Last-modified: 2024-06-23 (日) 03:24:20

概要

みんなの命の源。
寝泊りできる場所を手に入れたら水の確保を最優先にしよう。

飲み水の理想として、川の水を直接汲んでくるのではなく、近くに穴を掘って染み出してきた水を濾過装置で濾過し、そのうえで煮沸消毒したい。
しかし濾過は厳重にやればやるほど時間はかかるし、得られる水の量も時間当たりの効率は相当落ちてしまう。

煮沸消毒

古来よりシンプルな消毒手段。だいたいの生存者はこれの後にまずい水を泣く泣く飲むことになるだろう。
煮沸消毒のついでにお茶を煮出したりコーヒーを淹れたりするかもしれない。
おおむね3分、山地など高度の高い場所では5分ほど沸騰させれば大腸菌などは死滅する。
生水をそのまま飲むのに比べて安全性がぐっと増すため、飲料用水は一度沸騰させることが大前提になる。

煮沸消毒で死なないメジャーな菌として、セレウス菌が存在する。土壌中のポピュラーな菌で、農産物によく付着している。
下痢や嘔吐といった、一般的な食中毒の症状を呈する。幸い、対処としては水分・栄養補給による自然回復でよいとのこと。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/shokuhinanzen/life/syokuhinanzen-ansin/020.html>福岡市 主な細菌性食中毒の種類
>この菌は通常の加熱調理では死滅しません。加熱調理を過信しすぎないようにしましょう
なんてこった。
幸い、他の細菌類の多くは煮沸消毒で対処できるため、やはり飲み水は煮沸消毒くらいは済ませておきたい。

濾過

川の水も煮沸させたとはいえ、濁っていたら飲む気も失せるというもの。
口にする水はやはり透き通っていてほしい、泥の苦さや藻の青臭さは勘弁してほしい…。
ならば煮沸前に濾過しよう。

多種多様なフィルターで作られた濾過装置の中に濁った水を通せば、(程度の差はあるが)透き通った水が得られる。
基本的に採取した水は汚れているため、飲用する場合は濾過で対処することになる。
濁った汚い水も、ハンカチやガーゼなどで濾過した後で煮沸すればたいていのものは飲める。
沸騰するにせよ消毒剤を使用するにせよ、汚れた水は適当な布地で濾してしまおう。

フィルターに使われるものは、砂利や砂、ガーゼや綿の布切れ、あるいは活性炭のような吸着剤など。
目の粗いものを上に、細かいものを下にすれば完成だ。
特に効果が大きいものは炭と砂であり、極論この二つさえ詰めておけば濾過装置としては事足りる。
使い続けていくうちに目詰まりを起こして汚れも蓄積されていくため、複数作っておきたい。

市販の携帯用浄水器も原理的には濾過と同じで、高性能なフィルターを詰めている。
無処理で水を飲めるようになるため、サバイバルにおいては極めて便利である。
とはいえ、あまりにも汚い水をそのまま直でやると製品寿命を縮めてしまうぞ。
最低限、布やティッシュか何かで濾そう。
できれば自作の濾過装置を通した後の水を使用したい。

水の塩素消毒

煮沸消毒や濾過以外に、次亜塩素酸ナトリウムによる塩素消毒という方法がある。
日本のご家庭に届く水道水と同じ処理を行おう。
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤や殺菌剤の主成分だ。
この際に使用する薬剤は「キッチンハイター」のように洗剤成分が入っているものは使用してはならない。
可能な限り、「ハイター」のように次亜塩素酸ナトリウムとアルカリ剤のみのものを使おう。
次亜塩素酸ナトリウム濃度が6%なので、塩素消毒には水1Lに対し3滴ほど必要だ。
かきまぜて30分経って、塩素のにおいが残る程度なら塩素消毒できたということになる。
消毒したい水がひどく汚れていたり、着色していたり、あるいはとても冷たい水である場合は塩素の量を倍に増やそう。
かきまぜた時に塩素のにおいが残っていない場合、これもやはり塩素の量を増やす必要がある。

薄めたNaOClは過熱することで2NaOCl→2NaCl+O2に分解される。
つまり、煮沸消毒すると塩と酸素になるわけだ。
カルキの匂いが気になる場合は煮沸消毒を行おう。

