュブレーキ】

ダッシュをしかけることで相手にガードを張らせる。
試合を見てダッシュした場合、咄嗟にガードや回避を出す癖を見切って決める。
ダッシュガードを読まれてつかみで死ぬような場合orキャラクターが相手の場合は控える事

 

【奪い上がり読み】

崖奪い回避登りは咄嗟に出すためプレイヤーの癖が出る事が多い
しっかり相手のやり方を見極めてこちらも手を変えること
回避上がりをしてくるようなら崖に走って奪いフェイントを仕掛けつつ内向きに上スマ。
ジャンプ上がりもあるようなら飛びを合わせて空N。また飛んでおくことで回避上がりには空後も合わせられる。
低%だと掴みっぱなしのプレイヤーもいるので烈鬼での確殺も覚えておこう

 

【置き掴み】

見合った状態で好き勝手突っ込んでくる相手に対するカウンター策のひとつ。
ただしガノンの立ちつかみは発生・持続が8-10F、全体Fが38Fであり、リーチも短い。加えてゲームスピードの高速化、ステップ戦が繰り広げられるようになった今作では従来作より置き掴みは機能し辛い。
ちなみに、これまでのスマブラでは同時につかみが行われた時、ランダムで片方のつかみだけが成立していたが、今作からは互いに微弱なダメージを受けつつ仰け反るというつかみ相殺が起こるようになった。運次第で掴めるか否かの理不尽さは無くなったものの、立ち掴みの発生の遅さ、密着時の暴れの弱さからつかみ相殺後は大抵ガノン側が不利な展開となってしまう。
つかみ相殺が起こっても、掴みリーチが長い相手は連続で掴みに来たりするのでボヤボヤしてはいられない。

【振り向き掴み】

発生F、全体Fともに悪化するものの、引きステからの振り向き掴みの置きはリーチが伸び、突進技や無敵の切れた移動回避を吸い込めることもあるため立ちつかみを置くよりも効果的。
後隙もそれなりにはあるが、つかみの瞬間に空中から差し込まれたりしていなければ立ったままのガノンの圧力のせいかその隙に突っ込まれることはあまり多くはない。

 

【置き技】

相手の今現在居る場所ではなく、相手がステップやダッシュ、ジャンプ等で移動してきそうな場所に持続やリーチ、判定、回転率に優れた技を振ること。
ゲームスピードの高速化、空中技の着地硬直が減少し、ステップ戦がメインと化した今作における特に重要なテクニック。動けば当たる位置に技を置かれたら進む訳にはいかないので、その場で立ち止まるか、相手が引くか、技が当たるかのいずれかになりやすい。相手に攻めを躊躇させるという意味で自らを守る行為にも繋がるため攻守共に役立つ。
ガノンの場合SJ空Nが代表的な置き技。地上で低い姿勢が取れない、空中での行動がメインとなるようなファイターなら適当にブンブン空Nを振るだけでも結構な圧を掛けられる。
ただし適当な位置に適当な技をただ漫然と振ればいいという訳ではない。
まず置き技の強さにはラインのあるなしが大きく関わってくる。同じ空Nでも相手が崖を背負った状態とガノンが崖を背負った状態とでは天と地ほどの差がある。
蓄積100%越えの相手が崖を背負った状態での空N連打は相手からすれば生きた心地がしなくなるものだが、逆にこちらが崖を背負った状態でいくら空Nをブンブン振っても相手は引き行動が出来るので怖くないし、仮に喰らってもラインがあるぶん死ににくい。
次にガノンは各種技の後隙が大きいので差し込み力の高い相手なら技の空振りをすぐに咎めに来る。そうでなくとも同じタイミングで同じ技を振っていればジャスガ反撃も狙われやすい。置き技を振るのはあくまで特定のタイミングで相手にラインを上げさせないためのものであり、延々と空Nを振るだけの戦法が通用する相手は限られている。
そして背が低かったりダッシュ時に身体を屈めるようなファイターには下強を、SJでの差し込みがメインなら弱を、大ジャンプから空中技を振ってくるなら大ジャンプの時に当たるよう空上を、強力な突進技持ちやダッシュ速度の速い相手には振り向きつかみを…といった具合に相手ファイターの差し込み能力、使い手の行動パターンに合った技を適切に振るのが望ましい。

 

