『パルテナの鏡』シリーズについて
1986年にディスクシステムで発売された『光神話 パルテナの鏡』がシリーズの始まりである。世界観はギリシャ神話を元にしているが、所々それとは関係無いひょうきんな要素も含まれている。桜井政博氏曰く「神話をちょっとバカにしたような」。
ゲームとしてはアクションだったり、探索アクションだったり、シューティングと、場面によって大きく内容が変わるのが特徴。日本以上に国外で人気が高く、度々続編を希望する声が上がり、実際に二作目の『Kid Icarus: Of Myths and Monsters』は国外でのみ発売されている*1。
一作目と二作目は任天堂とトーセ*2共同開発、三作目の『新・光神話 パルテナの鏡』はプロジェクトソラ*3による開発である。
特に『新』は桜井氏がディレクターを務めた事もあり、氏の発想で3Dアクション・シューティングへと大きくゲーム性が変更されている。『新』の開発経験はスマブラ『for』以降にも生かされており、スマブラの歴史を考えても重要な作品である。
キャラクター解説
ピット
パルテナ軍の親衛隊長。初登場した頃はいかにも少年と呼べる容姿だったが、『X』に初参戦した際に大幅に容姿を変更。あどけなさは残るものの、以前よりリアル頭身でイケメン化し、当時のプレイヤーからは整形したと言われまくっていた*4。更にCVも付いて普通に喋る様に。『新』ではこの容姿と声が逆輸入される事になった*5。
明るく元気で素直な男の子だが、ちょっとカッコつけたがりで単純。実際の年齢は100歳以上。精神的には12歳前後、小学校6年生くらいの精神年齢。
撃剣、神弓、剛腕などの多種多様な武器を使いこなせる才能があり、パルテナ軍の戦力は大体彼に集約される。そのため彼に休みはない。
パルテナ様のことを心から尊敬しており、その使命に従うことを誇りに思っている。…思ってはいるが、お小遣いも自由時間もなく、寝ているときに叩き起こされ出撃させられたり死にかけたりなど、ブラック企業なみのハードワークでひたすらコキ使われることについてはうんざりしている部分もある。それがブラックピット誕生に繋がった。
ちなみに彼は天使だが飛行は出来ない。パルテナの「飛翔の奇跡」による援護で飛べるようになっているに過ぎない。この「飛翔の奇跡」は制限時間があり、それを過ぎてなお酷使すると羽が焼き切れ最悪死に至る。原作では終盤で一度だけ限界を超えて酷使し、再起不能の傷を負うことになった。
女性プレイヤーからの人気は高め。ただしピット本人が望んでいるような『かっこいい』という評価は殆ど無く、『かわいい』とか『愛でたい』とか『女の子の格好をさせたい』という反応が多い様子。哀れ。
ブラックピット
『新』で登場したもう一人のピット。闇堕ちしたピットでは無く、両者は別々の存在。英語版ではダークピットと呼ばれる。通称ブラピ*6。本人はその略称で言われると怒るが、登場人物はどいつもこいつも容赦なくブラピ呼ばわりである。
冥府軍がピットのコピーを作ろうと策を練り、「真実の魔鏡」*7という対象をコピーして自由に操る道具を使おうとしたところ、コピー完了直前にピットによって鏡が破壊されるトラブルが発生。その結果、能力は全く一緒だが誰にも操ることの出来ない存在が誕生。これがブラックピットである。
性格は皮肉屋で斜に構えたひねくれもの。ただしカッコつけているだけで、実際の性格は熱血漢で単純。ピットが小学校6年生くらいの精神だとすると、ブラックピットは中学校2年生くらいの精神。要するに反抗期のピットのようなもんである。なんだかんだ言いつつもかなりのお人好しであり、窮地に陥ったパルテナの救援に乱入してきたり*8ピットへの借りを返すという名目で働いたりと律儀な性格をしている。
