いそD

Last-modified: 2023-12-10 (日) 22:52:50

セイバーメトリクスで用いられる指標の一つであるIsoD(アイエスオーディー…Isolated Disciplineの略称)の別称。
おはD」と字面や語感が似ている事から、本表記が定着した。


概要

IsoDとは「出塁率-打率」で算出される、選球眼の良さ及び相手からの警戒具合を表す指標。言い換えれば四死球のみの出塁率である。
好打者の指標の一つとされ、0.07~0.08で合格点、0.10越えなら一流の選球眼を持つと判断される。
例として2022年のIsoDトップはセ・リーグが村上宗隆(ヤクルト)の0.139*1、パ・リーグが西川遥輝(楽天)の0.124。

IsoDが重視される理由は運の影響が少なく、実力通りの値が出やすいため。対極の指標としてBABIP(フェアグラウンドに飛んだ打球がヒットになる割合)が存在し、こちらは運の良し悪しで数値が大きく変動する*2
各指標を組み合わせることで打撃能力のより細かな分析が可能となる。例えばベテラン選手の出塁率が低下した場合は「BABIPの値が悪くなっただけでIsoDの値は変わっていないから、運が悪いだけで実力は衰えていなさそうだ」、あるいは「IsoDが大きく低下しているから動体視力に限界が来ている」など。

なんJ内における位置付け

実力が現れやすいという性質からなんJではレスバトルの道具として引き合いに出されやすい。
下記のように四球を選ばずに結果を残す選手も多いものの、IsoDが低いという理由だけで実力がないと煽られる場合があるので注意が必要である。

低IsoDで結果を残すケース

逆に全くヒットが打てず出塁の大半が四死球という選手は、IsoDが高くなる現象が見られる。例として2017年の岡田幸文打率.000ながらIsoDは0.132という驚異的な数値を記録した。
以上より、IsoD単体での打撃能力の評価は推奨されない


代表的な選手の通算成績(4000打席以上)

高IsoD

選手名活動年出塁率打率IsoD備考
王 貞治1959~1980.446.3010.145歴代IsoD1位
清原和博1986~2008.389 .2720.117


低IsoD

選手名活動年出塁率打率IsoD備考
A・ラミレス2001~2013.336.3010.035
高木守道1960~1980.312.2720.040
篠塚和典1977~1994.351.3040.046
今岡誠1997~2011.325.2790.046
鎌田実1957~1972.261.2340.027歴代IsoDワースト1位
荒木雅博1996~2018.309.2680.041
宮本慎也1995~2013.325.2820.043


余談

近年は岩本貴裕(元広島)が2009~2012年に叩き出した極端な低IsoDがネタにされた。プロ通算242打席目の初四球は歴代最遅記録。通算IsoDは0.018*3

打数出塁率打率IsoD
200933.152.1520.000
2010212.279.2590.020
2011179.253.2230.029
2012239.274.2680.006


関連項目


*1 選球眼の良さに加え、球界屈指のパワーヒッターゆえに敬遠やそれに近い四球を与えられることが多いのも数値を押し上げる要因となっている。
*2 幸運な例:当たり損ねがエラー及びイレギュラーバウンドになりセーフ。不運な例:ヒット性の打球が風で失速したり野手の正面をつくなどして補球されアウト。
*3 ちなみに死球に至ってはキャリア通じても0である。