2003年の任天堂NEWS7

Last-modified: 2010-10-31 (日) 05:27:57

任天堂、山内溥相談役インタビュー

http://www.inside-games.jp/article/2003/07/02/10969.html
今朝の京都新聞に「この人に聞く」として任天堂の山内溥相談役へのインタビュへが掲載されたそうです。言葉も丸くなってあまり毒舌が発揮されてないのが残念ですがお元気そうで何よりです。

―――ファミコンが20周年を迎える。

幸運にも世界の多くの人に評価していただき、有り難かった。一定量の部品を手配できなくなり今年で生産を止めるが、実際は打ち切りたくないのが本音だ。ただ当時のソフトに名作と呼ばれるものが残っており、それを活用できないか検討をしている。今のユーザーに魅力あるソフトとして認めてもらえるように手直しできるものを取捨選択し、現在のゲーム機で楽しめるようにしたい。

―――SCEがPSPを発表したが。

ソニーの携帯型ゲーム機の発売は来年の暮れだ。まだ影も形もない。にもかかわらず、任天堂の携帯型分野での独占が揺らぐのではと一部の人は言っているが、その人たちはゲームビジネスがよくわかっていない。ゲーム機の新製品競争とゲームビジネスを混合している。任天堂はソフトが主でありゲーム機は従と考えているが、他社はゲーム機の優劣を決める競争をしている。全く違う内容にもかかわらず、同じレベルで見るのは間違いだ。

―――ゲームソフトは大ヒットソフトが出にくい状況が続いている。またソフトメーカーの合従連衡の動きも活発化しているが。

米国、欧州のユーザー動向と日本のユーザーの動向は、以前から違っていたが、それが一段と鮮明になってきた。昨年末の商戦で任天堂の家庭用ゲーム機ゲームキューブが予想を下回る販売となった理由の一つに、欧米で大ヒットしたソフトがあるが、それはとても残虐で暴力的なソフトだ。そうしたソフトを容認する社会の姿勢は日米欧で大きく違う。市場は世界にあるが、我々の命綱であるソフトを展開するのはとても難しい。有能な開発チームを抱えていても欧米では通用しにくいため、ソフトメーカーはビジネスしにくい状況だ。

―――業界の活性化策は。また、任天堂は何を目指すのか。

業界全体が活性化するために、メーカー同士が統合合併するのは、一つの選択肢だろうが、プラスばかりでなく、マイナスもある。むしろ、それぞれのメーカーが持つ特徴や才能、特質をうまく結びつければ、新しい分野が開けるかもしれない。任天堂はそうした他メーカーとの合作によるソフトを今年のクリスマス商戦に市場に出す予定だ。

任天堂株が1万円台を回復

http://www.inside-games.jp/article/2003/07/03/10988.html
記録的な取引量が続いている株式市場ですが、この勢いを受けて元気の無かった任天堂株も4日連続で値を上げ、3月24日以来の1万円台を回復しました。4日はストップ高からスタートし、一時下がりましたが、結局最後は昨日比530円(5.53%)高の1万120円で取引を終えました。

UFJつばさ証券アナリストの岡敬氏は、「相場全体が戻ってきたことで、投資家は前向きになっているようだ。為替が若干の円安に動いたことも買い材料となった」と話ています。また、発売したばかりの『どうぶつの森+e』の売れ行きが好調なことも株高の要因に挙げています。

日経平均株価は少し上がって9624円で今年の最高値を更新。

ELPSA北米売上ランキング

ELPSA調べの北米の最新売上ランキングです。本数は無く順位のみです。一位は『ソニックアドベンチャーDX』です。次いで『ワリオワールド』という結果になっています。『スマブラDX』は米国でも息が長いゲームですね。ELPSAの総合ランキングもリンク先には紹介されているので気になる方はどうぞ。総合の一位はSCEの『SOCOM: US Navy Seals』となっています。ゲームキューブonlyのタイトルは1つもランクインしていないという少し寂しい結果に終っています。

順位タイトル発売元
1ソニックアドベンチャーDXセガ
2ワリオワールド任天堂
3ゼルダの伝説任天堂
4ボンバーマンジェネレーションハドソン
5エンターザマトリックスアタリ
6スプリンターセルユービーアイソフト
7ヒットマン2アイドス
8大乱闘スマッシュブラザーズDX任天堂
9ソニックメガコレクションセガ
10ザ・ハルクユニバーサル

任天堂開発技術部 喜友名毅氏が語る次世代GBディスプレイ

http://www.inside-games.jp/article/2003/07/04/10995.html
東京ビッグサイトにて開催されている「フラットパネルディスプレイ製造技術展」の技術セミナーにおいて、任天堂開発技術部所属の喜友名毅氏が、同社における携帯ゲーム機(ゲームボーイ)向けFPDの採用基準と、その次世代機に求めるFPDの性能について語ったそうです。その内容は以下の通り。

喜友名氏は、携帯ゲーム機向けFPDへの要求事項として「表示性能(明るくきれいに)」「電気的性能」「信頼性(壊れにくい)」「柔軟な生産対応」「価格」の5項目を挙げています。

ゲーム機は子供にとって精密機器としてではなく、あくまでもオモチャとして扱うため、PDAなどでは考えられない状態になっていることが多い。例えば信頼性では、大人が立った高さからコンクリート上のプラスチックタイルに合計10回落とす耐落下衝撃テストや、大人が誤って踏みつけたケースを想定した耐荷重テストを実施。また、85度前後の場所に24時間放置しても動作に異常がないこと、自転車の前カゴや荷台に置いて砂利道や段差を走行しても支障がないことなどをがその性能試験として行われるそうな。

