DCO/3√11匹のメダカ

Last-modified: 2024-05-24 (金) 17:40:40

性質
バッカス

種類
生物

態度
友好的/協力的

現在の状態
活用

クラス
セーフ

記録者:
ベルギガ博士

措置

  • 当該DCOはサイト-708の第一アノマリー保管室DCO研究部、総合職員ルームにて地震などでの転倒への対策を施した上で保管して下さい
    追記:直射日光が当たらない明るい場所での保管が義務付けられました。
  • 必要に応じて水槽の清掃や水の取り替えを行ない、メダカの世話をして下さい。また、サイト内の全職員には他職員の監視付きでメダカとの『触れ合い』が認められています。

概要

「DCO/3√11匹のメダカ」は複数匹の水槽に入ったメダカです。
20██年█月にベルギガ研究員によってアズキニア王国███市のホームセンターで発見されました。その後、アルタイル博士によって同国に存在するサイト-708内の第一アノマリー保管室での保管が決定されました。
当該DCOの異常性は水槽内のメダカの数が、どんな手段での計測によっても「3√11匹」として計測されることです。観測者、人によってこの結果は変わる事例は報告されておらず、如何なる場合においても「3√11匹」と計測されます。また、いかなる場合の計測においても「9匹より多く、10匹よりは少ない」とも計測されました。
これは水槽内からメダカを出した状態にも適用され、水槽から一匹出した場合には水槽内のメダカの数は「3√11-1匹」と計測されます。同様に9匹目を出すまでは水槽内のメダカの数は「3√11-x匹」と計測されますが、最後の1匹を出した場合には水槽内のメダカの数は0匹として計測されることが分かっています。
現在、メダカを意図的に全滅させる実験が提案されています。この実験は永久的に凍結されました。メダカを減らさないように注意して管理・飼育をすることが義務づけられています。
精密検査の結果、メダカ自体にも「3√11匹」と計測される性質点を除いて異常性がないことが確認されました。
水槽自体に異常性はある可能性を考慮して、実験時には破損しないように細心の注意を払って下さい。
水槽自体はこの異常性と全く関係がないことが分かりました。詳しくは補遺1を参照して下さい。現在では必要性に応じて、水槽及び水の交換を行うことが許可されています。

実験記録

実験日時:20██年█月██日
実験担当者:アルタイル博士
行われた実験:水槽内のメダカの内、1匹を取り出して死なないように注意しつつ精密検査を行う。
示された結果:水槽内のメダカは計測の異常性を除いて、通常のメダカと一切の差異がないことが分かった
コメント:メダカ自体に異常性があるわけではないようだ。

実験日時:20██年█月██日
実験担当者:アルタイル博士
行われた実験:メダカを1匹ずつ別々の水槽に隔離する
示された結果:1匹のメダカが入った水槽が9つと、「3√11-9匹」のメダカが入った水槽が一つできた。
コメント:どうやってもメダカの数を自然数には出来ないらしい。

実験日時:20██年█月██日
実験担当者:アルタイル博士
行われた実験先ほどの実験で生じた1匹のメダカと「3√11-9匹」のメダカの際を調べる。
示された結果:両方のメダカには一切差異がなかった。
コメント:だったら、この無理数のメダカ以外は終了しても構わないのではないか?

実験日時:20██年█月██日
実験担当者:ベルギガ博士
行われた実験:メダカの繁殖を試みる
示された結果:メダカの繁殖は成功し、数が増えた。
コメント:本当に良かった!このままでは減るばかりじゃないかと心配していましたからね~

補遺1

20██年█月██日、アルタイル博士が管理の手間の問題から「3√11-9匹」のメダカを除くすべてのメダカを終了し、「3√11-9匹」のメダカを凍結して保管する事を提案しました。この提案は機関アズキニア支部の許可を得ましたが、ベルギガ研究員をはじめとする研究員らが猛烈に反対したため、この提案の実行は見送られました。

これの5日後の20██年█月██日深夜、アルタイル博士が当該DCOを水槽ごと持ってサイトを出たところをベルギガ研究員に発見されて問い詰められ、沈黙の末に水槽をひっくり返して逃走を試みました。アルタイル博士はベルギガ研究員によって取り押さえられ、メダカも駆けつけた職員の迅速な措置によって全個体が生存しました。*1捕えられたアルタイル博士は更迭され、代わりとしてベルギガ研究員が博士に昇進しました。

ベルギガ博士は当該DCOの収容規定の大幅な改定を機関アズキニア支部に打診しました。当該DCOのセラピー効果が認められたことによりこの提案は可決され、DCO研究部、総合職員ルームにて直射日光が当たらない明るい場所で保管されるようになり、メダカは全職員による『触れ合い』が可能になりました。メダカも以前より健康状態が大幅に向上したとの報告が上がっています。繁殖実験の成功を経て、メダカも『水槽に収まる範囲』で増やすことが認められました。

補遺2

20██年█月██日現在、メダカは「3√11+15匹」まで増加しました。これはベルギガ博士を中心とした「サイト-708メダカ保護の会」の結成により希望職員には水槽の清掃や餌やりの業務が割り当てられたことが原因だと思われます。また『触れ合い』の実施により低クラス職員を中心として勤務態度の大幅な向上が見受けられました。