元のピットの願望の側面を元にしているためか束縛されることを極端に嫌い、自由気ままでいることを好む。女神に束縛された生を歩むピットのことは毛嫌いしているが、実際のところ窮地では協力したり連携したりなど喧嘩するほど仲がいいというアレである。ツンデレともいう。
ピットと同じであらゆる武器を使いこなせるため使用武器がコロコロ変わり、「最初の擊剣」、「ブラピの狙杖」、「破掌バイオレット」、「巨塔百鬼の棍」、「爆筒EZランチャー」などを使いこなす強敵。一度直接対決に敗れた後は神弓シルバーリップを愛用する。…実は衛星ガーディアンと豪腕デンショッカーを原作でつかったことはなかったりする。
すごくどうでもいいが、非常に女性プレイヤーからの人気が高い。ただし、『かっこいい』や『かわいい』ではなく『からかって反応が見たい』というお姉さんが多いようである。業が深い。
ファイター性能
ピットの方は『DX』でフィギュアとして登場したのが始まり。この時は特に注目もされなかったが、『X』でまさかの大抜擢(と容姿変更)をされ参戦。『初代64版』時代に実施された企画「スマブラ2があったとしたら出てほしいと思うキャラ」にも名前は上がっており、要望があったのは事実である。発表もE3の初公開時と最初の最初で注目を集めた。『新』を桜井氏が手掛けた事もあってか、『for』以降はスマッシュアピールの実装に加え、各種広報でも出番が増えた。カービィが氏の子供なら、ピットは養子かもしれない。一方のブラックピットはピットのモデル替え。『for』で隠しファイターとして初参戦し、『SP』ではピットのダッシュファイターとして扱われている。
万能型のファイターで高性能な飛び道具、反射、高い復帰性能を持っており、一通り何でもこなせる事から真の初心者向けファイターと称される事が多い*9。ピットとブラックピットは基本的には同じだが、必殺ワザの性能が異なっている。詳しくは下記の違いを参照してもらいたい。
ピットとブラックピットの違い
- NB
- ピット(パルテナの神弓):威力・速度・射程はブラックピットと比べて劣るが、細かい軌道操作が可能。
- ブラックピット(神弓シルバーリップ):威力・速度・射程がピットより高く、崖外なら撃墜も狙える。その代わりピット程、細かい軌道修正が出来ない。
- 横B
- ピット(豪腕ダッシュアッパー):上方向に相手を吹っ飛ばす為、ブラックピットよりも撃墜場所を選ばない。
- ブラックピット(豪腕デンショッカー):電撃属性付。ピットより少し威力が高く横方向に相手を吹っ飛ばす。相手を崖に追い詰めた状態ならピットよりも早く撃墜が見込める。
長所
- 多段ジャンプ持ちで、更に高性能な上B飛翔の奇跡もあり、復帰には苦労しない。
- 持続の長い空中技が多く、ベクトルも良好で復帰阻止もお手のもの。かなり深くまで追える。
- 下B(衛星ガーディアンズ)は着地狩り拒否性能がかなり高く、加えて反射機能もあって安易な飛び道具待ちを許さない。攻守共に安定した展開を維持できる。
- 高性能なDA・武器判定と鬼持続の空上・リターンが非常に高い掴みなど、着地狩りが得意。
- 両ピット共にNBの飛び道具が高性能。ブラックピットなら撃墜の可能性も。
- 武器持ちとして技の発生が早め。
- 前投げのバースト力が高く、かつそれを警戒して内ずらしした場合に下投げ空上という投げコンバーストもある。火力不足ながら寿命を迎えさせる能力はある。
短所
- 火力がやや足りず、撃墜までに時間が掛かる事がある。
- 一通り何でも出来るが、それ以上に大きな特技が少なく器用貧乏とも言える。
- 技の発生は早いが全体Fは長め。空中技はほとんどガノン以上に長い技ばかりなので外した時のリスクが高い。
- 上Bには攻撃判定が無く、移動も遅い為、復帰阻止やメテオに非常に弱い。