塩素濃度を変えれば、除菌用水としても使用できる。
ノロ・サルモネラ・チフスやO-157などの除菌を行うことができる。
糞便や嘔吐物が直接付着した場所は濃度0.1%、服・食器・便器あるいはドアノブや手すりなどの消毒には0.02%ほどの濃度があればよい。
ハイターでは1リットルあたり、0.1%は16ml、0.02%ならば3.3mlで作成できる。

気を付けてほしいのが、次亜塩素酸ナトリウムはとても分解されやすく、光や温度で簡単に殺菌能力を失ってしまう。
自然分解もされやすいため、使用する漂白剤などは新しいものを優先して使いたい。
薄めた次亜塩素酸ナトリウム水溶液は作り置きが効かず、使用する都度作成することが望ましい。
塩素消毒した飲み水を保存する場合は温度変化を避け、アルミホイルなどを巻いたり暗所に保管しよう。
これは水道水を入れた容器も同じだ。

参考文献<https://www.muni.org/Departments/OEM/Prepared/Documents/ONLY%20USE%20WATER%20THAT%20HAS%20BEEN%20PROPERLY%20DISINFECTED%20FOR%20DRINKING_JPN.pdf>
↑アラスカANCHORAGE自治体の非常事態における水の調達について

蒸留

理想をいえば、蒸留を行いたいが装置の組み立てにはノウハウが必要で、そして大量の燃料が必要だ。
心配したところでどうこうなるものではないが、蒸留でも除去しきれない物質が存在する。
揮発性有機化合物(VOC)とよばれる物質だ。詳細は除くが、ガソリンや有機溶剤などから多く発生する。
これらの除去はその道のプロが専門の道具を用意しないと難しい。我々が鉄火場で可能な技術ではないことは確かだ。
薬品工場などその近辺で水を採取することを控えるなどの方法しかないだろう。
平時では漏洩対策が実施されているはずだが…。

そしてアルコールも蒸留だと水から除去が困難な物質である。
その性質を利用して作られるのが蒸留酒であると説明すれば伝わるだろうか。
蒸留先に出るのがアルコール濃度の高い蒸留酒、残るのが「もろみ」である。

太陽光殺菌

SODISという方法がある。
Solar water disinfection …つまり太陽光を利用した殺菌だ。
正確には、太陽光に含まれる紫外線を利用した殺菌方法である。

方法はシンプル。透明な容器に川などから汲んできた水を入れ、太陽の光にあてる。これだけである。
照射時間は天気にもよるが、最低でも晴天で6時間、曇天なら48時間以上の照射が必要だ。
水が濁っていると太陽光が遮られて消毒効果が期待できないため、濾過など前処理を実施して透明度を確保する必要がある。
泥水であれば、ミョウバンや重曹を入れることで泥を凝集・沈殿させることができる。
反射板を使用して日光を収束させることでより強い殺菌効果も期待できる。

使用するペットボトルは小容量のものを使用したい。2Lや4Lのような大型ペットボトルでは効果が落ちるということだ。

この方法で殺菌した水は保存が効かない。
暗所に置くと残ったバクテリア類が再び活動を再開するためである。
また化学物質などの除去を行っているわけではないため、安全性についてはほかの方法と比べて大きな差がある。
この方法は本当に切羽詰まった時の最終手段となるだろう。
常飲する水は別の方法で確保したい。

コメント

  • 今までこいつがなかったのが不思議だよなあ!とりあえずクッソ最低限の情報をいれた。煮沸消毒はいわゆる大腸菌のような「飲むと腹を下す自然界の水」には効果は十分。汚水逆流など調べても、衣服や食器の煮沸消毒は5分ほど煮立てればヨシ、とされているみたいだ。
    • ついでに塩素消毒についても調べてみた。集団生活なら集団食中毒とか病気の隔離とか感がるとやっぱり塩素消毒は必須である。長期保存のきく塩素タブレットとかあるかなあ?学校のプールとかだと塩素タブレットをぶちこんでた思い出 -- 2024-06-23 (日) 01:53:08
      • そして極めつけの太陽光殺菌だ!!! これは割とガチで追い詰められてる感あるね。火をつけられない、あるいは燃やせるものすらない…うーん。そこらの溝に貯まった雨水を500mlのペットボトルに汲んで窓辺や屋根に置く…。体一つで這いまわってる感じがやっばーい。 -- 2024-06-23 (日) 02:28:42
      • 沸騰と濾過についても記載。とりあえずこれでサバイバルガイドとしては及第点…かなあ?水の処理がメインで収集方法についてまで手が回ってないからなんとかしたいね。 -- 2024-06-23 (日) 03:18:19