性質
バッカス
種類
生物
現在の状態
保護
クラス
セーフ
記録者:
村田上級機関員
措置
- 指定区域(按回市とその周辺)は封鎖せよ。許可なき立ち入りは禁止する。
- 担当機関員は按回市に常駐し当該DCOの発生状況の定期的な確認を行え。
概要

ジャーナリストが撮影した当該DCOの写真。
"手の花"は按回市に発生する異常現象である。当該DCOは人間の腕の集合体の形で市内の都市区域に出現する。多くは花のような形を取り、市内の道路、公園の花壇や床上などに生える。出現後は急速に腐敗し、数時間から数日後に人骨のみが残る。
当該DCOは同市が鉱山ガスによって居住困難地域に指定され、住民退去が開始されてから出現が報告され始めた。
20██年██月█日更新版
なお、補足以外に更新はないので措置・概要は省略。
補足
20██年██月█日追記:
腐敗後に見られる人骨をDNA鑑定したところ、19██年代にあった落盤事故の被害者と同じDNAが検出された。しかしながら、被害者の遺体は既に完全な状態での掘り出し・火葬が完了しており、遺体の骨がそのまま当該DCOとなっているわけではないことが明らかとなった。
この骨がどのようにして複製されたのかは不明である。
20██年██月██日追記:
以下は按回市を研究している環境考古学者とのインタビュー(一部省略)である。
聴取者:村田上級機関員
聴取対象:██氏
<インタビュー開始>
村田:それでは、インタビューを開始します。
██:よろしくお願いします。
村田:単刀直入にお伺いします。「手の花」に関する情報があると聞いたのですが…
██:ええ。それはもちろん。大変興味深い結果となりました。まず、この「花」たちはある方向を向いていることがわかったのです。
村田:…その方向とは?
██:隣町の██市です。その「花」の花弁…というべきでしょうか。それが、我々から見ると必死に██市に手を伸ばしているようにしか見えないのです…
(略)
村田:二つ目を聞かせてもらっても?
██:すいません、話が逸れましたね。2つ目は、その「花」が現れる範囲が鉱山を中心とした半径3kmの場所にしか咲かないということです。
村田:これは…予想通りというべきでしょうか。
██:我々にはなんとも。
村田:…それもそうですね。すいません。
██:では…最後に。この「花」は人間と接触するとすぐに枯れてしまう点です。
村田:どういうことでしょうか?
██:我々が近づくと「花」がくったりと項垂れて、その数時間後には骨しか残っていないのです。他の生物ではこうはなりません。人間だけです。
村田:確かにこれは興味深いですね…
(数秒間の沈黙)
村田:では、これで終わりのようですのでインタビューを終了させていただきます。本日はありがとうございました。
██:ありがとうございました。
<インタビュー終了>
この後、██氏は記憶処理後解放された。
20██年██月█日追記:
「按回」─この町の土着神と言うべきか─は誠に寂しがりやである。
昔から人々を慈しみ、それこそ撫で回すように施しを与えていたので、「按回」という名前となった。
この町で手に関する噂が多いのも、その神が悪戯をしているのだろう。退屈を紛らすためかもしれないし、人々に構ってほしいからかもしれない。
少なくともひとつだけ言えるのは、「按回」は類を見ないほど寂しがりだということである。──按回市にあった古文書の一部の翻訳
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