ステージ選択について
浮かされたところを空Nによる引き摺り下ろしで繋げる高火力コンボルートがあるため、戦場は拒否すべきステージのひとつと考えられる。
弓矢の軌道の都合上、足場は相手の矢を防ぐ盾としては機能し辛く、こちらの差し込みは逆に邪魔となってしまう。
多段ジャンプ持ちであることと空ダ含む下Bの着地狩り拒否性能から、足場が多いと着地が誤魔化されやすい。
要注意技
- DA ダッシュスライス
走る勢いのまま前方に斬りつける。
発生7Fと速く、リーチも長く、そのうえ撃墜力もあると非常に優秀なDA。差し込み、差し返し、追撃、着地狩りと幅広く用いられる。
このDAに加えて空N、空前も優秀なのでピット・ブラピ相手にはガードを強制されやすく、リーチの長いダッシュつかみとの択攻めが強力。
後隙はそれなりに長いためガード出来たら反撃のチャンス。密着時はめくることもあるが大抵は目の前で止まりがちなのでつかみ等でしっかり反撃していきたい。
ただし、ピット側としても接敵する時はよりリスクの少ない空Nやリーチが長くリターンを狙えるダッシュつかみを選びがちであり、最優先で警戒するというほどではない。
単純な突撃技として使うよりも、引き行動を狩ったり高蓄積時の裏択撃墜技として用いてくることの方が多いため、そういった展開では注意しよう。
ベク変の最適解は外方向であり、きちんと出来ればガノンの場合重量もあって割と耐えられる。ただし発生が早くヒットストップも小さいため、差し込もうとした瞬間の被弾や判断ミスで内ベク変となり撃墜が早まることも珍しくなく、カタログスペック以上の撃墜力を発揮するのが厄介。
- 上強 アンチエアキック
頭上に二段蹴り。CFの上スマをゆっくりやっているようなもの。
吹き飛びが弱いため空中技に繋げやすくコンボ始動技として使える。しかし最大のポイントは一部の床でダウン連が起こせること。
具体的にはポケスタ2の高さの台。台上でダウンしてる相手に一段目のみが当たるようにするとダウン連となり上スマが確定する。台の上なので撃墜帯も下がり脅威。
稀にダウン中の相手に上強一段目ヒット→地面バウンドして再びダウンというダウン連ならぬ連続ダウン状態になり、受け身に成功しない限り永遠と上強一段目がヒットし続ける…という悪夢のような展開になることも。もしそうなったらタイミングよく受け身を狙おう。
- 下強 レッグカッター
足元を切り払う。
Ver.8.0のアプデで真上に飛ぶベクトルに変更されたことでコンボ始動技としての価値が向上した技。
リーチが長い、発生が速い、隙も少ないと非常に優秀。空N・空前でジャンプし辛くしたところに下強を引っかけるというのがよくあるパターン。
喰らうと空Nや空上に持っていかれる。特に空上は蓄積次第で撃墜も視野に入る危険なコンボルート。空N引き摺り下ろしからのコンボパーツ、崖掴まりの瞬間を拾って空上・空後に続ける撃墜コンボなども。
もっともガノンの場合前者はともかく後者は姿勢で避けられる。
- 横スマ デュアルアタック
片手剣を切り下ろしてから弓に連結して薙ぎ払う、二連撃タイプの横スマ。ピットの通常技の中で最も吹き飛ばしが強い。それ故に「かなり喰らってはいるものの他の撃墜技なら喰らってもまだ耐えられる」といった状況ではこの横スマを最優先で警戒すべし。
連続技なので一段目にその場回避を合わせても二段目を喰らう。後隙は通常キャラのスマッシュ技相応に長めなので移動回避やステップで避けられたら即座に差し返しを図ろう。
この技の脅威は発生Fが10Fである点。これは横スマの中でトップタイの発生の早さを誇る。*10
近距離で大技をスカしたりすると即座にこの横スマで最大確反を取られかねない。
- 上スマ エンジェルスピン
頭上を三連続で切り上げる。