ここ数ヶ月の間にメガピクセル型のCCD素子とQVGA(320x240ドット)以上の解像度を持つ液晶ディスプレイを装備したケータイ電話が相次いでリリースされる中、同社携帯ゲーム機の画面解像度は、初代ゲームボーイシリーズが160×144ピクセル、ゲームボーイアドバンス(GBA)が240×160ピクセルと、あまり高解像度なパネルを採用していません。その理由としては「数値上のスペックよりも、携帯ゲーム機の表示デバイスとしての“見た目”を重視し、その上現行機種(GBA)の解像度は、携帯ゲーム機としてのサイズとコスト面を考慮した上での最適解」であると語っています。

子供の手で持てる携帯性を考えると、FPDサイズは2.5〜3インチ前後にしなければいけない。このサイズでQVGA(320×200ピクセル)などの高解像度パネルはコスト高につながってしまう。GBAでは表示ドライバも専用設計ではなく汎用品を使用してコスト削減を行っている。喜友名氏によると、GBAの240×160ピクセルという解像度は、家庭用TVゲームとのデータ互換性を考慮しただけでなく、入手しやすかった表示ドライバが88ドット対応だったために、解像度も80の倍数になったという。また、解像度についてはフォントの問題もあり、闇雲に解像度を上げてもサイズを大きくしなければ文字が小さくなってしまい見づらくなる他、グラフィックエンジンに求められる性能の上昇や消費電力のアップなどデメリットも多い、とのこと。

また、実際にディスプレイを選定するにあたっては要求仕様上の数値は参考程度であり、携帯ゲーム機向けのFPDは“見た目”がすべてであるとしています。数値よりも、むしろ“黒がしっかり沈んだ”コントラストとか“鮮やかな”色再現性といった、人間の目で実際に見た状態を重視しているそうです。例えるなら「履歴書より面接重視」ってとこでしょうか。

画面の輝度に関しても、さまざまな明るさの環境下でも暗いと感じないことが重視され、導光板の輝度むらなども気にならない範囲であれば採用していくなど、あくまでも見た目を重視。現行機種でも、トーンカーブは人間の視覚特性上でリニアに感じるようにセッティングされており、実際の数値上ではリニアになっていないという。

このような判断基準から、次期ゲームボーイに求める表示性能を以下のように定義しているそうです。

次期ゲームボーイFPD

画面解像度 300×(RGB)×200(18万画素)程度
色数 カラー26万色以上
コントラスト 20以上
色再現性 NTSC比20%以上
ライティング輝度(フロントライト型) 20カンデラ/平方メートル以上
ライティング輝度(バックライト型) 30カンデラ/平方メートル以上
FPD消費電力 typ.70mW前後

だが、この数値も「あくまで参考程度」で、見た目重視という方針は、次世代機のFPDでも変わらないという。

また、新しいFPDの種類として注目を浴び、いくつかのモデルの携帯電話に実装されている他以前これを装備したモデルが出品された「有機EL」については、コスト面から当面は液晶ディスプレイが採用される見込みではあるものの、次世代ディスプレイとしてその動向には注目しているようです。 そのメリットとして自ら光を発するためライティングの必要が無く、高画質、さらに薄型且つ軽量であるという点が上げられていまし。しかし外光に弱く、それを克服しようとすると消費電力と生産性に不安が残るそうです。

ナムコ『I-Ninja』に映画界の大物が協力

http://www.inside-games.jp/article/2003/07/04/11000.html
ナムコは現在英アルゴノーツが開発している新作アクションゲーム『I-Ninja』の開発で大物アニメーターのドン・ブルース氏とゲイリー・ゴールドマン氏と協力すると発表しました。2人は映画「タイタンA.E.(2000)」、「アナスタシア(1997)」、「サンベリーナ おやゆび姫(1994)」などで知られます。また根強い人気がある古典的アーケードゲームの名作『ドラゴンズレイヤー』の開発にも協力しています。

「ドン・ブルースやゲイリー・ゴールのようなアニメーターとナムコが一緒に仕事を出来るのは特別な名誉です。彼らは映画業界で何十年ものキャリアを持っています。そして再びゲーム業界でも彼らは成功するでしょう。私達は彼らが新しい『I-Ninja』のキャラクター達に生命を吹き込むことに大きな役割を果たすだろうと期待しています」とナムコホームテックのJon Kromreyプロデューサーはコメントしています。

「ゲーリーと私はゲーム業界にとても関心を持っていて、ゲームを質の高い映画のような新しい段階に引き上げる手助けをしたいと思います。『I-Ninja』は私達にダイナミックなキャラクターのパレットと仕事が楽しい環境を与えてくれます」とドン・ブルース氏はコメント。

両氏はゲーム中のムービーやCGなどを監修・製作するほか、キャラクターやオブジェクトの動きなどに協力していくとのことです。北米では第4四半期にゲームキューブとプレイステーション2で発売される予定です。国内でも発売されるでしょうから正式発表を待ちたいです。

『メトロイド』の映画製作断念

http://www.inside-games.jp/article/2003/07/05/11007.html
GamersMarkによれば数ヶ月前に話題になった『メトロイド』映画化の話は断念されたようです。ウォーレン・ザイド氏とクレイグ・ペリー氏のZide/Perry Entertainmentが映画化の権利を取得していました。

記事に寄れば権利の期限が切れたとのこと。残念ですね。