【空中ジャンプ】

前に回転しながらのジャンプはガノンドロフの判定が小さくなるが使い道があるのかは不明。
ジャンプ→即空中ジャンプと出すことでジャンプでは届かないような位置にかなりのスピードで上昇できる
攻撃面よりも防御面での使い方に神経を使う技であり
ステージ端で適当に使ってしまった直後に空後を食らったら帰ってこれなくなるなんてことは日常茶飯事。
自分の蓄積%をよく見てバースト拒否をしていこう。
両者が崖外に出ている状況で考えなしに空中ジャンプを使うと攻撃がぶつかりあったとき戻ってこれなくなったりする。
ぎりぎりまで我慢をして上Bのみで復帰する事を考えよう。
逆に相手が崖上などで復帰してくるガノンの出方を見ている場合は空中ジャンプでのフェイントを行わないとメテオがすんなり入るので注意。

 

【復帰】

ガノンにとっての最大の泣き所。ほとんどのキャラはガノンを復帰阻止しに出てくるため、これを適切にかわせないと早期撃墜されてしまう。復帰でできることが少ないのは否めないが、簡単にやられてしまうわけにもいかない。最大限努力して寿命を伸ばそう。

最長の復帰距離

ふっとばされた際のガノンの最長復帰手段は「ステージの向きに斜め上移動回避→空中ジャンプ→上B」となる。ここで注意すべきなのが最初に移動回避を使ってしまっている点で、この状態で相手に深めに追撃されるともはやなす術がない。移動回避はふっとび緩和も兼ねている*9ので、基本的にこの手段で復帰しなければならない時はいわば最後の手段であり、回避やジャンプはできる限り残して復帰したいところ。
要するに緊急回避を使うor使わないは吹っ飛びを見た瞬間に見極めなければならない。使わなくてもいい距離で使うと、本来は戻れる距離でも相手の阻止を避けられなくなり大損する。サムスやウルフ等にふっ飛ばされた際に移動回避を使わなくても良い飛び方なのに移動回避を消費してしまい、結果NBを避けられずに阻止を食い死亡、、などと言う魔王使いが後を絶たない。
復帰距離を体で把握し、吹っ飛ばされた時にこの最長距離を取るべきかどうか判断し、余裕がありそうならば回避やジャンプは残して復帰しよう。実は素の慣性+上Bでの魔王の復帰距離はそこそこあり、復帰距離自体はイメージほど劣悪なものではない。
普段から被弾時には上ずらしを徹底できるよう心がけよう。下強を出そうとしたら相手の下スマが先にヒットし、下ずらし暴発となってしまい復帰不可なんてことは多発する。
また、そもそも復帰が届かない位置に飛ばされてしまったり、相手の復帰阻止をかわしきれないと判断した際は崖を掴むのを諦めるか自滅するほうが良い
速くステージに復活できれば、まだ復帰中の相手や復帰直後の相手はラインを失った状態となるため。チャージ系の技を持つ相手に溜めさせないなど、どうあがいても届かない上Bを出すよりは遥かにマシである。
また相手はこちらが崖を掴むタイミングで上Bする前提で阻止に来るため、復帰を諦めて横B道連れを狙う、上Bで崖ではなく相手を掴みに行く、空上で崖メテオでの道連れを狙う等の行動で意表をつける事もある。ストックバトルにおいては常に生存最重視で安定を取ればいいわけではない。どうせやられるならせめて一矢報いるという気構えも重要である。

 

