くたばれ讀賣

Last-modified: 2023-10-04 (水) 00:00:08

讀賣ジャイアンツに対して浴びせられる罵声。元々セ・リーグ5球団にはアンチ巨人が多かったこともあり巨人に批判的な態度を示すファンは多かったが、中でも最も露骨な台詞がこのくたばれコールである。

概要

発祥は東京ヤクルトスワローズの「東京音頭」の前奏部に合わせ傘を振り上げながらこのコールを連呼するというもの。なお、対戦相手が巨人以外であっても「くたばれ讀賣」とコールする。特に対戦相手が(巨人以外の)セ・リーグ球団の時には相手チームファンも一体となって球場全体で「くたばれ讀賣」コールをすることが恒例となっていた。
当然のことながら著しく礼節を欠く行為であるため2008年シーズンから公式応援団は自重しファンには「くたばれ讀賣」の部分を「東京ヤクルト」と歌うよう訴えた*1。「くたばれ讀賣」が既に浸透してしまっていた(前述のように他球団ファンにまで知られる程に)ため、変わっていくまで時間はかかったものの、徐々に「東京ヤクルト」が浸透してきており、少なくとも巨人戦以外ではほとんど見られなくなった。
なお、ヤクルト関連では「くたばれ讀賣」以外にも「マルチテーマB『KO!』」で本来「オイ!」という掛け声のみのパートに「くたばって 死んじまえ 地獄に堕ちろ ジャイアンツ」とコールする、更にひどいんじゃないかというコールもある。

 

近年では阪神ファンの「くたばれ讀賣」コールが目立っている。こちらは攻撃開始時に応援団の吹くトランペット*2に合わせて「くたばれ讀賣そーれいけいけ」と叫ぶもので、こちらも本家と同じくどこが対戦相手であっても、たとえ日米野球やオールスターのような巨人が味方サイドにいる試合でも「くたばれ讀賣」とコールする。これも長年に渡り行われているため、阪神を応援する際の一種の恒例行事と化した。
対ヤクルト戦の際にも東京音頭に合わせて率先して「くたばれ讀賣」コールをする様子もよく見られており、神宮開催ゲームでもヤクルトファンの声援より阪神ファンの「くたばれ讀賣」コールの方が大きい光景も珍しくない。

 

当然イメージ面ではマイナスになるため球団側は快く思っておらず、阪神OBの桧山進次郎による「声援って本当に力になりますよ。でも、子どもに聞かせられないヤジとかはね。例えばくたばれとか。すべての選手に愛のある声援を」という注意喚起メッセージを甲子園球場のオーロラビジョンで試合前やイニング間に放映したり*3、同じくOBの鳥谷敬も「叱咤激励と侮辱は全く違う」と苦言するなど誹謗対策に腐心している。
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Jリーグでの「くたばれ讀賣」

サッカーJ1・FC東京でも「東京音頭」並びに「くたばれ讀賣」コールが使われている。この場合「讀賣」は、Jリーグ誕生前「読売日本サッカークラブ」と名乗っていた東京ヴェルディ1969*4のことを指す。FC東京は敵の敵は味方理論からかヤクルトと親しく、東京音頭の使用を認められている。ちなみにFC東京の応援スタイルはロッテ応援団に影響を与えている*5
FC東京と東京ヴェルディのような同一本拠地同士の対戦*6はサッカーでは大変険悪で、試合前の場外乱闘はザラ、対戦時には野球同様FC東京からヴェルディに「くたばれ讀賣」コールが浴びせられる*7

 

ただし、Jリーグの場合2010年代前半以降は差別・侮辱に関する懲罰規定に準拠した罰則により入場禁止処分や無観客試合*8の対象になる為か過激な挑発行為は減少傾向にある。


関連項目


*1 ヤクルトスワローズ私設応援団「ツバメ軍団」の公式HP公式ブログを参照。
*2 この部分の演奏を止めれば強制的にコールを遮断出来るはずだがそのような動きは今のところ無い。
*3 桧山を起用した注意喚起はコロナ禍に入った2020年以降中断されていたが声出し応援解禁に伴い2023年から再開されている。
*4 1991年に読売新聞社・日本テレビ・よみうりランドの3社が出資しJクラブとして設立、初名ヴェルディ川崎(川崎フロンターレは旧富士通サッカー部で別チーム)。1998年オフに日テレ以外の2者が手を引き、2009年には日テレも経営から撤退。現在はヴェルディの姉妹クラブに当たる女子サッカー・WEリーグ所属の日テレ東京ヴェルディベレーザのみに出資が縮小されている。
*5 なお、ロッテも東京スタジアムを本拠地としていた東京オリオンズ、ロッテオリオンズ時代は東京音頭を使用していた。
*6 特に伝統のあるものは「○○ダービー」という名称で呼ばれることが多い。当該対戦は「東京ダービー」。
*7 ただし、FC東京が2012年以降J1に定着した一方、ヴェルディはJ1に昇格できずにいるため、公式戦での対戦は2011年のJ2が最後である。
*8 日本ではJリーグの中でも特に過激と言われる浦和レッズサポーターによる人種差別的行為の罰として、2014年3月23日に無観客試合を行ったことがある。無観客試合が決行されると会場の賃料等の出費を入場料収入並びに露店販売等の売上で賄えなくなり、浦和クラスのチームだと1試合だけでも億単位の損失を出すとされる。なお前述の懲罰規程はこの約1週間後の同年4月1日から施行されているものである。