ベルギガ博士のコメント
サイト-701の皆様、いかがお過ごしでしょうか。サイト-708のベルギガと申します。今回はサイトにおける無害アノマリーの飼育について提言させて頂きたく、このようなメッセージを送らせて頂きました。

(中略)

実は先日、新しいメダカが2匹生まれたんです。名前はパネリア研究員が『ラプター』、『メアリー』と名付けてくれました。ただ当前といえば当然なのですが、私を含んだ多くの職員には見分けることができません(苦笑)。ですが何と、シェリー上級研究員には全て見分けることができるらしく、一匹ずつ実験するときも名前を呼びかけながら取り組んでるんですよね。シェリー上級研究員が博士になって私を追い抜かす日は近いですね~。いやぁ、発見者なのに情けない...。おっと、話が逸れました。今の話からわかるとは思いますが、メダカの飼育は当サイト-708に著しい好影響をもたらしました。これを機に、一部サイトでの無害アノマリーの飼育を認めては如何でしょうか?彼らの飼育は多くの職員に安らぎを与え、業務態度の大幅な向上にもつながります。他サイトでもに多様な実例が確認さえていますし、是非一度前向きな御検討をお願いします。以上が私の提言になります。

補遺3

メッセージが閲覧できます。以下の閲覧にはレベル4職員資格の提示が必要になります。資格をお持ちですか?
はい
いいえ





























サイト-701への報告書


サイト-701の皆様、いかがお過ごしでしょうか。サイト-708のシェリーと申します。今回は弊サイトで管理している「DCO/3√11匹のメダカ」について提言させて頂きたく、このようなメッセージを送らせて頂きました。

単刀直入に申し上げさせて頂きます。「DCO/3√11匹のメダカ」は巧妙かつ堪能な方法で、我々に対してその正体を高度に秘匿していました。我々は余りにも重大なことを見落としていたのでしょう。真の異常性は『メダカ』にあって、メダカにはありません。

......私が何を言っているのかあなた達にはまだ分からないでしょう。ですが、まだこのメッセージを読むのを止めないでください。私もこれを文章化するのには大変苦労しました。今から記述するのは、私の実体験です。

20██年█月██日、私は水槽にいた「3√11+25匹」のメダカの健康状態を確認する業務を任されていました。今思えばその日は、サイト-708の外は明朗極まっており、職員全員が季節の変わり目を実感して朗らかな感傷に浸っていました。私がこの世界を蚕食せんとする秘密に気づくには、あまりにも変哲なく、平凡すぎる一日だったのでしょう。午前10時ごろ、軽食を終えた私は水槽の中のメダカを一匹一匹づずつ丁寧に出していきました。その時のことは嫌によく覚えています。何を思ったか私は、その日は愛するメダカ達のために35の小さな水槽を用意してやることにしていました。今思えば、メダカに対する私なりの愛情だったのかもしれません。始めに『ルーカス』、2匹目に『キレーナ』、3匹目に『クリューシュ』...私は順番に一匹ずつメダカを個別の水槽に移していきました。そして、34匹目に『キュラソー』を移し、「3√11-9匹」目...私はこれを『Ω』と読んでいます。には『ピュラ』が残りました。『ピュラ』は『ルーカス』とも『キレーナ』とも一切の差異がないにも関わらず、「3√11-9匹」と計測されます。これはこのDCOの異常性であり、不思議に思いつつ私はその事実を自然と受け入れていました。問題は次ですメダカが存在することになりますね。仮にこの「3√11-9匹」と計測される無理数のメダカを『Ω』と呼称することにしましょう。次にこの時の『Ω』に目印をつけて、先程取り出した9匹の中にもう一度水槽内で混入させます。そして目印をつけた個体を優先して水槽から取り出し、さらに8匹取り出します。当然ながら、『Ω』は目印をつけた個体と一致しません。水槽からの取り出し方によってどの個体も『Ω』となりうるのです。そして、『Ω』を優先して取り出すのは不可能なのです。事前にもうお分かりでしょう...もし『Ω』がたくさんのメダカがいる池には混入してしまったら......?もし『Ω』が無数のメダカが生息する広大な湖に入ってしまったら......?

そうです。『Ω』が入った水中全てのメダカは、『Ω』となる可能性を持っているのです。アルタイル博士もそれを理解していたのかもしれません。現在、ベルギガ博士の取り組みによって無理数のメダカたちは完全に収容されており、当分インシデントが発生する危険はないでしょう。しかし、我々はこのDCOの異常性の流出の可能性を完全に除去したわけではありません。当該DCOのクラスは変更されるべきです。あれは平和な生物ではなく、危険な概念なのです。

また、誰がこの現象がメダカだけで起きていると言ったのでしょう?もっと身近で、我々が最もよく意識し関わる生物も同様の可能性を秘めています。さらには我々が保管し、保護し、研究する物達にも魔の手が迫っているのかもしれません。我々には備える時間が必要です。尤も、既に『Ω』は世界を蝕み始めているのかもしれません。それでも、我々は『Ω』の侵略にどんな手段を用いてでも対抗しなければなりません。

以上が私からの提言となります。機関、そして人類に栄光あれ。

シェリー上級研究員より








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Tag: DCO


*1 博士はメダカをサイト-708近隣を流れる川に投棄しようとしたことが分かっています。