横の復帰

  • 横必殺ワザ
     炎獄握で直接崖を目指す。ステージの上側からの復帰や、高度をやや保って復帰するケースは横Bの方が速く台上に戻れる。相手に当てることができればそのまま道連れに持っていけるが、今作は「レバガチャで脱出可能」「1スト同士での道連れは技を使った方が負ける」仕様になっているためあまりリターンが高くない。また、高度を調整しないと崖でしばらく滞留してしまうのでここを小突かれると痛い(ただしこれは相手のその場上がりなどの無敵切れを狙って持続を当てるといった択にもなるので、使い分けできると強い)。一連の流れも速く散らしていればあまり狩られないが、この距離でいつも横Bを使って復帰しているとさすがに読まれて叩かれる。
  • 上必殺ワザ
     あえて早めに雷神掌を出す。基本的に範囲の広い空前で阻止しようとする相手(マルスなど)に対する読みの択となる。むらびとのボウリング待ち等、崖掴みのタイミングをずらさなくてはならない状況でも有効。後隙がとんでもなく長いので、冷静に様子見された場合簡単に阻止されてしまう弱い択なのだが、ただでさえ読みやすいガノンの復帰ルートを散らす数少ない選択であり、対ガノンの復帰阻止はまず横からの横Bや下からの上Bを読んだ位置に阻止に行くので、弱い択だがこういった行動も混ぜていかなければ相手の安定行動を許してしまうこととなる。これはクッパやドンキーなど同様の弱みを抱えた重量級も標準装備すべき復帰方法。もちろん阻止が苦手な相手の場合は相手に塩を送るだけなので封印。
  • 移動回避
     移動回避で崖つかまりする。もしくは、崖捕みを経由せずに即座に崖上に上がりたい場合などにも有効な手となる。距離自体は短いが、回避中はもちろん無敵なのでリスクも少なく安定している。回避を残しているからこそできる択であり、安易に回避を使用しないことが寿命伸ばしに大きく寄与する。ただしあまりに雑に移動すると崖つかまり前に無敵が切れてしまうので、トレモで無敵を可視化して練習しておこう。
    だが、移動回避を用いた復帰で注意したい点がある。それは斜め下から崖に向かって身体をこすり付けるように移動回避すると、ステージの形状に沿って崖外にはじき出されて崖掴まり出来ない場合があること。
    バグか仕様かは不明だがSPのリリース当初から存在しており、多くのプレイヤーを釈然としない落下死へと追いやっている。
    この現象を高確率で再現出来る方法がある。トレーニングモードの専用ステージを選択し、初期位置のすぐ左にある崖でおっとっと状態になってから烈鬼し、戦場型の土台に崖掴まりするよう左斜め上に移動回避をしてみよう。高確率で土台の形状にしたがって外に弾き出されて落ちていくのが確認出来る。
    対策は(右の崖を掴む場合であれば)移動回避の時に11時の方向にスティックを倒すこと。10時の方向にスティックを倒して移動回避すると大きく弾き出されて落ちてしまうが、11時の方向であれば崖つかまり可能な程度まで緩和される。地上よりやや上の部分に頭がはみ出るがわずか数Fの間だけだし、それを恐れて自滅してしまっては元も子もない。12時方向(真上)でも可能だがはみ出る部分が大きくなり、地上に居る相手から攻撃を喰らいやすい。
     

縦の復帰

基本的に雷神掌一択だが、出すまでに取る択や出し方にバリエーションを付けられる。前提として雷神掌を出す前のステージ下に潜る段階では、ニュートラル回避(移動回避を出さない)や空N、空上で相手の阻止を躱す行動をとっておこう。
また雷神掌の判定が硬く伸びやすいので崖を掴みやすいという点や、技や空中性能の関係で下からの復帰を咎めづらいキャラ(マリオ、セフィロスなど)がいる点などを踏まえれば、横よりも縦の復帰の方がリスクが少ない。

  • 普通に雷神掌
    ごく普通に出す。基本中の基本だが出す位置が崖に近すぎると崖つかまりに移行せずステージ上に昇ってしまうのでそこだけ注意。
  • 雷神掌後に下入力してアッパー部分を当ててから崖つかまり
    下入力している間は崖掴まりしないという仕様を利用し、技の後半のアッパー部分を崖上で待機している相手に当ててから復帰する。アッパーの判定は硬く、そこそこ範囲も広いので油断している相手に刺さる。しかしそれだけ崖つかまりが遅れるので、一点読みのメテオや崖掴みを狩る攻撃(リトルマック、リュカの下スマ)などに負けてしまう。ガノンは崖姿勢が良くこの手の攻撃は普通に崖つかまりすればほぼ当たらないので、相手とリスクリターンを考えて行うこと。
  • 雷神掌前に空中ジャンプ+空上
    メテオや雷神掌受け身反確のために崖外に降りてきた相手を追い払う択。ジャンプを残しているからこそできる択でありこれも寿命伸ばしに寄与する。基本的に相手が来なくてもやることに特にリスクはほぼないので、相手にその気がなくても見せておくことが重要。
    また、雷神掌のみで復帰できる距離なら極力ジャンプを使わないというのも重要。
    ジャンプが残っていれば上Bで掴んだ後にもジャンプが可能なので、連続で雷神掌で掴んでしまった場合でも復帰できたりする。某槍魔王のVIP、スマメイト対戦動画を見ると阻止されかねない復帰では極力ジャンプを使わない様にしていることがわかる。
    地味だがこれができると非常に大きい。

