ブルガリア事件

Last-modified: 2026-08-25 (火) 00:49:25

杉内俊哉(元ダイエー / ソフトバンク→巨人)が福岡ダイエーホークス時代の2004年6月1日にロッテ戦(福岡ドーム)で起こした事件のこと。
転じて選手やコーチ・監督がベンチで暴れる、ベンチなどの備品を殴打して骨折するなどの行為も「ブルガリア」と呼ばれる。


経緯

杉内はこの試合に先発したが、2回7失点であっさりとKO。
この時ベンチに戻ると杉内は怒りに任せて帽子とグラブをベンチに叩きつけ、さらには投げ腕の左手、さらには右手でベンチを殴りつけてしまう
これにより両手小指付け根骨折の重傷を負い、全治3ヶ月と診断され長期離脱。結局これが同年最後の先発登板となってしまい、試合も6-13で大敗。ダイエー球団からは罰金100万円・謹慎10日を科せられ、さらに事態を重く見た球団は後日罰金を600万円に増額した。

当時ダイエー監督だった王貞治は「戦列を離れなければいけない。悔しさは誰にでもある。だが、何の為に選手としてやっているのか。絶対にやってはいけないことだ」と怒りをあらわにした。
また杉内の引退後もフジテレビの番組『ジャンクスポーツ』でこのシーンが取り上げられた。杉内曰く「滅茶苦茶怒られた」とのことだそう。

ちなみにその後杉内は同年のプレーオフで一軍復帰し、中継ぎとして3試合登板している。

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ブルガリア

この事件はスポーツ紙で大々的に取り上げられ、当時のベンチ内の様子について当時正捕手だった城島健司が「利き手はやめろ!」と叫んだことを各社が報道していた。しかし日刊スポーツがネット上に掲載した記事で

利き手はやめろブルガリア!ブルガリア

と記載。
ブルガリアの部分はしばらくしてから削除されたものの、深刻な事態の報道で唐突に意味不明な単語が現れるという滑稽さから当時のネット上で瞬く間にネタにされ、「ブルガリア」は杉内の代名詞として定着した。


考察

この「ブルガリア」についてネット上では

  • 単純に日刊スポーツの誤植
  • 某社ヨーグルトのステマ
  • 城島は実際には別の言葉を叫んだが、記者や関係者の聞き間違いで「ブルガリア」に置き換わった*1
  • 杉内がチームメイトに「ブルガリア」のあだ名で呼ばれていた*2

といった説が語られた。

この事件は杉内本人や関係者の黒歴史となっており、当時について説明・言及されることが殆どないまま杉内および城島の両選手が引退してしまったが、2020年4月27日に西スポが電話インタビューで事の真相を城島に聞いたところ

「そんなこと言うわけないやん!(笑) ブルガリア? 琴欧洲しか思い浮かばんけどなぁ。『利き手はやめろ』とは言ったけど、その後に何て叫んだかなんて覚えてないですよ」

との事。これにより「杉内のあだ名がブルガリアだった」という説は否定された。


外部リンク


ホークスでの類似例

ソフトバンク時代のホークスでもベンチで怒りに任せて暴れるという事件が複数回発生している。


二代目クラッシャー・神内靖

2010年4月14日の対オリックス戦(京セラD大阪)にて、この日の先発を任された神内靖*4は立ち上がりからオリックス打線に捕まり、2回1/3で7失点。3回途中でノックアウトとなる。
するとマウンドから降りた際、神内は自分のグラブをダッグアウト内に備え付けられていた扇風機に向かって投げつけ、更にはベンチに座るや否や前列の背もたれを力任せに蹴って破壊してしまった。

こちらは本人の負傷こそなかったものの、ビジターの試合にも関わらず相手球場の設備を破壊というプロアスリートとして絶対にやってはいけない行動だったため、当然被害を受けたオリックス側はベンチの修理費7万円を請求。これを受けたソフトバンク球団も(神内自身のコメントを含めた)謝罪文を発表するという異例の事態に。
結局、神内は二軍降格と同時にソフトバンク球団から厳重注意を受け、ベンチの修理費も自費負担と大きな代償を払う事となってしまった。

