モンスター/【スパイダー】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 14:12:14

原語は「Spider」。

蜘蛛。
現実世界では前胴と後胴に8本の脚を持つ、肉食性節足動物。糸を生成して高所からぶら下がったり、網を張って獲物を捕食する行動で知られている。毒を持つ種類も多いが、アナフィラキシーショック以外に人間を死に至らしめるほどの危険な毒を持つ種類はほとんどいない。
身近な生物でありながら、その形態や習性のため、人間からは様々な解釈、印象がある。
もちろんD&Dで冒険者たちに立ちはだかってくるのは、現実世界ではあり得ないほどの大きさの巨大蜘蛛であるが。ファンタジー作品では現実世界に登場するような小型の種類よりも、より大型で人間をも捕食するような種類がしばしば登場する。

敵あるいは障害としてイメージしやすいのか、メタルフィギュアとしてもいくつも製造されている。D&D公式メタルフィギュアとしてはラルパーサ社から2体セットの物が造られていたことがある。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

ベーシック・ルール・セットルールサイクロペディア版、いずれも原語は「Spider, Giant」。名称の表記で若干違う箇所があるが、どちらも3種が登場している。
種別は下等生物であることと、知力が0であることは共通している。サイズはタランテラのみL、残る2種はM。

ベーシック・ルール・セット

表記は「ジャイアントスパイダー」だが、ルールサイクロペディア版では「ジャイアント・スパイダー(巨大蜘蛛)」と表記されている。
「総てのクモは危険で、多くは毒を持っている。総て肉食で、獲物を網に捕らえたり、不意を打って突然飛びかかったりする。しかし、彼らは賢くなく、しばしば火を恐れる。」と記述されている。
ベーシック・ルール・セットルールサイクロペディアではクラブスパイダー、ブラックウィドー、タランテラの3種が紹介されている。共通事項としてはアライメントがニュートラルであることと、攻撃がかむ1回だけであること、かむ攻撃に毒の効果が付くことが挙げられる。

クラブスパイダー

原語は「Crab Spider」。ルールサイクロペディア版の表記は「クラブ・スパイダー」。
5フィート(約1.5m)の大きさだが、周囲の色に合わせて体色を変える保護色の特殊能力により不意打ち成功率が高い。また噛み付きには毒がある。
ヒットダイスは2。

ブラックウィドー

原語は「Black Widow」。ルールサイクロペディア版の表記は「ブラック・ウィドウ・スパイダー(黒後家蜘蛛)」。
体長7フィート(約2.1m)で、網を張って獲物を待ち構えている。この網はウェブとの呪文と同じ効果を持つ。巣の外では移動速度が低下する。
ヒットダイスは3。

タランテラ

原語は「Tarantella」。ルールサイクロペディア版では「タランテラ(巨大タランチュラ)」と表記されている。
「体長7フィート(約2.1m)、一見するとタランチュラのように見える、巨大な毛深い魔法のクモである。」と記述されている。前者2種の毒と違って、こいつに噛まれて対毒ST判定に失敗しても死ぬわけではないが、激痛を伴う麻痺を起こし、狂ったように踊り出すという効果がある。しかもこの魔法の毒による踊りは見た者にも躍らせるという副次効果がある。踊っている者は命中判定にペナルティを受ける上、数ターンで踊り疲れて倒れてしまう。もちろん、倒れたら無防備状態となる。
ヒットダイスは4。
ちなみにこの蜘蛛型モンスターの元になったのは

タランテラ (tarantella) は、イタリア・ナポリの舞曲。
3/8または6/8拍子のテンポの速い曲である。曲名は、タラントという町の名前に由来するという。また、同じ町の名を由来とする毒蜘蛛のタランチュラに噛まれると、その毒を抜くために踊り続けなければならないとする話から付けられたという説もあるほか、その毒の苦しさゆえに踊り狂って死に、それを表現したという説もある。

出典「ウィキペディア」

AC6 モンスターマニュアル

AC6 モンスターマニュアルでは4種が追加された。

ジャイアントハンティングスパイダー

「全身に毛の生えた、犬くらいの大きさのクモである。(中略)毛の色は普通の周囲の環境の色あいに調和している。」と記述されている。
原始的な社会では猟獣として飼われていることがあり、その場合は士気がやや高い。
野生の場合は士気こそ低いが、複数体による群れを形成している。
ヒットダイスは低く移動速度も人間並み。クモの巣は張らず、毒もない。

ジャイアントサンドスパイダー

外見は「全長6フィートの人肉を喰らうモンスターで、ベージュ色をしており腹の上にオレンジと黒のしみがある。」と記述されている。
その名の通り、砂漠や不毛地帯の地中に隠れており、通りがかった者に不意打ちで先制攻撃を仕掛けようとする。
ヒットダイスは低いが、噛み付きにはがある。

ジャイアントシュラウドスパイダー

外見は「全長6フィートで、とても青く淡い光をした眼以外は全て黒色をしている。」と記述されている。
魔法的な力を持つモンスターであり、邪悪な性質と知性を持つ。
ヒットダイスは低め。移動速度は人間並み。攻撃は噛み付きとクモの糸。広範囲ではないが、巣を作る。