敵の攻撃を復帰に利用する

ネスを相手に戦っていて、こちらが復帰側、ネスは復帰阻止側という状況を想定しよう。
こちらは遠くまで吹き飛ばされ、ネスは復帰阻止としてPKサンダーを放ってこちらに当てようとしている。こういった場合、ガノンはどう行動すべきだろうか?
当たり判定が大きく操作可能なPKサンダーを避けるのは至難の業である。運良く相手が操作ミスすることを祈って空中ジャンプをしてみても、結局は被弾して怯みが発生してしまい復帰不可能となりストックを失ってしまった、という展開はよくある話だ。
こういった場面では空中攻撃で飛び道具の掻き消しや跳ね返しを狙うのも一つの手だが、それが不可能な場面や飛び道具もあることだろう。

しかし回避や掻き消し、反撃が困難だからといって諦めるのはまだ早い。敵の攻撃を避けられないのであればどうにか上手く利用出来ないか考えてみよう。
こういった場面では空中ジャンプを残したまま上Bや横Bを使うのが有効な手である。縦あるいは横への距離を稼ぎつつ、被弾によって尻もち落下状態をキャンセルし、消費済みだった場合は空中回避も復活する。復帰力のないガノンに飛び道具で復帰阻止を試みる場合、相手は自ずと空中ジャンプがくる軌道上を塞ぐ形で飛び道具を放とうとしてくるはずだからだ。それを逆手に取り敢えてジャンプせず復帰技を用いることで、空中ジャンプを温存したまま距離を稼げ、相手が次の飛び道具を放とうとするまでの間に空中ジャンプと上B(横B)で崖を掴める可能性が上がる。
無論、届く距離であっても受け身仕込みをして上Bするというのは大前提である。スネークのリモコンミサイルのような吹き飛ばしが強い飛び道具は、シビアではあるが上手く崖側へと飛ぶよう調整して当たりにいけば崖受け身で復帰出来る。

持続の長い空Nやメテオ技などで相手が直接復帰阻止に来た場合も、同様に空中ジャンプではなく上Bを先に使うのが有効。うまく掴めればダメージを与えられるし受け身失敗による崖メテオなども狙える。メテオ狙いの相手場合はとにかく早期に上がること、崖下で留まる時間をできる限り減らす事が肝要。
無論、こういった動きを試合中に何度も見せれば相手も飛び道具を当たる寸前で逸らすなどのフェイントを仕掛けてくるのでそこからはジャンプを先に使う等の択も交えた読み合いになる。

 

復帰中にステージ方向へ移動しない択を取り入れる

出張烈鬼よろしく、崖外遠くまで吹き飛んだ相手をそのままバーストラインに押し込んでしまおうと深めの追撃を仕掛けるプレイヤーも珍しくない。
空中での横移動速度が一定以上あるファイターなら多少攻撃を喰らっても戻れるかもしれないが、ガノンにとって崖外で小突かれるのはどれだけ弱い攻撃だろうと致命傷になりうる。
空中攻撃で迎撃出来ない状況、相討ちすら避けたいギリギリの蓄積・位置では攻撃が当たらない動き方をするのが重要となってくる。
この場合は崖外側へ一旦スティックを倒し、ステージ方向に近づかない、出来る状態であればステージから敢えて離れるような形に空中を漂うのが復帰阻止拒否として機能する。
相手はガノンが復帰する軌道上、つまりこちらがステージにスティックを倒し続ける想定で空中攻撃を置くので、そのタイミングで近づくことをやめればよほど判定のデカい技やかなり深めの追撃でもしてこない限り相手の攻撃が外れる。
こちらを仕留めるつもりで出張してきた相手は、攻撃が当てられなかったとなれば(帰れなくなってでも仕留めるという気概で道連れを狙ってこない限り)自滅してしまわないようすごすごと引き下がるしかなくなる。
ガノンはその間に復帰出来るだろう。復帰弱者であるガノンは常にステージ側へ移動し続けたくなるだろうが、時にはそうしない択を取り入れることで一命を取り留めることもあるのだ。
復帰ではないがこれの応用として、復帰阻止の来るタイミングで炎獄握を合わせて道連れするという択もある。
こちらが残り1ストの時では出来ない行動だが、相手の攻撃をかわせてもブレーキがかかってしまい崖に届かなくなる…といった場面でこの逆襲択が通ると非常にオイシイ。
状況的に相手のレバガチャが間に合っても手遅れになりがち。