なお試合は打線が奮起し7回に同点に追い付き神内の黒星こそなくなったものの、8回に登板したブライアン・ファルケンボーグが自身の失策から痛恨の失点をやらかし敗れている。


三代目クラッシャー・杉山一樹

2026年4月11日、ソフトバンクのクローザーとして君臨していた杉山一樹が日本ハム戦(エスコンF)において4点リードの9回に登板。しかし二死から大ピンチを招き、清宮幸太郎の適時打で1失点。
後続は斬ってチームはそのまま勝利したが、この試合を終えて7試合で防御率9.00・0勝1敗4Sと思うような成績が残せていなかった*5杉山は自身の投球への不満から登板後に利き手でない左手でベンチを殴り骨折。翌12日に登録抹消となり*6、1ヶ月ほどの離脱となった。

なお杉内はこの件でコメントを求められ、「熱い気持ちは絶対に必要。これから頑張ってもらえるでしょう」などとコメントしている(ソース: 東スポWEB)。

この事件はヤフーニュースでコメント数1位X(Twitter)でも「ブルガリア」がトレンド1位になっている。


他球団での例

パットン将軍御乱心事件

2019年8月3日のDeNA対巨人戦でも類似事例が発生。詳細は冷蔵庫を参照。


森友哉マスク投げ事件

2022年4月2日の西武対ロッテ戦(ZOZOマリン)でスタメン出場し3打数無安打だった当時西武の森友哉は8回の守備から途中交代。その後ロッカールームでキャッチャーマスクを投げつけ、右手示指基節骨*7を骨折した。
翌3日にこの事実が判明し「令和のブルガリア事件」と呼ばれた。


山田コーチ壁蹴り事件

日本ハムは2022年6月19日のロッテ戦(札幌ドーム)に敗れて本拠地で3タテを被弾。敗戦の悔しさから山田勝彦バッテリーコーチがベンチ裏の壁を蹴った際に右足甲を骨折し、27日まで山中潔二軍バッテリーコーチと担当入れ替えとなった。


バンダ「固いもの」殴り事件?

2024年9月10日のドジャース対カブス戦。ドジャースのリリーフ左腕であるアンソニー・バンダは6回表に登板するも、1回4安打1四球で3失点と乱調。試合後に「フラストレーションで何か固いものを殴って怪我をした(左手亀裂骨折)」という理由で負傷者リスト(IL)入りが発表された。
当然日本でもメジャーのブルガリア事案として騒がれたが、のちに本人が「苛立ちからペーパータオルディスペンサーに手をぶつけた」「何かを殴ったわけじゃない」と釈明。シーズン終盤の優勝争いで離脱したが、プレーオフまでにはなんとか復帰している。


益田直也ロッカー殴打骨折事件

ロッテで守護神を務めていた益田直也は2025年8月19日の楽天戦(ZOZOマリン)で1点リードで抑えとして登板。しかし辰己涼介に同点になる左前適時打を打たれてセーブ失敗、降板となる。
翌20日に登録抹消になり、9月6日にはロッテの球団広報が「上半身のコンディション不良の状態が続いており、メディカルサイドによる見解としては今シーズンの復帰は厳しいとのことです」の趣旨のコメントを発表していた。

しかし、9月19日に毎日新聞が「ロッテ益田投手、ロッカー殴り骨折 250セーブ目前に…全治数カ月*8というスクープ記事を発表。それによると益田は「救援失敗による降板の悔しさから、ロッカーを殴って左手甲を骨折*9。骨折した左手甲の手術を受けて、全治数カ月で今季終了」となっていた。
当該記事は瞬く間にヤフーニュースでトレンド1位になり、Xに至ってはトレンド1位から3位までが関連ワードで独占され、さらには「ブルガリア」までもトレンド入りしこちらも「(ロッテの)ブルガリア事件」と話題になった。