発生と対空性能に非常に優れた上スマ。ピットの頭上から安易に差し込もうものならこれで容易に対処されてしまう。
初撃の発生が6F目と7F目で分かれており、まず6F目にピット上部に大きな判定が、7F目にピットの前方にいる相手を頭上に打ち上げる小さな判定が発生する。
この6F目の頭上攻撃は密着時にガノンの頭にヒットしてしまうので近距離では6F発生のガーキャン技と化す。つまり最速攻撃が7Fの弱攻撃であるガノンは密着時に発生負けしてしまう。
- 下スマ ローアタックコンビネーション
地面スレスレに前後へ斬りつける。
前方の発生は5Fと非常に早く、全体モーションも39Fとコンパクト。先端よりも根本の方が威力、吹き飛ばし共に強い。
リリース当初ではその程度の利点しかなかったがアプデで吹き飛ばしやベクトルが強化され撃墜技としても充分強力な技と化けた。
全体Fが短いのを良い事に立て続けにブンブン振り回してくることもあるため、ちょっと遠くでピットが下スマを空振りさせたからといって安易に近づくのは非推奨。
- 空N スピニングサイクル
自身を中心に神弓を高速回転させる。数回ヒットした後のフィニッシュで相手を吹き飛ばす、多段技のグルグル系空N。
発生4Fと非常に早く、ジャンプ踏切3Fと合わせて前後問わず攻撃可能な発生7Fのガーキャン技としても使える。当然ながらガード後のジャスガは不可能。
崖上がり狩りや復帰阻止技としても使え、ジャンプの下りで当ててフィニッシュを着地キャンセルすることで空中の相手を地上に引き摺り下ろしてコンボ・連携に繋げるといった使い方も可能と、シチュエーション問わず使える非常に優秀な技。
空Nの引き摺り下ろしから下スマ根本当てが繋がるため地上の撃墜シーンでも使われる。
ただしどこぞの女神様とは違い攻撃判定そのものはやや小さめ。こちらの空Nなど強判定の技とぶつかり合えば相打ちや判定勝ちに持ち込めることもある。
- 空前 フロントサイクル
神弓を前で回してチップソーのように切り払う。
判定が前に出る上持続が長く台の外で食らったらひとたまりもない。復帰力の高さを生かして急降下空前、多段ジャンプ滞空空前といった復帰ルート封鎖はガノンにとって非常に脅威となる。
ピット通常技の寿命ぼったくり技なのでこれに当たらないよう注意したい。
崖外運び多段技を喰らっている最中のガノン使いによくあるパターンとして、抜けることに期待したり焦ったりして空中ジャンプを消費し、その願いも空しく次の技がヒットし復帰不可能に…というのがある。
崖外遠くまで運ばれてる時点でかなり不利であるためそのストックはほぼ失っているも同然と考え、同じワンチャンに賭けるのであれば喰らってる時に下手にジャンプせず、ピットが戻る頃合いにおねがい復帰を試みてみよう。
弱点は上下への判定が非常に薄いこと。ガノンの場合長身&ジャンプ高度の低さによってその弱点もあまり機能してないが二段ジャンプからの空中攻撃でリスクを付けるのもいいかもしれない。
- 空後 エアスタッブ
神弓で後ろを突く。高威力型の空後であり、特に先端当てはピットの技にしては非常に吹っ飛ばしが高い。
120%くらいでもやられたりするためピットが背中を向けて飛んでいたら要注意。
- 空下 アンダースラッシュ
神弓で下を薙ぎ払う。先端メテオ。メテオ判定がある技としては全体動作が短く2発目も出せるのが特徴。
ピット通常技の寿命ぼったくり技その2。
メテオ部分でない場所を当てることでコンボパーツとして使う用途もある。この場合は逆にピット側の操作ミス等でメテオ部分に当たればコンボが切れ、多少安く済ませられるだろう。
- 空上 ライトニングローター
ヘリコプターのローターのように頭上で剣を回転させる。
見た目でお察しの通り、お手玉展開のしやすさと対空判定の硬さが脅威。