無論、ガノンは横復帰力に乏しいため、スティックをステージ側へ倒すのをやめたせいで届かなくなることもあるだろう。
CPUとの練習や実戦を繰り返し、ガノンはどの位置・高度があれば崖に手が届くかを体感で覚えておくのが大前提である。

【崖上がり】

崖登り解説のページを参照のこと。

【着地】

泣き所が多すぎて忘れられがちだがガノンは着地も弱い。体がデカく、空中の横移動も効きづらく、NBが死に技なので空ダも出来ず、着地をごまかせる便利な移動技にも乏しいからだ。
空中攻撃や下Bの暴れは出た瞬間は強いのだが、出るまでが遅く着地隙も大きめなので対処が容易で、しかもキツいお仕置きが待っている。
基本的には急降下を入力した後ニュートラル空中回避を出す回避降りを優先して動いた方が良い。他キャラでも標準搭載すべき技術だが、ガノンの場合はこれに頼る機会が多くなるだろう。
また、剣士キャラ筆頭に武器判定技や無敵技で着地狩りしてくる相手には、そもそも地上に着地することを諦めて崖に逃げたほうがマシな場面が多い。
ガノンの技は強判定だがさすがに武器判定ごとブチ抜くほどではない。こういった相手にはそもそも暴れの択を取ること自体間違いなのである。
復帰の弱いガノンで崖に逃げることにリスクが伴わないわけではないが、ガノンは崖の性能は割と優秀(当たり判定が地上にほとんど出ない崖掴まり姿勢、リーチの長い攻撃上がり、距離の長い回避上がり、ガード待ちを許さないジャンプ上がり横Bなど)なので着地のキツすぎる読み合いをするより崖上がりの読み合いになる方が遥かにマシだと言える。

【アイテムの取扱】

持ったり投げたりできるアイテムを生成する技を持つファイターは結構多い。リンクのリモコン爆弾、ディディーのバナナ、ロボットのコマなど。タイマン環境においてもこれらの技への対応を理解しておくと心強い。基本的に相手が生成するものだが、これらを利用しない手はない。
まずガードをアイテム投げでキャンセルできることに着目したい。ガノンはガードから発生の速い切り返し技を持たず、最速は掴みの12Fだが、アイテム投げの発生は8Fなので、実に4Fも速いガーキャン択を得ることになる。これは相手も同様なので、アイテム持ちしている相手に下手に攻め込むとガーキャンアイテム投げから手痛い反撃を食らう。特にディディーのバナナ(転倒)、トゥーンリンクの爆弾(空前確定)など危険なので十分気もつけよう。逆に言えばこれらの相手はガードを固めがちになるので、掴みや横Bなどが刺さりやすくなる。
また、アイテム持ちしている間は通常技が出せなくなるので、基本的にアイテム持ちに対してはガードが安定択なのだが、ガノンはアイテムを持ったままガードを崩す横B、上Bを出すことができる。これによりアイテム持ちのガノンには安易な待ちが成立しなくなり、立ち回りがかなり強化される。
この他、投げられたアイテムをジャンプ+空中回避でキャッチするなども重要テクニックである。練習しておこう。

 

【下必殺ワザ】「烈鬼脚」

運用方法は主に流れ崩し。かつてはバーストを狙う場面ではほぼ使われない技であったが、今作は突進速度と距離が伸びたことから崖外での奇襲撃墜択としても有力となった。
吹っ飛ばす力がそこまで強いわけではないので地上でのバーストには少し物足りないが、崖外の相手に放つと相手をバーストしやすい。*10
今作は打点が低めになっているせいかバッタ耐性が減っており、相手の空中攻撃で無防備な上半身を攻撃されて潰されやすい。一方で地面スレスレまで判定が出ているので、一部キャラのしゃがみで躱される事がなくなったというメリットもある。
烈鬼脚は数少ない突進技であるが、通したときの直接的なリターンが少なく読まれたときのリスクは大きい。
機動力の低さからくる差し込み機会の乏しさから撃ちたくなる技だが、相手からすれば中距離以降ではこれだけ警戒しておけばよいので非常に読みやすく、考えなしに使ってしまうとキツイ反撃が待っている。この技の乱用をやめることが魔王上達への第一歩だろう。
性能自体は『中距離にいる相手に攻撃する突進技』ではあるものの、使い手である我々がそういった認識のまま安直に使ってしまうとガーキャンや引き行動で簡単に反撃を喰らってしまう。
相手の置き技の前後隙、ステップ動作や何かしらのセットアップの途中、着地狩り場面や後方回避といった近~中距離でシールドを固められない瞬間を突くという使い方を意識すると当てやすくなり、相手にプレッシャーをかけられる。
これは対戦相手の癖を読む(ステステや後方回避を多用する相手なら刺さりやすい等)ことに加え、ファイターの技の仕様を把握していると成功率が上がる。
例を挙げるとスネークが手榴弾のピンを抜いている瞬間、ゲッコウガのみずしゅりけんのモーション中などは中断出来ずシールドも展開出来ないので無防備に等しい。これらの技は中距離戦においてよく使用されるので対戦相手の技を振る傾向を観察し、適切に使用することで進化を発揮できる。
基本的に睨み合っている状況で放って当たるものではないため、上手くタイミングを見計らえない場合は封印推奨。