ジャイアントウッドスパイダー

外見は「この不気味に種類のクモは全長3フィートで、長い足をしている。体色は緑で、不規則に茶色のしまがある。」と記述されている。
森林地帯に生息しており、木の枝の上で待ち伏せして、下を通る生物に襲い掛かるという性質を持つ。
ヒットダイスは低い。移動速度は人間並み。攻撃は噛み付きのみだが、ダメージに加えてがある。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでは「クモ(スパイダー)」のページに掲載されている。
解説の序文では、地上と地下に生息する攻撃的な肉食クリーチャーであり、ページ内で解説されている全てが有毒であることが記されている。
このうち陸で生息するラージ・ヒュージ・ジャイアントと大きさの異なる3種と、淡水に棲む巨大蜘蛛と海水に棲む巨大蜘蛛が1種ずつ、最後に次元世界を転移する「フェーズ・スパイダー」の6種が解説されている。
共通するデータはあまりなく、活動時間が常時であること、食性が肉食性であること、攻撃手段が毒が付いてくる噛みつき1回であること、魔法抵抗力が無い事くらい。

ラージ・スパイダー

原語は「Large Spider」。
直径2フィートの大きさの毒蜘蛛。
粘着性の強靭な網を張り、獲物が網にかかったところで集団で襲い掛かる。
気候/地形は極地を除く全域。出現頻度は非常に頻繁。社会構成は集団。知能はなし。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズS。
ヒットダイスは低い。移動速度は遅いが、網の内部ではかなり速く動くことが可能。
攻撃手段は噛み付きだけで、ダメージもかなり低い。ただし対ポイゾンST判定に失敗すると追加ダメージが入るAタイプのがある。毒は弱めのため、ST判定にはボーナスが付く。
蜘蛛の網は脱出可能とはいえ、網に捕らわれた者のストレングスが低いと脱出に時間がかかる。また網にかかった状態ではアーマークラスに制限がかかる上にラージ・スパイダーたちの命中判定にボーナスが付いてしまう。
遭遇時の出現数は最低でも複数のため、網にかかると面倒なことになる。

ヒュージ・スパイダー

原語は「Huge Spider」。
トンネルや穴に隠れて、近づいてきたクリーチャーに飛びかかる性質をもつ毒蜘蛛。大きさは直径6フィートもある。
気候/地形は極地を除く全域。出現頻度は非常に頻繁。社会構成は群れ。知能は動物並み。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズM。
ヒットダイスは低め。移動速度はかなり速い。
攻撃手段は噛み付き1回。ダメージは高くないが、対ポイゾンST判定に失敗すると追加ダメージが入るAタイプのがある。
蜘蛛の網は使えないが、通常の遭遇では地面に隠れているため不意打ち修正が高い。30フィートのジャンプが可能なため、出現数によっては一気にパーティ全員が奇襲されるということにもなりかねない。

ジャイアント・スパイダー

原語は「Giant Spider」。
直径12フィートもの大きさの巨大毒蜘蛛。
ラージ・スパイダー同様、粘着性の強靭な網を張り、獲物が網にかかったところで襲い掛かってくる。
気候/地形は極地を除く全域。出現頻度は頻繁。社会構成は集団。知能は低い。アライメントはCE(カオティック・イービル)。サイズL。
ヒットダイスは低くはない。移動速度は非常に遅いが、網の内部ではそれなりに動ける。
攻撃手段は噛み付き1回。ダメージは高くはないが、対ポイゾンST判定に失敗すると即死するタイプのがある。
蜘蛛の網については特別な記載がないため、ラージ・スパイダーと同じ扱いだろうか。


低いとはいえ、それなりに知能がある上にアライメントがカオティック・イービルなので性質は悪そう。

ジャイアント・ウォーター・スパイダー

原語は「Giant Water Spider」。
淡水で生息している水蜘蛛。現実世界の水蜘蛛同様、仕留めた獲物は水中にある巣に持ち帰る性質がある。
気候/地形は淡水域。出現頻度は非常に頻繁。社会構成は集団。知能は極めて低い。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズM。
ヒットダイスは低くはない。移動速度は陸上と水上・水中が分かれておらず、どちらにしても速い。
攻撃は噛みつき1回。ダメージは低めだが、対ポイゾンST判定に失敗すると即死するタイプのがある。

ジャイアント・マリナー

原語は「Giant Marine Spider」。なぜか「ジャイアント・マリン・スパイダー」ではなく「ジャイアント・マリナー」と表記されている。
海水で生きる水蜘蛛。ジャイアント・ウォーター・スパイダーの海水域生息版だが、体格は直径20フィートと倍以上の大きさがある。
気候/地形は海水域。出現頻度は頻繁。社会構成は集団。知能は極めて低い。アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)。サイズL。
ヒットダイスは高め。移動速度は陸上と水上・水中が分かれておらず、どちらにしても速い。
攻撃は噛みつき1回。ダメージは高めで、対ポイゾンST判定に失敗すると即死するタイプのがある。

フェーズ・スパイダー

フェイズ・スパイダーを参照。

関連用語

下等生物】【プラナースパイダー