判定は出っ放しというわけでなく断続的なので運が良ければ隙間に攻撃をねじ込めなくもないが、下手に反撃を狙わず回避に努めるのがセオリー。
吹き飛ばしも割と強めで蓄積が溜まった状態で高い位置で喰らえば撃墜は免れない。ダメージ稼ぎでも用いられやすいのでOP相殺が掛かりやすいのが救いか。
空Nより状況を選び難易度も上がるが、この技もピットが足場の下に潜り込むような形で引き摺り下ろしてからのコンボ・連携などを狙われかねない。
- 前投げ アッパースイング
掴んだ相手を神弓で切り上げる。崖際だと投げバ可能な優秀な投げ。
特にピットは機動力が良く掴みとDAの2択性能が良いのでこちらの蓄積が溜まってきたら意識したい。
ただしこれでやられるということは対ピット戦では割と寿命な方。
- 下投げ ボーンディバイド
地面に寝かせた相手に神弓を叩き付ける。ガノン下投げに似たバウンドの仕方をする上、ガノンほど遠くまで飛びにくいし硬直もこちらの方が短い。
シンプルに直接空Nや空前を当てる、空上でお手玉展開を作る、空下を横当てしてから空Nや空前に繋げる、コンボ終了後の着地隙にダッシュつかみを通してもう一度下投げする…等、蓄積稼ぎ・展開維持のルートが豊富。
序盤のコンボ始動技としてとにかく優秀。ガノンの図体の大きさ、暴れの弱さが相まってぼったくられやすく、こいつを一度通されただけでもかなりの蓄積を稼がれることは覚悟しなければならないだろう。
また、高蓄積における崖端では前投げを警戒して内ベク変している時に下投げを喰らうと空上のコンボが確定して上方向にバーストする。言わずもがなそれを嫌って外ベク変すると前投げの撃墜帯が下がる。
つまりピットに崖で掴まれた時点で不利な二択を迫られるということ。どちらにするかはその時の判断次第としか言えないが、強いて言えば前投げされると死ぬ蓄積であればギリギリ耐えることに賭けて内ベク変した方が良いだろう。
- NB パルテナの神弓(ピット) 神弓シルバーリップ(ブラピ)
(ピット版)
弓を引き矢を放つ。魔王様にとって忌むべき技
弓を構えた時は振り向き可の上に上方向にも撃てる。
撃った後も矢の軌道を操作できるのが最大の特徴。
そのせいか全体動作はリンクよりは重い。
ファルコのブラスターのように当たっても吹っ飛ばないのが最大の特徴。
ダメージそのものは低い。1on1補正抜きの場合、溜めなし~最大ホールドで3.2~8.6%なので大抵の場合は烈鬼で貫通可能。
そのため立ち回りではリンクほど常用してこない。台上では意識する必要性は薄いが、妙に距離を取って連射されてる場合はOP回復を狙われているので距離を詰めること。
コイツの最大の問題は復帰阻止に使われた時である。
空中ジャンプした瞬間に当たってしまうとそこで上昇が止まるので場所によっては即死。
しかもピット側はノーリスク。かなり曲がるため下にいても油断はできない。真下からの雷神掌復帰も潰され得る。
しかしながら対策は至って単純、相殺すること。矢を引き付けて空N・空上で簡単に相殺できる。
全体フレームの関係から、一度相殺すれば2本目の矢が来る前に復帰できる場面が増える。覚えておいて損はない。
空中ジャンプさえ消耗しなければ生き延びられる率が上がるため上Bが届く距離なら上Bから出した方が良い。
(ブラピ版)
弓を引き矢を放つ。魔王様にとって恐るべき技
撃った後も矢の軌道を操作できるが、軌道の操作が非常に重くピットのものほど操作は出来ない。
矢の進みも遅く重い。そのため復帰阻止性能が落ちている。横軸があったら気を付ける程度で良い。
その代わり威力が上がっておりピットのモノと違い軽く吹っ飛ぶ。
威力は1on1補正抜きで溜めなし~最大ホールドで5.5~14%。烈鬼での貫通は可能だが、ある程度ホールドされると出来なくなるのでピットより奇襲が若干やり辛いかもしれない。