飛び道具主体に立ち回るタイプのファイターが相手であれば試合の流れを変える切り札として機能し得る。
リンク族の弓矢やブーメラン、シモリヒのクロス、最小で放たれた場合のチャージショット系の技といった、真横へ飛んでこちらの行動を阻害してくるタイプの飛び道具へ烈鬼をぶつければ、飛び道具を消しながら突進し続けられ、範囲内にいた場合は相手そのものにも攻撃が可能。
ただしこの場合、ガノンドロフを使う上であまり意識されないOP相殺の掛かり具合及び技同士の威力差についてきちんと考慮する必要が出てくる。
詳しい記述は省くものの、基本的には技と技がぶつかった時、お互いの攻撃の威力差が9%未満だった場合にお互いに相殺モーションが発生する。烈鬼先端当ての威力は16%なので7%を下回る威力の飛び道具であれば掻き消せるが、それ以上の場合はこちらが一方的に甚大な隙を晒すこととなり、普通に喰らうより被害が大きくなりやすい。飛び道具側の威力が高すぎるとそもそも相殺出来ず一方的にダメージを負う。
よって烈鬼の貫通による奇襲を狙うのであれば、掴み打撃を多めに入れて烈鬼のOPを回復したり、相手の放つ飛び道具をシールドで何度も防ぐなどしてOP相殺をかけ、威力が低下するよう仕向けなければならない。
こちら側としても普段以上に使いどころを見極め、勝負どころでOPが新品状態の烈鬼を使えるよう気をつけなければならない。

 

【横必殺ワザ】「炎獄握」

距離は烈鬼より短い為キャラクターによっては差し込むことが難しい技。
相手が受け身を失敗すると下強が確定する。
反面、受け身が取れる相手にとっては「中央に戻る」という選択肢を得てしまう為、使いどころが難しい。
やってはいけないのがリスクを考えない読み当て行動。
掴みやコンボリターンの高い相手に対して後ろ回避を読んで後ろ下強や横強を振る等。
(特に受け身ミスをお願いして横強を擦ったりするとガノン側に受け身で後ろに回られて相手側の強攻撃等が確定する。)
相手に流れを作るチャンスを渡すくらいならステージ中央に後退したほうが良いので、一点読み以外の場合は後ろ回避読みが安定か。
地上版はジャンプで避けながら空中攻撃で反撃という攻防セットの動きで対策が可能、空中版は実質の当たり判定が増えるが小さいキャラには当たらず、しりもち落下に移行するのでリスクも大きいと、決して中距離でただ漫然と振れば良い技ではない。
こちらもステステや後方回避に刺さるものの、烈鬼とは違いシールドを固めがちな場面を作り出すことでより効果を発揮させやすくなる。相手の引き行動を深めの追撃で咎め続けて引き行動をし辛くさせたり、空中攻撃を多く振って地上に釘付けにしたり、差し込んできた相手を引き行動でかわしてから反転しつつ繰り出したりすると相手は次第にシールドを張らざるを得なくなるため掴みやすくなる。

 