当時の益田はNPB通算250セーブまで残り7Sでシーズンをスタートしたが、この年は22試合で1勝4敗2H5S、防御率4.35、WHIP1.31と絶不調であり浦和送りも経験。
中でも5月2日のソフトバンク戦(みずほPayPay)では2点差の9回に登板した際に2アウトランナーなしから逆転サヨナラ負け*10を献上。この時単独最下位だったソフトバンクを勢いづかせてしまい、最終的にソフトバンクの大逆転リーグ連覇(及び日本一)に繋がったことからペナントレースの戦犯呼ばわりまでされるほどであった。

それでも残り2Sで名球会入りというところまで漕ぎつけていた中、自傷行為で今季絶望になるという大失態を犯した*11こともあり、ロッテファンからは嘆く声が多く上がった。

この日の毎日新聞では、上述のスクープ記事と同時に「「利き手はやめろ」と止められても 感情を抑えられなかった選手たち」の記事が執筆されており、その記事では杉内は勿論のこと、パットンの事件にも文章量を充てて言及されていた。そのためネット上では「ブルガリア」に加えて「冷蔵庫」も蒸し返されて話題となった。


藤川球児ホワイトボード殴打事件

2026年6月10日のソフトバンク対阪神戦(みずほPayPay)で発生。
7回裏一死一塁の場面で阪神・熊谷敬宥が盗塁を試みたもののアウトとなり、阪神監督の藤川球児が審判団にリクエストを要求。映像からはセーフとも取れるシーンだったにもかかわらず判定が覆らずリクエスト失敗となり、それに激怒した藤川が審判にリクエスト後の抗議を行ったことで即座に退場させられた*12ため、怒りに任せてPayPayドームベンチ内のホワイトボードを利き手の右手で殴打するという行動に出た。ホワイトボードには殴られた跡がついたため、その後それを隠すかのようにその部分が紙で覆われた模様。
結局試合はソフトバンクが6-2で勝利し*13、監督共々理不尽な判定に激怒した阪神ファンがラッキーセブンのいざゆけ若鷹軍団をブーイングで妨害したほか、メガホンをグラウンドに投げ入れるなどの行動に出るなどして後味の悪い試合の終わり方となった。
本件はSNSでも盛大にネタにされ、阪神の次のカードでソフトバンクと対戦したヤクルトのつば九郎がPayPayドームで現場検証をしたほか、ハリーホークとのトークショーでも本件をネタにした。


関連項目



Tag: ソフトバンク 報道機関


*1 「ぶん殴るな」「プロやろが」の聞き間違え説など。
*2 ブルガリアヨーグルトが好物だったという説や、「(投手として)前年10勝→明治十勝ヨーグルト→明治ブルガリアヨーグルト」の連想でそう呼ばれていたという説が挙げられた。
*3 記事では先に殴ったのは右手となっているが、YouTubeでもわかるように実際は左手から殴っている。なお杉内は日常生活では右利きである。
*4 2012年オフ、交換トレードで吉川輝昭・多村仁志と共にDeNAへ移籍。
*5 前年にはなかったセーブ失敗も記録している。
*6 ただし、杉山はかつてうつ病を患っていた経験があることに留意。5月8日のロッテ戦で一軍に復帰した。
*7 人差し指の根本の骨。
*8 この記事の執筆者として署名している記者のひとりである荻野公一氏は当時ロッテで同僚だった荻野貴司の兄。
*9 降板直後にベンチの棚を右手で殴りつける様子が映像に収められていたが、それでも怒りが収まらなかった模様。
*10 3連打→死球→サヨナラ2点適時二塁打で敗戦。なお、ホークスファンからは後々「あの日」というワードで語り草にされる試合となった。
*11 なおこの年にお預けとなったNPB通算250Sは翌2026年8月4日の西武戦(ZOZOマリン)で無事達成し、名球会入りを果たした。
*12 このため試合終了まで和田豊が監督代行を務めた。
*13 最終的にこのカードはソフトバンクが阪神を3タテした。