復帰阻止でヘタに当たるとバーストしたりするので蓄積が溜まっているときはそれなりに注意したい。
また、台上で当たってしまうとラインを回復されてしまうため立ち回りではこれと向き合うことになる。OP回復目的で射ってくることも考えられるが矢の操作がし辛いこともあるためピットほどしつこく飛んでくることはないだろう。
サドンデスではこれでトドメを狙ってくるのでサドンデスになったらまずガードをしよう。
- 横B 豪腕ダッシュアッパー 豪腕デンショッカー
低く構え相手に近づくとアッパーをかます。ファルコンナックルに更に強いアーマーを付けて撃墜向けにした技。
アーマーが付いているためこちらの攻撃一点読みで耐えつつ反撃という技が出来る為これがきそうな距離は意識。
特に魔王様はほぼ単発技しかない為確実に狙われる。特にシールドをあまり貼らず技をひたすら連発してゴリ押そうとするタイプのプレイヤーは手痛いクロスカウンターを喰らわされやすい。
ピットとブラピのモノで性能が若干違うが使い方は同じなので対策としては一緒。
ただしブラピはこの技が最大吹っ飛ばしなので隙あらば狙ってくる。
性能はピットの場合は上、ブラピは横へと飛ばす。ダメージ・中央からの撃墜力ともにブラピの方が少し高め。
崖背負い時は横に飛ばすブラピ、台上や高蓄積時の決定力は上バーストが狙えるピットが強い。
様子見空Nあたりが狙われ目なので蓄積がある時のヘタな空Nはしないように。苦しくなった時にやりがちなDAや烈鬼のブッパもかち合うと耐えられてぶん殴られる。慎重に立ち回ろう。
アッパーの判定が上方向に強く不発時の後隙も長いので着地狩り拒否には向かないが着地狩りには使用してくる。
このせいで安易な空烈鬼は弾かれるため素直に崖を目指すこと。
また、アーマーを盾にして崖を掴むときに出してくることもある。読めたら上Bでお仕置きしてやろう。
ちなみに空中版だと威力が落ちる。空振り時の硬直が長いせいで崖外で暴発するとかなり深いところまで落ちていき、位置が悪いとそのまま自滅したり、上Bが届くギリギリの位置まで落ちていったりしやすい。
飛び道具を反射する仕様もあるが反射する方向は斜め上と反射した弾を相手にぶち当てる用途には向かない。アイテム無し1on1ルールでは魔王様には無関係だが。
- 下B 衛星ガーディアンズ
自身の左右に盾を展開する。展開可能時間はボタン押しっぱなしで約2秒、時間経過とともに盾は縮小していく。空ダ対応。飛び道具を1.5倍で反射する機能があるものの、弾キャラのいる乱闘やアイテムありルールでもなければガノンには関係ない話。
この盾には相手の攻撃を防ぐ効果もあるため空ダと合わせての着地狩り拒否や崖上がり時の崖離しジャンプからの安定択として機能する。耐久力は15%。それ以上の攻撃を受けると破壊され、10秒間再展開不可能となる。
簡単に言えば空中でも展開可能な第二のシールド。宙に浮かされた時の防御手段がジャンプ、回避、暴れ(+空ダ)が基本となるスマブラにおいて空中でもガードが出せるというのは非常に大きなメリット。
ガノンの火力を持ってすれば盾の破壊自体は容易に行えるが単発技ばかりなのでそのまま追撃に転じることはしにくい。シールドの常としてつかみには無力なので冷静につかみかかろう。
ただしこの盾は押し出し判定を備えているので、例えば密着時にその場つかみをしようとすると押し出しによって不発となる。つかむのであればダッシュつかみや炎獄握、上Bなどを使うと良い。
一部復帰技に下Bの押し出しを合わせる復帰阻止方法もある…が、つかみ判定の復帰技を持つガノンにはあまり関係がない話。
また、盾がカバーしているのは左右であり上下からの攻撃は普通に通る。
- 上B 飛翔の奇跡