【上必殺ワザ】「雷神掌」

第三の掴み技。復帰専用と思われがちだが意外と横のリーチが長い。弱未満、横強以上。横の長さにして1ガノンくらいは掴める。見た目のリーチからは考えられない吸いつきっぷりである。
前作までとは比較にならないほど吹っ飛ばしも増えており、崖際なら100%前後で撃墜を狙える。
崖際雷神掌でゲームセット...等はそこそこ見かける光景となった。通称サヨナ雷神掌。
ガノンは密着の掴み、中距離での炎獄握を警戒されるが、それ以外の場面では打撃は絶対にもらいたくないことや投げも相当高%にならなければ直接バーストされることはないため、対ガノンの近距離はガード安定と思われがちである。
そのためこの技の存在が意識から消えることが多く、崖上がり後の展開や台上ガードに刺さる優秀な撃墜択であると言える。
もちろん外した時のリスクが尋常じゃなく高いが、一度通してしまえばこれを嫌った暴れや回避なども引き出すことができ、攻めにおいて重要なアクセントとなる技である。リスクが大きいからと封印してしまうにはあまりにも勿体ない択である。一応、外しても台があれば台上に着地するか否かで読み合いになったり、崖が近ければ急いで崖に逃げたりで反撃を避ける行動も残されてはいる。
この技でのバーストを視野に入れて立ち回れると、ガノン使いとしてワンランク成長したと言えるほどに重要な撃墜択である。2度やる技ではないが、とっさの状況で使えるように掴みの距離とバーストラインを把握しておこう。
なお、若干打点が高いため状況的には確定していても小さいキャラや着地・攻撃時の姿勢の良さなどでスカってしまうこともある。崖上がり攻撃を誘ってガードしすぐさま上B→崖上がり攻撃で姿勢が低くなっており当たらない、のような悲しい現象も起こりうる。過度な信用は禁物。

 

まとめ

以上の要素を詰めてガノンドロフというキャラクターに対する理解を深めていこう。
もしも読み&詰め以外で勝てる理由があるとすれば

  1. 相手がガノンドロフというキャラクターに対策をしていない(わかっていない)
  2. 詰めるときに相手が判断を誤った(ミス待ち勝利)
  3. ガノンドロフと同程度か、それ未満の性能のキャラクター

このどれかである。


*1 多くの格ゲーでは前/後ろ/垂直ジャンプといったように、ジャンプ後の軌道は一定である。これに対しスマブラは、ジャンプ後でも左右移動でき、さらに空中ジャンプによりもう一度移動できる。したがって、空中攻撃というのは実質的には突進技としての性能も兼ねている。更にスマブラでは浮遊台や復帰といった縦の読み合いもあり、そこでも主に用いるのは空中攻撃である。
*2 だからといって格闘ゲームでは機動力が重要ではないのかと言えばそうではない。格ゲーでも歩きやダッシュ、バクステ等が速かったり、便利な移動・突進技を持つキャラはそれだけで利点になる。X時代のような例外もあるにはあるが、この手のゲームは言ってしまえば足の速さが正義なのである。
*3 空前着地隙低下、空上崖つかまり可能フレーム短縮、下スマ繋がりやすくなるといった立ち回りの恩恵が少ない調整しかされていない。食らい姿勢の修正でコンボが繋がりやすくなったりとむしろ弱くなっている
*4 VIPマッチで最も使用率が高いのがガノンだったと公式発表あり。メイトでもキャラ別使用率はトップ10の常連である。
*5 初期は理想的な通信環境でも5~6Fの遅延があったと有志の調査で分かっている。数字ではピンとこないかもしれないがサムスのチャージショット1個分が見えないと言えばわかりやすいだろうか。
*6 ただし本気でガノンを使って勝とうと考えた場合、キャラ対策が必須になってくるため上級者になればなるほど覚えることは指数関数的に増えていくことに注意されたし。
*7 下投げのあと、回避を読む、崖掴まりに合わせる、などの崖奪いフェイントを仕掛けて、内側で上スマなどほとんどのガノンプレイヤーが無意識にやっている読み合いを指す。
*8 ゲーム中ではファイターが走り始める部分を『ダッシュ』、スティックを倒しっぱなしにして走り続けていることを『走行』と呼称しているが、専らユーザー間では格闘ゲームに倣い『ダッシュ』をステップ、『走行』をダッシュと呼ぶ事が多い。混同しないよう気をつけよう。
*9 単純な緩和量で言えば移動回避よりもジャンプをするほうがふっとびは抑えられる。が、ガノンの場合緩和が必要なほど飛ばされた際、先にジャンプを切ってしまうとまず届かなくなる。よって必然的にまず移動回避をするのが最良の緩和行動となる
*10 地上から崖外に下Bを放つ行動は「出張烈鬼脚」とも呼ばれる。