長距離を飛行できるが攻撃判定を一切持たない復帰専用技。ルートもまっすぐしか移動できないのでガノンの各種復帰阻止技の餌食になりやすい。
崖外に飛ばしたピットは撃墜のチャンス。ある程度崖に近い位置なら空中ジャンプからの空前などで拒否も出来るが、一定以上ともなれば復帰阻止しようとしたところにNBを放って嫌がらせしタイミングをミスらせるぐらいしかピット側の抵抗手段がなくなる。
迂闊に崖外に飛び出して殴ろうとすると空中ジャンプで滞空され、こちらが戻らざるを得なくなった頃に悠々と復帰されてしまう。崖で睨みつけて戻る瞬間に飛び出せるようにすると良い。こうすれば崖下深くに降りてから上Bで戻ろうとする動きも狩れる。
逆にこの技があるお陰でピットは深くまで復帰阻止に赴くことが出来るということでもある。ガノンの空中攻撃の破壊力が高いので事故が怖いことと、ガノンの復帰力がクソザコなのでNBでチクっとすれば済む場面が多いのもあって対ガノンに無理してまで出張してくるピットはあんまりいないが。
立ち回り
とにかく焦らないこと。
技の性質やコンボ性能などを勘案するとどうしても手数自体は相手側に軍配が上がる。これにガノンが対抗するには一発の火力の高さと吹き飛ばしの強さで試合をぶち壊すことに賭けるしかない。
ピット側がひたすらコンボを繋げて稼いだ火力もガノンが3~4回ほど殴ったらすぐ追いついた、となりがち。なので中々相手に近づけなかったとしても焦る必要はない。相手もガノンに壊されることを恐れているのだ。丁寧な立ち回りを求められる相手を破壊する、ガノンの日常風景である。
空Nや空前といった持続の長い多段技の圧はガーキャンの弱いガノンにとって非常に苦しい。シールドを固めてもピットはダッシュつかみの性能が良く、下投げからの火力(撃墜)コンボや投げ撃墜も持つためジャスガ、シールド、回避いずれも「とりあえずこれ」といった対処法が存在しない。
ただ、下投げを通されるとほぼ確実に蓄積とラインを一気に稼がれてしまうのでせめて投げだけは絶対に通さないようにしよう、という気概でまずは立ち回るといい。
SJ空前から高確率でダッシュつかみを通して下投げから火力を稼ごうとしてくる。シールドを張るより回避した方が良い。
空前先端当てで間合いを維持しつつガードを固めさせ、シールドに意識を取られた瞬間につかみを通す…という展開はよくあるためアウトレンジからの攻撃を繰り返す相手にはガードを固めながらもダッシュつかみへの警戒を怠らないこと。
ガノンの防御択にこれといった正解がないとは述べたが、裏を返せばピットにも「とりあえずこれ」という安定択がない。ガノンはシールドが弱いので多段技の押し付けが効果的になるものの、全体Fが長いので相手を捉えられなければ大きな隙を晒す。
引き空前や引き横スマなどで迎撃すれば大事故を起こすことも。そこまで行かずとも引きステからの振り向き下強などで着地を叩き、確実に一撃を入れていくと火力差でこちらが有利になる。
あらゆるシチュエーションに対応可能なオールラウンダーでありファイターそのものに由来する特筆すべき弱点が少ない。スマブラ力の高さで戦うタイプのファイターなので、ファイター性能を把握した上で対戦相手の腕前や癖を読み、試合中に対策を練ることが求められるだろう。
ただし復帰に関しては明確に弱点となっている。上Bによる復帰はガノンからすれば阻止しやすいので狙い目。相手も上Bの阻止耐性のなさは承知済みであるためそれは最終手段とし、移動回避崖つかまり、空N空前で暴れつつの復帰がメインとなるだろう。いずれかを読む——あるいはそうせざるを得ない状況やそうしたくなる展開を演出して誘い込む、といった動きをしてみよう。例えば崖上で待機しているこちらに暴れてくるようならガーキャン空Nを喰らわす等。